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2013年05月14日

山越えの旅ふりかえりローソンへ

b.なんで保津川とか大堰川(オオイガワ)とか、名前変わるんすか、おなじ桂川なのに、

a.「川」だけに、「変わ」るんだ、ここ八木町から保津川下りの出発点あたりを「大堰川」、ここから「保津川」に名前を変えて渓谷が続いて、舟下りの終点、嵐山から「桂川」とまた名が変わる、日本語はニュアンス豊か過ぎて、ときに面倒やなあ、

b.川の両岸に広がる八木町の公園、特に下流に向かって右手はユニークというか、



a.左岸より狭いけど、なんかしゃれてるんだ、すぐ下流にせき止めがあるせいで、水量も豊富、桂川ぞいの公園じゃここが金メダルって来るたびに思う、

b.ここの木陰でゆっくりして、スーパーマツモトで買ったおはぎとコロッケ食べますか、もうあとは吉富の駅まで少し、平坦な川ぞいの道すすむだけやし、

a.どうだった?、嵯峨嵐山から始まったこの旅、けっこうキツかったと思うけど、

b.そうっすねえ、大きな達成感、やりとげた感はありますね、登りはキツいし、下りは吸い込まれるように進んでく、景色もバリエーション豊か、時間以上に中身が濃かった、

a.40才の手前で自転車にはまったせいか、「より遠くより速く」ってことに全く興味が持てないんだ、

b.どういうことっすか、

a.前にも話したけど、立ち止まれる面白さが自転車にはある、

b.たしかに橋の上にクルマ停めたら、邪魔でしゃあない、

a.橋の上ほど簡単に眺めが良い場所もない、自転車なら気軽に橋の上に止まって景色を楽しめる、買い物袋両手にぶら下げたオバチャンの三分の一の幅しかないから、

b.チャリンコの魅力っていうと、ほかには?

a.歩きより何倍も遠くへ楽に移動できる、と同時に、歩くほどゆっくり静かに進むことも可能、

b.下り坂は重力エンジン、追い風は風力エンジンでラクラク静か、だけど、よく見かける自転車乗りは、体育会系というか、ひたすら速く遠く走るのを目指してるような、

a.そうなんだ、そういう走り方が主流だから、自分としてはもっと運動苦手な文化系の人たちにこそ、こういう本格的な山岳コースを試してもらいたい、押して歩いたって良いじゃないか、文化系だもの・・・そんで、大いに立ち止まって欲しいんだ、気に入った景色があったら、その前でスケッチしたって良いじゃないか、絵心あるんだもん・・・そして、ゆっくり時間をかけて峠をアップダウンしてほしい、なんなら峠の途中から引き返したって良いじゃないか、トレーニングじゃないんだもの、

b.自転車こいで、時に押し歩いて、いろんな景色に出会って、まるで旅の小説を実体験するようもんすね、

a.おまけに輪行なら、退屈なエリアは飛ばしていいとこ取りできるし、疲れたら最寄り駅から切り上げたらいい、なにも無理することなんかない、

b.無理はいけません、文化系だもの、こればっかりやな、今回、

a.つーわけで、ここ八木町のステキな公園から終点JR吉富駅へゆるりと参ろう、

b.あいわかった、このまま川ぞいでいいんすね、しばらく進むと広くて新しい橋が見えてくるけど、

a.「夢かなえ橋」、誰がこんなステキな名前思いついたんだ、



b.渡って夢かなえますか、

a.いや、別にいいけど、

b.すぐとなりに国道9号線が走ってるんで、この道すいてて走りやすいや、

a.地元の人しか使わないから、すれ違うクルマの運転もたいていは穏やか、

b.そんな中、真新しい自転車道が竹林に分け入って作られてます、

a.まだできて2〜3年ほど、そのまま、川ぞいの遊歩道へとつながる寸法じゃ、

b.右に流れる桂川、左に小学校の運動場、旅の景色だなあ、



a.正面にはメグミルクの大きな工場も、ああ、それから、ちょうど対岸は、竹やぶが絶好の目隠しになって、たくさんの時代劇が撮影されたらしい、

b.我々の進むこの道も、左手は広いアスファルトだけど、右手はまるで江戸時代そのままの道筋、

a.もちろん我々は右手の細道でJR吉富駅へ向かうことにしよう、

b.その前に駅の向かいのローソンでからあげクン買っていいっすか、

a.おお、オレもカフェラッテのエスプレッソとコンビニスイーツをどれかひとつ、

b.どれかひとつって言われても、

a.分かった、オレも中入るわ、

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