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2020年04月27日

新聞・TV「政府の言いなり」の何とも呆れる実態




新聞・TV「政府の言いなり」 の何とも呆れる実態

〜東洋経済オンライン 当銘寿夫 ?  4/27(月) 12:40配信〜


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「政府の正式発表が無いと報じられ無い」 と云う状況が続けば、都合の良い情報だけを垂れ流す事にも為り兼ねない・・・ 「お上のお墨付きが無いと、今がどう云う状態なのか判断出来無い」「感染が確認された事業者自身がサイトで発表して居るのに、行政が発表して居ないと掲載し無い」
 新型コロナウイルス感染拡大に関するニュースが大量に飛び交う中、報道機関の働き手からコンな声が続出して居る。日本マスコミ文化情報労組会議・MICが実施したアンケートで判明した実態だが、マルで第2次世界大戦の時代を彷彿とさせる 令和の大本営発表






「貴方が現在の報道現場で感じて居る『危機』に付いて教えて下さい」

 その問いに対する自由記述での回答からは、様々な危機が見える。

? 国会論戦を放送し無かったり、或いは遣っても短い。官邸記者が政権に都合の悪いニュースを潰したり、番組にクレームを付ける。これは日常茶飯事。官邸記者が政権のインナーに為って居る
? ニュースソースが官邸や政権で有る事。その結果、番組内容が官邸や政権寄りにしか為ら無い。彼等を批判し正して行く姿勢が全く無い。と云うか、例え在ったとしても幹部が握られて居るので放送され無い
? 上から下迄、忖度と自主規制・事無かれ主義・・・サラリーマンばかりで、ジャーナリストは居ない
? 「過剰な忖度」で有ると現場の制作者も中間管理職も判って居乍ら、面倒に巻き込まれたく無いとの「事なかれ主義」が蔓延して居る

 こうした最中、首相官邸報道室は4月上旬、官邸記者クラブに対し、新型コロナウイルスの感染防止策として、首相会見に出席する記者を1社1人に限る様要請した。海外メディアやフリーランスの記者は10席しか割り当てが無く、希望者が多いと抽選と為る。
 MICに依ると、報道室に依る要請以前、会見場には130程度の席が在ったが、現在は29席に絞り込まれて居る。平日に1日2回開かれる官房長官会見に付いても、同様に記者数に制限が設けられて居ると云う。

? コロナとの関連で会見が可成り制限され、入る事さえ出来無く為ったものも有る。不都合な質問を受けて出来るだけ答えを出したく無いと云う意図も感じる

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 コロナ禍での官邸取材に付いて、MIC議長の南彰氏 (新聞労連委員長 朝日新聞労組出身)はこう話す。

「緊急事態宣言で政府に権限を集中させて、その権限が適切に行使されて居るかをチェックし無ければ為ら無い時に、チェックする術(すべ)が制限されてしまって居る。官邸会見での記者数の絞り込みには何社か反対した様ですけど、官邸側の要請が強く『人数制限は呑めない』は多数意見に為ら無かった。危機に便乗した取材制限に繋がら無い様にするは、どうしたら好いか。そこが今、最大の課題です」

「医療崩壊と書くな」と言われて

 コロナ問題に関する回答では、見過ごせ無い記述も並んで居る。

? 記者勉強会で政府側から 「医療崩壊と書か無いで欲しい」 と云う要請が行われて居る。医療現場から様々な悲鳴が聞こえて来て居るので、報道が止まる処迄は行って居ないが「感染防止」を理由に対面取材も難しく為って居り、当局の発信に報道が流されて行く恐れがある
? 医療崩壊 と云う言葉に付いても、政府や自治体の長が「ギリギリ持ち応えて居る」と表現すると、それをそのママ検証もせずに垂れ流してしまって居る。実際の現場の声よりも、政治家の声を優先して伝えてしまって居る事に危機感を持って居る。お上のお墨付きが無いと、今がどう云う状態なのか判断出来無い
? 感染が確認された事業者自身が貼り紙やサイトで公表して居るのに、行政が発表して居ないと(内の新聞は)掲載し無い

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 福島第一原発の事故に関する取材をズッと続けているフリーランス記者の 添田孝史氏(元朝日新聞記者)は、アンケートの回答を見て手厳しく語った。

「東日本大震災の時の原発事故でもそうでしたが、行政のトップが『高い放射線量の情報を出すと、パニックを煽るから書くな』と言い、記者クラブの人達も追随する事が有りました。危機の際の情報発信にはチャンとした論文も在って、キチンと情報を出さ無い方が寧ろパニックを引き起こすんですね。福島の事故から9年経ちますが、本当に学んで居ないな、と」

「書くな」と言われたらそれ自体が大ニュース

「コロナの様な危機に為ると、手作りマスク500枚寄付みたいな記事とか、中学生がお小遣いでマスク縫って寄付した話とか、良いお話も載せなきゃと云う 無理矢理感 も多いんです。その一方、行政側・政府側が『医療崩壊した』と言わ無い限りは『医療崩壊』と書か無いと云うのであれば、ジャーナリズムとして仕事の放棄です。
 自分達の取材を通して『こう云う状態です』とハッキリ言えば好い訳で、権威有る人が言う迄書か無いと云うのは可笑しい。ソモソモ 『医療崩壊って書くな』 って言われたなら、それだけで書けよ、って思う。それ自体が大ニュースです。MICのアンケートの回答に書いて居る場合じゃないだろう、と」


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 情報メディア法に詳しい 田島泰彦・元上智大教授 は、こう指摘する。

 「記者会見のメンバーがセレクトされるとか(会見の)時間の制約が有るとか、会見そのものが非常に一面的な方向に為り得るからこそ、従来以上に独自の取材や報道を進め無くてはいけ無い筈です。それが本来の報道機関の役割なんです」

「普段は見過ごされて居るけど、今回の様な重大な事態に為ると、報道機関がどれだけ政府の情報に依拠して伝えて居るかが露骨に為る。メディア全体として見ると、過つての『大本営発表』と同じ様な役割をしてしまっている。
 そこの部分を本気に為って変えて行く事をしないといけ無い。真実を守る為、報道の自由を大事にすると云う事を遣って行かないと、最終的には市民から見放される。(今も)極めて厳しい自己批判をしなくちゃいけないと思います」


 好く知られて居る様に、日本の新聞やラジオは第2次世界大戦の際、軍部(大本営)の発表を右から左へと垂れ流したばかりか、寧ろ好戦的な紙面を作り国民を煽った歴史を持つ。田島氏の指摘は、まさに今が大本営発表と同じではないかと云う点に主眼がある。

記者クラブの権力監視が機能して居ない

 こうした指摘に対し、MIC議長の南氏 「記者クラブを拠点とした取材スタイルの限界が露呈して居る」 と言う。

「記者クラブを拠点にしながら、番記者制度の下、取材対象に肉薄して色んな事を聞き出して来るスタイル自体が、一番権力を監視し無くては為ら無い時に機能し無い事が露呈してしまった。このシステムはズッと問題だと言われて来たけれど、愈々メディア側も『これでは難しい』と認識出来たと思います」

 「メディア側も変わらないといけ無い。此処数年の公文書の問題も含めて、非常に不透明な、情報開示に消極的な権力に対して、どう確り説明させて行くのか。それも記者クラブに限定せず、社会全体に透明性を持って説明させて行くか。それが今、私達の置かれて居る状況だし、此処を転換点にしていかないといけ無いと」

 マスコミで報道に携わる彼等彼女等の声を、以下で全て紹介する。「マスコミの報道が劣化して居る」は言い古された言葉だが、アンケートの回答を読み通すと、その実態に改めて驚愕するかも知れ無い。


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日本マスコミ文化情報労組会議『報道関係者への「報道の危機」アンケート結果(概要)に付いて』(PDFファイル、2020年4月21日) 取材 当銘寿夫「フロントラインプレスFrontline Press

以上

















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