登山に誘われた時、装備のアドバイスで
「トレッキングポール用意したほうがいいよ」
と言われることがあると思います。
また、実際登山に行ってみたり、富士登山の報道を見たりすると、
かなりの割合でトレッキングポールを使っている登山者を見ます。
果たして、トレッキングポールは必要か
トレッキングポールの特徴と使用上のメリット・デメリットを解説します。
?@トレッキングポールの種類
トレッキングポールは大きくグリップのデザインで2種類に分けられます。
丁字になっているT型とストレートなI型になります。
●T型グリップの特徴と使用方法
T型グリップは、一般的な歩行用の杖のような感じで使います。
基本的に一本使いです。
グリップの上部を握り込んで、歩行時に体を支えるような感じになります。
快適なグリップ位置は、自分のベルトの高さにセットすると長さを持てあますことが無いでしょう。
●I型グリップの特徴と使用方法
I型グリップの場合は、左右のバランスを取りながら、転倒防止し、
推進力が増す動きになります。
その為、基本的に2本使いです。
ニュートラルなグリップ位置は、肘を90°に曲げた手の高さです。
これを基準に登りは短く、下りは長く調整して、快適なポジションで使います。
?A価格の違い
価格の違いは、シャフトとグリップの素材の違いで変わります。
シャフトの素材は、主にアルミとカーボンになります。
アルミは加工しやすく、比較的安価。
カーボンは、柔軟性があって非常に軽量。
登山用品で同機能なら軽量なものが神なので、この場合はカーボンの方が高価になります。
グリップの素材ですが、主にプラスチック、樹脂(ゴム)、コルク、サーモスポンジ
ですが、ここは快適さで価格が変わります。
プラスチック<樹脂<コルク≒サーモ
といった感じでプラスチック製が一番安価です。ただし、硬いためマメができやすく滑るといったマイナス面があります。
?Bメリット
トレッキングポールを使うメリットとは、
1.転倒防止
トレッキングポールの最大の役割は「転倒防止」です。
荒れた登山道を歩くと、つまづいたり、スリップしたり、転倒の危険性があります。
なぜなら、歩くとき人は毎歩一本足で立っていて不安定だからです。
そこにポールを使うと支点が増え、バランスをとることが出来ます。
これによって、転倒防止につながります。
2.下半身の疲労軽減
荷物を背負って坂道を登ったり、降りたりすることは、日常生活と比較して、
かなり下半身に負担をかけています。
人は毎歩一本足で全体の8割以上を支えているので、かなりの筋疲労です。
よく、下山時に膝が笑うのはこのためです。
ポールを使うと支点が増え、荷重が分散し、足だけではなく上半身(腕や肩)の筋力を使う為、
下半身に負担が集中しなくなります。
よって下半身の疲労軽減につながります。
ロングトレイルや装備重量が増した場合は、トレッキングポールのありがたさが身に沁みます。
3.歩行スピードアップ
特にI型グリップのダブルポール使いの場合、進行方向に突いて体を支えるだけではなく、後方に突いて体を押し出し、推進力をアップさせる歩き方ができます。
また、上り坂でも片足で体を押し上げるよりも、両手を使って3つの力で押しあげた方が楽ですし、スピードも増します。
歩行スピードが上がってくればば、今まで以上のコースタイムの山にチャレンジでき、さらなる世界へ歩いていけるでしょう。
?Cデメリット
トレッキングポールを使うデメリットとは、
1.登山道を疲弊させる
これは、よく言われる登山道維持問題で、ポールを使わなくでも人が大勢歩く登山道は削れていき疲弊します。そこに、ポールを突き立てることで、さらに道が掘り返されて疲弊は進みます。また、高山植物の植生を荒らしてしまうこともあります。
また、人工物ですが、木道や階段もポールによって穴が開いたり削れてしまいます。
対策としては、
特に日本の登山では登山保護の観点から、ポールキャップをはめて使用することが推奨されています。
ポールキャップを外して使う状況は、主に雪上とされています。
2.荷物になる
スタートからゴールまでトレッキングポールを使うスタイルならば荷物とは感じませんが、公共交通k機関で移動する際は、「荷物になる」「邪魔」「他人に迷惑をかけているのでは」と感じます。
対策としては、
トレッキングポールケースを用意して、リュックに取り付ける方法があります。
私の対処は、ポールを3つのパーツにばらしてリュックの中入れてしまいます。
3.適切に使わないと逆に危険
フラットな登山道からある程度荒れた登山道の登り降りではトレッキングポールは活躍しますが、はしごや鎖場、ロープ場といった急坂では使用を控えるべきでしょう。
トレッキングポールは身体を支えるギアですが、です。
また、ポールを手首からぶら下げたまま鎖やロープを握ったり、はしごを使うとポールが行動を邪魔したり、引っかけて滑落の危険性があります。
鎖場、ロープ場、はしごでは面倒でもトレッキングポールはリュックに取り付けましょう。
?Dまとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
登山を始めたばかりのころ、やはり後半の疲れがあり、あまりコースタイムの長い登山や高所は苦労しました。
そこで、その対策としてトレッキングポールを使った時の衝撃は今も色褪せません。
トレッキングポールが私の登山の世界を広げてくれました。
私はトレッキングポール使用肯定派です。
ただし、今はポールのメリットを最大限に活かすため、低山や訓練的な課題登山の時は敢えてポールに使用を控えています。
皆さんはどうでしょうか?
それでは、安心安全装備でクライムオーーーーン!!
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