平成27年4月28日、高知県足摺岬沖にて
海上自衛隊の救難飛行艇US2が、離水訓練中に、
エンジンのひとつが脱落するという事故がありました。
このニュース (外部リンク)を、他に例えるのなら
海辺にて…
綺麗なお姉さんが…
こんなふうに見えるんですけど…
隊員の皆様、日々訓練に励んでいらっしゃり、
決して遊んでいるわけではないのですが
某ネズミの国にもないような
ちょっと楽しそうなアトラクションに見えてしまいました。
軽傷を負った隊員の方もいらっしゃるそうですが、お大事に…
状況を見て、大事故ではないので
初めて見たときは、失敬ながら笑ってしまったけど (^з^)くすっ
海上に浅く沈んだ翼の日の丸に
波が打ちつける映像を見て
「ああ、戦時中にもこんなことが多々あったんだろうなぁ」と
じわじわと悲哀じみて、虚しさが波のように後から押し寄せてきました。
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戦時中、多くの戦闘機などが不時着水しました。
愛媛県南宇和郡御荘町、南レク馬瀬山頂公園内
「紫電改保存館」にて展示されている紫電改も不時着水しました。
この紫電改は、昭和53年に愛媛県の久良(ヒサヨシ)湾で
海底約40メートルにおいて、ダイバーにより発見されました。
海の底で眠っていた紫電改は
昭和54年に引き上げられ、再び太陽の下に姿を現しました。
同機は、343航空隊に所属し
昭和20年7月24日に大村基地を飛び立った未帰還機
6機のうちの1機といわれています。
不時着水した機体のプロペラを見ると、当時の様子が推測できます。
着水する前に、着陸時同様エンジンのパワーが絞られ
推力が、ほぼない状態だと(またはエンジンのパワーがアイドル)
プロペラは回転していても機体に進行方向(前方)への推力が生じず、
海上に、プロペラの先端が叩くとプロペラが内側に曲がります。
この紫電改のプロペラは内側に曲がっているので
エンジンは可動していても推力は失っていたと考えられます。
エンジン不良などにより加速できなかった可能性もありますが
この紫電改は、搭乗員が脱出した形跡がありません。
というのも、機体が引き上げられた当時、
キャノピーは、ほぼ閉じていたからです。
引き上げられた当時の写真で確認すると、
キャノピーには、搭乗員への花束が捧げられ、
わずか10センチ程度開いていました。
搭乗員は、消え行く意識のなかで、着水しようと
懸命に試みていたのかもしれません。
海の底に34年間という長い年月が
搭乗員の痕跡を消してしまったのでしょうか。
近代航空機のターボプロップエンジンの場合は、エンジンが停止しても
プロペラは、風車のように回り続けることがあります。(ウインドミルといいます)
その場合も、推力がないので、
着水するとプロペラが内側に曲がることがあります。
映画で、零戦が、燃料切れでエンジン停止するシーンを観た事があります。
プロペラがピタッと止まるのですが
レシプロエンジンは、ピストンエンジンなので
ガス欠で、風車のようにプロペラは回りません。
バランスを崩さず、不時着水できれば
機体がすぐに沈むことはありませんので、
搭乗員の意識があれば、脱出できた例もありました。
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逆に、プロペラが外側(前方・飛行機の進行方向)に曲がっていると
着水した時点で、エンジンは絞られておらず、
強い推力が残る状態のまま、海面へ突入した痕跡と言われています。
天山のプロペラ
2枚前方へ曲がっています。内側に曲がったのは前進する推力が落ちたなどの理由が推測できます。
つらい現実ですが、いくつか理由は考えられます。
搭乗員が亡くなっていた場合と、搭乗員が意識を失っていた場合です。
そして、搭乗員が、機体を上昇させようと
エンジンをフルパワーにしていた可能性もあります。
高速で、前方へ推進し続けるプロペラは、コンクリートのような海面に
叩きつけられる衝撃により、外側(前方)に曲がると考えられています。
飛行機が前へ進んでいるのに、プロペラが前方へ曲がるなんて
不自然に思いますが、発生している推力の影響ではないかと思われます。
(着水時の進入速度や角度によってプロペラが曲がる方向に微妙な誤差が生じます)
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終戦間近、B29爆撃機、F6Fヘルキャットと戦うには
もはや零戦という名の「日本刀」では刃が立ちませんでした。
上昇力6,000m/7分22秒、
航続距離2,395キロの紫電改は
日本海軍の零戦に継ぐ、頼みの綱とされていましたが…
真珠の養殖で有名な愛媛県の宇和島。
美しい宇和島に育まれた真珠は
日本で、たった一機、残る運命を背負った紫電改が
平和を祈って零れた涙ひとしずくのようです。
外部リンク
「紫電改保存館」