PRESIDENT ONLINE より橋下さんでさえも 「時間をかけて」 と思っていた 「解党」を あっという間に やってしまった 前原さんの 「やりすぎ」は 歴史に残るかもしれない。 前原さんの 「やりすぎ」は 左右どちらの立場から見ても 「拙速」とか「びっくり」 「そこまでやらなくても」 とか いろいろいう方は おられると思うが 民進党を もっとも近くで見てきた 前原さんには 急ぐ必要が あったのかもしれない。 平たく言えば 「早く解党しないと 左派の人たちが何しでかすかわからない。」 くらいの 緊急性。 「山尾議員のリークの次は 何を用意してるか」 くらいのことは 岡田さんが代表していた時の 陰鬱が表情を思い出すと 想像に難くない。 だから 橋下徹でさえも呆れるほどの 「やりすぎ」 に至ったのでは。 橋下徹の文章を 改めためて 読み返すと 非常に安定した 偏りのない 姿勢を感じることができる。 橋下徹を 偏った考え方の 象徴のようにいう人もいるが (それはそれで気持ちはわかる) むしろ 非常な冷静さを 感じる。 政治家が 政治家になろうとする 動機の中に 権力欲があって かまわないし ある意味当然だと思うが、 必要なことは 時代を超えて大きな変化を 起こし得るような 「仕組みを変えるツボ」を 丹念に探し当てるような 姿勢があるべきなのだろう。 一生懸命頑張ればいいようなものでは 当然なくて それには 哲学も行動力も洞察力も必要だ。 橋下徹にはそういったものは だいたい揃っていて 多くの人は 意識するにせよしないにせよ それに気づいているのだが 実際に橋下徹が何かしようと ブツブツ言う人が多い。 二大政党制は大切な課題だ。橋下徹"前原さん、やり過ぎーー!!(笑)"
政治家に緊張感を持たせる二大政党制は一番「まし」な制度
前号では、 10年後・20年後に 二大政党制が 確立することを見据えて、 とにかく今は 自らは屍になる覚悟で、 小池百合子さん、 前原誠司さん、 松井一郎さんたちで 棲み分けの密約をすべきと提言し、 今号で 密約の方向性を語るはずだった。 だけど、 ほんと僕は 完全に無責任な評論家になったと つくづく感じたね。 小池さん、前原さんは棲み分けどころか、 民進党解体って、やり過ぎーー!!(笑) いやー、 これは凄かった。 ここまで小池さんと 前原さんが やるとは全く思っていなかった。 一応、 僕がメルマガで書こうと思った 密約の方向性を紹介すると、 (1)小池さんと松井さんとの間で 東京と大阪の棲み分けをする。 つまり小池新党と 維新は小選挙区でぶつからないようにして 無駄な戦を避ける。 (2)前原さんは、 東京の小池新党と 大阪の維新の力を認めて、 民進は東京・大阪から撤退する。 (3)民進は地方部をメインにするが、 民進のイデオロギーに 囚われている左巻きの 何でも反対勢力や、 小選挙区で 当選する実力がないくせに 議員バッジを確保するためだけに あっち行ったりこっち行ったりする チョロネズミ連中のところには 小池新党や維新の候補者に選挙区を譲って、 民進党の支持率低迷の原因となっている ポンコツガラクタ議員を民進から外に出す。 というものだった。 小池新党と維新の (1)の合意は9月30日に成立。 ところが民進党の (2)(3)については、 前原さんはなんと民進党の解体という アプローチを採った。 僕の提案は、 民進党はとりあえず存続させ、 前原さんが持っている候補者公認権の力で 民進党を解体的に刷新するというもの。 大阪維新は7年かけて 大阪では基盤を築いた。 民進党の議員は大阪市議会では0。 大阪府議会では1。 堺市議会でも党名がなくなってしまった。 国会議員も小選挙区では 辻元清美さんが勝っただけ。 もう消滅状態。 小池新党も、 今後の小池都政の成果を見せることによって 東京で基盤を築く可能性が高く、 それは現民進党が 東京で勢力を 回復する可能性よりもはるかに高い。 大阪維新が 大阪で基盤を築くことができたのは、 大阪府知事、 大阪市長が大阪維新なので、 知事や市長の 行政権・予算編成権を通じて、 大阪維新の政策を 大阪で実行することができたから。 もちろん大阪維新の政策には 賛否両論があるけれども、 それでも口で言うだけではなく、 政策を実際に実行したので、 政策の結果を府民、市民が 現実に感じてくれて支持が固まってきた。 東京においても小池さんが知事として 政策を実際に実行すれば、 都民はその結果を感じることができる。 野党はある意味口だけ、 批判だけで、 政策を実際に実行することはできないので よほどのことがない限り 支持が広がらない。 そうであれば東京都政において 野党である現民進党が 東京で勢力を回復するよりも、 今後都政与党の小池新党 (都民ファーストの会・希望の党)が 基盤を築く可能性の方が高い。 ゆえに民進党は 東京・大阪から撤退して、 加えて民進党の解党的出直しを断行する というのであれば、 民進党のメンバーを 大幅に刷新する必要があると考えたんだ。 二大政党制にも 色々と問題があるが、 政治家に緊張感を持たせるには、 二大政党制が 他の制度と比べて一番ましである。 政治家は落選する危機感を抱いてこそ、 初めて一生懸命になる。 見てよ、 今の民進党の右往左往ぶりを。 あれだけ安倍晋三首相の平和安全法制や 憲法改正の姿勢について 猛反対していた民進党の議員が、 希望の党に入るために その話はもううやむや。 とにかく 当選するために必死になっている。 これが議員の本性。 まあ議員というのは よく言えば戦国武将のようなもので、 大合戦のときに 武将が自分の生き残りをかけて 右往左往するというのは 歴史的事実なんだけどね。 (略) このような意味で、 二大政党制において、 政党間の理念的・観念的対立軸を 予め深く論じることは無意味だ。 では理念的・観念的な対立軸は 横に置いておいて、 現実的な判断ができる2つの政党の 対立軸はどこに求めるべきか。 それは「支持層の違い」である。 政党や議員は 選挙で 有権者の支持を集めなければ勝てない。 つまり新しい政党は 自民党とは違う支持層をがっちりと 固めなければならない。 自民党は良くも悪くも 議員が地域を細かく歩き回り、 イデオロギーに 囚われていない有権者を 支持層に引き込む。 ただその際に、 地域の有力者とのコネクションを 最大限活用する。 自治会、PTAなどなど。 さらには あらゆる企業や業界団体とのコネクションも 活用する。 では 自民党に対抗する もう一つの党は どこを支持層として 掴んでいくべきか。 自民党は地域団体、 業界団体の組織力を頼っているので、 もう一つの党は こういう組織力に頼らない 政党であるべきだ。 民進党は連合という 労働組合を重要な支持団体として いたようだが、 先にも述べたが 労働組合の組織率は 現在非常に低いし、 そもそも今の労働組合は 労働者の中でも正規雇用者を中心に 組織化されたものであり、 現在労働者の4割ほどが 非正規雇用者であることを考えると、 労働組合は 労働者の一部しか代表していない。 さらには民間企業の組合では、 選挙における投票先についての 組合指示などに 組合メンバーは従わない。 だからこのような状況では、 新しい政党は、 労働組合に依存すべきではない。 もっと幅広い国民の利益を 代表するような 政党になるべきだ。 自民党が 組織を中心とした支持層なのであれば、 新しい政党は 非正規雇用者も含めた 労働者全体や、 個人事業主や専業主婦など、 特定の団体に属していない有権者を メインの支持層にすべきだ。 このような新しい政党は 組織力を使えないので、 選挙運動の際、票を集めるのは大変だ。 でもこれからの時代は インターネットを駆使して 組織力を上回る力で 人のつながりを作っていくことができる時代だ。 組織に依存しないかたちで 支持層を広げていくことを 頑張らないと 結局二大政党制は確立できない。 自民党は従来通り組織力を活用する。 新しい政党は組織に頼らず、 地道な地元活動に加えて 新しい方法で票を獲得していく。 そもそも 政党が作り出す 政策・制度というのは 政治家のイデオロギーには ほとんど左右されない。 現実的には支持層に左右される。 自民党は業界団体からの圧力によって 業界を守る規制・税制からどうしても抜けきれない。 たばこ規制(禁煙ルール)も 結局たばこ業界や 飲食店業界からの圧力で 自民党は厳しい規制(禁煙ルール)に 乗り出せない。 ところが そのような業界団体からの圧力を 気にしなくてもいい小池さんは、 東京都において 厳しいたばこ規制(禁煙ルール)を打ち出した。 これが 支持層の違いによって 政策が左右される象徴例だ。 特定の業界や団体・組織に 目配りする政党か、 それとも特定の業界や団体・組織に 目配りせず、 一般の有権者を意識する政党か。 新しい政党は後者であるべきで、 そのような特定団体からの圧力に負けない 政策・税制をガンガン展開すべきだ。 そのためには 企業団体から 政治献金を受けないことが 新しい政党の最重要ポイントとなる。 このような 政党間の競争状態が生まれて 自民党も負けじと切磋琢磨する。 安倍政権もTPPや農業改革では 業界団体とはせめぎ合いをやったが、 それでも農協団体票を頼りにしている以上、 最後は突き抜けた改革はできない。 しかし 小池新党が 農協団体票を気にしない 大胆な農業改革を掲げれば、 自民党も意識せざるを得なくなるし、 最後は選挙を通じて 国民がどちらかを選択すればいい。 政策は政治家のイデオロギーに左右されない というのは、 民主主義では当たり前の話だ。 民主政治においては 政治家は有権者に左右される。 そして日本の有権者は イデオロギーに囚われている人は少ないし、 宗教対立も階級対立も 激しくないので 価値観の対立も激しくない。 であれば、 政治家がイデオロギーや価値観に 囚われる方がおかしい。 だいたい保守だ、リベラルだ、と やっているのは 政治家と暇な学者や メディアなどの自称インテリだけで、 毎日汗水流して働いて 一生懸命納税してくれている 圧倒的多数の有権者は、 保守だ、リベラルだなんて意識していない。 圧倒的多数の有権者が保守だ、 リベラルだなんて 意識していないのに、 政治家が保守だ、リベラルだと 叫んでいることが そもそも滑稽なんだよね。 これまでの 55年体制の野党において イデオロギーや 価値観に囚われた議員が多かったのは、 中選挙区制の下、 万年野党が成立したからだ。 有権者の意向に関係なく、 政治家は自由気ままに 自分のイデオロギーや 価値観に拘泥できた。 しかし今はそういう時代ではない。 日本の有権者が イデオロギーや 価値観に囚われていない以上、 政治家もそのようなものに 囚われるべきはないし、 イデオロギーや 価値観に囚われる政治家は、 今後二大政党制の枠組みからは 追放されていくだろう。 ゆえに、 日本の二大政党制では イデオロギーや価値観よりも、 支持層の違いが非常に重要になる。 このように イデオロギーや 価値観に拘泥しない 二つの政党ができれば、 あとは日本社会や 有権者のそのときの 状況に合わせて 各政党による政策の切磋琢磨が始まるだろう。 政党間の 競争環境さえ整えば、 各政党はお互いに 差別化を図って 自ずと 政策の対立軸は生まれてくる。 その際、 自民党も小池新党も 時代と有権者に合わせて、 これまでは リベラルのラベルを貼られていた政策も 掲げてくるよ。 安倍政権の教育の無償化、 小池さんの選択的夫婦別姓制などが その流れの象徴だね。 そして 最後は有権者が 政権与党の実績評価と同時に、 各政党の政策評価、 そして各政党の実行力評価によって 政党を選んでいく。 これが二大政党制だ。 (略)現実的判断ができる自民以外の政治勢力の芽ができる、それだけで大成功だ!
小池さんは 劇場型選挙を狙って 話題を提供しているが、 民進党議員の入党について 混乱が目に付いてきた。 選挙の前哨戦は始まっており、 10月10日が公示である。 混乱のまま選挙戦本番に突入すると、 さすがにそんな混乱した政党には 委ねるわけにはいかない という有権者の判断になり、 希望の党への期待は 萎んでいくだろう。 二大政党制は 一気にはできない。 さらに 今回の一回の選挙で 政権交代を狙うというのも 無謀すぎる。 もちろん戦は 博打の面があるが、 僕は自称インテリの類に 入ってしまったのだろう。 自分が試みて失敗した反省を基に 二大政党制の手順を どうしても慎重に考えてしまう。 55年体制から続いている 自民党に対抗できる 新しい政治グループを作るには 少なくても5年はかかる。 大阪ではできつつある。 東京ではこれからスタートだ。 民進党はチョロネズミ議員と イデオロギー議員を放出して 現実判断ができる議員で固め直す。 そして この3グループが 共倒れにならないように 足元を固め、 時には批判をし合い、 切磋琢磨をしながら政党として 強固になっていく。 そのようにして 次の世代において、 3つの派閥になるような形で、 一つの政治グループにまとまっていく。 3派閥間の権力闘争は 激烈にやればいい。 一人の看板で、 風を吹かすことができるのは 一回まで。 この選挙が終われば 希望の党の実力が 現実的に見えてくる。 野党では何もできないし、 小池さんも都政に力を入れるなら、 野党希望の党が 高い支持率をキープするのは困難だ。 一回目の風で 50席以上確保した 日本維新の会の支持も あっという間に下がっていった。 そして看板による風だけで 当選した議員は、 ほとんど使い物にならない。 議員の身分を維持したいがために、 あっちに行ったりこっちに行ったり。 やっぱり小選挙区でも勝てる、 そして負けたとしても 自民党と十分勝負ができる議員が 核になる政党にならなければならない。 そういう意味では、 今回の一回限りの選挙で 勝負を付けるというよりも、 10年後・20年後を見据えて、 真の二大政党制のきっかけづくりという意味で、 小池さん、 前原さん、 松井さんには一歩を踏み出して欲しい。 そのような意味で 3者の棲み分けを提案した。 ところが今は、 民進党の解体プロセスに入っている。 しかし民進党の解体プロセスというもので 大荒れとなっても、 目指すところは、 僕が提案した 3者密約の方向になると思う。 東京は希望の党、 大阪は維新。 そしてチョロネズミ民進議員、 イデオロギー的民進党議員には退場願う。 これを民進党について 前原さん自らが仕切ってやるのか、 民進党を解体した上で 小池さんの公認権で 実行していくのか。 前原さんは後者を選んだに過ぎない。 小池さんと松井さんの合意は完了した。 あとは小池さんが ポンコツガラクタ民進党議員を 切っていくだけである。
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