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「ロック・ミュージシャン名言集」





youtubeどころかインターネットも無かったガキの頃は、金がなくてほとんどCDは買えず、古本屋で音楽雑誌を買ってはインタビューやディスクレビューを「いつかこれとこれを買って聴くんだ!きっとこれは凄い音楽のハズだ!」と思って1日中眺めているような感じだった。
とりあえず安ければどんな音楽雑誌でも買っていたが、とくに読んだのは「BURRN!」と「rockin'on」だ。発行部数からいってもやっぱり、と言っていいだろう。
今でも、年上の音楽好きと話す時に話題に困らないのはこのおかげだし、むしろ古本を買ってたせいで、世代が違ってもバッチリ同じ号を読んでいるという不思議な感覚だ。

今回のこの本は「CROSSBEAT PRESENTS」と書いているのでCROSSBEAT誌からの単行本なのだが、CROSSBEATは最近休刊になってしまい、この雑誌もまたよく読んでいたのでびっくりしたのだが、まぁ順当かな、という感じで納得出来てしまった。
「BURRN!」の酒井康、「rockin'on」の渋谷陽一、松村雄策のような象徴的な存在はおらず、他誌と差別化できているわけでもなく、特別面白い連載があるわけでもなく、インタビューに特徴があるわけでもなく、なんとなーく私の中でも「ロッキンオンみたいな違うやつ」という扱いで、版型も同じだったために本気で間違えて買ってしまって家で気がついたりしたくらいだ。
なんでこんなことを長々と書いているかというと、この本もまたなんの特徴も無い、普通に面白くない本だったからだ。
名言集というのはここ何年か流行ってるし、ロックミュージシャンの発言はどの時代も世間を騒がせるものだ。こんな本もよくある、というかたしか似たような本が同じCROSSBEATから出ているはずだ。
聞いた事があるようなすごく有名な名言は別にCROSSBEAT誌から発信したものではなく、だからといっておそらくCROSSBEATでのインタビューからテーマに合わせて抜粋したものはとても平凡。発言を並べているだけで、解説も何もないし、ここには何も無いに等しい。
凄く字数の少ない本であるにもかかわらず、つまらな過ぎて徐々にしか読めなかったくらいだ。

私にとっては、HipHop専門誌の(これも休刊してしまったが)「FRONT」〜「blast」がCROSSBEATの増刊からはじまった、というのが唯一のCROSSBEATの価値だ。

まぁ休刊した以上はこうやって切り売りしていくしかないのだろう。せめてもっと巧くやって欲しいが。
あー、しかし音楽雑誌買わなくなったなぁ。ここ数年は音楽雑誌が近いバイトなんだけどな。

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