Yasuakiの株式投資日記

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2006年10月24日
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カテゴリ: 個別銘柄
年初の下方修正から株価が暴落を続け、ついに時価総額40億円まで落ち込んでしまっている
ゲンキーですが、先週第1四半期決算が開示されました。1Q決算の中身とともに昨年からの
業績低迷とその経過について検証して行きたいと思います。



今期のゲンキーの出店戦略は従来の900坪を中心とするメガドラッグストアから300坪~
750坪タイプへ徐々に転換していく予定です。つまり店舗業態の種類が多くあり、1店舗あた
りの売上のばらつきも大きくなるため、1店舗あたりの売上の分析では精度が低くなります。
そこで売り場面積当たりの売上・経費を分析する必要があります。売場面積の単位として
「坪数(3.3平方m)」を基準とします。

ゲンキーの場合は既存店に含まれていない店舗が常に全体の2~3割あるので、既存店前期比だ

売上も合わせてチェックしたいです。

店舗の売り場面積(坪数)をどう求めるか、ですが、 小型ドラッグストア は150坪、メガドラッグ
新規店舗 は有価証券報告書に記載されている設備投資の欄から推測(700坪か900坪に振り分
け)、 メガドラッグの既存店舗 は有価証券報告書の「業績の概要」の「単位当たり売上」の欄の
平均売り場面積の数値から前者2つを引いて求めます。

これらから各年度の月毎の延べ売り場面積(営業坪数)は以下の表の通りとなります。この数値
をグラフにして推移を追っていきたいと思います。



ゲンキー表3.PNG
ゲンキー表4.PNG









まず、坪当たりの日販です。

ゲンキー1.PNG


の低迷からも推測することかができます。前期9月までは平均して 4千円 前後推移して
きましたが、10月にいきなり 3.6千円 に下がり、2月までその水準で推移、さらに
3月~5月は 3千円
との価格競争の激化、及び岐阜でのドミナントエリア形成過程における自社内競合によるものです。

ただ6月以降徐々に回復傾向にあり、今期7月以降は平均して 3.5千円 以上を保っています。




結果的に年間平均の坪日販は2004年~2005年は 4千円 だったのが前期平均値は
へと10%も下がってしまいました。これほど坪売上が急激に悪化すれば利益率もかなり
下がるはずですが、前期決算では必ずしもそうはなっていません。それは効率化を進め坪経費を
下げていることによるものです。







次に過去3年の四半期ごとの売り場面積の推移と坪当たり・一日当たり経費の推移を確認してみます。

ゲンキー2.PNG

売り場面積の増加と反比例して坪経費が減少していることがわかります。特に05年1Qから急激に
下がっています。規模の拡大と共にスケールメリットを得て、効率化を進めていることがわかり
ます。

以下年度別平均値です。(単位:千円)

04年 0.65
05年 0.61(-6.1%)
06年 0.59(-3.3%)



本来であれば前期の効率化により営業利益率が劇的に改善するところなのですが、競争激化により
売場面積あたりの売上も落ちてしまい、結果的に利益率はあまり変らない状況となっています。
逆にここまで効率化を進められていなければ昨年の売上の低迷によりほとんど利益が出ない状況
にあったということが言えます。

この点を検証するため、四半期毎の坪売上・坪経費の推移を比較してみます。




ゲンキー3.PNG

坪経費が06年度2Qから急激に下がっているのですが、坪売上は前期(06年度)1Qまで 4千円
前後で推移しているのに対して2Q以降、経費の減少と比例して売上も 3.55千円 に下がって
しまっています。

結果的に経費効率化が進んだにもかかわらず、営業利益率は改善することができていません。





以下は坪経費と営業利益率の推移です。

ゲンキー5.PNG

05年1Qまでは 3% 前後だった営業利益率は、坪経費が大きく減少した05年2Qから営業利益
率も 5%台 に大きく改善しています。ところが坪売上が大きく悪化した06年3Q以降は再び
3% 台へ下がってしまっています。昨年の悪化がなければ今期も安定して5~6%の営業
利益率で推移していたはずですが、大きく経営環境が悪化し、利益率も下がっています。

つまり並みのドラッグストアに成り下がってしまいましたね。昨年私がゲンキーに強気だったのは
経費効率の改善による利益率上昇期待もあったのですが、どうも営業利益率5%は当分期待できそ
うにありませんね。





次に過去3年の四半期ごとの売り場面積と売上高の推移です。ほぼ売り場面積の拡大と比例して
売上高も増加していることがわかります。

ゲンキー4.PNG

ただ前期06年1Qから06年4Qは 売り場面積 1.29倍 になっているのに対して、
売上高 1.08倍 にしかなっておらず、前期は売り場面積の増加に売上がついて
いっていないことがわかります。






上記検証を踏まえて、今期中間決算の予想をしてみます。

まず今期会社計画ですが、同社IRによれば粗利率の前提は20.5%とのことです。これから逆算して
販管費が求められます。営業外損益は前期実績、営業利益は経常利益から押し出しです。粗利率を
若干改善させ、経常利益率も改善させる計画となっています。とにかく、利益率を改善させる計画
なので決して保守的とはいえない計画だと思います。

ゲンキー6.PNG




さらに、今期1Q決算ですが、私が思っていたよりも粗利率が 18.9% と悪かったで
す。1Qは19.5%、2Qで20.5%くらいを想定していたのですが。

今期1Q決算から中間まで会社計画通りの売上となるとすると、販管費はほぼ変らないはずなの
で、予想経常利益を達成するためには 22.2% の粗利率が必要となります。これは過去の
例からもほとんど可能性は低いです。

ゲンキー7.PNG




また過去の四半期ごとの粗利率の推移ですが、1Q、3Qが悪く、2Q、4Qは1%前後よくなる
傾向にあります。これは月次で在庫ロスを保守的に引当て、中間、期末決算での棚卸にて月次の引
当が戻る傾向にあるためとのことです。なので今期2Qの粗利率は20.0%程度で試算しておく
のが妥当かな、と思います。良くて20.5%くらいでしょうか。


これらのことから、中間決算の経常利益は未達に終わる可能性が高く見えますが、実は2Qの営業
坪数から試算すると、売上予想は保守的ではないかと思われます。



<2Qでの営業坪数>

11月中旬に300坪、12月初旬に150坪の店舗を出店予定とのことです。これから、2Q
の延べ営業坪数は 2,098千坪 となる計算です。


<2Qでの坪売上>

1Qの坪売上は3.62千円でした。上の坪売上のグラフを見ると過去の実績では2Qは1Qに
対して5%~10%坪売上が減少する傾向にあります。

ゲンキー8.PNG

このことから、今期2Qの坪売上は3.62×90%= 3.3千円 を前提としておきます。


<2Qの売上予想>

3.3×2,098= 6,923百万円

中間売上予想は14,009百万円となり会社予想を5億円上回りますが、経営環境が昨年のよう
に急激に悪化しない限り(それがありうるのが怖いのですが)それほど強気な試算でもないと考え
ています。


<2Qの経常利益予想>

2Qの 販管費 は中間予想からの押し出しで 1139 となる計算です。ただ1Qの坪
経費×営業坪数だと0.56×2098=1175となりますのでここまでは増える可能性はあり
ます。仮に売上高を 6,923 、販管費を 1139 、営業外損益を +10
で固定しすると粗利率によって経常利益は以下のように変化します。

ゲンキー9.PNG


粗利率は 20% くらいが一番ありそうかな、と考えると中間の予想経常利益550に対
しては今のところ若干未達かな、という試算になりますね。


上記試算はあくまでも机上の空論に過ぎませんので10月以降の月次で精度を高めていく必要があり
ます。







今期12億円の経常利益を達成できるかどうかは別にして、今の時価総額40億円前後は、仮に
今後の利益成長をあきらめたとしても、毎期安定して過去2年と同等の10億円前後の経常利益
を稼ぐ力があると判断すれば、やはり小売企業としては激安な水準だと思います。最低でも50
~60億円(株価17~21万円)はあってもいいと思います。つまり20~30%の安全域が
ある水準と考えています。連日かなりの出来高ですがいったい誰がどのような理由でこの水準で
売ってるんでしょうね。

坪売上はもう2005年度の水準には戻らないと思いますが、前期3-5月の最悪期を脱し回復傾向に
ありますし、今の坪売上を維持できさえすれば、いずれ株価も評価されてくると思うんですけどねー。




今日はワッツを売却。1年半我慢して持ってたのですが、結局あんまし儲かりませんでしたね。
今期予想で売上成長5%、直近の月次でも半年前から成長率は10%を切っているので私にとって
は魅力が薄れました。代わりに同じPER9倍くらいのオンリーを買い増し。こちらは同じPER
でも売上15%成長なのでワッツを持つ理由があまりないです。ただ少し気になるのが在庫の大幅
増加ですね。このせいで営業CFがマイナスです。出店に備えた先行仕入れであればよいのですが。





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最終更新日  2006年10月25日 00時35分20秒
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