ファン
プロフィール
norchさんの画像
norch
43年勤めた会社を退職し、趣味でやっていた株式投資三昧の毎日。そんなに贅沢し美食したわけでもないのに、50歳から痛風予備軍と高血圧症。長年の医者通いにうんざりし、医療費節約も兼ねて、薬の個人輸入を始める。
<< 2024年11月 >>
1 2
3 4 5 6 7 8 9
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
検索
最新記事
最新コメント
トレンドフォロー?C by 藤枝 (05/30)
トレンドフォロー?C by norch (05/28)
トレンドフォロー?C by 藤枝 (05/28)
書評−うねりチャート底値買い投資術 by norch (02/26)
書評−うねりチャート底値買い投資術 by フロンティアコンサルティング乙坂章子 (02/26)
カテゴリアーカイブ
リンク集

2019年12月01日

書評−彼女の哲学



この本も何気にとりあげて、「女はどうして、男を困らせる事ばかりするのだろう」
というサブタイトルを目にした瞬間、もう手放せなくなってしまいました。著者は
海老沢泰久氏ですが、名前は知っていましたが、ほとんど読んだ事はありませんでし
た。短編集をまとめたものですが、各編ともなかなかです。

銀座のホステスの直子さん。好きだったのに家まで送って抱けなかった。十年後に又
同じ店で再会するも、昔と違うの一緒に住んでる人がいるのという第一話の「一度の
機会」。これもクラブのホステスまゆみちゃん。10年前にチャンスがあったのに逃
してしまった。まゆみちゃんは今度故郷に帰って自分の店を出すそうな。最後に誘っ
て家まで行ったのに、姉の子の大学生の女の子が邪魔をする第二話の「十年」。

ああ、好きなのに好きなのに、どんなにかっこつけてアプローチしても、なびいてくれ
ない晶子ちゃん。いつもはとてもいい感じなのに女はなぜ?第三話「彼女の哲学」。皆
このような水商売のお姉さんの話かと云えば、そうでもありません。第四話の「小型ボ
ート」では、大学生の話。万葉集の講義で仲良くなった良江ちゃん。サイクリングに誘
い、筑波山への旅へ。途中で一泊し彼女の足をもんであげたまでは良かったが。

第五話は「ショートケースのケーキ」。大学生の工藤宏、二股かけた祐子とかおるを一
体はどうするつもり。都合の良い女と本命の女の間で揺れる心とその結末は。そして「
ウェイター」、「小田原まで」、「夜の色」、「すみれ荘」、ラストの「将来」と話は
続きます。

どの話も、結果的に女に翻弄される男の物語なのだが、なぜか男も女も憎めない。お互
いに信じ合いたいのに、そして信じ会えると確信して付き合っているのに、いつも結果は
ほろ苦い思い出に。女も淋しい、男も淋しい。だから一緒に暮らせば楽しいはずなのに、
何で男と女は理解し会えないのだろう。

自分の事を考えてみても、40年以上も一緒に生活しているのに、本当に自分の奥さんの
考えている事がわかりますかと聞かれると、はっきり「はい」と云えない自分が悲しい。
一人の人を理解するという事は、それほど難しい事なのか。況してや男と女の場合は、翻
弄されるのはいつも男ばかり。

この短編集の全編に流れるのは、女と男のほろ苦い関係。但し、どろどろしたものではな
く、お互いを理解し会おうとする甘づっばい香。テーマはそれなりに重いのだけれど、読
後感は甘くさわやか。それでは又。

彼女の哲学

中古価格
¥160 から
(2019/9/12 12:21時点)




【相場師朗】のショットガン投資法

紫垣デイトレード塾






人気ブログランキングへ

にほんブログ村 株ブログ 株初心者本人へ
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村
株式投資ランキング











posted by norch at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評

2019年11月16日

書評−お金がいやでも貯まる5つの生活習慣



若い頃「となりの億万長者」という本を読んで、なるほどなあと感心した
記憶が残っています。今回の「5つの生活習慣」はその続編で、トーマス・
J・スタンリーの著書です。10年前の出版ですが、お金持ちになる為の
エキスが盛りだくさんです。そのエキスは巻頭のはじめにに集約されてい
ます。

億万長者になる為の「7つの秘訣」
  ?@ 収入を下回る支出で生活する事。
  ?A 時間とエネルギーと金を効率的に配分し、安全な資産を構築する。
  ?B 世間体よりも、お金の心配をしないで済む事のほうが大切だと気付
    く事。
  ?C 親から経済的に自立する事。
  ?D 子供たちも経済的に自立させる事。
  ?E チャンスを上手につかむ事。
  ?F 自分の能力や資質に適切で、心から愛せる仕事を職業にする事。 

さらに
億万長者が大事にする「5つのルール」
  ?@ 誰に対しても正直で誠実である事。
  ?A 自らの欲望や行動を律する事が出来る事。
  ?B 他人との関係を良好に保つ社会性を身に着ける事。
  ?C 価値観を共有し、支えてくれる配偶者を見つける事。
  ?D 一生懸命に働く事。

後の5つは、もしトランプ大統領が億万長者ならば、あまり当てはまらな
いので、トランプ氏は本当の意味での億万長者ではないと云う事でしょう
か。

我々の億万長者のイメージは豪邸に住んで、ベンツに乗って、ジェット機
も所有し、ロレックスをはめて、オーダーメードのスーツを着こなし、毎
晩豪邸に芸能人や著名人を招いて、豪勢なパーティをする。こんな感じで
しょうか。

しかし本物の億万長者は質素な家に住み、車はトヨタの普通車、時計はセ
イコー、3万円のスーツ、高級酒には見向きもせず、飲むのはセールで買
ったワインかウイスキー。そして街を歩いていても誰も億万長者とは気づ
かない。大抵の場合、本物の金持ちは金持ちらしく見えず、金持ちぶる人
は金持ちではない。

そして本物の金持ちは「収入は財産ではない」という事実を知っており、収
入を最大化目指すよりも、収入を効率よく財産に変える事の重要性を知って
いる人。又、財産を蓄えるにあたっての最大の邪魔者は、住宅と周辺環境で
、家の大きさが示すのは、その人の持つ資産額ではなく、残債額であるとい
う事。

結論、お金持ちになる秘訣は「好きな仕事ができるようにシフトし、収入以
下の消費をして、余った分を投資する」これに尽きます。
それでは又。




【相場師朗】のショットガン投資法

紫垣デイトレード塾






人気ブログランキングへ

にほんブログ村 株ブログ 株初心者本人へ
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村
株式投資ランキング






posted by norch at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評

2019年11月01日

書評−TEN



今回の「TEN」楡周平氏には何回泣かされた事か。久しぶりにそのくらい
感動した作品です。この作品は学生の皆さんや社会人になったばかりの人に
、是非とも読んでいただきたいと思います。

この作品を読んで最初に感じたのは、柴田錬三郎氏の「図々しいやつ」でし
た。時代設定も、ストーリーも勿論異なりますが、立身出世物語で読後感が
極めてさわやかな点は、大変良く似ています。ただ「TEN」のほうが戦後
すぐの設定なので、今の若い人にも共感を呼ぶのではないかと思います。

話のスタートは戦後の横浜ドヤ街。中卒で定職にも就かず、当たり屋をして
いた主人公の「TEN」こと小柴俊太に、俊太の兄の友人の麻生寛司が声を
かけ仕事を世話してやる。奉公先の料亭「川霧」で下足番となった俊太が、
ムーンヒルホテルの御曹司月岡の靴磨きをしたことがきっかけで、月岡の専
属運転手となる。

その後社員となって最初の仕事が経理課といっても、業務は未払い金の回収。
命がけでやくざの親分の付けを回収したりと実績を上げるが、成果は上司に
横取りされる始末。しかしめげずにホテルの夏枯れ対策のキャンペーンで、
尋常ではない実績をたたき出し、課長に昇進。

そして運転手時代に月岡家で住み込んでいた時のお手伝いの文枝と晴れて結婚
する事に。その結婚式の経験から、もっと安い料金で結婚式専門の式場を展開
すれば、ホテルでは敷居の高い若者たちにアピールするのではと、社長に就任
した月岡に提案。その仕事、ムーンヒル・ウエディングパレスの成功で、子会
社パレスの社長となる。

次の難関は、月岡社長がグループ全体のPRの為プロ野球球団の買収。それに
伴う球場の建設。しかも建設費用は他社に持たせ、その上球場は市に寄付せよ
という無茶振り。そしてこれも文枝のアイデアで何とか成功させると、今度は
本社の取締役に抜擢される。

しかし順風満帆だったのもここまで、事業の拡大とともにアメリカへのホテル
進出の為アメリカに赴任していた先輩の麻生寛司が、世界最大級の米国資本の
ハミルトンホテルとの合弁会社を立ち上げた辺りから、話がだんだんきな臭い
ものとなっていきます。

この後は月岡社長の有価証券虚偽記載問題、ハミルトンによる乗っ取り、そして
一番信頼していた部下の裏切りなど、まさにノンストップムービーの如きストー
リー展開。果たして俊太の運命はというところですが、ここから先は本編を読ん
でのお楽しみ。

この本のすごいところは、単に読んで面白いと云う事以外に、仕事とは何か、生
きるとは何か、経営とは何か、恩義とは何かなどの根源的なテーマに、具体的に
踏み込んでいるところだと思います。本当に若い人にこそ是非にでも読んでほし
いと思います。それでは又。




【相場師朗】のショットガン投資法

紫垣デイトレード塾






人気ブログランキングへ

にほんブログ村 株ブログ 株初心者本人へ
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村
株式投資ランキング

posted by norch at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評

2019年08月01日

書評−キリングクラブ



今回は「エウレカの確立」シリーズでおなじみの石川智健氏の小説です。
タイトルの「キリングクラブ」とは、殺し屋のクラブと言うことではなく
て、キリングには殺人という意味のほかに、大儲けという意味もあるそう
で、サイコパスで尚且つ著名人になった人達のクラブと言う事だそうな。

出だしからストーリーがやや荒唐無稽なので、ほんまかいな?という疑念
がどうしても先行してしまいがちだが、読み進むにつれて、ひょっとする
と本当にあるのかもという感覚になって来るので不思議だ。

かなり長いストーリーなので、簡単に説明するが、主人公はフリーライタ
ーの佳山藍子。友人の千沙の紹介で、キリングクラブの給仕の仕事を引き
受ける。そのクラブは千代田区のどこかの地下にあり、会員と従業員以外
はその存在も場所も知らない秘密のクラブ。幸い藍子は採用され給仕とし
て働くが、仕事はただ会員に飲み物だけを運ぶ事。そして仕事初日に、フ
リーランス・ジャーナリストで会員の青柳祐介に、ビールジョッキを倒し
てしまい、一連の連続殺人がここからスタートする。

一人目はジャーナリストの青柳祐介、二人目はの仮想通貨コインブラザー
ス社長の高瀬和彦、三人目は弁護士の中里真吾、いずれもキリングクラブ
の会員で、著名なサイコパス。しかも全員が生きたまま開頭され、偏桃体
を取り出されているという。そしてその間にクラブ会員ではないが、葬儀
社の戸塚秋稔も又、開頭されて殺されていた。

そこで一躍犯人候補に浮かんだのが、同キリングクラブ会員で手術狂と異
名のある脳神経外科医の國生明。手術の腕は超一流だが、出世の為なら妻
との離婚も辞さないという、自分勝手なサイコパス。ところがこの國生明
も患者を助けようとして、電車に轢かれてしまう。國生の場合は事故との
判断だが、実は現場に思わぬ人物の顔が。

この作品のストーリー展開で面白いのが、被害者の一人一人の章があり、
その章の中で各自のサイコパスとしての具体的な物語があり、その結果と
して殺されてしまうという形式をとっていることです。

さて話はいよいよ大団円に向かって突き進んで行く訳ですが、ここから刑
事辻町、香取、藍子が入り乱れ、いろいろな仕掛けや藍子の過去なども明
らかになり、又藍子のクラブに採用された本当の理由が明白になっていき
ます。本当の犯人は?キリングクラブの実態はといろいろ興味が出てくると
ころですが、これから先は読んでのお楽しみと致しましょう。
それでは又。

キリングクラブ

新品価格
¥1,728 から
(2019/6/13 13:42時点)




【相場師朗】のショットガン投資法

紫垣デイトレード塾






人気ブログランキングへ

にほんブログ村 株ブログ 株初心者本人へ
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村
株式投資ランキング




posted by norch at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評

2019年07月16日

書評−あしたの君へ



またまた書評で恐縮です。作者の柚月裕子氏については、以前に「検事の使命」などの
書評を書いていたように思っていたのですが、完全に私の錯覚で、今回が初めてでした。
そして今回の「あしたの君へ」については、家裁調査官補の物語なので、従来の検事・
検察物ほど重くはなく、気軽に読めそうと勝手に解釈していましたが、とんでもござい
ません、失礼いたしましたという内容の濃いものでした。丁度良い機会になりましたの
で、改めて紹介させていただきたいと思います。

内容は5話から作られておりまして
   ?@ 背負う者 (17歳 友里)
   ?A 抱かれる者 (16歳 潤)
   ?B 縋る者 (23歳 理沙)
   ?C 責める者 (35歳 可南子)
   ?D 迷う者 (10歳 悠真)

夫々が、けっこう考えさせられる重いテーマを持っています。詳しくは読んでからのお楽
しみという事ですが、現代に蔓延する普遍的なテーマとでもいうものでしょうか。大きく
共通するのは、家庭・家族です。そこにそれぞれ病気、夫婦関係、親子関係、離婚問題な
どが複雑に絡み合って、人間関係をより修復不可能なものにしてしまう。それに気後れし
ながらも、果敢に立ち向かっていく家裁調査官補の物語です。

主人公は望月大地。裁判所職員採用総合職試験に合格し、現在は福森市で2年間の養成課
程研修の真っ最中。同僚の藤代美由紀、志水、先輩の溝内、上司の真鍋、露木などのかか
わりの中で、時に喧嘩し、悩み、諭され、元気づけられしながら、自分では自信の持てな
い家裁調査官という仕事について戸惑う事ばかり。そんな大地に次々と解決が難しいと思
われる案件が降りかかる。果たして大地の運命は?

この本を読んで痛切に感じたのは、当事者同士でも関わりたくない親子問題、家族問題、
夫婦問題、その他諸々の家庭・家族に関する事案に、真摯に寄り添っている家裁調査官と
いう職業があり、そういう人たちが現実にいるんだという事。つまり今までは離婚調停、
あっ、家庭裁判所ねという軽い感覚で、家裁調査官という人がいる事も、他人の事案にこ
れほどかかわって仕事している事も、全く知らなかったという反省です。

正直やりがいのある仕事であるし、第3章の理沙の言葉で「自分では問題を解決できずに、
調停委員や家裁調査官という他人に、頼るしかない人間もいるの。望月君も、頑張って悩
んでいる人の力になってあげて」という泣かせるシーンもあるが、お前にやれるかと問わ
れれば、例え資格があったとしても考えてしまう程、重い仕事です。

毎度の事ですが、柚月さんの小説には本当によく泣かされます。でもその後はとても清々
しい気分になります。それでは又。




【相場師朗】のショットガン投資法

紫垣デイトレード塾






人気ブログランキングへ

にほんブログ村 株ブログ 株初心者本人へ
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村
株式投資ランキング











posted by norch at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評
Build a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: