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2017年10月15日

ダイアルアップ

インターネット環境は今、光回線が当たり前で、ダウンロードのスピードもかなり速くなりました。
アプリのアップデートやダウンロード、動画の視聴もかなり快適になりました。
もっとも、それは空いているときで、夜になれば快適とは言えない場合もありますね。

それでも速いときは1メガバイトあたり1秒もかかっていないだろうと思う場合も多々あります。

日本にインターネットが普及を始めたのは1994年だったと思います。
当時の環境はモデムをPCに接続して電話回線につなぎ、ダイアルアップ接続をしていました。

・モデム
 PCで扱うデジタル信号をアナログの 音声データ に変換する機械です。

 写真は主にデスクトップPC用の外付け型モデムです。PCの裏面にあるRS-232Cポートという
 コネクタに専用ケーブルを用いてつないでいました。
 他にもノート型で使うPCカードタイプや、デスクトップPCに内蔵するタイプもありました。
 音声データだから一般のアナログ回線を使用していました。

 当時すでに一般家庭の壁にはほぼモジュラージャックがついており、モデムのモジュラー
 ジャック同志を接続していました。
モジュラージャック
モジュラージャック


 モデムにはモジュラージャックが二つ付いていて、一つは壁からの電話線をつなぎ、もう一つ
 は電話機に接続できるようになっていました。

・ダイアルアップ接続
 モデムを使用していた頃のアナログ電話回線は通常、「もしもし」といった音声をやり取りする
 ための回線です。
 なので、まず相手にダイアルする必要があります。
 相手にはもちろん電話番号があり、モデムを通じて「ピポパ(プッシュ回線)」あるいは「ジー、
 ジー(ダイアル回線)」と電話をかける必要がありました。
 回線がつながると、「ピー ゴワゴワ ピー」といったモデム独特の音がしたものです。
 また、この音はモデムの性能(接続速度)によって違った音がしていました。
 やがてネゴシエーション(IDとパスワードによる接続認証)が行われ、接続が確立します。
 この電話番号で呼び出す先を「ブランチ」と呼びました。
 後にアクセスポイントと呼ばれるようになりましたが、実は少し意味が違います。

私が初めてインターネットにつなげたのは1995年でした。
もちろん、ダイアルアップ接続です。
アスキー・インターネット・エクスチェンジというプロバイダで、ブランチは横浜でした。
高い市外通話料金で恐る恐る、つないでいました。(笑)

当時、インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)もさほど件数がなく、アスキーやベッコアメ・インターネット、IIJ(インターネット・イニシアティブ)など限られていました。
NEC(Biglobe)もNTTもまだ、プロバイダビジネスには参入していませんでした。
現在のISPは主なものでもざっと、こんなにあります。

Wikipedia、利用者サービス提供事業者

初めてインターネットに接続したときには、このPCの先には世界中のコンピュータがあるんだと、感動しました。感覚としては、世界博の1ブースに参加したようなものでした。
当時の書籍でインターネットは海外のもので、まだ日本には馴染みのないものだったからです。
今、インターネット接続が誰でもできる時代には体験しづらい感覚だったと思います。

このモデムを利用したダイアルアップ接続は、14,400bpsという伝送速度でした。
通称「イッチョンチョン」です。
どれくらいの速さかというと毎秒、14,400ビットです。バイトではありません。
後に28,800bps、通称「ニイパッパ」のモデムが出てきたので、単純に速度は倍になったわけです。

また、この頃にはテレホーダイというサービスが開始されました。
夜11時から翌朝7時まで、定額でつなぎ放題というサービスです。
そのため、夜11時から回線の混み具合というのは大変でした。

その後、INS64という、NTTのISDNサービスが始まりました。
これはアナログ回線ではなく、デジタル回線でした。
アナログ回線の頃は、通常音声データの回線をPCがお借りしていたようなもの。
今度はPCのデジタル回線を、デジタルに変換された音声が回線をお借りするようになりました。

速度は64kbps = 64000bpsです。
ISDNではモデムでなく、ターミナルアダプタを使いました。
モデムの14400bpsに比べると、4.444倍になったのです。

実際にはISDNは2本のBチャンネルがあり、同時に使用すると最大、128000bpsが可能でした。
ただし、電話料金は倍。

さらにそのあと、ADSLが登場し、接続速度は飛躍的に伸びました。
これはインターネットの利用が主にダウンロード、といってもデータのダウンロードに限らず、ネット閲覧にせよ、個人ユーザーはアップロード(上げる)よりダウンロード(受ける)が主な用途なので、アップロードの速度を犠牲にしてダウンロードの速度を速くしようというものです。
速度は8Mbpsから始まり、最終的には47Mbpsまで伸びていました。

回線はアナログ回線を使います。
つい最近まで、ISDNを使うため、アナログ回線からデジタル回線へ変えたばかりなのに、またアナログ回線に戻すとは、、
皆さま、時代の移り変わりに右往左往させられたものです。

また、ADSLは基地局、NTTから遠くなればなるほど回線速度は保証されなくなるという性質がありました。また近くに河川があるとか、鉄道が走っているなど環境によっても左右されました。
とはいえ、最大値47Mbpsなら、 実質 1/4としても、11.75Mbpsです。

※実質?
ベストエフォートとうサービスです。
理想値というか、最大値というか、業者は最大値を目指してできる限り努力するというもの。
47Mbpsで契約しても、47Mbpsが保証されるものではないということです。

11.75Mbps = 11,750,000bps。
モデムの14400bpsに対して、816倍です。
この頃から動画配信サービスが始まりました。

現在は、光回線が当たり前になってきました。
100Mbpsです。

ベストエフォートなので、1/4としても25Mbps。
25,000,000bpsです。

これは、1秒間に3.125メガバイトをダウンロードできる数値です。
 25,000,000 ÷ 8(ビット)÷ 1,000,000(メガ)=3.125

なるほど。
これなら1メガバイトのダウンロードに1秒かからないのもわかります。
では、モデムで28,800bpsの頃はどうだったのでしょう。
 28,8000 ÷ 8 = 3,600

1秒間に3,600バイトですから、1分だと3,600 × 60 = 216,000バイト。
1メガバイトは1,000,000バイトなので、
 1,000,000 ÷ 216,000 = 4.63

最速でも1メガバイトをダウンロードするのに4.63分かかっていたのですね。

それでも当時のPCは同じ画面の大きさでも解像度が低く、仮に5センチ四方の写真でさえデータのサイズは小さい物でした。
まして、インターネットを使っていた人はきっと10人に一人もいなかったでしょう。
だから、28,800のモデムを初めて使ったときは、
「何て速いんだろう!」
と感動しました。

14,400bpsモデム → 毎秒1,800バイト
28,800bpsモデム → 毎秒3,600バイト
ISDN64kbps   → 毎秒8,000バイト
ISDN128kbps   → 毎秒16,000バイト
ADSL8Mbps    → 毎秒250,000バイト(実効1/4)
ADSL47Mbps   → 毎秒1,468,750バイト(実効1/4)
ひかり100Mbps  → 毎秒3,125,000バイト(実効1/4)

その差が大きすぎて、グラフにする気にもなれません。



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