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「事案の概要」
本件は、大手消費者金融会社であるYにおいて、国内の消費者金融子会社を再編する手続の一環として、完全子会社である貸金業者のAが顧客であるXに対して有する約定利率に基づく残債権の譲渡を受けた事案について、Xが、Aとの取引は引き直し計算をすると過払いになっており、この過払金返還債務は上記債権譲渡によりYが承継した等と主張して、Yに対し不当利得返還請求権に基づき、過払金の返還等を求める事案である。
「判旨」
本件債権譲渡基本契約には、個別の債権譲渡によりAの契約上の地位がYに移転する旨又はAが負担する過払金等返還債務をYが当然に承継する旨を定める条項はなく、Xは、本件譲渡に係る通知を受けてから、Aの過払金返還債務につきYが併存的債務引受けをする旨を定めた条項が失効するまでの間に、Yに対し、弁済をしただけであって、右条項に係る受益の意思表示とみる余地のある行為をしていないなど判示の事情の下では、Yは、AのXに対する過払金等返還債務を承継したとはいえない。
判例時報2160号20頁
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