a.誰がそんなアホなこと言ったんや、
b.親方こないだ言ってました、
a.そうかなあ、まあ言われれば、出だしなんか単気筒のどでかいシリンダーがピストン運動してるようだなあ、
b.産業革命と関係するんじゃないすか、
a.ベートーベンの第9シンフォニーは何年や、出来たの、
b.1824年、
a.蒸気機関は?
b.1785年、ワットがピストン運動を円運動に転換、これにより産業革命の原動力となり、1804年に蒸気機関車が発明されてます、
a.なるほど、じゃあ当時最先端の技術だったわけか、
b.紡績業では1785年、すでに蒸気エンジンをつかった力織機が発明されてます、
a.ベートーベンがまだ15歳のときか、だんだん忙しくなるんだな世の中が、機械に支配されるようになって、
b.だから、あながち変な連想でもないようです、第九のスケルツォが蒸気エンジンだってのも、
a.この際、こじつけさせてもらうけど、中間のトリオ、ゆったりのんびりした部分は昼休みなんや、工場の、
b.なるほど、じゃあそれを挟んでピストン駆動の蒸気エンジンの前でこき使われるわけっすね、労働者諸君は、
a.第九のスケルツォって、両端がやたらせわしないだろ、あれは働かされてんだ、めちゃめちゃ機械のスピードあげられて、ヒイヒイ言わされてんだ、
b.でも、聴きようによっては、元気よく働いてるようにも、
a.まあどっちでもいい、問題なのはこれがエンジン音楽であるという点だ、
b.ピストン駆動のエンジンが発明されて初めて誕生した単調なリズムの繰り返しか、でも、バッハとかも同じ音型延々繰り返してますが、
a.スケルツォはベートーベンの発明だが、バッハの時代にはなかったヒステリックな感情や、皮肉、自嘲、あるいは機械的で爆発的な勢い、そんな新しい要素が加わったように思う、
b.産業革命の影響っすか、
a.分からないけど、工場で同じことばかりやらされてると、時に、プロコフィエフの第5シンフォニーのスケルツォが頭で鳴り響くのは確かだ、良くも悪くも時代が生み出した音楽スタイル、それがスケルツォだ、
b.そういえば、パチンコ負け始めると、ブルックナー第9のスケルツォが心で鳴り始めるって友人いましたね、
a.あのスケルツォも独特の雰囲気だもんなあ、両端の楽章は荘厳・崇高なのに、中間楽章のスケルツォはまるで機械みたいだ、
b.スケルツォ中間のトリオ部分も嬉しいのか悲しいのか分からんような、独特の情緒、それにどことなく急かされてるような雰囲気もある、
a.というわけで、スケルツォは産業革命が生み出した、せわしないピストンエンジンミュージックである、というお話でした、信じるか信じないかはアナタしだいです、
スケルツォ三点セット (YOUTUBEから)
ベートーベンの第九(17分19秒から)
http://www.youtube.com/watch?v=ZbwaWmcjb0M
ブルックナーの第九(25分34秒から)
http://www.youtube.com/watch?v=xr8gmYPxSyo
プロコフィエフの第五(最初から)
http://www.youtube.com/watch?v=RXweT1Ngghg
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(2013/4/23 20:30時点)
なぜだかスケルツォが素晴らしいクレンペラーの第九、
YOUTUBE・CDともに、ホルンはがっつり飛び出すし(YOUTUBE17分44秒〜)、他の演奏では埋もれてしまう木管群もバッチリ聞こえてくる(YOUTUBE21分58秒〜)、抜群の立体感に透明感、彫りの深いリズムのきざみ、さすが親方クレンペラー!!
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