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2017年11月06日

アンチ新井素子でした!


ナツノナカノです。

日曜予定の本の話をすこし。


【新井素子VS氷室冴子論争】

子供のころから本ばかり読んでいた私は、中学生になってコバルト文庫の世界にはまっていきました。コバルト文庫は集英社から出ている少女向けの、今でいうライトノベルのカテゴリなのですが、わかりやすい乙女チックな物語からSFまで多彩なラインナップが出ていました。私は当時、藤本ひとみ先生や氷室冴子先生が好きだったのですが、やはり文学少女仲間では好みに違いがありました。そして私の一番の親友が好きだったのが “新井素子先生”です。そして私と彼女とでよく「新井素子と氷室冴子」ではどちらが面白いか、という論争になったのです。



これはあくまで私と友人とで争った話ですので、実際の先生がたがどーとか、という話ではありませんww



新井素子先生の本は、当時出ていたものはあらかた読んだと思います。でも、正直好みではなかったんですよね。新井先生の文章はとにかく尖っていたんです。明らかに他の作家さんとは一線を画していたというか…。他の作家さんの文章が優しくわかりやすく語りかけてくれるのに対して、新井素子先生の文章はなんというか上からグイグイくる…こちらサイドに寄せてもこないし私はこういう文章だけど、まぁ理解出来るならついてくれば?というような感じを受けたんです。(本当にあくまで私の勝手な想像です)



当時、思春期の文学少女が大抵やるように、私も小説っぽいものを書いていました。っぽいもの…という言い方で表すのはそれがあまりに稚拙だったからです。それでも、いつか自分が氷室冴子先生や久美沙織先生みたいになれるのではないか…なんて甘酸っぱい事を考えていたわけですよ。甘っちょろいですねww

コバルトノベル大賞の応募要項をじっくり読んでみたり、実際にショート・ショート部門に応募してみたりしてたんですよ。いや、お恥ずかしい



ところが、新井素子先生の本を読んだときに、私なんぞが頑張っても頑張っても書けないであろう文章というもの、その文章を生み出す才能に打ちのめされてしまったんです。それはもうこてんぱんに。確かに好みではない文章と作品でしたが、それがものすごく高い場所にある光り輝く才能だという事を瞬時に理解させられた気がしました。








でも…あれから30年以上が過ぎましたが、例えば何かの文章を読んだ時、漫画を読んだときに「新井素子っぽいな…」と思う事があるのです。


それはまるでうっかり太陽を見てしまった時のように、焼き付いて離れない残光がいまなお私の中に残っているからだと思います。


しかし強いて言うなら新井素子先生の 「…絶句」はちょっと面白かったです…。嫌いだと思っていましたが、他の作品も今改めて読むと全く違う事を感じるのかもしれませんね。今更ですが…。


…絶句〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)


それともちろん、大好きだった氷室冴子先生や他の先生方の作品が新井素子先生の作品より劣っている訳では全然ございません。氷室先生はすでにお亡くなりになっていらっしゃいますが、今でも先生の作品は大好きだし素晴らしいと思っています。”平安時代”というものを全国の少女たちに、すごく身近に感じさせてくれた功績は大きいですね。 「高彬〜〜〜!」(なんて素敵にジャパネスクより)

【こちらは山内直実先生による漫画版です】

なんて素敵にジャパネスク 1 (白泉社文庫)


ともかく、勉強そっちのけで小説ばかり読んでは、友人とその面白さや批判を語り合う文学にどっぷりとはまっていた思春期でしたね。

そんな中学生のある日ふらりと立ち寄った本屋で、「パタリロ!」と同じくその後の私の人生を支えてくれる村上春樹先生の本に出会う事になるのですが、その話はまた来週に…。

【今でも覚えている友人との会話】
menndokusaionnnajpg.jpg

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