いよいよ上司に“希望退職”の意思を伝えました。
最初はビックリされましたが、体調や将来の事・家族の事・地元からの勧誘の事等を含めて事情を説明し、了承を頂いた上で社の人事部へ赴き、同様に説明手続きを踏んで3月末に退職しました。
それから引越しの準備をしましたが、今と違って引越業者が一から十まで全てやってくれる「いたれりつくせり」という時代で無かったので、台所用品や衣類等をダンボールにつめたり家具や家財の引き出しからモノを出してダンボールに入れ替えたり……本当に大変でした。
いま同じように出来るかと言うとまず出来ないでしょうね。 力も要るし、不必要品と廃棄物との分別等もかなり時間を要しました。
いま同じように出来るかと言うとまず出来ないでしょうね。 力も要るし、不必要品と廃棄物との分別等もかなり時間を要しました。
そして、家族で自家用車に乗り、関西から九州の故郷まで、10時間くらいかかったと思います。
当時は震災の影響がまだまだ強く、高速道路も込んでいたのです。
途中休憩しながら、やっと故郷についたときホッとした安堵と疲れがドッと出たのを覚えています。
疲れを癒してから、故郷に戻る直前に大阪大学病院の主治医から頂いた紹介状を持って、
故郷の大学病院を訪問しました。
その大学病院で、半年毎に診察と検診を受けて術後の経緯を見て頂く事になりました。
術後の経緯は良好で、順調に回復していきました。 第1編 でも述べた通り、 胃の全摘には至らず、1/5とは言え胃を温存できた事が術後の“QOL”(Quality of Life ; 生活の質)を比較的高く保ち、順調な回復につながった のだと確信しています。
もしも胃癌の発見が遅れていたら、この様に回復できなかったでしょう。癌の魔の手から逃れる確率を少しでも高めるには「早期発見」と「信頼できるお医者様にお世話になる」事が極めて重要であると、正にわが身をもって痛感しました。
術後約20年経ちますが、その後再発も転移も無く、おかげさまで異状はありません。
こうして、私は癌の魔の手から逃れる事ができました。
しかしながら、胃癌の手術から数年後、今度は別の病魔が私に忍び寄って来ました……。
(続きは次回)
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