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2014年09月26日

丹波の里のモミジ狩り(3)「亀岡盆地あたり」

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b.植林の杉だらけな保津峡(ほづきょう)ですけど、この鉄橋付近は落葉樹の紅葉も見られますねえ、

a.もしかしたらJRの土地なんで杉を植えられなかったのかも、

b.なるへそ、で、この道けっこう崖崩れの一歩手前みたいで落石の小石だらけですけど、

a.川ぞいに見晴らしも良いから、ときおりクルマをねじ込んでくるドライバーも居たりする、まあ滅多に居ないけど、

b.ここらあたりはあと十日も待ったら完璧ですね、

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a.待ってみっか、iPhoneみたく泊まりがけで、色づくまで、

b.しかし、行列がないと独りじゃなあ、マスコミも来ないし、

a.こっちは8割がた色づいてる、ここまで来ると見栄え(みばえ)すんなあ、

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b.純白のガードレールが意外にもアクセントになって良いすね、

a.保津峡を抜けて亀岡盆地に入った、山ぞいの広く滑らかな府道を北へ進むで、

b.保津小学校手前の、こりゃ完璧な紅葉、

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a.こっちもすごいで、イチョウが完全に黄色くなってる、

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b.こんだけ鮮やかやと心が躍りますね、

a.ところで、残念なお知らせやけど、今回のタイトルは「丹波の山の〜」ってことなんで、亀岡盆地ともそろそろお別れして、七谷川(ナナタニガワ)にそって高度を上げてくで、

b.川は見えないけど、この「和らぎの道」って遊歩道でいいんすか、

a.うむ、このまま山ぞいにじわじわ上ってくと、七谷川(ナナタニガワ)に自然と出てくるし、あとは川をなぞって登るだけや、

b.どれくらい登るんすか、

a.ここ府道25号線が標高117m、和らぎの道を登って140m地点で七谷川(ナナタニガワ)の小橋、そこから府道50号線まで300mちょい登って453m地点の原神社でおむすびタイムや、

b.ああ、数字にして言われるとココロが折れますね、聞かんかったことにしよう、

a.まあ、紅葉まちがいなしやから、見ながらゆっくり登れば何てことないはず、

b.じゃあ、まず和らぎの道から、っていきなりきつい坂で和らぎませんね、

a.きついのは最初だけや、ほれ和らいできたやろ、

b.立派なお寺の屋根越しに亀岡盆地の田園風景か、確かに和らいできた、何という寺ですか、

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a.養仙寺(ようせんじ)といって、丹波七福神のホテイ様がまつられているので、またの名を「ほてい寺」とも言うそうじゃ、

b.なるほど、正面からはこうなってるんか、

こちらアタさんのブログに寺院の詳しい解説があります、
http://atanote.blog109.fc2.com/blog-entry-357.html


「七福の寺から亀岡盆地かな」、

a.少しくもり空で見上げるイチョウもマット調(=つや消し)でいいなあ、

b.色づく前のモミジも、こうやってじっくりながめると美しいっす、

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a.さあ、それでは和(やわ)らぎの道から渓流ぞいに300m登っていこう、

b.曇ってきたせいか、紅葉の絶景に立ち止まることもあまりなく、登り切っちゃいました、

a.もっと良いと期待してたんやけどなあ、光が当たらんせいかなあ、

b.でも、きつい坂は最後の方だけで、けっこう楽に登れました、

a.ちょっと前まで、バスも行き来してた山道だけに無理のない傾斜角やった、

b.さて300m登って標高450m付近を走る府道50号線にやってきましたが、けっこうな傾斜地にまとまった集落が寄り添うように固まってあります、

a.それに呼応して神社仏閣も、

b.この原神社で休憩すか、

a.うむ、神社の石段から鎧田(ヨロイダ)っていう曲線を描く棚田が広がって見えるんで、いつしかここがお気に入りの休憩場所に、

b.ああ、これが鎧田すか、機械が入りづらい、作り手にはきびしい田んぼですね、

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a.見る側は楽しいだけやけど、耕す方はさぞ大変やろなあ、

b.神社から枝垂(しだ)れてるモミジも見頃はまだ先かあ、

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a.と思ったら、となりのイチョウはもう見頃も終わり、なかなか思い通りに行かへんなあ、

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b.まあ、これだけはどうしようもないから、とにかくおむすび食べて、先に進んでみましょう、

a.それしかないなあ、きっと見頃のモミジに出会えると信じて、



2014年09月21日

丹波の里のモミジ狩り(2)「保津峡」

b.例によって、何回登っても楽になんない六丁峠を越えると、ウソみたいに明るくなって山奥の渓谷が見晴らせます、

a.登りはじめてもう1時間たったような気分や、まだ10分そこらで、

b.保津峡(ほづきょう)にかかるあの線路は、

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a.トロッコ電車やろ、JR嵯峨野線はもっと奥のはず、

b.しかし、六丁峠って、もともとは六腸峠っていうのはホンマすか、

a.誰がそんなこと言ったんや、

b.自分がたったいま思いついたんすけど、このえぐいカーブの連続を見て、

a.なるほど、腸のような急カーブを6回も繰り返して六腸峠か、うまいこと言う、

b.峠を下り終えてまたじわじわ登り始めると、橋の上にホームがあるユニークなJR保津峡駅が見えてきた、

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a.ちょうどここらへんのガケの岩が落っこちて、保津峡下りの船を直撃したんやなあ、その後の安全対策はどうなってるんやろ、

b.気の毒に、20代の女性が大ケガされたんすね、

a.京都に30年居てたけど、保津峡じゃ一番大きな事故やった、

b.転覆事故も一回あったような、

a.それも大きな事故やったなあ、新米の船頭さんが船をあやつる棒きれを岩の割れ目に突っ込んで、取ろうともがくうちに転覆、そういえば自分も一回だけ、乗せてもらったことがあるなあ、バイト先の喫茶店の社員旅行みたいなんで、

b.どうでした?

a.素晴らしかった、ちょうど紅葉真っ盛りで、水流も穏やかで、静かな気分で紅葉見物できてしみじみ良かったなあ、

b.ところで、そうとうヒンヤリしてるし、JR保津峡駅の自販機でホットコーヒー飲みませんか、

a.そういえばあったなあ自販機、こんな山奥やとオアシスに感じるなあ、

「自販機は オアシスやろか 山奥の」、

b.振り返ると、そんな保津峡駅へ渡る赤い橋が朝日に浮かんで見えてます、

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a.渓谷やから当然やけど、谷が深いなあ、それにけっこう紅葉してんなあ、

b.この分かれ道どうします?

a.どっちでもええけど、今回は何となく左がいいなあ、坂も楽やし川も見れるし、

b.Oh!、コレはいきなり鮮やかに色づいてますね、

PB150010.jpg

a.このあたりは植林の杉だらけで、あまり期待してなかったけど、ひとりでがんばってんなあ、

b.なんていう名の樹木ですか?

a.さあ、

b.オッ、赤もありやすぜ、親方、

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a. 「植林の 杉に負けるな 紅葉樹」、

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b.さっきの六丁峠を思わすような急坂を上って下ると、またまた川ぞいに出てきました、あの線路はトロッコ電車の走る、

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a.しかし、すごいとこ走ってんなあ、対岸から見ると恐怖やなあ、

b.ここの安全対策もどうなんか気になりますねえ、

a.元々はここが山陰本線やったんか、ようこんな崖(がけ)っぷちに線路ひいてトンネルまで掘ったもんやなあ、昔のヒトの方が体力あったんかもなあ、

b.まさに日本近代化遺産っすね、

a.そしてこちらが、現役の山陰本線、通称「嵯峨野線」、

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b.さっきと比べると、なんかスッキリしてるし、苦労の跡があまり感じられないような、

a.機械化が進んで、トンネル技術も戦後アホみたいに向上してるしなあ、

b.ああなるほど、トロッコの線路が鉄橋をくぐってるわけか、近代と現代の違いがよう分かりますねえ、

a.振り返ると、ちょうどトロッコ電車がやってきて、シャッターチャンスや、

PB150016 - ハ?ーシ?ョン 2.jpg

b.こうなると、ヤラセでも良いから上の線路に特急列車なんか置いて欲しいとこですなあ、先生、

a.そんなアホがでけん(=できる)のは、黒沢明監督か横山やすし師匠だけや、






2014年09月19日

丹波の里のモミジ狩り(1)「嵐山スタート」

b.しかし、ずいぶん間が空いちゃいましたね、9月最初の投稿が19日とは、

a.8月とは一転、9月はさわやかな晴天続きで自転車漕ぎが忙しかった、おまけにだいたい輪行旅も紹介し終わった感もあってなあ、

b.もうそろそろネタ切れっすか、

a.いちおう、年内までは京都のことを取り上げて、来年からは移り住んだ故郷、ここ岡山の魅力を紹介できればと、

b.30年ぶりに京都から岡山にもどって、どうすか?

a.クルマがえらい多くなったなあ、

b.京都と比べてどうすか、

a.えらい走りやすいなあ、クルマが多い道さえ外せば、果てしなく快適に走ることも可能や、

b.来年からは岡山弁で行くんすか、

a.さあどうやろ、いま使ってる関西弁も気楽な感じがええんやけど、

b.岡山弁ってあまりピンと来ませんね、

a.そう、コレで話しても、しっくり来る国民の数が関西弁に比べたら圧倒的に少ないけんのう、

b.だったら、関西弁で通しますか、

a.お笑いにも使えるし、なにかと便利な言葉やなあ、

b.で、今回はいずこへ参りやしょう、

a.秋になったが、紅葉はまだ先の先、でも、そんなこと言ってたらあっちゅう間に年末やさけえなあ、

b.早めに紅葉特集やっちゃいますか、

a.そうしよう、

b.時と場所をおねげえしますだ、

a.2009年11月15日、住んでた嵐山から鉄道を使うことなく、丹波の山中へ直(ちょく)に分け入るでよ、

b.カメラと自転車は?

a.カメラは小さいボディーでよく活躍してくれたオリンパスのミュー1050SW、自転車はどれよりも手荒に乗って、どれよりも寿命が長い質実剛健の代名詞、1996年製ミヤタの名作MTBリッジランナーに、シュワルベ社のマラソン・スプリーム(26x2.0)という高級スリックタイヤ、2.0という太めのタイヤでまろやかな乗り味ながら、ビックリするほど軽く感じる名作タイヤでござる、

b.そんじゃまあ、ゆるりと参りますか、

a.うむ、まずは六丁峠のえぐい坂を越えて保津峡へ向かわねば、丹波の「た」の字も始まらん、なわけで渡月橋から嵯峨野をじわじわ登って峠の入り口に向かおう、

b.峠の入り口までも嵯峨野の観光ルートをけっこう登るんやなあ、忘れてた、

a.さすがに8時過ぎやと、渡月橋から嵯峨野にかけて観光客もおらず、店も閉まったまま、なにやら独り占めしてるような良い気分や、

b.おまけにいきなり紅葉してますねえ、

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a.ここが結局一番良かったりして、

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b.六丁峠は止めて、このまんまのんびり嵯峨野めぐりしませんか、

a.それもええけど、なにやら丹波が俺を呼んでるさけえなあ、嵯峨野めぐりは後回しで六丁峠のきっつい坂を無理せんと登ってくで、

b.いつもそうやけど、ここホンマに寒いっすね、

a.杉が空をおおって日が射さへんしなあ、無縁仏の霊気も手伝って、年中ヒンヤリしてんな、たしかに、

「こころまで ひんやり六丁 峠かな」、

b.そういえば、友人の原付が深夜に謎のエンストを起こして、バックミラーに人魂が映ってたのもまさにこの場所っすね、

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a.うむ、翌朝ここまで歩いてバイクを取りに来たら、ハンドルが雑巾を絞ったようにグニャグニャに変形してたんや、ああ今でもあの奇怪なねじれハンドル思い出す、

b.やはり京都も嵯峨野のあたりは深夜出歩かない方が賢明すね、

a.数え切れないほどの神社仏閣で霊的に治まる京の町、とはいっても、ミルフィーユのように歴代の人々が大ぜい層を成して眠る世界最古の都市やさけえなあ、すべてを封じ込めるわけにもいかんやろ、

「ある程度 出てもしゃあない 京の町」、



2014年08月29日

丹波大阪山づたい(4)「山から里へ」

a.さあ、自前の弁当食って山並みもながめて休憩もじゅうぶん、そろそろ行こか、

b.あとは登りもなく、標高500mあたりから15m前後の大阪府高槻市中心部へただひたすら下るばかり、

a.200mひたすら下って林道も府道に変わり、最初に出会うんがここ萩谷の集落、バス停の地図記号もぎりぎりここまではある、

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b.ひなびてんなあ、右手の神社には立派な御神木(ゴシンボク)もそびえてるし、江戸時代からそのまんまみたいや、

a.この土地を1から切り開き、掘り出された小石で石垣を築き、土地を区画し、大変な苦労やったろうなあ、最初の村人は特に、

b.そんな村人の心が生き続けてるのか、不便な山間傾斜地でも、稲が元気に育ってる、便利な都会はすぐそこやのに、

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「開拓の こころ脈打つ 棚田かな」、

b.さらに100m下って標高200m、さすがにデカいな北大阪変電所、

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a.エレキテル全盛の時代やさけえなあ、この分厚いフェンス見ただけでも、どれほど重要な施設か分かるなあ、

b.ああ久々にノーブレーキでのびのび走れる、なんかほっとすんなあ、

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a.大規模ニュータウンも見えてきた、

b.この一帯は、名神高速をはさんで戦後急速にヒトが住み始めたエリア、

a.関西大学や大阪薬科大学もあるでよ、

b.しかし、この先、ぜんぜん道分かりませんよ、

a.そうやなあ、脇道も知らんし、とりあえずこの府道115号線をこのまま進んで行こう、で、名神をくぐったら左手に古墳らしき森が見えてくるはず、

b.今城塚(いましろづか)古墳か、淀川流域で最大と言われてる、

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a.この横を西国街道が伸びてるし、コレにそって少し東へ進めば、JR高槻(たかつき)駅前に出られるはず、

b.なんでそんなこと知ってるんすか、

a.西国街道っていえば、京都の南西エリアからJRや阪急の鉄道とからみながら、ずっと道なりに続いてるし、独特の趣もあるんで、何度かこのあたりまで来たことがあるんや、

b.しかし、道が細いわりには、けっこうクルマねじ込んでくんなあ、

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a.たしかに、でも歴史ある街道筋なんで、あちこちに味わいが残っていて、ちょっと楽しかったりする、

b.ホンマですねえ、芥川(あくたがわ)を越えたらもっと味のある細道になって、昭和丸出しのアーケード街も見えてきた、駅はすぐそこみたいっすね、

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a.しかし、すごいヒトの数やなあ、山ん中よりかなり暑いし、さあJRに乗ってすみやかに京都へもどろうぜ、

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b.でも、あと300メートルも進めば、阪急の高槻市駅で、そっちなら最寄りの嵐山駅まで送ってくれんのに、なぜまたけっこう揺れもデカいJRでもどるんすか、

a.これ以上、1メートルも走りたないからや、それに自転車を輪行袋に詰める涼しいスペースも見つけたし、

b.バスターミナルのロータリーに紅白の提灯が並んでる、どこの夏祭りかなあ、

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a.提灯には「 高槻まつり 」とある、

b.1970年から始まった市民祭りか、神社やお寺と関係ないとこがいかにもニュータウンっぽいな、

a.高槻は歴史ある町やけど、これだけ戦後の宅地開発が進むと、ニュータウンってイメージの方が圧倒的に強い、

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b.JRと阪急、ふたつの鉄道で戦後急成長した町、高槻市か、

「高槻は W列車で 行こう町」、

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b.それじゃあ、猛烈に汗もかいたし、着替えなどの汗対策をしっかり講じたうえで、冷房の車内へ乗り込むことにしましょう、

a.うむ、それは紳士らしきあっぱれな思いつきじゃ、



2014年08月22日

丹波大阪山づたい(3)「岡山林道」

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b.ところで、コレって岡山林道でいいんすか、

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a.このエリアを走りまくってるヒトによるとそうみたいやけど(=そうらしいけど)、オレらが入ったのは別の林道で、それがいつしか岡山林道に合流したようやな、それに、この林道もこの先、いきなり府道115号線に変わるし、なんか妙な感じやなあ、

ここ北摂(ほくせつ)エリアを中心に走っておられる方のブログに岡山林道について詳しい解説がありました。
http://nekotani.blog.fc2.com/blog-entry-9.html

b.それはきっと、大阪の市街地から萩谷って山奥の集落までは府道を付けたけど、その先は人も住まない山ん中やし、林道あつかいにしたんちゃいます(=林道にしたんじゃないすか)、

a.ああ、なるほど、京都側から走って来たし、その発想がなかった、

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b.しかし、すぐ数キロ先に大阪という大都会が広がってるとは、とても信じられない山の中、

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a.こんだけ道が広くなめらかで大都会が近いなら、もっとクルマが走ってあたりまえ、

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b.大阪七不思議っすね、

a.そりゃ言い過ぎやろ、林道はさんで便利な府道が2本も延びてたら、みんなそっちへ流れる、よっぽどの好きモン(=変わり者)以外は、

b.たしかに、時々出くわす人々はみんなどこか一癖(ヒトクセ)ありそうな輩(ヤカラ=連中)ばかり、

a.オマエが言うなや、

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b.しかし、たまの休みだというのに、真夏のくそ暑い昼下がり、寝不足のカラダをひきずって大量の汗をかきながら、頼まれもしない林道を、よく走りますねえ、

a.ホンマやなあ、時々自分でもそう思う、なんでオレはこんなことしてるんや、

b.カラダを動かすのが好きなんすね、

a.それもあるけど、なんかもっと深いところで、生きてるって感じがするんや、

b.平日でも会社で生きてますけど、

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a.「より良く生きる」っていうか、誰から頼まれるでもなく、地図を見て、道を決めて、喜んだり、がっかりしたり、息が切れてつらかったり、下り坂が安楽だったり、そうやって自分の色んな能力を使いながら、次々に展開する新鮮な景色をながめてると、「ああ生きてるなあ」ってしみじみ感じるんや、だからこんなこと続けてるんや、きっと、

b.修行のようにも見えるけど、

a.むしろ逆で、本人はそのつらさもふくめてきっと楽しんでるんや、大まじめな顔してるけど、

「ああおもろ(=おもしろい) 真夏チャリンコ 大まじめ」、

b.ところで、そろそろメシにしませんか、

a.そうやなあ、林道も見晴らしが良くなってきたし、ここらで休憩すっか、

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b.しかし、山が深いっすね、

a.大阪近郊といっても侮(あなど)れんなあ、高さはないけど、奥深さは一級品や、

b.コレ敷きますか、輪行袋、

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a.ああ、それは良いアイデアでござる、この季節、地面はどこもアリが這い回ってるでなあ、ゆっくり座ってメシにしよう、

b.いま何時すか、

a.正午過ぎ、ちょうど昼メシ時、

b.中学校跡地の記念碑を眺めてたのが午前10時ごろ、それからまだ2時間ちょい、もう6時間たったような気分やけど、

a.上り坂が多いと3乗で時間が過ぎるしなあ、

b.タテXヨコに加えて高さも掛けて3乗か、

「山の道 苦楽も時も 三乗分」、

a.汗かきすぎて食欲もないけど、こうやって遠くの山並みを見晴らしながら弁当食ってる自分ってきっと幸せなんやなあ、

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b.なんか、変な言い方ですね、幸せじゃないんすか、

a.そうやなあ、幸せって言うよりもなんか仕事してるような淡々とした気分や、

b.っていうと、

a.このあと、どの路線のどの駅から帰ろうかとか、次の自販機でなに買おうかとか、どうでもいいようなあれこれを何となく思い描いて、それほど幸せに浸ってるような気分でもない、

b.まあたしかに、いつどこで自転車やカラダに異変が生じるかも分からんし、自分の家へ無事到着するまでは、いくつも地味な段取りがあるし、

a.身の回りを世話する係りが居るわけでなし、常に大小の緊張感にさらされてるし、

b.だからきっと、明日あたり、仕事しながらふと、この旅路を回想して、じわっと幸せになるのかもしれませんね、


2014年08月13日

丹波大阪山づたい(2)「桜峠から大阪府最北端へ」

a.さあ登ってくで、人生みたく(=みたいに)、
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b.元気ええなあ、さっきまで寝不足とか言ってたのに、

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a.この豊穣(ほうじょう=リッチ)な植物たちが光合成パワーをくれるんや、

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b.しかしこの峠道、人っ子ひとり出会いませんね、

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a.日影の部分はコケむして、バイクやクルマは滑りやすいし、道幅も無いしなあ、

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b.しかし、今さら言うのも何やけど、わざわざ桜峠を越えないでも、手前の幹線道路そのまま南に進んだら直(ちょく)で大阪ですよね、

a.うむ、わしも最初はそう考えて、府道46号線で大阪府へ向かったんやけど、後半の雰囲気が悪いんで、一回でこりた、

b.一見良さそうな道に見えるけど、

a.じっさい走ってみないと分からない、その良い例のひとつ、

b.どこがイマイチなんすか、府道46号線、

a.採石場がらみでほこりっぽく、ダンプカーも多く、景観も荒れている、ただ、近年になって改良区間も出来たそうなんで、前よりはちょっとはましかもしれんけど、

b.なるへそ、そんで桜峠を越えてからも、このダラダラ坂を登らされてるんか、一体いつまで続くんすか、

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a.桜峠を越えた地点が標高271m、わりと空いてる府道を5キロほど、途中一度だけアップダウンもあるけど、じわじわ登ってトンネル越えたら標高364m、ざっと100m近く登ることになる、そこから景色が一転するし、そこまでのしんぼうやな、

b.そうかなあ、その先また登りやないんすか、

a.そんな先の事を今から考えてたら、人生と一緒で何もかもイヤになるし、そこはあえて伏せておこうやないか、

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b.でも、なんでこの坂、地味にしんどいんかなあ、それほど傾斜はきつくないけど、

a.クルマ用の曲線で道路を作ってるからやろ、

b.クルマ用の曲線?

a.時速40キロ程度で初めて快適に感じるようなゆるいカーブ、俺ら自転車乗りには、逆に見通しが良すぎて、つらく感じるんやないか、

b.なるほど、人生といっしょやも知れませんねえ、

a.そんな地味つらいゆる坂も、この樫田(カシダ)トンネルで終わりや、

b.トンネル抜けると、せまかった谷も見晴らしよく広がって、町と呼んでもいいようなまとまりある村が、ここ雰囲気良いっすね、

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「学校と 郵便局で 町らしい」、

a.この樫田(カシダ)小学校を右に見て進むと府道6号線でクルマと共に大阪市街地へ、もちろん俺らはそっち方面じゃなく、途中から林道へと分け入ることになる、

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b.しかし、ここはもう大阪府の最北端になるのか、

a.そうや、つまりほとんど大阪に到着してるようなもんや、

b.うまいこと言いくるめられて、きっとこれからきっつい林道登らされるんやろなあ、路面が荒れてないことを祈るばかりっす、

a.ワシもいま懸命にそれを祈っておる、

b.あんまりひどい道なら、勇気ある撤退(てったい=引き返し)をお願いしますよ、寝不足なんやし、

a.うむ、しかし、どうやらその必要はなさそうやな、

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b.えっ、これが林道なんすか、イメージと全然違うけど、

a.我々の祈りが天に通じたようじゃ、

b.林道なのに、今までの道とまったく同等か、それ以上になめらか、

a.クルマが来ない分だけ、こっちの方が快適なくらいや、

b.これなら、ちょっときつい坂でも登ろうって気になりますね、

a.そうか、とうとうその気になってくれたか、

「平成の 林道なめらか 嘘のよう」、

b.きつい登りは最初に集中して、あとは割とゆるいっすね、

a.やっぱり標高500mあたりやと、それなりにからっとして涼しいなあ、

b.しかし、いったい自分らはどこにいるんでしょうか、さっぱり感覚がつかめません、

a.そうやなあ、目印になる大きな山もないし、この辺は今回が初めてやし、なおさらや、

b.あと、ハッキリ感じるのは、不法投棄の粗大ゴミ対策が徹底してること、

a.投げ捨てそうな危険個所はことごとくデカい柵(サク)がブロックして、今までのどこよりも徹底してるなあ、

b.これなら、投げ捨てる側もこれ以上は汚さないような気持ちになるやも、

a.人口密集地の大阪やし、どこよりも被害が早く大きく現れたんやな、

「粗大ゴミ 片づきスッキ 林道や」、





2014年08月05日

丹波大阪山づたい(1)「亀岡盆地スタート」

a.昨晩は蒸し暑くて寝苦しかったなあ、

b.完全に寝不足です、

a.ああ、それでもこの炎天下に自転車を転がしたいってか、根っからの自転車好きやな、

b.いや、誰もそんなこと、言うてませんが、

a.そうか、それほど行きたいならもう何も言わん、とりあえず最寄り駅のJR嵯峨嵐山駅から出陣いたせ、寝不足ゆえ、いつにもまして熱中症対策のアルカリイオン飲料を忘れるでないぞ、

b.2リットルで足りっかなあ、

a.あと1リットルのお茶と塩分を効かせたお弁当があれば、まずだいじょうぶ、

b.ほんじゃ、いずこへ参りやしょう、

a.JR嵯峨野線の下りで4駅目、並河駅からスタートじゃ、

b.して、カメラと自転車は、

a.キヤノンのパワーショットG7と、ミヤタの名作マウンテンバイク、リッジランナー1996年モデル、

b.日付は?

a.2008年8月3日、

b.しかし、いきなり何すか、ドアップな(=メチャ近くで写してる)この石碑、

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a.並河駅の南に位置するここは亀岡運動公園、この一角にかつて南桑(ナンソウ)中学があった、その証(あかし=証拠)や、

b.石碑には「昭和24年、地域住民の血のにじむような勤労奉仕の末に校舎が完成した」とある、自分らで建てたんか、

a.さっき道の横に見えてたあの中学かあ、元はここに校舎があったと、

b.戦争が終わって、人々の気持ちが前向きになってる、そんな明るい勢いを感じますね、

「終戦の 村に手作り 校舎かな」、

a.犬飼(イヌカイ)川を渡ってさてどこに行こうかなあ、

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b.行き先、決まってないんすか、

a.一応ルートは決めてるけど、けっこうきつい登りもあるから、もうちょっと体調を見てから決めよう、

b.青い田の向こうに立派な屋根と立派な樹木が、

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a.「原田邸のセンダン」といって亀岡の名木らしい、

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b.ありやした、記事と画像がウェブに詳(クワ)しく、それによると京都府で最大のセンダンやそうです、

http://www.tree-flower.jp/26/harada_sendan_561/haradatei_sendan.html

a.でかいセンダンは育つし、西国三十三所の穴太寺(アノウデラ)はあるし、 出口王仁三郎(オニサブロウ) は生まれるし、この土地パワー有るんやなあ、

b.3か7で三つそろえばフィーバースタートですし、

a.なんの話をしとん、

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b.で、犬飼川にそって林道へ向かうと、

a.それも涼しげで良いけど、今回は反対側、京都学園大学の方から桜峠を越えていこう、

b.そんな峠、地図にありませんけど、

a.与能(ヨノ)神社から細い道が山んなかへ、あると思うけどなあ、

b.ああ、これかなあ、峠の名前はないけど、

a.名前が載ってたり載ってなかったりなんで、そんでええ、

b.これがその与能(ヨノ)神社か、こじんまりしてるけど、風格ありますねえ、

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a.「与能(ヨノ)」の「能」にかけてんのか、芸能関係の参拝も多いとか、

「芸能の 能はおそらく 与能(ヨノ)の能」、

b.舌噛みそうですが、亀岡盆地にひっそりたたずむ芸能ゆかりの神社、ミヤネさん、こちらからは以上です、

a.なんの話をしとん、

b.しかし、この桜峠、意外と快適ですね、木陰と小川でじゅうぶん涼しいし、坂もわりと穏やかで、

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a.iPadの無料地図アプリ、マピオンで調べてみよう、神社が標高148m、桜峠が332m、ココから下って府道46号線に出た地点は273mか、下りはちょっとやな、

b.しかし、なんか歴史を感じさせる小道ですね、今じゃ誰(ダーレ)も来ないで苔生(コケム)してるけど、

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a.霊感は無いけど、長い年月、何度も人が往来して、道に型が付いてるようや、

b.型(かた)ってどういうことすか、

a.たとえば、東海道や中山道はもっとハッキリしてて、道にスムーズな流れのようなもの染みついてるんや、

b.しみついた流れのようなもの、なんか不思議な感じがしますね、

a.言われてみればそうやなあ、いい具合にすり減って握りやすくなった木のグリップみたいな、そんなスムーズな感触を道に感じるんやもんなあ、

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「涼やかに しっくりのぼろ 夏古道」、

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2014年07月29日

梅雨ただ中の奈良盆地(6)「最後はやっぱり明日香村」

b.ココはもう明日香村ですか、

a.いや、まだとなりの高取町やけど、 「このほこら 過ぎて下れば 明日香村」、

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b.このほこらあたりもそろそろ草刈りですね、

a.うむ、これからはクルマ同様草刈りも、進歩いちじるしいリチウムイオンバッテリーの時代なのか?



b.近鉄飛鳥駅前を過ぎていよいよ明日香村です、

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a.しかし、いったい明日香村の魅力ってなんやろ、田んぼが広がってるふつうの田舎みたいやけど、

b.まさにそこなんじゃないすか、

a.でも、歴史的に重要な古墳や遺跡の方やろ、ふつうは、

b.でも、じっさい自転車で流して感じるのは、風景全体から漂ってくる、懐かしい日本の姿やないすか、

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a.つまり、こういうことか、進んで国が守るほど重要な遺跡が集中してるんで、エリア全体の土地開発がきびしく制限され、結果なつかしい日本の景色が残ってると、

b.そんな事でしょう、それにやっぱり景色が秀(ひい)でてますねえ、地形が微妙に起伏して、意味ありげな森が点在してて、

a.ふつうなら、戦後の経済成長期にこれらの森はつぶされ、家や工場になってるとこやなあ、

b.だから、 「できるなら 旅の最後に 明日香村」っていうのがベストですね、

a.なんで?

b.この景色を知ったら、どこも見劣りしそうで、

a.ああそういうことか、たしかになあ、

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b.遊休農地解消事業としての花壇か、

a.上平田集落活性隊とあります、少子高齢化で跡継ぎの居ない田んぼを荒れ地にしない工夫、さすがに明日香村やなあ、

b.ものすごい分量のPDF文書もウェブに載ってます、

明 日 香 村 景 観 計 画
http://www.asukamura.jp/toshikeikaku/imgs/pdf/keikan.pdf

a.国も県も村も住民もみんなココを守ろうとしてる、こりゃココロ強いな、

b.777(スリーセブン)どころか7777(フォーセブン)すね、しかも国からの確変保証付き、

「由緒(ユイショ)ある 明日香(アスカ)の村は 7777(フォーセブン)」、

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a.そんな明日香村も自転車じゃあっという間、今度いつ来られるかも分からんし、ゆっくりタイヤをころがそう、

b.聖徳太子がお生まれになった、橘寺(タチバナデラ)

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a.いつも思うけど、手前のミニ棚田が効果的やなあ、リズム感があってお寺をさりげなく引き立ててる、

b.ここから飛鳥(アスカ)川の細い流れにそって自転車道がゆるやかに下ってゆきます、

a.ああ、このまま下界へ吸い込まれる、ちょっと待った、ここは小休止や、上流方面をもう1度ふりかえらしちくり、

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b.じゃあ、ついでに今回の旅も締めくくってくんしゃい、

a.2009年7月11日、朝7時過ぎには家を出て、京都駅から近鉄特急で西大寺駅まで輪行。梅雨明け間近な奈良盆地を西寄りに南下し、矢田丘陵の東麓(トウロク=東側の山すそ)にそって法隆寺へ。竜田川公園を見てから大和川を渡り、葛城川(カツラギガワ)にそって少し単調なルートで御所市(ゴセシ)へ。葛城山ふもとの高台からは葛城(カツラギ)古道にそって紀伊山地などの山並みをながめながら快走。五條市の手前から左旋回して、近鉄吉野線にそって明日香村ヘ。最後にゆっくり飛鳥(アスカ)めぐりをしながら、夕方5時前には京都行き特急の始発駅、橿原神宮前駅へ。

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「静か道 葛城(カツラギ)経由 矢田〜明日香」、




2014年07月25日

梅雨ただ中の奈良盆地(5)「左旋回で明日香村へ」

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b.ここもそうやけど、農村も高齢化して、竹林の手入れまで手が回んないんすね、

a.どういうこと?

b.竹は成長が早いから、いつも手入れしないと、伸びすぎて、かえって有害になるとか、テレビでやってました、

a.そういえば、お化けの居てそうな暗い竹林がほとんどやなあ、じゃあ日の差し込むスカスカの明るい竹林のほうがええわけか、

b.らしいっす、

「スカスカの 明るい竹の 生える村」、

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a.なんか心に残るええ木やなあ、

b.ときどき畑のわきに見かけますね、ぽつんと一本だけ味のある木が生えてる風景、農家のヒトは作業の合間にあの木陰で休憩するんかなあ、

a.遠くの山なみまでスッキリ見渡せる思たら、なんやかんやで標高300m近い高台に居てるんか、

b.虫も多そうやけど、ちょっとテント張りたいような、あの木のそばに、

a.農家の人に怒られそうやけど、事情を説明したら感じよく場所を貸してくれそうな気もする、一晩借りるか、

b.まさか、テントもないし、今日中に近鉄特急で京都までトノサマガエルが良いっす、gerogeーro、

a.じゃあ、このまま進もう、

b.しかし、山深いエリアですね、奥行きがハンパないっす、

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「紀伊山地 高さはないが 奥深い」

a.山波ってコトバどおり、奥からどんどん押し寄せてくるような、

b.ここからさらに正面、南方向へ進むと、左から流れてくる吉野川と出会うんか、

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a.そこが五條市、川ぞいに下流へ進めば、つぎの橋本市はもう和歌山県でござる、

b.もうそんな遠くへ来てるんか、なんか急に心細いなあ、

a.われわれの南下もここまで、切りがいいから一休みしようか、

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b.まだ2時過ぎか、もっと経ってるような気がしてたけど、

a.言うても相当な田舎やなあ、

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b.幹線道路はクルマ多いけど、ちょっとはずれると静かで良い感じ、明日香村にはどうやって行くんすか、

a.最寄りの国道24号線とは点で交わって、そのままクルマも来ない小峠をひとつ越えたら、JR和歌山線と近鉄吉野線が並んで走る、ひなびた谷あいの道に出る、あとは近鉄にそって道なりや、

b.休憩を終えて20分ほど走ってきました、小峠を越えて、歴史の深みを感じる細い道を進んできましたが、今どのあたりですか、

a.近鉄とJRが仲良く停まる吉野口駅の駅前、

b.このお屋敷は、このあたりで一番のお金持ちでせうか?

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a.そうかもなあ、でも、 全体に黒々してて、ちょっと怖いような・・・住んでるヒトに怒られるわ、

b.それから10分後、トトロのような田園風景、

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a.さっきまで、あの山すそを走ってたんやな、遠くに見える、

b.メイちゃんが迷子になったそうです、地元の消防団の人たちも捜索を始めたとか、我々も手伝いますか、

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a.そうやなあ、でも夕暮れには時間もまだたっぷりあるし、いざとなれば、奈良交通さんが子供の安全にと購入した猫バスが、何とかしてくれるはずや、向こうに猫バス専用の鉄塔や電線もあるしな、

b.さらに10分走って、ここは以前来たような、

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a.岡宮天皇陵からのながめ、ここまで来たら明日香村も高松塚古墳も目の前や、

b.まだ三時前やし、これならちょっとだけ明日香めぐりも出来ますね、

a.そうやな、せっかくここまで来て、明日香めぐりをはずすんはあまりにもったいない、めぐりながらそれとなく、京都行き特急の始発駅へ向かうことにしよう、




2014年07月19日

梅雨ただ中の奈良盆地(4)「葛城山の山裾あたり」

b.正面の山々は、

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a.たぶん手前が葛城山(カツラギサン)で、奥は金剛山、ちゃう(=ちがう)かなあ、自信ない、

b.あの山すそに向かうんすか、

a.うむ、やんわり左回転しながら、山すそをかすめて明日香村へ回り込みたい、

b. 「さくらばし、ほんまサクラの 欄干(ランカン)や」、

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a.そんな橋の西詰めに広がるすてきな芝生公園

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b.葛城(カツラギ)公園か、植え込みの奥にも何やら文化的なビルジングが、

a.市立図書館ちゃうか、

b.なんか、橋といい公園といい図書館といい、賢そうな町ですね、

a.葛城山が発するオーラが市民を賢くさせるんちゃうか、

「葛城(カツラギ)の パワーでかしこい 御所市民」、

b.なるへそ、そしてちょっと先には、こんなしっとりした歴史的町並みもあるんすね、いったいどんな町なんすか、御所(ゴセ)市って、

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a.ひとにきかんと、自分で検索してくれたまえ、

b.歌手の田中星児さんもここの出身か、

a.ビューティフルサンデーのお兄さんか、しかし、知ってる世代はかなり上の方やなあ、他には、

b.プロスノーボーダー世界チャンピオンの平岡卓(ひらおか たく)はどうすか、これなら若い世代にも、

a.雪も降らんのにスゴい選手が生まれてるんやなあ、やっぱり葛城(カツラギ)パワーや、

b.これも何やらパワーを感じさせますねえ、

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a.白龍大明神、御神木も変わった名前で、西柏(サイカチ)っていうらしい、

b.どんな木なんすか、

a.ウェブで検索してくれたまえ、この時代こればっかしやな、

b.よく泡立つので昔は石鹸の代用にされたり、豆はおはじきとして子供が遊んだり、樹液がよく出て、カブトムシやクワガタムシがよく集まるので、カブトムシをサイカチ虫と呼ぶ地域もあるそうです、

a.なるほど、知らん事だらけやな、世の中、

b.ところで、葛城(カツラギ)古道っていう道がこの辺にあるみたいですけど、

a.おお、それがまさに、これから進む道でござる、

b.もうちょっと、山すそも上の方かなあ、

a.残念ながら、交通量多めの県道30号線とけっこうかぶるから、ちょっと落ち着かない箇所もあるけど、それを差し引いてもなお素晴らしい道、

b.その口ぶり、もう何度か来てるんすか、

a.自転車で流すと明日香村だけじゃ物足りなくなって、自然とこのあたりまで足を延(の)ばすように、

b.なんか、京都の洛西(ラクサイ)あたり、かつて貴族が野に遊んだ、大原野の風景に感じが似てますね、

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a.そう言われたらそうやな、葛城山を小塩山(オシオヤマ)に代えたら、大原野そっくりやな、

b.そんな葛城山のふもとに広がる歴史的集落へやって来ました、

a.こじんまりした中にも風格ただよう天満宮、

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b.このあたり、神社やお寺が集中してます、

a.御所(ゴセ)市名柄(ナガラ)、東西南北の街道が交わる場所なんで、かつては宿場町としてけっこう栄えたらしい、

b.そういえば葛城(カツラギ)酒造って造り酒屋もある、

a.百楽門ってブランドでいろんな地酒を作ってるんやなあ、

「街道の交わる町にうまい酒」、

地酒「百楽門」とは
http://www.abetaya.com/hp/katuragi/100rakumon.html

葛城酒造について
http://www.kitora.com/menu-hyakurakumonn.htm

b.そんな名柄(ナガラ)の宿場町を過ぎて、高台から田園を見渡すポイントへ、

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a.田園とは言っても工場や住宅もけっこう多いな、

b.確かに、葛城山の向こうには大阪という大都会、道なりに進めば吉野川にそって和歌山ともつながってるし、それほどのんびりもしてらんないエリアなんすね、

a.でも、こっから見渡す遠くの山なみはきっと大昔のままや、

b.この美しい山なみが気に入って、ここに定住を決めたかもしれませんね、最初の人たちは、

「美しい 山なみながめ ここ住もか」、





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