カンボジアの旅11

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バイタクの兄ちゃんが連れてきてくれたのが、アプサラホテルと言う名前の宿であった。自分達が泊まりたかったのが、チェンラホテルだったのだが歩いて3分ほどの近さであった。アプサラは小部屋と大部屋の二つあるのだが、小部屋は欧米人、大部屋は日本人と自然に分かれたようだ。もちろん、小部屋に行きたければ日本人も利用出来るが、大部屋の料金が一泊1ドルと安いのが魅力だった。宿の真ん中にはレストランがあった。チェックインをして昼過ぎに街を歩いてみた。比較的大きい川があり、そこを渡ると市場があるのだが、川沿いに4軒のぶっかけ屋があった。その名の通り、ご飯に好きな具材を選んでぶっかけて食べるのだが、日本円にして50円ほどの安さであった。シェムリアップにいる時の昼御飯は毎日通っていた。市場では特に目新しい物もなく宿に戻ってノンビリしていたら、店主がアンコールワットに行かないのか?と聞いてきたので、今日は行かないけど、明日か明後日には行くと答えたら、宿でチケットを買って欲しいと言われたのでオッケーした。夜になり、治安も良くないので宿のレストランで食事をしてアンコールビールを飲んでいたら、バイタクの兄ちゃんが流暢な英語で酔いながら話かけてきた。君達は、いくら持っているのか?100ドルなんて安いもんだ!とか、やたらお金の話をするのだが酔っているだけなのかと話を聞いて、現地の兄ちゃんと友達になったと思っていた。夜の10時になり、3時間位飲んでいると小部屋から白人女性が大泣きしてレストランに来た。なんと、パスポートや現金500ドルが盗まれたと叫んでいる。レストランは満員状態で大混乱になった。みんな自分の貴重品を確認しに部屋に戻ったりしていた。どこで発覚したのか分からないが、さっきの兄ちゃんが犯人だとバイタクの兄ちゃんが言い出した。あいつは今朝から酒を飲んでお金の話をしているから怪しいとなった。その兄ちゃんの言う通り、犯人のバイクのメット入れの底からパスポートと現金が出てきた。そこからが大変だった。宿の株はガタ落ちに、みんな明日チェックアウトすると言い出し、店主は犯人に大激怒。竹の棒を持ってきて、殴る蹴る叩くで犯人の身体と顔は一気に腫れ上がった。このままでは死んでしまうと思い、宿泊者で、その場を止めたが犯人は息をするのがやっと。生まれて初めて人間が殺されそうな所までを見てしまった。カンボジア人にとってみると実際に殺されてるひとを見ているから平気なのだろうが、被害者は大丈夫だから殴るのを止めてと言うほど酷かった。犯人は警察が引き取りいなくなったが、恐らく警察で拘留され無事に帰って来れないと思うとバイタクの兄ちゃんが言っていた。しかし、宿でこんな事件があったので次の日にチェックアウトする白人は多かった。


2014年10月15日

カンボジアの旅12

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次の日に白人がチェックアウトして行く中で、昨夜の事件の事を思い出した。欧米人の1人が、どうもアンコールワットに行く時は悪路で、帰りが舗装されている道で、チケットも記念に欲しいんだがくれないんだよね。と言う話があった。でも、アンコールワットへの送迎は無料だからいいんじゃないかな?と思ったがカラクリがあった。チケットは使い回しをしていて、裏の入口と宿の店主は仲間なのであった。アンコールワット3日間チケットが、40ドルだとすると正規チケットではないので山分けになる仕組みだ。舗装された所の入口は厳重な警戒をしているので、チケットの使い回しは出来ない。なるほど、どこの宿も格安過ぎるのはアンコールワットへの闇ルートがあるから、安宿の割に設備が整っていたりするのかと分かった。それを知ってでも、店主からチケットを自分達は買ってバイタクを呼んだ。さぁ、世界遺産で有名なアンコールワットへいざ出陣!


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15年前のアジア放浪記をまとめております。 世界は広いです。一歩踏み出せば、そこは日本では通じない モラルが待っています。
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