おまとめローン・借り換えローンの金利(利息)と総返済額は?
複数のカードローンからの借入が嵩んで返済が苦しくなった場合は消費者金融のおまとめローンか、若しくは銀行の借り換え用カードローンを利用して 借金の一本化を図り、返済を少しでも容易な形にするのが理想的 です。
ただ、どちらを利用すればいいのかが問題です。当然、人によって収入が違えば、家計の状況も違い、借金の総額も違います。そのため、どちらのメリットが高いのかは実際に毎月の返済額や返済総額の変化を見ないと一概には言えません。
ただ、おまとめローンの場合は住宅ローンやマイカーローンなどと同じ証書貸付になるため、借入金の使途は借金の返済に限定され、自由にはなりません。
また、返済専用でもあるため(限度額内での借入ができません)、新たな借金をすることもできなくなります。従って、借り換え用カードローンで現在の借金の完済が望めるのであれば、それに越したことはありません。
今回は、おまとめローン・借り換えローンをする場合に1番重要なポイントとなる、毎月の返済額と、総支払金額を分かり易く年数と金利ごとに表にしてみました。おまとめローンや借り換えローンを検討している人には参考になると思います。
(最終更新日:平成30年7月3日)
金利・返済年数の変化に伴う毎月の返済額の推移
●現在の債務総額が100万円で金利が18%の場合
金利/年数
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3年
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4年
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5年
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---|---|---|---|
18.0%
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36,152円
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29,374円
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25,393円
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15.0%
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34,665円
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27,830円
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23,789円
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12.0%
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33,214円
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26,333円
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22,244円
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●返済年数の変化に伴う利息総額・返済総額の推移。
●現在の債務総額が150万円で金利が18%の場合
金利/年数
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3年
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4年
|
5年
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---|---|---|---|
18.0%
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54,228円
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44,062円
|
38,090円
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15.0%
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51,997円
|
41,746円
|
35,684円
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12.0%
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49,821円
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39,500円
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33,366円
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10.0%
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48,400円
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38,043円
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31,870円
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●150万円の返済年数の変化に伴う利息総額・返済総額の推移
上記の表からも、毎月の返済を抑えるためには金利の低減もさることながら、返済年数の延長が大きなポイントになります。
ただし、返済年数を延長すると利息額が増えるため、返済総額のアップは覚悟せざるを得ません。毎月の返済額を少なくし、尚且つ返済総額の増額も抑えるためには 8%を超える金利の引き下げが必要です。
月の返済額も総返済額も引き下げるのは現実的に厳しい?
金利を8%引き下げるとなると、具体的には仮にアコムやSMBCモビットで借りたいた場合、金利は18.0%なので、10%以下のローンでおまとめや借り換えをしなければなりません。そうなると、該当するのは、三井住友カードゴールドローンや、東京スター銀行のりかえローンの金利9.8%、住信SBIネット銀行MRカードローンの7.99%などしか無く、どれも審査はトップクラスに厳しくなります。
これらのローンの審査に通る人はごく一部の属性が良い人(公務員で勤続年数が長いなど)しかおらず、実質的に月の返済金額、完済までの総支払金額を共に減らすのは非常に厳しいのが現実です。
毎月の返済金額を減らしたいなら、返済期間を5年程度に延ばさなければなかなか下がりません。銀行カードローンの一般的な金利14%~15%以下に消費者金融から借り換えても、借り換え前と同じ返済金額であれば、総返済額は金利を引き下げたことで少なくはなりますが、月の返済金額を大幅に少なくすれば、総返済額は増えてしまいます。
このことから、 「月の返済額を低くする」か、「総返済額を減らす」 、このどちらかを選択して、おまとめローン・借り換えローンを探す方が賢明と言えます。特に複数の借入を一本化するおまとめローンの場合は、月の返済額だけに捉われて選択すると、最初のうちは残高が全く減らない状態になりますので、契約後1~2年はほぼ利息だけの支払いになってしまいます。
その間に支払い不能になってしまうと、残債はほとんど減っていない状態になっているので注意が必要です。
消費者金融のおまとめローンは危険なのか?
消費者金融のおまとめローンでは、金利をほとんど引き下げずにおまとめローンをしている場合があります。100万円未満なら金利18.0%、100万円以上で金利15.0%のことですが、これらは 貸金業法上での上限金利 となっています。
例えば50万円を3社から借りていた場合、総額は150万円になるのですが、1社あたりの借入額が100万円未満なので金利は消費者金融の場合は全てが18.0%近い金利になっています。
これを1社にまとめるだけで 1社からの借入額が150万円になるため 、上限金利は15%が適用されるので、実質3%引き下がるのですが、これはあくまでも上限金利の事を知らなければなりません。
18.0%→15.0%になって、3%下がった!うぇーい!と喜ぶのではなく、本来はもっと低い金利を目指すべきなのです。なので、消費者金融のおまとめローンでよくある、100万円以下の場合17.0%~18.0%の金利はほとんどメリットが無く、返済期間を延ばして月の返済額を下げているので、利息的なうまみはほとんどないのが現実と言えます。
しかしながら、返済不能状態の人が、返済期間を長くし、月々の返済額を低くすることで、もう一度立ち直ることができるケースもあります。消費者金融では返済の相談をしたとしても、月の返済額を引き下げることは余程の事がないかぎり認めてはくれません。
そのことを考えればおまとめローンで金利は大して低くならなくても、返済期間を延ばすことで月々の支払い額を引き下げることは意味があることとも言えます。目先の返済額や金利ばかり気にしてしまうと、支払いがキツイローン設定になってしまう場合もありますので、くれぐれも自分の支払い原資を再確認し、5年などの長期間、きちんと余裕をもって払える返済額に設定することが1番大事なことです。
5年以上のローンはかなり長いです。おまとめローンは目的ローンであり、返済途中の追加借入ができないので、しっかりと考えて契約しないと、逆に負債が増えたり、返済ができなくなってしまいます。
おまとめローンで失敗してしまう人とは?
おまとめローンは金利を引下げて一本化することができ、返済年数もある程度長いスパンで決められることから、返済計画を立て直すにはとても効果的なローンと言えます。
ローンをまとめることでメリットばかりが注目されているのですが、実はおまとめローンを契約して失敗している人もいることを知っておかなければなりません。管理人が実際に消費者金融で働いていて、おまとめローンを利用して失敗した人の例を書いてみます。
【追加借入を我慢できずに多重債務になってしまう人】
おまとめローンは基本的にフリーローンとは違い、毎月返済のみのローンとなっています。そのことは契約時に重々説明されるのですが、今まで限度額内で繰り返し借入をしていた人達は、追加借入ができないことに慣れていない為、契約後半年程度で借入の申込みをしてくるのです。
よくあるのは、交際費や飲食代などの遊び金が欲しいケースです。おまとめローンは、借金を一本化して完済に向けてひたすら返済をしていくためのローンなので、本来は遊び代のお金を欲すること自体ダメなのですが、人間なので数か月返済だけしていると、息抜き的に遊びたい気持ちが出てしまう人がいます。
借金をしている人の大半は、自分を制御できない(ギャンブルなどの欲望に勝てない)人と言われており、そのような人がおまとめローンに手を出すと、高確率で失敗します。
追加融資が断られると、新規での借入を他社で申込みしてしまうからです。
今は総量規制があることで、借りられないケースが増えていますが、もしおまとめローンをしてもまだ総量規制の範囲内の人なら、他で新規申込みをすればきっと借入ができるでしょう。
その場合、おまとめローンで一本化する前よりも借金が増えることとなり、返済額も綿密に打合せして月々捻出できる金額を設定したのにも関わらず、新たな借入で支払いが増えてしまいます。
こうなると、支払い不能に一直線で進んでいきます。返済が苦しいためにまた新たな借入を繰り返し、総量規制で借りられなくなると、その時には多重債務で自己破産の選択肢しか残されていないことが多々あります。
おまとめローンで失敗する人の大部分は、このような追加借入ができないことで、他社で借りてしまって、多重債務になり支払いができなくなるケースです。5年以上のローンは相当に長い期間です。その期間、一切の借入をせずに返済に集中できなければ、おまとめローンは成功しないのです。
おまとめローンを組もうと思っている人は、 5年間は最低でも耐えられる強い気持ち
が無いと無理と思ってください。
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