今回は、冬、特に年末年始・お正月の室内をお飾るお花として人気のシクラメンです。
この花は、地中海沿岸を中心とするヨーロッパ、アフリカ、小アジア(一説にはシリア)を原産地とする、サクラソウ科、シクラメン属の多年生草本です。花言葉は、 「清純、思慮深い、内気、はにかみ」
とされています。
シクラメンの日本への渡来は明治になってからで、 ブタノマンジュウ
の名が明治17年にあたえられています。イギリスでの俗名サウ・ブレッドをブタノパンでは当時の日本では馴染めないと思われたのでしょう。パンをマンジュウに置き換えたようですね。
ブタノマンジュウと命名したのは東大の大久保三?カ助教授であったと中村浩博士が『植物名の由来』で明らかにしています。また同書によると、もう一つの別名カガリビバナについては、新宿御苑を訪れていた九条武子夫人がシクラメンを見て 「かがり火のようね」
と話されているのを牧野富太郎博士が聞いて、名付けられたと記されているそうです。(この項、湯浅浩史『花の履歴書』参考)
植物の名前にも由来、経緯があって興味をそそられますね。(参考:『花の履歴書』『季節の花300』『植物語源辞典』)
では、短歌を二首あげておきます。
香取 秀真(『天之真榊』)
命長き鉢のシクラメンしぼめれば根には早くもつぼみ出で居り
土岐 善麿(『初夏作品』)
いちはやき友が見舞ひのシクラメンの一鉢もちて病院に入る
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2014年12月24日
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