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経済事象に関する原則−為替

一般的な「経済事象」を示す要素として、「金利」、「株価」、「物価」、「為替」の動きがあります。
最後は「為替」です。

今までの、「金利」、「株価」、「物価」は国内のカネの話でしたが、対外的なおカネの値段を決めるのが「為替(=外国為替相場)」です。
為替レートというのは、それぞれの国におけるおカネの価値を比較したものです。日本のおカネである円の魅力が高くなると円高になりますし、米国のおカネであるドルのニーズが強くなるとドル高になります。

為替レートの決まり方には、購買力平価説や国際収支説などいろいろな理論がありますが、一言で言ってしまえば、国の経済状況がよいのか悪いのかで決まります。要するに、日本の景気がよければ円高で、景気が悪ければ円安です。

また、おカネは金利が高い国へと移動する性質を持っているので、高金利だと円高、低金利だと円安となります。

さらに、企業は物価が安い国からモノを輸入しようとしますから、その国のおカネを手に入れようとします。したがって、物価安であれば円高、物価高であれば円安となります。

以上、「為替」についてまとめると、

?@「景気が良い=円高」、「景気が悪い=円安」
?A「高金利=円高」、「低金利=円安」
?B「物価安=円高」、「物価高=円安」


となります。

経済事象に関する原則−物価

一般的な「経済事象」を示す要素として、「金利」、「株価」、「物価」、「為替」の動きがあります。
今回は「物価」を紹介します。

経済を見る上では、物価という経済指標も重要です。
そして、物価という経済指標は、私たちの「投資戦略」によっても非常に重要なのです。なぜならば、物価の水準によって、ハッピーリタイアメントに必要な金額が変わってくるからです。個人投資家であれば、物価の動向には最大の関心を払うべきだと思います。

大まかに言うと、景気が良ければ物価は強くなり、景気が悪ければ物価は弱含みます。景気が良ければ所得が増え、消費意欲が強くなり、モノやサービスの値段が上がりやすくなります。逆に、景気が悪いと所得は伸び悩み、消費意欲が減退し、モノやサービスの値段が下がりやすくなります。

また、モノやサービスの値段は基本的におカネとの相対関係で決まるという面もあります。これによると、経済規模に比べておカネの量が増えてくると物価が上がりやすくなり、インフレになる可能性があります。一方、おカネの量が相対的に少なくなると、デフレになる可能性が増します。おカネが多いと物価高に、おカネが少ないと物価安になるということです。

さらに、おカネを持っている人は、モノを持っていた場合の値上がり益と同等の金利をもらおうとします。もし、モノを持っていたほうが有利なのであれば、おカネを貸すのではなく、モノを買って値上がりをねらおうとします。逆に、モノの値段が下がり気味のときは、それほど金利を要求できなくなります。つまり、物価と金利のあいだには、物価が上がると金利が上昇し、物価が下がると金利が下降するという関係があります。

以上、「物価」についてまとめると、

?@「景気が良い=物価高」、「景気が悪い=物価安」
?A「おカネが多い=物価高」、「おカネが少ない=物価安」
?B「物価高=高金利」、「物価安=低金利」


となります。

経済事象に関する原則−株価

一般的な「経済事象」を示す要素として、「金利」、「株価」、「物価」、「為替」の動きがあります。
今回は「株価」を紹介します。

新しいモノやサービスを作り出して儲かった人が、おカネを貸した人に対して取り分を渡すというのが金利でした。これに対して、おカネを貸すのではなく出資という形でおカネを出す人、金利はいらないけれど儲かったら利益の一部を払ってくれ、という形で新しいモノやサービスを作り出す企業の株を買う人が株主ということになります。

経済活動が活発になり、企業が儲かってどんどん利益を出すようになると株価は上昇します。逆に、企業が儲からなくなると株価は下落します。株価は、経済実態とその将来予測を映す鏡と言えます。

但し、企業がおカネを借りて金利を多く支払わなくてはならなくなると、おカネを貸した人に集めたおカネの大部分をとられてしまうので、株主の取り分が少なくなってしまいます。従って、金利が高くなってくると株価は下がることになります。逆に、金利が低いときには、株主の取り分が多くなるので、株価は上がるということになります。

以上、「株価」についてまとめると、

?@「景気がいい=株高」、「景気が悪い=株安」
?A「高金利=株安」、「低金利=株高」


となります。

経済事象に関する原則−金利

一般的な「経済事象」を示す要素として、「金利」、「株価」、「物価」、「為替」の動きがあります。
今回は「金利」を紹介します。

おカネを必要とする人は、将来、そのおカネを増やして返すことを約束しておカネを借ります。その増加分を「金利」と呼んでいます。金利は「おカネの使用料」のことです。

私たちは、預金をして金利をもらうことを当たり前のように考えていますが、それは、その裏側でおカネの使用料を支払ってくれる人がいて初めて成り立つことです。

おカネを借りた人は、新しいモノやサービスを作り出し儲けます。大きく儲けることができると、おカネを貸してくれた人に「金利」を多く支払ってもいいということになります。そして、儲かっている人が多ければ多いほど、経済全体としては景気がいいということになり、景気がよければ金利が高くなるということになります。

また、モノやサービスはもう十分にあるのだけれども、おカネだけが少ない場合があります。中央銀行である日本銀行がおカネの供給量を抑えている場合です。つまり、金融が引き締められているという状態です。このときは、おカネが相対的に少なくなるので、おカネそのものの価値が高くなり、金利が高くなります。

以上、「金利」についてまとめると、

?@「景気がいい=高金利」、「景気が悪い=低金利」
?A「おカネが少ない=高金利」、「おカネが多い=低金利」


となります。

日本の景気動向指数

景気動向指数とは、景気をとらえるための指標であり、日本では内閣府により毎月発表されています。大きく分けて次の3つに分けられます。

【1】先行指数
 景気の先行きを見るための指標であり、在庫指数、機械受注、新規求人数、新設住宅着工床面積などがあります。

【2】一致指数
 現在の景気と一致していると思われる指標であり、生産量、原材料消費量、稼動率など生産に関するもの、百貨店や卸売業の販売量など需要に関するもの、所定外労働時間や有効求人倍率など労働市場に関するものなどがあります。

【3】遅行指数
 景気に遅れて動く指標であり、法人税収入、完全失業率などがあります。

先行指数は、明日の景気を読むという意味で重要な指標であり、一致指数、遅行指数はその先行指数がどれくらい当たっていたかをチェックするものとも言えます。
一致指数のうち、前回よりもプラスになっているものが50%を超えていれば景気は「上昇」、50%以下であれば「下降」と判断します。

また、これらの事実の数字とは違い、企業の経営者に「景気はどうですか?」というアンケート調査をする「日銀短観」というものもあります。

為替相場変動のパターン(季節性)

今回は、為替相場の年間を通じての動きを見てみます。

【1月】
欧米企業の決算期初めであり、12月後半の流れを受け継ぐことが多いです。

【2月】
相場を大きく動かす要因は少ないですが、米国大統領の教書が発表され、それにより動きが本格化し始めます。

【3月】
日本企業の決算期で、決算期末に向けて海外投資で得た利益を確定するための外貨売りが行われます。

【4月】
日本企業の決算期初め。上旬はイースター休暇で動きが小さいですが、中旬から新規の投資資金が市場に流入し相場が活性化し始めます。

【5月】
日本のゴールデンウィークが明けてから、一部の国内機関投資家が年金など新規投資資金による投資を開始します。

【6月、7月】
特に大きなイベントはありません。

【8月】
夏休みで、欧米では1カ月程度の休暇を取る人たちもおり、比較的閑散な時期です。

【9月、10月】
日本企業の中間決算期、下期スタートで、基本的には3月、4月に近い動きを見せます。

【11月】
後半は米国の感謝祭による休暇で、休暇前にポジション調整の動きが起こることが多いです。

【12月】
欧米企業の決算期で、決算に向けて機関投資家のポジション調整が起こり、それまでの相場の動きとは逆の動きになることが多いです。中旬以降はクリスマス休暇で閑散とした動きですが、休暇明けより相場が本格的に動くようになり、年末年始の動きにつながっていきます。

為替相場変動のパターン(1日の動き)

為替市場は株式市場とは違って世界中が数珠のようにつながっており、24時間ずっと動いています。
そこで1日を区切るために、ニューヨーク時間の午後5時を1日の終わりとしています。
1週間で見ると、日本時間で月曜日の朝4時(夏時間は3時)くらいから、土曜日の朝7時(夏時間は6時)まで休まず動いています。

1日の動きについてのパターンを見てみます。

明け方のシドニー市場の時間帯は市場参加者が少なく、朝の8時くらいから東京のディーラーが参加し始め取引が徐々に活発化していきます。この時間帯は大きなニュースがない限りあまり相場は動きません。

午前中は、日本の公示レートが発表される9時55分まで活発に動き続けます。この時間が経過すると、徐々に相場は落ち着きを取り戻します。お昼になるとニューヨーク勢も眠りに入り、相場はますます静かになります。

夕方、午後4時前後になると、ヨーロッパ勢が市場に参加し始め、再び取引が活発になっていきます。午後7時まではロンドンの午前中にあたり、ヘッジファンドなどの仕掛けが入りやすい時間帯です。

夜、午後7時から8時前後まではロンドン市場も昼時になり閑散となります。その後、ニューヨーク市場が開く午後10時(夏時間は9時)くらいから取引が本格化していき、夜中の1〜2時くらいまで、最も激しく相場が動く時間帯となります。

深夜2時を過ぎるとロンドン勢が仕事を終えて市場は再び落ち着きを取り戻します。その後はニューヨーク時間の午後5時に向けて1日のポジション調整が行われ、多少値動きが見られます。

為替相場と経済指標

為替相場を動かすのは人であり、市場参加者たちの心理も大きな要因のひとつです。

それでは、人間の心理を動かすのは何かというと、やはり相場を動かす材料であり、最も大きいのは米国の動向です。そこで、米国が発表している経済指標を紹介します。発表時には相場が大きく動くことがあり要注意です。

1.貿易収支 (毎月月末に前月分を発表)
 国の収支には経常収支と財政収支があり、経常収支のひとつです。貿易収支は輸出量と輸入量の差額であり、赤字問題がクローズアップされているときに重視されます。

2.GDP (3カ月ごとに発表)
 国内総生産であり、国家全体でどのくらいの経済活動があったかを示すものです。1〜3月、4〜6月、7〜9月、10〜12月の四半期それぞれについて速報値、改定値、確定値と3回発表されます。特に重視されるのは速報値で、1、4、7、10月の月末に発表されます。

3.雇用統計 (毎月第1金曜日に発表)
 失業率、労働時間、賃金など、雇用に関連するさまざまな指標が発表されます。特に注目されるのは非農業部門雇用者数で、農業に携わっている人以外の人がどれくらい職に就けているのかを表し、前の月と比べてどのくらい増えているのかが材料となります。

4.消費に関する指標 (毎月中旬に先月分を発表)
 米国の消費動向は「車」と「家」の売上に左右されており、車の売れ行きがいちばん大きいウエイトを占める「小売売上高」と、「住宅着工件数」が重要です。

5.物価に関する指標 (毎月中旬に先月分を発表)
 物価の上昇はインフレと大きく関係しています。生産者が、製造したものをいくらで売ったかを示す指標である「生産者物価指数(PPI)」、消費者が、買うものの値段が高くなっているか安くなっているかを示す指標である「消費者物価指数(CPI)」があります。

為替相場はなぜ動くのか

外国為替相場の変動を説明するものとして、主に4つの説があります。

【1】国際収支説
 その国の国際収支(経常収支)が為替の需給に反映し、相場に影響するという説。
 日本の経常収支は毎年黒字であり、常に、貿易で得たドルを売り円を買う動きが発生するため、基本的には円高方向に振れるリスクが高くなります。

【2】購買力平価説
 それぞれの通貨が持つ購買力(同一のモノやサービスを買える価値)で決まるという説。
 各国のハンバーガー(ビッグ・マック)の値段をドル換算して比較し、それぞれの通貨が割安か割高かを判断する方法が有名です。

【3】アセット・アプローチ
 ある時点での資産の需給関係に注目し、金利の変化と外国為替変動予測が相場に影響するという説。
 蓄積された金額の利子の変化が重要であり、外国為替相場への影響が大きいと考えます。

基本的には【1】〜【3】のいくつかが、その時々の政治や経済の動向でクローズアップされます。ただし、同じ結果となっても同じ為替の動きをするということはまずありません。そこで、【4】の為替心理説が登場します。

【4】為替心理説
 市場参加者たちの判断基準や期待が相場に影響するという説。

心理とマーケットについては、ケインズの美人投票がよく知られています。これは、一番多く投票された美人を一位とするという投票であり、各審査員は自分自身が誰を一番美人だと思っているかによるのではなく、他の審査員がだれを選ぶかを判断基準として投票するという話です。

つまり、重要なのは、相場を動かす材料の選定やその動向予測にあるのではなく、それを市場参加者たちがどう判断すると考えるかということです。相場では、他人がどう予測するかを予測することが大事だということになります。

為替とは何か

為替とは、「交わし」という言葉が訛ったもので、現金の輸送をすることなしに債権債務を決済することです。外国為替は決済が国境を越える場合を言い、一般には「異なった国のお金とお金を交換する」ことです。

外国為替取引は「交換する」取引なので、必ず2つの国の通貨が関係します。最も身近な「ドル円」とは、アメリカドルと日本円の交換比率のことを言います。取引においてよく「外国為替市場」と耳にしますが、市場といっても株式のように取引を行う取引所があるわけではありません。テレビでレートが刻々と変わるモニターを見ている人がいる部屋の映像が流れますが、あれは取引をしているブローカーの映像です。

外国為替取引では、皆が合意した価格というのはなく、主に銀行間での相対取引によって決定します。銀行間取引では、自分が買いたくない、あるいは売りたくないときでも、「買ってほしい」「売ってほしい」と依頼されれば、見積もり(クォート)を出します。そのとき、買値と売値両方を同時に提示する必要があり、公平性が保たれています。この双方の値段を2ウェイ・クオートと言います。

テレビのニュース番組などで、「現在、ドル円は77円80銭から85銭で取引されています」と言うのは厳密には間違いで、ある銀行が1ドルを77円80銭で買ってもいいですよ、85銭で売ってもいいですよ、という意味です。

為替レートは刻々と変化していきます。対顧客と取引する場合は不便なため、原則的に毎日1回、対顧客向けに公表相場が提示されます。これを仲値と言い、日本では午前10時の銀行間取引を元に決定されます。私たちが銀行で両替するときは、仲値を基準にしたレートが適用されます。
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プロフィール

megapits
投資に関する技術、方法、話題を集め、金銭的に豊かな投資家を目指しています。
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