2013年11月03日
池田暁子 「うっかり結婚生活 一緒に暮らす2人のルール 8」
私は結構コミックエッセイは好きで読むのですが、よく考えると結構消極的な理由で読んでいます。
「半身浴の時に暇だけど本気で読みたい本は湿気にさらされるのが嫌だから」とか「寝る時に面白すぎる本を読み出すと興奮して起きちゃうから」とか、まぁ西原理恵子なんかは別格として(コミックエッセイって感じでもないけど)、ほとんどがそういう扱い。漫画より字が多くて読み物っぽく、日常的で展開が少なく、絵も書き込む感じじゃなくて目も疲れない、ちょっとタメになる風(だいたい読み終わったら忘れる)だったりなので、暇つぶしには最適に思っているのだ。
古本屋で100円くらいで買っては風呂や布団の中で読んで、また古本屋へという感じで、ちょっと前からこのスタイルの本がヒットして増えているのもあって相当数読んでいるのだが、まぁあまり記憶に無い。
今回は、2chに何ページかが貼られていて興味が出たので買ってみた。それは、作者の貧乏時代の話で、「何故お金が貯まらないんだろう?」と悩むやつで、お金に関する典型的なダメッぷりがそのまま書かれていて面白かったのだ。
さて、「あの作者のヤツならなんでもいいや、とりあえず1冊読んでみよう」と古本屋に行って、あったものを買ってきたのだが、これが大失敗。なかなかにひどかった。
『結婚生活』とタイトルにあるので、「あー、いろいろなダメさを克服して結婚までしたんだ」と思ったのですが、どうも違和感ばかりが残る本でした。
「ちょっと変わった我が家の結婚(家族)生活」なんてのは定番のネタで、『インド夫婦茶碗』、『監督不行届』とか『イタリア家族 風林火山』などは普通に面白く読んだし、「ダメな私(克服)本」→「私でも結婚できました」→「子育て本」なんてのはよくあるパターンだ。
『うっかり』と付いているが、「40近くなってなんとなく身近の人間と結婚しました」というのもサブカル界ではよく聞くフレーズなので、まぁまた典型的な感じなのかな?と思っていたのだが、どうも変だ。
まず何故か「片付け本」でヒットした作者の夫の部屋がゴミ屋敷でそこを掃除するシーンからはじまり、次の章で夫との馴れ初めを語るのだが、これが全く「馴れ初め」と言えるものでもなく、それ以前の関係性すらよくわからなくてただひたすら「なんで?」としか言いようがない。ゴミ屋敷を掃除してあげるくらいの愛情があるはずなのに、その関係性が全く見えてこない。
当然、これではその後の夫婦の生活の中でのすれ違い、まぁほとんどが元ゴミ屋敷住人な夫のズボラさへの不満なのだが、それを解決していく過程みたいなモノもよくわからない。というか読んでいてひたすら「なんだそりゃ」としか言いようがないことばかりだ。
元ゴミ屋敷住人で、当然家事を一切やらず、そのくせ食事などには文句を言い、この本ではうっすらとしか書かれていないが無職で生活費も最低限しか入れない、という夫を受け入れて結婚したわけでもなく、当然の如く予想される事態にただ苛立ち、「私は出来る(ようになった)のに」と愚痴るばかりである。
何だこの本?
という感想しかない。
「WEBコミックエッセイ劇場」での連載の単行本化のようだが、途中から始まり途中でぶった切って終わったかのような構成は、ヒット本が出たことによるこの「コミックエッセイ量産工場」のような所で単行本化に必要な分が出来たら、以前のヒットの余波で売れるうちに即本にするというシステム故なのかな?とか思ったり。
まぁそういう意味では見事。
「なんでこんな作者の本が売れてるんだ?」と不思議に思って検索してみると、この本からおかしくなったらしく、この本のレビューから酷評が増えている。しかも最新刊がこの続編で、夫が新型うつだの離婚だので、「でしょうね」としか言いようがなく、内容も同様にひどいようなので、まぁ「ハズレ引いたなー」って感じかねぇ。
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