それらの特集では、 地球に大接近する巨星 や、 氷河期で凍りついた都市 など、恐ろしい光景が リアルなイラスト で描かれており、読んでいる私たち子どもの心にも 強烈に突き刺さったのでした。
雑誌内でとどまらず、とうとう、まるごと一冊 「人類滅亡」 について語った本としては、秋元文庫の 「地球のほろびる時」 (秋元書房・1975年)や、ナンバーワン・ブックスの 「地球滅亡と未来の世界」 (フレーベル館・1975年)などがあります。

特に、 「地球滅亡と未来の世界」 は、 この先の人類を襲うかもしれない暗黒の未来 が、群を抜いて、多く紹介されており、読者の心に 不安と恐怖を掻き立てます。
まず、カラー口絵で、1982年に起きる 「惑星直列」 が提示されていて、 太陽系の全惑星が並んだイラスト で、読む者にショックを与えるとともに、 時代を感じさせてくれます。
当時は、本当に、 惑星直列で何かが起きるのではないか と騒がれたのですが、結局は、 全く何も起きませんでした。そもそも、惑星直列は 179年周期で到来します ので、その度に絶滅規模の大異変があるのなら、 当然、過去の記録が残っているはずなのであります。
続いて、短編マンガ 「もしも」 が載っているのですが、これが 宇宙ビールスを題材にしたSF です。皮肉にも、 新型コロナに翻弄される今の人類そっくりの情景が描かれているのでした。
以降、 「人間がつくった地球の危機」「おろかな人間!!くりかえす戦争」「地球大異変」「なにもない地球」 という章タイトルが並び、テーマに分けて、 さまざまな人類の危機が紹介されます。地球が滅びるところまでいかないネタも多いのですが、 人類が苦しみながら生き続けているイラスト は、逆に、 地味に怖い です。
こんな本を真剣に読んでいた私 が、のちに、 ノストラダムスの滅亡予言の熱心な愛好者 になってしまったのも、 ある意味、当然なのであります。私の書く小説が、 ネガティブで、人類や文明社会に批判的 なのも、 これらの本の影響を受けているからなのです。
ただし、 「地球滅亡と未来の世界」 には、実は、さりげなく 良心も詰め込まれておりまして、最終章 「ぼくたちの未来は!?」 では、 夢あふれる未来科学の数々 についても触れられていたのでした。まるで、 パンドラの箱の中の「希望」なのです。
そして、こうした 人類滅亡ネタの本 が沢山、発行されていた時代から、 およそ50年が経ちました。
今、我々が住んでいる地球 は、本当に、 これらの本に書かれていた事が現実に起きています。 温室効果 だったり、 大地震 だったり、 核戦争勃発の危惧 だったり、 人口の爆発的増加 だったり、 地球に落下しかねなかった小惑星 ですら頻繁に見つかっています。
半世紀も前から予測されていた のに、結局、 これらの脅威を実際に招いてしまった人類 のことが、やはり、 ほんとに愚かだったのだ とも思わざるを得ないのです。
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