壁に張り付くワタシ。
男が、続けざまにナイフを突き出してくる。
右、左、また右、交互に絶え間なく煌く刃。
ブロックする両手を超えて、上着を掠め続ける。
何度目かに、上着の上から左腕に突き立つ。
「ツっ」
瞬間、ナイフがとまる。
すかさず、右手でブラックジャックを居合抜き。
ナイフを持つ男の左肘に、下から思い切り打つ。
男がナイフを落として、後退る。
右手で、左の肘を庇うようにする男。
左の上腕に、ナイフが突き立つワタシ。
上着のおかげで恐らく浅手。
ブラックジャックを持つ右手で、ナイフを抜く。
流石に、裂けたシャツブラウスに血が滲む。
ナイフを抛る。
音をたてる光に、男が物欲しそうに視線を送る。
不意に、男が諦めたかのように、右の半身に構える。
左腕は身体の後ろに垂らしている。
その姿に、悔しいがブラックジャックを腰のベルトに戻す。
左半身に構えるワタシ。
男が右の脚を飛ばしてくる。
両手でブロックする。
が、腕を弾かれる。
ワタシより、いくらか体重が重い分、重く強い蹴り。
今度は、左脚が側面から飛んでくる。
瞬間、反射的に跳びあがる。
男の左脚が空をきる。
跳びあがったワタシに、背中を見せる男。
今度はワタシの番。
跳んだまま、左脚のまわし蹴り。
渾身の捻りで振りぬく。
勢いで続く、右の後ろ回し蹴り。
男がよろける。
が、倒れずに堪えている。
流石ね、思いながら、右手で腰のブラックジャックを引き抜く。
ふらつく男の側頭部を、したたかに打つ。
よろけながらも向かってこようとする男。
しつこいっ、思って、ブラックジャックを持つ右手を伸ばす。
そのまま、その先の男の股間、スイッチを押す。
これには堪らず、男がその場に崩れ落ちる。
軽く痙攣しているが、目だけはワタシを睨んでいる。
強い奴、思いながらも、男の顔を跨ぐように、後頭部に右のピンヒールトゥ。
男が白目をむく。
捲れたままのタイトスカートの下で。
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