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ハナブサチロロ
世田谷区出身。

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posted by fanblog

2023年05月28日

映画『老ナルキソス』(2022/東海林毅監督)@K's cinema。

老いてゆく肉体。変容していく社会。様々な家族のカタチ。不安が過る時間。
現代を見つめながらどこか寓話のようでもある。インサートされるカットを含め、青春の残り香を感じる海、あの世の入り口のような海、暗い水の中のイメージなどの映像に痺れる。
老絵本作家・山崎の友人役の日出郎、担当編集者役の千葉雅子、担当医師役の津田寛治、そしてかつての恋人役・村井國夫ら俳優陣が素晴らしい。
明日は月曜日。死に向かっていく日々は現在進行形である。



2023年05月26日

映画『青いカフタンの仕立て屋』(2022/フランス・モロッコ・ベルギー・デンマーク/マリヤム・トゥザニ監督)@京橋テアトル

ある夫婦のかたち。
舞台はモロッコの海沿いの街・サレ。
涙で脱水。

滑らかに進んでいく物語と言葉にならない気持ちを表した脚本がいい。クリスチャン・エイドネス・アンデルセンの音楽もいい。何気ない喜怒哀楽と深い愛を表現したルブナ・アザバル、凄い俳優だ。




2023年05月23日

映画『TOCKA[タスカー]』(2022/鎌田義孝監督)@ K's cinema

前からそうなのかもしれないが、TVから流れてくる情報は庶民にとっては手が届きそうのないものばかり。
病院に行くことさえ躊躇する人がこれから増えてきそうな世の中に合っていない気がするのである。

ヴァイオリン(斎藤ネコ)がレクイエムのように響き、ズシーンとくる。生きる意味を考える時はかなり危うい時だ。荒涼とした風景が誰かの絶望を表しているように見える。
登場人物たちの母親たちのさりげなく印象に残る描写がとても良かった。認めたくはないが認めざるを得ない気持ちで一杯に。ただ3人が出会えたことは本当に良かった。



2023年04月05日

映画『エスパーX探偵社〜さよならのさがしもの〜』(2023/木場明義監督)@映画美学校。

まず、殴られると相手とリンクできるという能力が面白い(もちろんその様も)。
藤村蘭子というモンスターの存在がかなり強力だ。刑事・南野を演じた佐伯大地の「演じ分け」も見どころ。そして、傷だらけの探偵さんが少しダサくて良いのである。

下町の風景も良く、映像の色合いも良かったので、欲を言えばもう少しグッと掴まれる画が欲しかった。

面白い探偵映画登場。



2023年03月23日

映画『アダマン号に乗って』(仏・日/2022/ニコラ・フィリベール監督)@松竹試写室。

パリ・セーヌ川に浮かぶ木造の船。このドキュメンタリーの舞台であるパリ中央精神科医療グループのデイケアセンターである。
素材の半分ほどは監督自らがカメラを回したとのこと。ほとんど警戒されず、患者たちは詩的で哲学的な言葉で語り出す。時には音楽を奏でる。それぞれの孤独が垣間見えながらもここはとても奇跡的な場所なんだろうと思う。
美味しそうにコーヒーを飲み、語らう彼らの姿に、温度を感じた。




2023年03月15日

映画『いちばん逢いたいひと』(2022/丈監督)@シネ・リーブル池袋

急性骨髄性白血病を患った少女・楓、娘を白血病で失った男・柳井の運命の物語。人生は支え支えられのお互いさまと感じる。
崔哲浩が柳井をエネルギッシュに演じ物語をリードしていく。そして柳井の年老いた母を演じた中村玉緒の存在感がとても大きかった。



2023年02月17日

映画『雑魚どもよ、大志を抱け!』(2022/足立紳監督)@東映試写室

舞台は1988年。勇気と仲間の物語。『スタンド・バイ・ミー』が重なってくる。
物語が進むにつれ少年たちそれぞれにしっかりスポットライトが当たって来るシナリオ。
若い俳優たち、皆良いが特に西野監督役の岩田奏がとても良い。お芝居は初めてとのこと。
そして、みんなで映画を撮ろうと盛り上がる姿にグッとくる。
長回し&雨降らしが相米映画みたいでいい。採石場での決闘は東映的だ。
足立監督の過去作『14の夜』と同様、確かにバブルの空気は某神奈川の片田舎にも来ていなかったなあと思う。
昭和時代の友の声が聴こえてきそう。ヤクザになった少年のことを思い出した。



2023年01月27日

映画『GINAGINA ぎなぎな』(2022/高川裕也監督)@ユーロスペース

超満員。主人公がぽつねんとしている。「無言」という俳優の武器を使っている。雑踏に流されてしまうのか。車窓からの風景に何を見るのか。
黄昏に寂しさを覚える人もいれば一日の一番美しい時間と言う人もいる。途中下車をしたり、乗り換えたり、人生は続く。
ぎなぎな(三重県四日市市の方言で「どうにかこうにか」という意味とのこと)している人たちにこの物語は染みるだろう。

2022年12月22日

映画『ワース 命の値段』(2019/米/サラ・コランジェロ監督)@松竹試写室

9.11被害者補償基金プログラムの特別管理人になった男の話。自ら進んで「悪者」になった男の話。
エンタメにはなりづらそうな題材ではある。それぞれの人生に「値段」がつけられる納得のいかない合理的な計算式。血の通わない制度や法律にどう人肌を感じさせるか。主演のマイケル・キートンが少しずつ「英雄」を形作っていく。

夜はLADY JANEへ。
今年ももうすぐ終わる。



2022年11月24日

映画『裸足で鳴らしてみせろ』(2021/工藤梨穂監督)@K2

多くの人が無くしたりどこかへ置いてきた愛。それを手にする時の焦燥、不安。避難所としての倉庫がフォーリーサウンドのスタジオのようになっていき、じゃれ合うことでふれあい(アクションコーディネーター:園村健介)、また焦燥、不安が募る。まだ見ぬ世界を想像し音を作り、その世界にいる自分たちをも想像していく。
工藤梨穂監督のストレートがインハイにズバッと決まった。

ちなみに『ブエノスアイレス』が10:00から上映していた。



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