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2017年12月02日

日本教育の“弱点” グローバルな人材が育たない3つの理由

文春オンライン より 

日本教育の“弱点” グローバルな人材が育たない3つの理由

『レッジョ・アプローチ 世界で最も注目される幼児教育』が画期的な理由

1991年、ニューズウィーク誌で 「世界で最も先進的な初期教育」 として「レッジョ・アプローチ」 を取り入れた幼児学校が紹介された。 その教育はモンテッソーリを継ぐ 画期的な手法であるとして 世界中のインテリ層が注目している。 『レッジョ・アプローチ  世界で最も注目される幼児教育』 の著者で、 自身も日本で子育て中の アレッサンドラ・ミラーニさんに、 その特徴を聞いた。 ◆◆◆ 『レッジョ・アプローチ 世界で最も注目される幼児教育』 (アレッサンドラ・ミラーニ 著 水沢透 訳)   私がレッジョ・アプローチに初めて出会ったのは、 今から十数年前のことです。 当時私は、アメリカでしていた、 獣医学の研究者という仕事を途中で中断し、 日本に来て、 インターナショナルスクールの 幼児クラスの教師をしていました。 イタリアで幼稚園教師の資格は 取得していたものの、 現代の、 いろいろな文化的背景を持った 子供を預かる国際的なクラスで教えるために、 一番ふさわしい教育方法は 何かを模索していました。 そんな中で出会ったのが、 1945年に北イタリアの小さな街、 レッジョ・エミリアで生まれた レッジョ・アプローチという 教育法だったのです。

グローバルな人材が育たない日本の教育

 私自身、女の子と男の子、 2人の子供の母親なのですが、 我が子を最初は日本の公立の小学校に 通わせていました。 その体験から、 どんどんグローバル化してゆく これからの社会を 背負って立つ人を育てるという観点から見ると、 日本の教育には大きな欠点が いくつかあることに気付きました。   1つめは、 教育内容が、 子供たちから見て受け身の、 知識の習得中心に偏り過ぎていること、 そして生徒たちがペーパーテストの結果に 縛られ過ぎていることです。   その一方で、 知識を現実の社会や生活と結びつけて、 創造的な学習をすること、 自発的、かつ批判的な思考をしながら、 クリエイティブに物事を推し進めていく力を 養うような教育が、 軽視されているように感じました。   2つめは、 子供の個性を尊重し、 伸ばすような教育がきちんと行われていないこと。 特に中学校以降になると、 全ての生徒が画一的に、 無条件に守らなければいけない 「校則」があります。 でも、その校則が何のためにあるのか、 子供や家族には説明がありません。 ただ決まりだから、 みんな守っているからというだけ。 それを誰も不思議に思わない。 そんな環境で個性的な人間が育つのかな、 という疑問を持ちました。   3つめは、 自分の考えを積極的に主張したり、 他の子と議論したり、 ネゴシエーションしたりということを、 あまりにもさせないこと。 実は、これが一番問題だと思います。 自分とは立場や考え方が違う人と議論したり、 コミュニケーションをとったりという機会が 少ないまま育てられた子供は、 これからどんどん社会が国際化する中で、 様々に意見や利害、 立場が異なる人々が一緒に働く場に置かれたとき、 チームの仕事に重要な貢献をしたり、 イニシアチブをとったりしていくことが、 困難になると思います。

レッジョ・アプローチが日本の子供の弱点を補う

本書のテーマである レッジョ・アプローチは、 子供を無力で、大人から一方的に 物事を教えてもらうべき、 未熟な存在とみなしません。 子供を、 大人と同じ権利を持った人間として認めた上で、 子供の自発的な選択、発想、意志といったものを 最大限に生かします。 これによって子供たちの 自主性、創造力、決断力、表現力が伸びていきます。   レッジョのプレスクールで学ぶ子供たちを見て、 よく驚かれるのは、 パソコンやプリンター、ウェブカメラといった ハイテク機器を使いこなしているだけでなく、 アクリル絵の具や泥、針金といった、 ふつうは幼児に触らせないようなものを使って、 自在にものを作り出していることです。 こうした「汚れるもの」「あぶないもの」から 遠ざけるのではなく、 子供たち自身が注意して扱えるよう 大人がサポートするのが、 レッジョの考え方といえるでしょう。   また、レッジョ・アプローチの教育法には 「時間割」というものがありません。 その日にやる主な活動のプログラムは、 朝のミーティングの時間に 子供たち同士が話し合って決めます。 こうしたことによって 「指示待ち」人間とは違う、 将来、イノベーションを起こせる 能力を持った人材が育っていくのです。   もう1つ重要な点は、 レッジョ・アプローチが、 グループで話し合い、行動する、 つまり「協働」することを重視している ということです。 そうした中で、 子供たちは他者とコミュニケーションをとり、 ネゴシエーションし、 お互いの考え方や好み、 立場の違いをすり合わせながら 物事を前に進めていきます。 本当の意味での 社会性を伸ばしていくことができるのです。   たとえば、 本書の中でも紹介した例ですが、 ある4歳児のグループが皆で使っている 小テーブルの長さを測ることになりました。 彼らはメジャーや物差しのような 道具を持っていないし、 使い方も知りません。 どうしたと思いますか?  最初は毛糸で測ろうとしていたのですが、 両側から引っ張ると 伸びて長さが変わることに気付き、 話し合いの結果、 引っ張っても長さの変わらない お絵描き用のカラーマーカーを 使うことにしたのです。 テーブルの長さは 「カラーマーカー8本とペットボトルのふた1個分」 であることがわかりました。 彼らは4歳にして、 ちゃんと協議し、 皆で協力し合ってものごとを 解決する能力を持っているのです。   このような観点から見ると、 レッジョ・アプローチには、 日本の子供たちの弱い点を 補う力があると思います。 もちろん、幼児教育だけで 教育問題が解決するわけではありません。 しかし、 コミュニケーション能力、社会性、創造性 といったものの基本的な部分は、 子供時代のごく初期に形成され、 その人の生涯にわたって決定的な影響を与える、 非常に重要なものとなります。 ですから、 レッジョ・アプローチの 幼児教育を経験する子供は、 確実に大きなプレゼントを もらうことになるでしょう。

「最も先進的な幼児教育法」と評価される理由

http://www.kpischool.com/j.contact.html   なお、ご予約なしのご訪問は固くお断りいたします。   本書の内容、およびレッジョ・アプローチに関するご質問は、お手数ですが、下記のアドレスまで必ず英文にてお問い合わせください。 milani@il-centro.net ——— アレッサンドラ・ミラーニ 1966年、イタリアのカステルフランコ・ヴェネト生まれ。故郷で幼児教育と学童教育を学び、小学校教員の資格を取得。パルマ大学獣医学科を卒業後、EUの奨学金でスペインのサラゴサ大学に留学。1993年米国のカリフォルニア大学デービス校に移り、比較病理学の修士号を得る。その後同校の研究者として勤務していたが、幼児教育への情熱を捨てがたく、縁あって来日した後はその道に専心。約9年前、在日イタリア人やイタリア人とのハーフの子供を教えるプレスクール、ダンテ・アリギエーリ協会東京支部「GGDA」 http://www.il-centro.net/wpggda/ を創設、校長兼教員に就任。レッジョ・エミリアのメソッドを使った教育を実践している。二児の母でもある。
だいたいこの手の話は 日本の将来に向けた話で 緊急性はない話として 扱われるものだが、 そのこと自体が 大きな問題だと思っていただきたい。 確かに来月末までには なんとかしなければいけない ような緊急性ではないが 欧米の人間が 今普通にしているような 国という単位を意識せずに いろいろな文化を受け入れて楽しみ たくさんの意味ある刺激から より個性的な自己や社会のあり方を 考えている姿を考えると 日本がこのままで良いわけがない とごく当たり前に感じる。 生活のエリアが 狭ければ狭いほど 人間関係や 形式的な手続きのようなものの 重要度が増す。 反対に エリアが広くなれば広くなるほど 自分が自分の立場や もののあり方を 主張しなければならない場が増え 結果的に積極的な工夫や創造が 必要になる。 人間関係や 形式的な手続きのようなものでも 当然工夫や創造は本来必要なのだが ともすれば 過度に周囲に自分を合わせること つまり 考えないことの方が 価値を持ちやすくなる。 そこで違ってくる 個人の人生の質 また 社会への意識の質 社会そのもの質の違いは まだまだ日本人の多くには 伝わっていないかもしれない。 もっとも それは海外旅行で 知ることのできる質のものではない。 短期間であっても 海外の生活にふれ 家庭生活にふれ 個人のヴィジョンにふれなくては 実感できないかもしれない。 しかし 本などのメディアから 知識として知って置くことは できるし必要だと思っている。 そして グローバル化とは 乗り越えなくてはいけない 難しい課題ではなくて 待っている すばらしく 楽しい姿であることも 知っていく必要がある。

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