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2021年09月04日
vibration in bathrobe
太腿に伝わる振動。
やむ気配がない。
微睡みの中で、ハッとする。
内腿は、まだ振動している。
心地よさを感じて、漸く、瞼が持ち上がる。
気付くと、バスローブ姿で、ソファに横になっている。
シャワーの後、髪を乾かして、そのままリヴィングのソファで寝てしまったらしい。
バスローブのポケットから、振動する携帯を取り出す。
画面を確認すると、彼女の事務所の番号。
携帯の番号は、彼女と秘書たちしか知らない。
彼女は、まだ議会中のはず、こんな時間になに?
レンタカーを取りにいって、買い物をしたことを思い出しながら、急いで電話にでる。
「はい、ワタシです」
「大変です、先生が…」
男性秘書の声、その先が言葉にならない。
「落ち着いて、順に話してください、先生がどうかされたんですか?」
男性秘書が深呼吸する気配。
黙って待つ。
「先生が、攫われました」
「いつ?」
「お昼です、いつものようにいつもの場所で打ち合わせました、その後に…」
また、シドロモドロになりそうになるのを遮る。
「分かりました、すぐそちらに伺います、集められるだけの情報を集めておいてください」
それだけ言って、携帯を切る。
マナーモードを解除しておく。
バスローブ姿のまま、バスルームに入る。
洗面台の蛇口を開けて、冷たい水で顔を洗う。
お昼寝程度の時間しか寝ていないが、目が覚める。
自分の部屋に入って、クローゼットを開ける。
スーツケースを取り出し、ベッドの上て開ける。
着替えの中から紅い小さな塊を一つ、手にしてベッドに抛る。
バスローブのベルトを緩め、両肩から落とす。
自由落下するローブを、腰でキャッチする。
ローブの袖をハンガーに通して、クローゼットの扉のフックに掛ける。
ベッドに振り返る。
視界の隅、姿見に映る裸身。
やむ気配がない。
微睡みの中で、ハッとする。
内腿は、まだ振動している。
心地よさを感じて、漸く、瞼が持ち上がる。
気付くと、バスローブ姿で、ソファに横になっている。
シャワーの後、髪を乾かして、そのままリヴィングのソファで寝てしまったらしい。
バスローブのポケットから、振動する携帯を取り出す。
画面を確認すると、彼女の事務所の番号。
携帯の番号は、彼女と秘書たちしか知らない。
彼女は、まだ議会中のはず、こんな時間になに?
レンタカーを取りにいって、買い物をしたことを思い出しながら、急いで電話にでる。
「はい、ワタシです」
「大変です、先生が…」
男性秘書の声、その先が言葉にならない。
「落ち着いて、順に話してください、先生がどうかされたんですか?」
男性秘書が深呼吸する気配。
黙って待つ。
「先生が、攫われました」
「いつ?」
「お昼です、いつものようにいつもの場所で打ち合わせました、その後に…」
また、シドロモドロになりそうになるのを遮る。
「分かりました、すぐそちらに伺います、集められるだけの情報を集めておいてください」
それだけ言って、携帯を切る。
マナーモードを解除しておく。
バスローブ姿のまま、バスルームに入る。
洗面台の蛇口を開けて、冷たい水で顔を洗う。
お昼寝程度の時間しか寝ていないが、目が覚める。
自分の部屋に入って、クローゼットを開ける。
スーツケースを取り出し、ベッドの上て開ける。
着替えの中から紅い小さな塊を一つ、手にしてベッドに抛る。
バスローブのベルトを緩め、両肩から落とす。
自由落下するローブを、腰でキャッチする。
ローブの袖をハンガーに通して、クローゼットの扉のフックに掛ける。
ベッドに振り返る。
視界の隅、姿見に映る裸身。
2021年09月05日
layering with thong
ベッドの上の紅い塊を二つに割る。
小さい方を手に取る。
指先で広げて、無意識にレース生地の前後を確認している。
小さな生地を膝の前に下ろして、指先で広げる。
片足ずつ通す。
膝から腰まで一気に引き上げ、鼠頚部の小さな布を整える。
ベッドの上のもう一つの紅い塊、手にとって両腕を通す。
前屈みになって、カップを胸の位置に合わせる。
前屈みのまま、後ろ手に背中のフックを留める。
サイドとアンダーを微調整して、上体を起こす。
紅い上下だけで胸を張るワタシ。
ベッドの上のスーツケースに手を伸ばす。
荷物を探って、薄いパッケージを一つ取り出す。
手早くそれを開封する。
手触りのいい生地。
真新しいパンティストッキングを手にしている。
止むを得ず、この時期だけ重ね穿きしている。
両脚部を丸めると、注意して片足ずつ通す。
踝から膝まであげると、反対の足を同じように通す。
膝から引っ張るようにしながらお尻を覆うと、腰の上、お臍のあたりまで引き上げる。
両手指先を、腰からストッキングの内側に滑らせる。
押さえつけられた、紅いthongのレース生地を微調整する。
紅い上下にストッキングの格好で、クリーニングの袋を破く。
替えのシャツブラウスを、紅いbraだけの上半身に羽織る。
襟から二つ、ボタンを空けて、残りを一つずつ留める。
クローゼットのスーツ袋から、替えのタイトスカートを取り出す。
ストッキングの脚を、片足ずつ通す。
タイトなスカートを腰まで上げて、深めのスリットの位置を、左太腿やや内側に合わせる。
後ろに手をまわして、腰のフックを留める。
左手でスカートのお尻を押さえて、右手でファスナーをあげる。
ベルトを手にして、タイトスカートの腰に通す。
フィットするスカートでも、必ずベルトは締める。
身に着けるもの全てが、武器になるから。
クローゼットのハンガーから、上着をとって羽織る。
ボタンは留めずに、そのままバスルームに向かう。
大きな鏡の化粧台の前に立つ。
化粧ポーチを開けて、下地を整える。
毅然としたアイメイクを薄く施す。
軽くチークを入れる。
最後にルージュを引いて、グロスを塗る。
精悍なボディガードの出来上がり。
小さい方を手に取る。
指先で広げて、無意識にレース生地の前後を確認している。
小さな生地を膝の前に下ろして、指先で広げる。
片足ずつ通す。
膝から腰まで一気に引き上げ、鼠頚部の小さな布を整える。
ベッドの上のもう一つの紅い塊、手にとって両腕を通す。
前屈みになって、カップを胸の位置に合わせる。
前屈みのまま、後ろ手に背中のフックを留める。
サイドとアンダーを微調整して、上体を起こす。
紅い上下だけで胸を張るワタシ。
ベッドの上のスーツケースに手を伸ばす。
荷物を探って、薄いパッケージを一つ取り出す。
手早くそれを開封する。
手触りのいい生地。
真新しいパンティストッキングを手にしている。
止むを得ず、この時期だけ重ね穿きしている。
両脚部を丸めると、注意して片足ずつ通す。
踝から膝まであげると、反対の足を同じように通す。
膝から引っ張るようにしながらお尻を覆うと、腰の上、お臍のあたりまで引き上げる。
両手指先を、腰からストッキングの内側に滑らせる。
押さえつけられた、紅いthongのレース生地を微調整する。
紅い上下にストッキングの格好で、クリーニングの袋を破く。
替えのシャツブラウスを、紅いbraだけの上半身に羽織る。
襟から二つ、ボタンを空けて、残りを一つずつ留める。
クローゼットのスーツ袋から、替えのタイトスカートを取り出す。
ストッキングの脚を、片足ずつ通す。
タイトなスカートを腰まで上げて、深めのスリットの位置を、左太腿やや内側に合わせる。
後ろに手をまわして、腰のフックを留める。
左手でスカートのお尻を押さえて、右手でファスナーをあげる。
ベルトを手にして、タイトスカートの腰に通す。
フィットするスカートでも、必ずベルトは締める。
身に着けるもの全てが、武器になるから。
クローゼットのハンガーから、上着をとって羽織る。
ボタンは留めずに、そのままバスルームに向かう。
大きな鏡の化粧台の前に立つ。
化粧ポーチを開けて、下地を整える。
毅然としたアイメイクを薄く施す。
軽くチークを入れる。
最後にルージュを引いて、グロスを塗る。
精悍なボディガードの出来上がり。
2021年09月06日
timing on call
上着の前のボタンを留める。
鏡の中の女に気合が入る。
バスルームを出て部屋に戻る。
クローゼットからバックを取り出し、肩にかける。
姿見に踵を返して、玄関に向かう。
佇む紅いピンヒールに、足を滑り込ませる。
脹脛からお尻までの筋肉が目覚め、身体の芯から力が漲る気がする。
部屋を出て、エレヴェータに乗る。
地下の駐車場までおりる。
来客スペースのレンタカー。
乗り込んでエンジンをかける、二度ふかす。
勢いのまま、地上に飛びだす。
気持ちと裏腹に、物憂げな午後の車列に滑り込む。
ノラリクラリと走る車列、縫うようにして走る。
後ろでクラクションが遠ざかる。
記録になりそうな短時間で、彼女の事務所にたどり着く。
車をとめたときに、懐かしいメロディ。
携帯を取り出す。
画面表示を見なくてもわかる、bishop。
「はい、ワタシです」
こんな時にと思いながらも、反面、タイミング良すぎ、とも思う。
「もう聞いているかな」
「なにを?」
「我々は動けないが、協力はしよう、情報がある」
「どういうこと?」
それには取り合わずに、一方的に話し続ける。
「C団体のビルの近く、解体予定のビル、地図を送る」
「なにを隠してるの?」
「手強い相手だ、気をつけろ」
携帯が切れる。
メールの着信を知らせるメッセージが流れる。
メッセージを開く。
写真と地図のgif画像で、場所を確認する。
そんなに遠くない。
いずれにしても、救出は夜になる。
車を降りて、事務所のあるビルに入る。
事務所の扉の前、インタホンのボタンを押す。
「どちらさま…ですか」
どことなく不安げな秘書の声。
「ワタシです」
言い終わらぬうちに、扉が開く。
秘書が、素早くワタシを招じ入れる。
鏡の中の女に気合が入る。
バスルームを出て部屋に戻る。
クローゼットからバックを取り出し、肩にかける。
姿見に踵を返して、玄関に向かう。
佇む紅いピンヒールに、足を滑り込ませる。
脹脛からお尻までの筋肉が目覚め、身体の芯から力が漲る気がする。
部屋を出て、エレヴェータに乗る。
地下の駐車場までおりる。
来客スペースのレンタカー。
乗り込んでエンジンをかける、二度ふかす。
勢いのまま、地上に飛びだす。
気持ちと裏腹に、物憂げな午後の車列に滑り込む。
ノラリクラリと走る車列、縫うようにして走る。
後ろでクラクションが遠ざかる。
記録になりそうな短時間で、彼女の事務所にたどり着く。
車をとめたときに、懐かしいメロディ。
携帯を取り出す。
画面表示を見なくてもわかる、bishop。
「はい、ワタシです」
こんな時にと思いながらも、反面、タイミング良すぎ、とも思う。
「もう聞いているかな」
「なにを?」
「我々は動けないが、協力はしよう、情報がある」
「どういうこと?」
それには取り合わずに、一方的に話し続ける。
「C団体のビルの近く、解体予定のビル、地図を送る」
「なにを隠してるの?」
「手強い相手だ、気をつけろ」
携帯が切れる。
メールの着信を知らせるメッセージが流れる。
メッセージを開く。
写真と地図のgif画像で、場所を確認する。
そんなに遠くない。
いずれにしても、救出は夜になる。
車を降りて、事務所のあるビルに入る。
事務所の扉の前、インタホンのボタンを押す。
「どちらさま…ですか」
どことなく不安げな秘書の声。
「ワタシです」
言い終わらぬうちに、扉が開く。
秘書が、素早くワタシを招じ入れる。
2021年09月07日
man in the rear view
応接セットのソファに腰をおろす。
秘書に言う。
「順を追って説明してください」
「はい」
こたえて、男性秘書が説明しはじめる。
状況は、いつもの昼の打ち合わせの後、彼女が食事に向かう。
指示内容をいくつか確認して、いつも食事の後にもう一度打ち合わせて、彼女を見送る。
ところが、彼女がいつまで経っても、食事から戻ってこない。
訝しく思って、いつものレストランに尋ねたところ、今日は見えてないと言われる。
慌てて、ホテルのあちこちを探し回ったが、見当たらないし、見かけた話もない。
やむなく、ロビーに伝言を残して、事務所に戻って議会の中継にかじりつく。
彼女の席が、空席になっているのが映し出される。
慌てているところに、電話がかかる。
先生を預かっていると。騒がずに待っていれば、明日の夕方には無事に戻ると。警察に知らせたり、下手に騒ぐと保証はないと。
ワタシは黙って肯き続ける。
話しているうちに興奮している秘書。
落ち着かせるように静かに言う。
「分かりました、あなた達は、明日の準備を進めてください」
「大丈夫でしょうか?」
「ワタシが、必ず連れ戻します、今夜か、遅くとも明日の朝までには」
扉に向かいかけて、もう一度、二人に声をかける。
「携帯と、ここの電話は、繋がるようにしておいてください」
事務所を出ると、そのまま車に乗り込む。
エンジンをかける、二度ふかして発進する。
頭に入れた地図を思い浮かべて、ハンドルをきる。
目的のビルが近づいてくる。
ビルの周りを、しばらく走りながら、手ごろな駐車スペースを探す。
通りを挟んで少し離れたコインパーキングに、車を滑り込ませる。
シートを少し倒して、リアヴューの角度を合わせる。
ビルの出入り口が、リアヴューに映る。
近くに、例の政治屋に関連する団体のビルがある。
目当ての建物は、解体に向けたビルということで、人気はないが、いきなり乗り込むのも不用心過ぎる。
それに、目下のところ、彼女に危害は加えられないはず。
車の中で、しばらく様子を伺うことにする。
と、人影が出てくる。
サングラスに黒いスーツの男が、携帯で話しながら、ビルから離れていく。
見間違いようはない。
今朝、彼女の事務所に来ていた、あの細身の男、リアヴューから消える。
注意して、車の窓から通りを覗く。
男が、路上駐車の車に乗り込む。
車が走り去る。
秘書に言う。
「順を追って説明してください」
「はい」
こたえて、男性秘書が説明しはじめる。
状況は、いつもの昼の打ち合わせの後、彼女が食事に向かう。
指示内容をいくつか確認して、いつも食事の後にもう一度打ち合わせて、彼女を見送る。
ところが、彼女がいつまで経っても、食事から戻ってこない。
訝しく思って、いつものレストランに尋ねたところ、今日は見えてないと言われる。
慌てて、ホテルのあちこちを探し回ったが、見当たらないし、見かけた話もない。
やむなく、ロビーに伝言を残して、事務所に戻って議会の中継にかじりつく。
彼女の席が、空席になっているのが映し出される。
慌てているところに、電話がかかる。
先生を預かっていると。騒がずに待っていれば、明日の夕方には無事に戻ると。警察に知らせたり、下手に騒ぐと保証はないと。
ワタシは黙って肯き続ける。
話しているうちに興奮している秘書。
落ち着かせるように静かに言う。
「分かりました、あなた達は、明日の準備を進めてください」
「大丈夫でしょうか?」
「ワタシが、必ず連れ戻します、今夜か、遅くとも明日の朝までには」
扉に向かいかけて、もう一度、二人に声をかける。
「携帯と、ここの電話は、繋がるようにしておいてください」
事務所を出ると、そのまま車に乗り込む。
エンジンをかける、二度ふかして発進する。
頭に入れた地図を思い浮かべて、ハンドルをきる。
目的のビルが近づいてくる。
ビルの周りを、しばらく走りながら、手ごろな駐車スペースを探す。
通りを挟んで少し離れたコインパーキングに、車を滑り込ませる。
シートを少し倒して、リアヴューの角度を合わせる。
ビルの出入り口が、リアヴューに映る。
近くに、例の政治屋に関連する団体のビルがある。
目当ての建物は、解体に向けたビルということで、人気はないが、いきなり乗り込むのも不用心過ぎる。
それに、目下のところ、彼女に危害は加えられないはず。
車の中で、しばらく様子を伺うことにする。
と、人影が出てくる。
サングラスに黒いスーツの男が、携帯で話しながら、ビルから離れていく。
見間違いようはない。
今朝、彼女の事務所に来ていた、あの細身の男、リアヴューから消える。
注意して、車の窓から通りを覗く。
男が、路上駐車の車に乗り込む。
車が走り去る。
2021年09月08日
double bottom
リアヴューに別の人影。
中肉中背の男が、ビルから出て、細身の男と反対の方に歩いていく。
リアヴューから見切れると、窓から通りを覗く。
男が、少し離れたコンビニに入っていく。
ほどなく、男が買い物袋をさげて、コンビニから出てくる。
そのままビルに戻る方向に歩く。
倒したシートに、背中を押し付けて待つ。
男がリアヴューに入ってくる。
リアビューの中で、袋をさげたまま、ビルに入っていく。
最低でも二人、細身の男が加わると三人。
できれば、細身の男がいない隙を狙いたい。
シートを起こして、エンジンをかけると、二度ふかして駐車場をでる。
夕方のラッシュ前、まだ緩やかな車列に滑り込む。
車を彼女のマンションに向ける。
駐車場の来客スペースにとめると、真っ直ぐ彼女の部屋に向かう。
合鍵を使って部屋に入る。
自分の部屋に入ると、クローゼットを開ける。
スーツケースを取り出し、ベッドの上に載せる。
スーツケースを開けて、徐にひっくり返す。
中身がベッドにぶちまかれる。
いくつかの下着、未開封のパンティストッキング、詰め物のバスタオルが、ベッドに散乱する。
散らばる着替えには目もくれず、空のスーツケースを引き寄せる。
スーツケースの底の端、マジックテープを?がす。
簡単な作りの二重底。
隠すためというより、区別しておきたいものを入れるスペース。
二重底を外して、ファスナーを開ける。
ペンより少し大きい、棒状のものを取り出すと、ファスナーを閉める。
散乱した下着類を抱えるようにして、スーツケースに抛り込む。
こんもり山となった中身を、押さえ込むようにスーツケースを閉める。
スーツケースをクローゼットに戻す。
ベッドの上には棒状の物体。
指し棒でも持つように、左手に握る。
立ったまま、左手を素早く振る。
棒状のそれが倍以上の長さに伸びる。
特殊なブラックジャック、仕掛けもある。
左手で、軽く空を切り、感触を確認する。
右の掌に先端をあてて、元の長さに縮める。
上着の腰を捲くると、左手で、細いベルトに水平よりやや斜めに差し込む。
上着を戻すと、そのまま玄関に向かう。
ピンヒールに足を滑らせ、バックルをとめて身体を起こす。
身体の芯から力を感じる。
中肉中背の男が、ビルから出て、細身の男と反対の方に歩いていく。
リアヴューから見切れると、窓から通りを覗く。
男が、少し離れたコンビニに入っていく。
ほどなく、男が買い物袋をさげて、コンビニから出てくる。
そのままビルに戻る方向に歩く。
倒したシートに、背中を押し付けて待つ。
男がリアヴューに入ってくる。
リアビューの中で、袋をさげたまま、ビルに入っていく。
最低でも二人、細身の男が加わると三人。
できれば、細身の男がいない隙を狙いたい。
シートを起こして、エンジンをかけると、二度ふかして駐車場をでる。
夕方のラッシュ前、まだ緩やかな車列に滑り込む。
車を彼女のマンションに向ける。
駐車場の来客スペースにとめると、真っ直ぐ彼女の部屋に向かう。
合鍵を使って部屋に入る。
自分の部屋に入ると、クローゼットを開ける。
スーツケースを取り出し、ベッドの上に載せる。
スーツケースを開けて、徐にひっくり返す。
中身がベッドにぶちまかれる。
いくつかの下着、未開封のパンティストッキング、詰め物のバスタオルが、ベッドに散乱する。
散らばる着替えには目もくれず、空のスーツケースを引き寄せる。
スーツケースの底の端、マジックテープを?がす。
簡単な作りの二重底。
隠すためというより、区別しておきたいものを入れるスペース。
二重底を外して、ファスナーを開ける。
ペンより少し大きい、棒状のものを取り出すと、ファスナーを閉める。
散乱した下着類を抱えるようにして、スーツケースに抛り込む。
こんもり山となった中身を、押さえ込むようにスーツケースを閉める。
スーツケースをクローゼットに戻す。
ベッドの上には棒状の物体。
指し棒でも持つように、左手に握る。
立ったまま、左手を素早く振る。
棒状のそれが倍以上の長さに伸びる。
特殊なブラックジャック、仕掛けもある。
左手で、軽く空を切り、感触を確認する。
右の掌に先端をあてて、元の長さに縮める。
上着の腰を捲くると、左手で、細いベルトに水平よりやや斜めに差し込む。
上着を戻すと、そのまま玄関に向かう。
ピンヒールに足を滑らせ、バックルをとめて身体を起こす。
身体の芯から力を感じる。
2021年09月11日
sounds of a bottle
もうすぐ陽が落ちる。
それからが勝負。
三々五々、ライトを点ける車が、行きかう車列に滑り込む。
例のビルに辿りつく。
そのまま通り過ぎて、道路の同じ側にあるコンビニへ、駐車場の端に車をとめる。
エンジンをきる。
運転席で、タイトスカートの両膝を揃えて、車を降りる。
履き替えたピンヒールを響かせて、コンビニに入る。
ペットボトルの飲料とスチール缶のコーヒー、一つずつ買う。
袋に入れてさげると、コンビニを出て、何食わぬ顔でビルに向かう。
あたりに怪しげな車はない。
二人と踏んで、躊躇うことなくビルに入る。
灯のない、解体前のビル。
陽が落ちると建物の中は、寧ろ外より暗い。
埃っぽい中を、静かに一歩ずつ進む。
最上階ではないにしても、何階か上のフロアにいるはず。
音を立てないよう、階段をゆっくり上る。
暗がりを、耳だけでなく五感を鋭くして進む。
階段を上がってフロアに着く度に、耳をすませる。
外の喧騒が遠く聴こえるだけで、物音一つしない。
何一つ聴き漏らさないよう注意しながら、また階段を上る。
次は4階。
フロアに辿りつく前に、砂を踏むような音。
身体を固めて立ち止まる。
耳をすます。
少し離れているが、微かにヒトの声、日本語ではない。
ゆっくりと、残りの階段を上る。
上りきると声の方向に進む。
聴き取れる距離。
聞き覚えのあるニュアンスとアクセント、お隣の国の奴等か。
細身の男は、そうは見えなかったが。
フロアの中ほどの部屋、といっても内装は撤去してあるので、コンクリートの壁で仕切られているだけの区画。
光がなくて暗い分、小さな灯でも、よく分かる。
小さな灯がもれる部屋とは反対の暗い区画、そこに身を潜めるワタシ。
買い物袋からペットボトルを取り出す。
暗い区画から、下手で放物線を描くように、階段下にペットボトルを抛る。
静かな建物の中に響く。
落ちていくペットボトルの音。
それからが勝負。
三々五々、ライトを点ける車が、行きかう車列に滑り込む。
例のビルに辿りつく。
そのまま通り過ぎて、道路の同じ側にあるコンビニへ、駐車場の端に車をとめる。
エンジンをきる。
運転席で、タイトスカートの両膝を揃えて、車を降りる。
履き替えたピンヒールを響かせて、コンビニに入る。
ペットボトルの飲料とスチール缶のコーヒー、一つずつ買う。
袋に入れてさげると、コンビニを出て、何食わぬ顔でビルに向かう。
あたりに怪しげな車はない。
二人と踏んで、躊躇うことなくビルに入る。
灯のない、解体前のビル。
陽が落ちると建物の中は、寧ろ外より暗い。
埃っぽい中を、静かに一歩ずつ進む。
最上階ではないにしても、何階か上のフロアにいるはず。
音を立てないよう、階段をゆっくり上る。
暗がりを、耳だけでなく五感を鋭くして進む。
階段を上がってフロアに着く度に、耳をすませる。
外の喧騒が遠く聴こえるだけで、物音一つしない。
何一つ聴き漏らさないよう注意しながら、また階段を上る。
次は4階。
フロアに辿りつく前に、砂を踏むような音。
身体を固めて立ち止まる。
耳をすます。
少し離れているが、微かにヒトの声、日本語ではない。
ゆっくりと、残りの階段を上る。
上りきると声の方向に進む。
聴き取れる距離。
聞き覚えのあるニュアンスとアクセント、お隣の国の奴等か。
細身の男は、そうは見えなかったが。
フロアの中ほどの部屋、といっても内装は撤去してあるので、コンクリートの壁で仕切られているだけの区画。
光がなくて暗い分、小さな灯でも、よく分かる。
小さな灯がもれる部屋とは反対の暗い区画、そこに身を潜めるワタシ。
買い物袋からペットボトルを取り出す。
暗い区画から、下手で放物線を描くように、階段下にペットボトルを抛る。
静かな建物の中に響く。
落ちていくペットボトルの音。
2021年09月12日
can of steal
奴等のヒソヒソ話が聞こえる距離。
部屋から、微かな灯を背に、中肉中背の男が出てくる。
片手に何か持って、用心するように階段を下りていく。
男が、下の階段に見えなくなる。
ワタシは静かに、しかし素早く、灯のもれる部屋にとりつく。
通路の壁に背中を押し付けたまま、部屋の中を覗き込む。
部屋の奥、床に置かれた防災用らしきライト。
その灯の奥に、椅子に座らされた彼女。
表情は分からないが、動く気配はない。
睡眠薬でも飲まされているのか。
彼女の脇で、床にすわっている男。
大きな背中に、ピンヒールのワタシでも、立ち上がると見上げそうな巨漢。
無意識に、上着のボタンを外す。
左手で上着の腰を捲って、ブラックジャックを取り出す。
次の瞬間、一気に部屋の奥に駆け込む。
男が、ヒールの音に気づいて、振り向きながら立ち上がる。
男の顔にめがけて、スチール缶を投げるワタシ。
暗がりで避け損ねた男が、悪態をつく。
距離があると思っている男の足に、左手のブラックジャックを叩き込む。
「うぐっ」
男が呻いて片膝をつく。
絶妙の高さ、ここは逃さない。
右脚を軸に左脚の飛びまわし蹴り、一閃。
巨漢が蹌踉めく。
着地して背を向けたワタシに、掴みかかろうとする奴の気配。
「…貴様あ…」
時間はかけられない。
反転して屈むと、下からブラックジャックで突き上げる。
そのまま、手元のスイッチを押す。
男が痺れたように痙攣している。
構わず、椅子の彼女に近づく。
ぐったりしている彼女の首に、手をあてる。
眠らされているだけ?とにかく此処を出よう。
椅子の背に後ろ手に縛られているロープを解く。
椅子のまま彼女を押して、コンクリート?き出しの部屋を出る。
階段に向かおうとして、椅子を押す手をとめる。
そこに、息を切らして中肉中背の男が立っている。
物音を聞きつけて、下から一気に駆け上がって来たらしい。
右手に黒い塊。
窓から入る通りの薄明かりの中、右手を真ん中に構えて息の間から言う。
「…動くな…」
ゆっくり両手を挙げるワタシ。
部屋から、微かな灯を背に、中肉中背の男が出てくる。
片手に何か持って、用心するように階段を下りていく。
男が、下の階段に見えなくなる。
ワタシは静かに、しかし素早く、灯のもれる部屋にとりつく。
通路の壁に背中を押し付けたまま、部屋の中を覗き込む。
部屋の奥、床に置かれた防災用らしきライト。
その灯の奥に、椅子に座らされた彼女。
表情は分からないが、動く気配はない。
睡眠薬でも飲まされているのか。
彼女の脇で、床にすわっている男。
大きな背中に、ピンヒールのワタシでも、立ち上がると見上げそうな巨漢。
無意識に、上着のボタンを外す。
左手で上着の腰を捲って、ブラックジャックを取り出す。
次の瞬間、一気に部屋の奥に駆け込む。
男が、ヒールの音に気づいて、振り向きながら立ち上がる。
男の顔にめがけて、スチール缶を投げるワタシ。
暗がりで避け損ねた男が、悪態をつく。
距離があると思っている男の足に、左手のブラックジャックを叩き込む。
「うぐっ」
男が呻いて片膝をつく。
絶妙の高さ、ここは逃さない。
右脚を軸に左脚の飛びまわし蹴り、一閃。
巨漢が蹌踉めく。
着地して背を向けたワタシに、掴みかかろうとする奴の気配。
「…貴様あ…」
時間はかけられない。
反転して屈むと、下からブラックジャックで突き上げる。
そのまま、手元のスイッチを押す。
男が痺れたように痙攣している。
構わず、椅子の彼女に近づく。
ぐったりしている彼女の首に、手をあてる。
眠らされているだけ?とにかく此処を出よう。
椅子の背に後ろ手に縛られているロープを解く。
椅子のまま彼女を押して、コンクリート?き出しの部屋を出る。
階段に向かおうとして、椅子を押す手をとめる。
そこに、息を切らして中肉中背の男が立っている。
物音を聞きつけて、下から一気に駆け上がって来たらしい。
右手に黒い塊。
窓から入る通りの薄明かりの中、右手を真ん中に構えて息の間から言う。
「…動くな…」
ゆっくり両手を挙げるワタシ。
2021年09月13日
bottom on landing
両手を挙げたまま、右のピンヒールを持ち上げる。
椅子の陰で男からは死角。
漸く呼吸を整えた男が、余裕を見せて笑う。
その瞬間、彼女の椅子を、ピンヒールで部屋の中へ蹴飛ばす。
同時に、腰のブラックジャックを、左手で男の右手めがけて投げつける。
鈍い音の後、黒い塊が落ちる音。
すかさず、スリット限界まで左股関節を屈曲し、右股関節を伸展する。
これ以上ない大股で、銃を飛越す。
ひと跳びで、男の間合いに入る。
勢いのまま男の胸に左の正拳、弾みで突き出す顎に右の掌底。
ひるんで下がったところに、左の後ろまわし蹴り。
全てが、きれいに極まる。
男が、そのままコンクリートの床に崩れ落ちる。
暫くは、二人とも目覚めないはず。
踵を返して部屋に戻る。
部屋の中ほどに、椅子の彼女。
椅子の背を押して、急いで部屋を出ると、階段まで戻る。
階段の前で止まると、椅子の前に片膝をついて屈む。
椅子から彼女を背中に移す。
彼女をおんぶする格好で、気合を入れて立ち上がる。
暗い足元に気をつけながら、ピンヒールで一段ずつ下りていく。
フロア二つ分下りたところで、前屈みのまま、壁にタイトスカートのお尻をついて一息つく。
彼女、以外と着やせするのかしら、などと思いながら、壁からお尻を上げる。
二階から一階への階段。
もう少し、思ったところで脚を止める。
階段の下に人影。
人影に視線を向けたまま、踊り場から二段下りる。
段差を利用して、彼女を踊り場におろす。
彼女の両脇に腕を入れて、踊り場の隅の壁に凭せかける。
一階への階段の踊り場から、あらためてビルの玄関ロビーを見下ろす。
例の、細身のサングラスの男が立っている。
外の明かりが、薄く差し込んでいる。
男がサングラスを外す。
目元に傷、夜のサングラスはそのためか。
サングラスを胸ポケットにしまいながら、男が言う。
「上の二人は相手にならなかったか、どの程度のものか、拝見しよう」
ニュアンスとアクセントは、恐らく大陸の国。
そういうことか。
例によって、使われる半島と上手く使う大陸との関係。
大昔から、相変わらずの互いのお国柄。
戦後、おおっぴらにこの国を奪い侵食している勢力。
叩き潰すには丁度いい相手。
椅子の陰で男からは死角。
漸く呼吸を整えた男が、余裕を見せて笑う。
その瞬間、彼女の椅子を、ピンヒールで部屋の中へ蹴飛ばす。
同時に、腰のブラックジャックを、左手で男の右手めがけて投げつける。
鈍い音の後、黒い塊が落ちる音。
すかさず、スリット限界まで左股関節を屈曲し、右股関節を伸展する。
これ以上ない大股で、銃を飛越す。
ひと跳びで、男の間合いに入る。
勢いのまま男の胸に左の正拳、弾みで突き出す顎に右の掌底。
ひるんで下がったところに、左の後ろまわし蹴り。
全てが、きれいに極まる。
男が、そのままコンクリートの床に崩れ落ちる。
暫くは、二人とも目覚めないはず。
踵を返して部屋に戻る。
部屋の中ほどに、椅子の彼女。
椅子の背を押して、急いで部屋を出ると、階段まで戻る。
階段の前で止まると、椅子の前に片膝をついて屈む。
椅子から彼女を背中に移す。
彼女をおんぶする格好で、気合を入れて立ち上がる。
暗い足元に気をつけながら、ピンヒールで一段ずつ下りていく。
フロア二つ分下りたところで、前屈みのまま、壁にタイトスカートのお尻をついて一息つく。
彼女、以外と着やせするのかしら、などと思いながら、壁からお尻を上げる。
二階から一階への階段。
もう少し、思ったところで脚を止める。
階段の下に人影。
人影に視線を向けたまま、踊り場から二段下りる。
段差を利用して、彼女を踊り場におろす。
彼女の両脇に腕を入れて、踊り場の隅の壁に凭せかける。
一階への階段の踊り場から、あらためてビルの玄関ロビーを見下ろす。
例の、細身のサングラスの男が立っている。
外の明かりが、薄く差し込んでいる。
男がサングラスを外す。
目元に傷、夜のサングラスはそのためか。
サングラスを胸ポケットにしまいながら、男が言う。
「上の二人は相手にならなかったか、どの程度のものか、拝見しよう」
ニュアンスとアクセントは、恐らく大陸の国。
そういうことか。
例によって、使われる半島と上手く使う大陸との関係。
大昔から、相変わらずの互いのお国柄。
戦後、おおっぴらにこの国を奪い侵食している勢力。
叩き潰すには丁度いい相手。
2021年09月14日
standing splits
ワタシの方が有利な位置。
それなのに、奴の大した自信。
見せてもらうわっ、そう思った時には跳んでいるワタシ。
階段の数段上の位置から、思い切り、男にめがける。
そのまま左のまわし蹴り。
予測通り、躱される。
これはどう?そのまま身体を捻って、右の後ろまわし蹴り。
鮮やかに極まる。
はずが、転がっているのは、ワタシ。
埃っぽいコンクリート床に放り出されている。
なに?
一瞬、何が起こったのか分からない。
キスさせられた床の埃に咽る。
男が半身の構えで、古い映画のように手招きする。
床に突っ伏したまま睨みつける。
男の不敵な仕草に、頭に血が上るワタシ。
顔も拭わず、ひと跳びに起きる。
埃に塗れた身体のまま、半身の男にまっすぐ走る。
勢いのまま前蹴り、連続する。
左脚、右脚、交互に素早く飛ばす。
が、両腕でブロックされている。
構わず蹴り続ける。
男の腕が、少しずつあがる。
息が上がりそうになって、漸く胸の防御があく。
すかさず、左の正拳。
男の胸に極まる。
が、急所は外される。
男が一歩下がって、胸をはたくようにする。
「なかなか、いい動きをする」
「…女…だからって…甘くみない…ことね…」
なめられたくはない、息の間から無理に言葉を発する。
もう一度、思って連続の前蹴りから、今度は男の顔に左まわし蹴り。
極まる、思ったときに左脚がフリーズ。
ハッとして状況を理解する。
男の右手に、左の踝を掴まれている。
動けないっ。
左脚は男の右肩の上。
Y字バランスのワタシ、右脚だけで支えている。
その態勢のまま、右の拳を男の胸にめがける。
体重の乗らない拳を、男が軽く左手でブロックする。
右手は、ワタシの左踝を掴んだまま。
当然、タイトスカートは、左太腿の深いスリット以上に捲れあがる。
stockingと紅いthongは腰まで?き出し。
それなのに、奴の大した自信。
見せてもらうわっ、そう思った時には跳んでいるワタシ。
階段の数段上の位置から、思い切り、男にめがける。
そのまま左のまわし蹴り。
予測通り、躱される。
これはどう?そのまま身体を捻って、右の後ろまわし蹴り。
鮮やかに極まる。
はずが、転がっているのは、ワタシ。
埃っぽいコンクリート床に放り出されている。
なに?
一瞬、何が起こったのか分からない。
キスさせられた床の埃に咽る。
男が半身の構えで、古い映画のように手招きする。
床に突っ伏したまま睨みつける。
男の不敵な仕草に、頭に血が上るワタシ。
顔も拭わず、ひと跳びに起きる。
埃に塗れた身体のまま、半身の男にまっすぐ走る。
勢いのまま前蹴り、連続する。
左脚、右脚、交互に素早く飛ばす。
が、両腕でブロックされている。
構わず蹴り続ける。
男の腕が、少しずつあがる。
息が上がりそうになって、漸く胸の防御があく。
すかさず、左の正拳。
男の胸に極まる。
が、急所は外される。
男が一歩下がって、胸をはたくようにする。
「なかなか、いい動きをする」
「…女…だからって…甘くみない…ことね…」
なめられたくはない、息の間から無理に言葉を発する。
もう一度、思って連続の前蹴りから、今度は男の顔に左まわし蹴り。
極まる、思ったときに左脚がフリーズ。
ハッとして状況を理解する。
男の右手に、左の踝を掴まれている。
動けないっ。
左脚は男の右肩の上。
Y字バランスのワタシ、右脚だけで支えている。
その態勢のまま、右の拳を男の胸にめがける。
体重の乗らない拳を、男が軽く左手でブロックする。
右手は、ワタシの左踝を掴んだまま。
当然、タイトスカートは、左太腿の深いスリット以上に捲れあがる。
stockingと紅いthongは腰まで?き出し。
2021年09月15日
palm heel - shoutei
男がニヤリと笑う。
堪えるように言う。
「いい眺めだが、そろそろ終わりにしよう」
男が、左手を懐に入れる。
上着から出した左手に、光る刃。
次の瞬間、お腹めがけて飛んでくる。
左脚を掴まれたまま、腹筋を硬くする。
Y字バランスのまま上体を反らす。
いっぱいに反らした胸元、光が掠める。
シャツブラウスのボタンが飛ぶ。
同時に胸元が開ける。
紅いbraの胸が露わになる。
男が口笛を吹くような声を出す。
「ほぅ」
男が、またニヤリとする。
開けたシャツと捲れ上がったスカート、益々頭に血が上るワタシ。
気づいたときは、右脚で床を蹴って身体を思い切り捻っている。
掴まれた左足ごと、変形の右の後ろまわし蹴り。
油断した男の右頬に極まる。
堪らず男が左手を放す。
ピンヒールの両足で、屈むように着地。
男を、ほぼ真下から見上げる位置。
両掌で掌底の構え。
男が顔を両手でガードしながら、足蹴りの構えをする。
そこじゃないわ。
ワタシの頭の上に片足をあげる男。
振り下ろされる足が、開けた胸元を掠める。
間一髪で躱す。
そのまま、がら空きの股間を目掛ける。
ジャンプしながら渾身の掌底。
まさに炸裂。
男が、もんどりうって倒れる。
股間を押さえながらも、起き上がる男。
胸元を開け、スカートを捲れ上らせたまま、半身に構えるワタシ。
男が逆上したかのように、やみくもにナイフを繰り出してくる。
ギリギリで躱す。
ナイフの勢いで、一歩ずつ前に出てくる男。
躱しながら、少しずつ後退するワタシ。
背中が、何かにぶつかる。
壁に追い詰められていることに気づく。
堪えるように言う。
「いい眺めだが、そろそろ終わりにしよう」
男が、左手を懐に入れる。
上着から出した左手に、光る刃。
次の瞬間、お腹めがけて飛んでくる。
左脚を掴まれたまま、腹筋を硬くする。
Y字バランスのまま上体を反らす。
いっぱいに反らした胸元、光が掠める。
シャツブラウスのボタンが飛ぶ。
同時に胸元が開ける。
紅いbraの胸が露わになる。
男が口笛を吹くような声を出す。
「ほぅ」
男が、またニヤリとする。
開けたシャツと捲れ上がったスカート、益々頭に血が上るワタシ。
気づいたときは、右脚で床を蹴って身体を思い切り捻っている。
掴まれた左足ごと、変形の右の後ろまわし蹴り。
油断した男の右頬に極まる。
堪らず男が左手を放す。
ピンヒールの両足で、屈むように着地。
男を、ほぼ真下から見上げる位置。
両掌で掌底の構え。
男が顔を両手でガードしながら、足蹴りの構えをする。
そこじゃないわ。
ワタシの頭の上に片足をあげる男。
振り下ろされる足が、開けた胸元を掠める。
間一髪で躱す。
そのまま、がら空きの股間を目掛ける。
ジャンプしながら渾身の掌底。
まさに炸裂。
男が、もんどりうって倒れる。
股間を押さえながらも、起き上がる男。
胸元を開け、スカートを捲れ上らせたまま、半身に構えるワタシ。
男が逆上したかのように、やみくもにナイフを繰り出してくる。
ギリギリで躱す。
ナイフの勢いで、一歩ずつ前に出てくる男。
躱しながら、少しずつ後退するワタシ。
背中が、何かにぶつかる。
壁に追い詰められていることに気づく。