茨城県で鬼怒川の堤防が決壊するなど甚大な被害をもたらした記録的豪雨から一夜明けた11日、銚子市の利根川河口には、上流から流れてきた枯れ枝やペットボトルなど大量のごみが漂着して川沿いの漁港施設内の水面を覆い、漁業関係者らが撤去作業に追われた。
「想像以上の量」(関係者)で漁船が接岸できず、水揚げにも影響が出ている。週明けの水揚げ再開を目指すが、今後も漂着は続く可能性があり、頭を悩ませている。
漂着ごみは、主に同市本城町の船着き場や銚子大橋下の学校給食センター付近河岸、銚子市漁協事務所がある利根川最下流の第3漁港内に滞留している。
特に同漁港は堤防で囲まれ行き止まりのようになっており、過去にも漂着ごみが集積する場所になっている。
漂着ごみは、漁港奥に停泊している銚子海上保安部の巡視船「つくば」「とねかぜ」を取り囲み、漁船は市場前に接岸できず水揚げに支障が出ている。
この日、第2漁港では漁船に絡まった漂着ごみの撤去作業が行われた。
漂着ごみを吸い込む可能性があるためエンジンを掛けられず、漁協職員や漁業関係者約60人が道具を使い手作業ですくい上げるなどした。
漁協職員の一人は「ごみを取っても、またたまっていくだけだろう」とため息をついた。
撤去作業を行う県銚子漁港事務所によると、ごみの量は6300立方メートル(11日正午時点)ほどと見込まれるが「上流の状況からもっと増える可能性がある」。
重機で陸上から漂着ごみをすくい上げる作業を12日から始める。
想像以上のごみの量に作業期間は未定だという。
銚子漁協の坂本雅信組合長は「月曜日(14日)には水揚げができるようにごみの撤去作業をお願いした。河口にある漁港の宿命だが、この量は想像以上だ。利根川があるから銚子沖が良い漁場になっているし…」と、普段は恩恵を受けている川に対し複雑な心境をのぞかせた。
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