a.1話ごとに同じオープニングとエンディングはつらい、筋書きもすべて分かってる、だったら各話ごとに3〜4分割して、シャッフル再生したら面白いんじゃないかと、
b.飽きないんすか、それだけ何度も聞いて、
a.シャッフル再生でさらに魅力が深まったというか、この作品の高い完成度を改めて思い知ることに、
b.作品が優れてるから、内容を知り尽くしても楽しめるわけか、
a.うむ、滑舌(カツゼツ=模範となる発声)の宝庫というか、音声としての日本語の表現力を思い知るというか、それに加えて音楽と効果音が高い完成度でここにからんでくるから、文化背景やコトバがピンと来ない外国のオペラより、はるかに深い手応えがある、これホンマ、
b.しかし、チンチロとパチンコの話ばっかりですけど、
a.物語のハードルは恐ろしく低いけど、奥行きの深さは底知れない、声ひとつとっても、ギャラリー(=取り巻きの群衆)の細かいセリフ回しにまで神経が行き届いていて、何度聴いても面白い、
b.しかし、他にもいろいろ作品はあると思うけど、
a.音楽劇として日本語の素晴らしさを思い知らされたのは、ダントツ1位で 劇場版パトレイバー第1作目(1989年公開) やけど、カイジ2の全26話はこれに匹敵する充実ぶり、聞くドラマとしては、この2作品が最高峰、
b.「七人の侍」は?
a.各俳優の発声は素晴らしいけど、音だけで鑑賞に耐える作品じゃない、つまり、わき役のセリフはかなり聞き取りにくいし、音楽や効果音もイマイチ、もっぱら重厚なモノクロ映像が魅力の大半を占めてる、
b.じゃあカイジ2や89年の劇場版パトレイバーは絵よりも音の魅力がより強いと、
a.もちろん絵も素晴らしいけど、音成分だけで鑑賞に耐える作品って、ほんとに稀(マレ)だと思う、傑作・力作のあかしとしてこの音を聞いてみてほしい、帝愛グループ、ナンバー2、黒崎ヨシヒロの書斎で時をきざむ振り子時計の音を、
b.なるほど、気づかないほど静かな音やけど、このカチカチ音でより書斎の静けさが際立つような、ふつうにアニメ見てたら、視覚にも意識が行くから、ここまで気づけるかどうか、
a.同じような例として、ノック式ボールペンが紙をすべる音や、タバコの先端が焦げていく音や、ギャラリー1人1人の細かいセリフ回しや、あげたら切りがない、
b.しかも、神経はりめぐらせて作ってるのに、神経質な感じがまったくしない、
a.カイジ特有の「ザワザワ」って声も、押しの強い表現なのに、押しつけがましく聞こえない、これも傑作のあかし・・・もちろん、原作、福本漫画に深い共感を寄せるカイジ役、萩原聖人(マサト)の正確に燃え上がる演技が、傑作の最大要因やけど・・・
b.カイジっていうと、連呼や絶叫のイメージが強いけど、実際は緻密に作りこまれてるんやなあ、
a.声と効果音と音楽が見事にからまり合って、聞けば聞くほどハイレベルな芸術作品だと感じる、
b.芸術作品か、どういうことすか、
a.くりかえしの鑑賞に耐える寿命の長い作品ってこと、