a.しかし、日曜の夜は驚いた、
b.笑点、ちびまるこちゃん、モヤモヤさまぁ〜ず2、警察24時・・・漫然とテレビ漬けでしたが、
a.問題はその直後、もうええ加減テレビも飽いたけど、惰性であちこちチャンネル回してたら、NHKのEテレでバッハ・コレギウム・ジャパンがバッハのロ短調ミサ曲をやっていて、その素晴らしさに、そのまま一気に最後まで聴きほれてしまった、
b.どれほど素晴らしかったんすか、
a.この大曲、自分の中ではクレンペラーの演奏が基準になってるけど、むしろこっちの演奏が座標軸の中心にあると感じた、世界中で一番立派な演奏といって間違いない、
b.バッハ・コレギウム・ジャパンといえば何年も前にたまたま聴いたメンデルスゾーンの「イタリア」に強い印象があったような、
a.やはり古楽器を使う、ブリュッヘン指揮18世紀オーケストラの「イタリア」と聞き比べたけど、驚くほどバッハ・コレギウム・ジャパンの圧勝、そのとき初めて日本にこんな優れたオーケストラと指揮者がいることを知った、
b.古楽器でメンデルスゾーンすか、
a.もともと低カロリーな古楽器の響きが苦手だったけど、まったく違和感なく聞くことができた、
b.1995年から2013年にかけて、全曲が神戸松蔭女子学院大学のチャペルで録音されたバッハ・教会カンタータ全集が世界的にも有名ですが、
a.CD55枚にもおよぶ大事業、これが兵庫県神戸市で完成したことを日本人として誇りに思う、
b.こちらのホームページにそのチャペルでの録音風景と指揮者・鈴木雅明氏による全集録音完結のあいさつが、
a.クレンペラーの演奏は、オーケストラの乱れをある程度ガマンしないと、その凄さが分からないけど、鈴木雅明氏率いるバッハ・コレギウム・ジャパンは、アンサンブルの緻密さがベースになっていて、それ以上の自己主張を自らに禁じているような、
b.じゃあなにが個性なんすか、
a.自己主張を捨て去って、バッハの前により透明なレンズであろうとしてるような、言い換えると、正確な演奏に徹することで自然に浮かび上がるものを受け手がそれぞれに感じ取ればいいというような、
b.クレンペラーの場合は、
a.ニュートラル(=中立的)なバッハじゃなくて、あくまでもクレンペラー越しのバッハ、
b.クレンペラー編曲のバッハすか、
a.極端に言えばそうかもしれない、それくらいどの曲もクレンペラー節になってる、70歳過ぎてからのことやけど、
b.そういえば、クレンペラーは作曲もしてた、
a.マーラー、ストラビンスキー、シェーンベルク、ヒンデミット、バルトーク、ブーレーズなど同時代の作曲家とも面識があったし、指揮者と同時に作曲家でもあった、評価はそれほどされていないけど・・・
b.作曲家という面がクレンペラーの個性的な演奏を可能にしてるのか、
a.だからマーラーのいくつかのシンフォニー(1番3番5番6番など)を作曲家としては理解不能ということで録音していないし、ブルックナーの第8シンフォニーもインスピレーションの乱用があるとして、終楽章の一部をカットしたりする、
b.ところで、鈴木雅明ひきいるバッハ・コレギウム・ジャパンが現時点で最高のロ短調ミサを響かせてるとして、それでもクレンペラー盤が素晴らしいとすれば?
a.彼独特の引きずるような重いリズムとそれを断ち切るような鋭いアクセントのフォルテシモ、これが最高に生かされるのはグロリアやクレドの盛り上がる部分、静かな部分の深みある響きもクレンペラーならではだけど、どっちかと言えばフォルテシモの部分によりかけがえのない魅力がある、
b.じゃあ、グロリアのラスト5分間を夏の雲といっしょにスライドショーにしておきましょう、
クレンペラー盤もSACDになってたんか・・・
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