b.2003年10月4日(土)午前10時30分、JRびわ湖線(=滋賀県内の東海道本線)の安土駅前、
a.前回の近江八幡行きからわずか6日後、
b.ホンマ好きなんすね、近江が、
a.ド田舎も無論好きやけど、近江(滋賀県)は洗練された田舎っていうか、とくに琵琶湖の東エリアは中山道と東海道が京都へ通じてるから、全国の情報に明るく土地が開かれてるというか、
b.いなか特有の閉鎖性がないと、
a.そう、土地に関係ない者もはじかれないで居られるという、旅人に優しい風土、
b.でも、そんなこと分かるんすか、自転車こいでるだけで、
a.目で見てすぐに分かるもんや無いけど、時間がたつにつれじわじわとな、
「旅人が のびのびあそぶ 近江かな」
b.ところで、今回はJR安土駅からスタート、次の近江八幡駅まで反時計回りに大きく迂回するわけですが、最初の1枚がこれとは・・・なんか力不足じゃ、
a.そうやな、安土駅前でいばってる信長像を写すのが定石(じょうせき=決まりきったやり方)やけど、それじゃあまりにベタ(=形式的)やしなあ、あまり写されたこともない駅前のひっそりした一角からおもむろに始めてみよう、
b.安土城とは逆方向へ進んでるけど、どこへ向かってるんすか、
a.全国の佐々木さん専用の 沙沙貴神社
へ、
b.これすか、
a.いや、これは 浄厳院
(じょうごんいん)、この土地の武家、佐々木氏ゆかりの寺院が戦火で焼け、その跡地に新しく建てられた信長ゆかりの寺院らしい、
b.りっぱな建物ですね、
a.近江を旅すると、これくらいの大寺院がありふれた農村の中心にそびえてることがしばしばあって驚く、
b.モノクロ3枚見たあとの色つきコスモス、なんかホッとすんなあ、正面の丘や民家も広重の浮世絵風で雰囲気満点、
a.左手の森が沙沙貴神社になる、
「全国の 佐々木さんたち この森へ」
b.気のせいか、彼岸花までなにやら気高い、
a.蜘蛛の糸までキレイに見える、
b.ここが楼門(ろうもん=二階建ての門)、提灯の四角い絵柄は家紋かなあ、
a.佐々木氏の家紋は平四ツ目結(ひらよつめむすび)ってことやったけど、 最近の研究
では隅立て(すみたて)四ツ目結がホントらしい、
b.塗りのはげた楼門も味があるなあ、
a.作りがしっかりしてるから、ハゲても味になる、
b.前回おとずれた近江八幡を代表する日牟禮(ひむれ)八幡宮にも引けをとらない格式、
a.屋根のてっぺんにも家紋が、これも今は隅立て(すみたて)四ツ目結に変わってるんかなあ、
b.わずか45度の回転とはいえ、大変な作業すね、
a.相手は由緒正しい家紋やし、下手なことでけへん、
b.山のふもとじゃないから日牟禮八幡宮よりずいぶん明るい、
a.それにしても、人っ子ひとり見かけんなあ、
b.これだけのもん、安土城だけじゃもったいないっす、
a.ふと思い出すんや、会社の近くに神社や寺院を専門に手がける建築屋さんがあって、そばを通るとヒノキの香りがただよってる、作業場には見たことないような巨大な丸太が横たわっていて・・・
b.これじゃないすか、もしかして、
a.そうこれや、奥谷組、 観光案内
に出てたんか・・・工場やマンションが立ち並ぶエリアなんやけど、会社の帰りにこの香りを嗅ぐため、わざわざ寄り道して思いっきり深呼吸してた、
「なに気ない 町に社(やしろ=神社)の 木の香り」
2015年11月29日
2015年11月26日
近江八幡へ(8)「八幡山の見晴らし」
b.来し方(こしかた=今までの道のり)がよう分かりますね、
a.左はしのとんがりコーンが比叡山(ひえいざん)か、ホンマびわ湖エリアはどう走っても楽しい、
b.美人の近江富士もくっきり、
a.今日はいろんな場面でお世話になったなあ、
b.次回の旅は、あの山の向こう側から、こっちへ向かって走って来る予定、
a.うむ、右隣の安土駅から出発して、あの山の向こう側、びわ湖すれすれを反時計回りに走って、今回と同じ近江八幡駅まで、
b.12年前なら時効ということで、たまたま出くわしたプライベートな場面を、
a.公開をためらったけど、あまりに雰囲気が良いのであえて・・・
b.杖を持ってるから、もしかすると歩いて登ったのかも、
a.オレらも後日歩いて登ろうとした、
b.この見晴らしを求めて、山麓の南西、青根天満宮から登ろうとしたけど、道を見失ってあえなくリタイア、
a.日牟禮(ひむれ)八幡宮からロープウェイにそって真っ直ぐ登ればよかった、
b.ここには城があったんすね、石垣が残ってる、
a.18才で城の主人(あるじ)、早すぎるな、平均寿命を考えても、
b.ハイスクールお殿様でございます、
a.そういえば、むかし「 おさな妻 」ってドラマがあったなあ、あれも早過ぎた高校生の人妻、
b.ひと回りされましたし、ひとまずはロープウェイでふもとへもどられては、
a.うむ、想像以上に素晴らしい見晴らし、よは満足じゃ、褒美(ほうび)を取らすぞ、チキンラーメン1年分、
b.下りのロープウェイは上りほど忙しくないけど、それでもカメラでなんか気ぜわしい、
a.左下にさっきの図書館も、
b.こう見るとハッキリしますね、城下町の境目が、
a.このあたりは田園と城下町の甘辛味で走り始めたら止まらなくなるんや、
b.さてさて、それじゃ駅へ向かいますか、
a.ああ、なんか帰りたくないなあ、
b.これが八幡堀(はちまんぼり)、70年代にはゴミだらけで駐車場に埋め立てする案もあったとか、
a.長い水路やけど、ここがいちばん有名、雑誌の表紙や番組の冒頭に良く登場する、
b.そういえば、時代劇のロケにも使われるとか、
a.午後4時半、とうとうゴールの近江八幡駅へ着いてもうた、どうしてくれるんや、
b.また次回もこのあたりを旅するから案ずる(=心配する)ことはありませぬ、それよりもネコの愛娘(まなむすめ)が嵐山で殿の帰りを待ちわびております、
a.おお、そうであったのう、長居は無用じゃ、これにて退散するぞ、
2015年11月24日
近江八幡へ(7)「日牟禮(ヒムレ)八幡宮」
a.しかし、この日(2003年 9/28)は近江八幡の絶対的名所、八幡堀(ハチマンボリ)を歩いてない、なんでや、
b.さあ、自分に聞かれても・・・八幡堀ってそんなに良いとこなんすか、
a.この水路のほとりを散策したいから近江八幡へ行くほどや、水路の両側にヒト1人やっと歩けるほどの細道が続いてる、
b.でも、代わりと言っちゃなんですけど、市立図書館にたたずむ謎のブロンズ像でも、
a.謎のブロンズ像か、たしかに、謎めいてるな・・・「みずうみの詩(ウタ)」って割にぜんぜんそのイメージが湧いてこない、姉妹のような女性像もまったく意味不明、
b.この像については、きっと賛否両論あるんでしょうね、
a.図書館の側面はいいなあ、屋根の傾斜角が八幡山の平均勾配と一致するよう設計されてるとは、
b.そうなんすか、
a.どうなんすか、
b.何十回と訪れて自分の町化した近江八幡ですが、日牟禮(ひむれ)八幡宮の散策は、これを入れてわずかに2〜3回、この町の核心的部分ですが、これはいったい、
a.あまりに格式がありすぎてなあ、どうも気(け)押されて入りづらいんや、
b.こんな木彫りの獅子に睨(にら)まれると、ちょっと気が引けますね、よほど切実な願い事があるならともかく、
a.しかし、木目まで完ペキやな、そうとう高いぞコレ、
b.この舞台で神楽(かぐら)を舞うのでせうか、
a.そのようじゃのう、
b.ぞうきんがけを日々絶やさんのでせうか、
a.おそらくそうじゃろう、
b.観光客もふくめ、人々の参詣(さんけい)が絶えません、
a.モノクロにするとこの神社のパワーがより鮮明に伝わる、
b.人々もやってこない奥のすみっこはこんなになっとります、
a.そういえば江戸時代に財をなした近江商人が奉納した灯籠も少なからずあるわけや、
b.コレなんかそれ風ですけど、
a.駆け出しの若い神主さんが掃除のとき、このコケを全部はがして怒られるんや、
b.そうなんすか、
a.「それは禅宗のお寺の作法や」とか言われて、
b.日牟禮八幡宮を訪れた勢いで、お隣のロープウェイにも飛び乗っちゃいましょう、
a.文明の利器はスゴいのう、なんの労苦もなく、12年前当時、往復650円で近江八幡の町並みがパノラマで楽しめるとは、
b.あっというまに、八幡山の頂上付近、
a.貴重なパノラマなんでカメラが忙しくていかん、もうちょっとゆっくり登って欲しい、
b.ところで、いちばん奥の山並みは鈴鹿山脈ですか、
a.うむ、あれを越えたら三重県、そして伊勢湾から太平洋も望めるはず、
b.鈴鹿山脈もいいすね、山奥も山裾(やますそ)も、
a.ほんま近江(滋賀県)はどこを走っても楽しいな、歴史あり自然ありの自転車天国!!
b.さあ、自分に聞かれても・・・八幡堀ってそんなに良いとこなんすか、
a.この水路のほとりを散策したいから近江八幡へ行くほどや、水路の両側にヒト1人やっと歩けるほどの細道が続いてる、
b.でも、代わりと言っちゃなんですけど、市立図書館にたたずむ謎のブロンズ像でも、
a.謎のブロンズ像か、たしかに、謎めいてるな・・・「みずうみの詩(ウタ)」って割にぜんぜんそのイメージが湧いてこない、姉妹のような女性像もまったく意味不明、
b.この像については、きっと賛否両論あるんでしょうね、
a.図書館の側面はいいなあ、屋根の傾斜角が八幡山の平均勾配と一致するよう設計されてるとは、
b.そうなんすか、
a.どうなんすか、
b.何十回と訪れて自分の町化した近江八幡ですが、日牟禮(ひむれ)八幡宮の散策は、これを入れてわずかに2〜3回、この町の核心的部分ですが、これはいったい、
a.あまりに格式がありすぎてなあ、どうも気(け)押されて入りづらいんや、
b.こんな木彫りの獅子に睨(にら)まれると、ちょっと気が引けますね、よほど切実な願い事があるならともかく、
a.しかし、木目まで完ペキやな、そうとう高いぞコレ、
b.この舞台で神楽(かぐら)を舞うのでせうか、
a.そのようじゃのう、
b.ぞうきんがけを日々絶やさんのでせうか、
a.おそらくそうじゃろう、
b.観光客もふくめ、人々の参詣(さんけい)が絶えません、
a.モノクロにするとこの神社のパワーがより鮮明に伝わる、
b.人々もやってこない奥のすみっこはこんなになっとります、
a.そういえば江戸時代に財をなした近江商人が奉納した灯籠も少なからずあるわけや、
b.コレなんかそれ風ですけど、
a.駆け出しの若い神主さんが掃除のとき、このコケを全部はがして怒られるんや、
b.そうなんすか、
a.「それは禅宗のお寺の作法や」とか言われて、
b.日牟禮八幡宮を訪れた勢いで、お隣のロープウェイにも飛び乗っちゃいましょう、
a.文明の利器はスゴいのう、なんの労苦もなく、12年前当時、往復650円で近江八幡の町並みがパノラマで楽しめるとは、
b.あっというまに、八幡山の頂上付近、
a.貴重なパノラマなんでカメラが忙しくていかん、もうちょっとゆっくり登って欲しい、
b.ところで、いちばん奥の山並みは鈴鹿山脈ですか、
a.うむ、あれを越えたら三重県、そして伊勢湾から太平洋も望めるはず、
b.鈴鹿山脈もいいすね、山奥も山裾(やますそ)も、
a.ほんま近江(滋賀県)はどこを走っても楽しいな、歴史あり自然ありの自転車天国!!
2015年11月21日
近江八幡へ(6)「近江八幡の城下へ」
b.日野川を渡ると新品の街路灯がならぶかつての街道筋、
a.ようやく近江八幡の引力圏に入った、
b.街道にそって進むんすか、
a.それがいちばん無難やけど、今回は少し左手へ道草しよう、
b.そのこころは、
a.歴史を感じさせるエリアなんで、村の一角にもこんな立派な神社が、
b.鳥居の奥にもさらに重厚な門がまえ、
a.この村だけで寺が六つに神社が三つ、村というより寺町や、
b.人口あたりの寺院数が全国一の滋賀県、だけのことはありますね、
a.見て回る分には気楽でええけど、これらの維持管理費を思うと大変、
b.そんな寺町のすぐ外は、こんなのどかさ、
a.「のどかさや ガードレールで 天日干し」
b.静けさのせいで、道の砂を踏みしめるタイヤの音まで騒がしい、
a.滋賀県はこの静けさが好きや、
b.「静けさや ゆれる稲穂(いなほ)の 音がする」
a.「滋賀県は この静けさが しあわせや」
b.ところで、稲刈りで思い出したけど、このすぐ近くで怪事件がありましたね、
a.あれは驚いた、 他人様(ヒトサマ)の田んぼをぜんぶ稲刈りして持ち去るという大胆な犯行 、
b.びわ湖周辺では、ほかに大量のメロンやトラクターも盗まれてます、
a.のどかな風土を逆手にとった犯罪・・・悲しいな、
b.本来ならここに収まるはずのお米が、まるごとか、
a.さて、近江八幡の市街地が見えてきた、ずっと続いた田園風景もこれで見納め、
b.ところで、近江八幡のどこへ向かうんすか、
a.JRを中心に広がる新市街と、城下町を中心とする旧市街に分かれてるけど、我々が向かうのは旧市街のほう、
b.ああ、こっから急に始まった、城下町特有のいい雰囲気、
a.写真にしづらいけど、なんで歴史ある通りは走ると気分ええんやろ、
b.道からそういう物質が出てるんちゃいますか、気分良くする蒸気みたいなんが、
a.今そう言われても信じられんけど、後世の科学では意外にそれが真実だったりして・・・
b.こぢんまりした中にも重々しさがただよう寺院、
a.この城下町を治めた豊臣秀次ゆかりの洞覚院(トウガクイン)、
この方のブログに写真付きの素晴らしい解説があります、
http://ameblo.jp/hiyo-piyo-piyo/entry-11527704595.html
b.歴史にくわしいとサイクリングも2割増しで楽しいのに、われわれは勉強不足でいけませんね、
a.ほんまや、せっかくヘルメットで脳ミソ大事に守ってんのになあ・・・・甲斐が無いわ、
2015年11月18日
近江八幡へ(5)「野洲川と近江富士」
a.近江平野はびわ湖を渡って強い風が吹くから、それでススキがキレイなんかなあ、
b.なんで、風が強いとキレイなんすか、
a.いつも風でブラッシングされるから、それでスッキリしてるんや、
b.ところで、ここ野洲川(ヤスガワ)も気分が大きく入れ替わるエリア、
a.ああ、野洲川にかかるそれぞれの橋から何度、近江富士を写したことやろう、
b.野洲川といえば近江富士、近江富士といえば野洲川、
a.洪水対策で作られた人工の川筋やけど、野趣(ヤシュ=荒野のおもむき)に富んでる、
b.滋賀県で最大の川らしい貫禄、
a.野洲川を渡ると、かつての川筋が荒野のように続き、とつぜん現れる巨大なショッピングモールを合図に新しい町が始まる、
b.ニュータウンを象徴するような、カッコイイ保健センター、今は「 さざ波ホール 」になってます、
a.クルマ少なく道広く、人々はゆったり穏やかに暮らして、ええ町なあ、
b.なんと言ってもこういう感じで土地があるから、人々も自然とゆったりしてる、
a.もみがらまで近江富士のマネして遊ぶ、このゆとり、
「もみがらも 富士のマネする 近江かな」
b.これはサイクリングロードでせう(=しょう)か、
a.荒野にうち捨てられたような自転車道、家棟川(ヤナムネガワ)にそってびわ湖まで続いてる、
b.でも、近年はそんなヒト気のない川でも船遊びの動きが、
a.あの姿の良い並木にそってベンチや四阿(アズマヤ)も設置してるんやけど、なぜか自転車の自の字も無い、船遊びをする河口付近は特にエエ雰囲気やけど・・・そもそも滋賀県内の自転車道自体ほとんど使われてない、どれも魅力あるのになあ、
b.岡山もそうすね、自転車天国の田舎ほど自転車が少ない、クルマが便利なのは分かるけど、自転車は生きる楽しみとして乗って欲しいなあ、
a.今回は近江富士がもれなく画面に登場する、あまり写りすぎてうるさいほど、
b.キレイな女優さんが、どのチャンネル回しても登場するような、
a.しかし、姿の美しい山はやっぱり絵になるなあ、
b.このまんまで広重の浮世絵みたいっす、
「広重の 浮世絵素材 近江富士」
2015年11月15日
近江八幡へ(4)「野洲川のむかしの川筋」
b.同じびわ湖なのに、この橋わたるだけで気分が区切れる、
a.けっこう高さがあるから、自転車で登ってながめて降りるだけで、良い気分転換や、
b.こっから湖岸道路にそって近江八幡へ向かうんすか、
a.いや、あそこはクルマが多くて騒がしい、それに景色も一本調子なんでひと工夫しよう、
b.じゃあ、この旧野洲川にそってすこし内陸へ、
a.なんか書いてある、「人々に豊かな恵みと多くの洪水被害をもたらした旧野洲川」、
b.そんな暴れん坊には見えないけど、かつてはそうとうヤンチャしてたんすね、
a.岡山に引っ越して気づいたけど、近畿の方がずいぶん刈り入れが早い、
b.せっかちなんかなあ、近畿の方が、
a.でも、この辺はのんびりしてるしなあ、
b.ところで、刈り入れたあとの田植えのラインってなんか味がある、基本まっすぐやけど揺らいでて、
a.うまさの秘訣はこのゆらぎだったりして、
b.そうなんすか、
a.いやなんとなく、そんな気が、
b.この1枚に色んな要素が詰まってますね、遠くに近江富士、左手は旧野洲川の堤防、手前には天日干しのトウガラシ、
a.まだあるぞ、刈り入れの田んぼとビニールハウス、近江富士へ伸びてゆく電柱の列、
b.びわ湖周辺は干拓地が多いから、直線道路にそってこんな電柱のならびが地平線までつづいてる、
a.「十合の池」、滋賀県守山市で最大のハス池か、
b.湧き水ですね、むかし野洲川が暴れてこのへん水びたしやったから、
「野洲川の 暴れたころの 水が湧く」
a.これがかつての川筋、
b.なんもありませんね、まるで荒野、
a.過密な京都に暮らしてると、この広がりがすごくありがたい、
b.これだけ広いと、畑までびわ湖の延長みたいな、
a.田植えのころは水でひたひたになるから、なおさらや、
b.右手のピークは比叡山(ひえいざん)、京都市内からだともっと険しく感じる、
a.反対からやと別の山に見えるな、
b.久しぶりの人工的造形物、
a.そういえば、琵琶湖大橋からずっと畑と荒野の連続、
b.高校の校舎にはすこし立派すぎる時計台、大学なんかで見かけるような、
a.おかげで校舎全体がぐっと引き締まって見える、
b.校舎側面の階段部分もさりげなくデザインされてる、
a.にくいね、
b.ここの卒業生の何名かは今ごろ、都心の一流企業で夜おそくまで働いてるんでしょうね、
a.当時は何とも思わなかったここらの広がりを、湧き水のように思い出してるかもなあ・・・
「東京で あの広がりが 湧きあがる」
2015年11月13日
近江八幡へ(3)「琵琶湖大橋へ」
a.自分自身かと思った、異様に前下がりなサドルが気になるけど、
b.ヘルメット・サングラス・グローブの三点セットは自転車乗りの必需品ですけど、乗り始めの38歳当時はこんな感じですか、
a.ああ、息切れしてんのにくわえタバコで・・・テレビゲームのゴルフにはまってて、丸山茂樹と同じ帽子かぶって、ここは15番ホール、短い上り坂なんで打ち上げのPAR3、決めの1枚とったら「ナイスショット!」・・・でも、輪行はじめてからはタバコも吸わなくなったし、三点セットで身を守るように、
b.近ごろじゃ、小さいお子さんが自転車と一緒にヘルメットをかぶる光景も当たり前になりました、
a.せっかくならお母さんもかぶってほしいけど、まだ一度も見たことないなあ、親子でかぶるとかっこいいのに、
b.ところで、後ろのパチンコ屋、ものすごい色使い、ここまでやり切ると現代美術に見えてくる、
a.夜は光るし、もっとスゴイかも、
b.こちらも「スゴイ」から名前がついた「イーゴス108」、
a.ベトナムのどこで回ってるんかなあ、
b.さっそくありやしたぜ! 地元、大津市のかたがベトナムで活躍してるイーゴスを動画付きで紹介されてます、
http://oo24n.jp/archives/19687573.html
a.なるほど、遠い異国の地でガンバってんなあ、
b.閉園後もすぐ動かせるよう、社長さんがメンテ続けてホントに良かった、
「イーゴス君 ベトナム行っても がんばれよ」
b.さてようやく、びわ湖大橋のたもとへやってまいりました、
a.渡る前に道の駅へ入っておこう、
b.かかしも立派ですけど、バックの葦(ヨシ)もスゴイ長さ、これを編むと日除けのヨシズになるわけか、
a.安い中国産に押され気味やけど、今でもびわ湖のヨシズは人気根強く、京都の夏の必需品や、
b.ところで、アシとヨシってどう違うんですか、
a.もともとは「アシ」なんやけど、「悪し(あし)」を連想するんで、逆の「ヨシ」に読み変えたそうや・・・スルメをアタリメと言い換えるように、
b.「近江ワラ細工伝統工芸保存会」、漢字だらけや、
a.でも、これだけ並ぶと迫力あるな、
b.これなら、完全に売り物になりますね、いくらなら売れるかなあ、
a.そういえば、自分ら子供のころ、昭和30年代にはまだあったなあ、ワラで編んだ縄、
b.ええ割とふつうに使われてた、あと脱穀した籾殻(モミガラ)がリンゴ箱にびっしり入ってたり、
a.あのサラサラした感触思い出すなあ、のこり少なくなると底の方に腕つっこんでかき回すのが楽しかった、それにリンゴ箱も木の板で頑丈やった・・・おやじが子供の頃は勉強机にしたとか、
b.りんご箱で勉強か・・・
「学問は りんごの箱の 机から」
a.そして最大の目玉がコレ、ワラの龍、
b.ここまで来ると民芸というより芸術品、
a.内装の色合いとも良く調和してる、
b.展示は変わって近江の地酒コーナー、
a.右下の「サスケ」がひときわ目立つな、
b.忍者の里、甲賀の地酒です、
a.そう言われると字体も手裏剣みたいや、
b.道の駅の裏手はこんな感じ、
a.頑丈な木の床が気持ちいい、
b.きれいっすね、琵琶湖大橋って、
a.この橋のおかげでどれほどびわ湖サイクリングが楽しいことか、この橋を中心に8の字にルートが描ける面白さ、
b.それに橋の上からはこの見晴らし、
a.見晴らし用のバルコニーに芭蕉の名句がイラストで描かれてる、
b.「比良三上(ヒラミカミ) 雪指(サ)し渡せ 鷺(サギ)の橋」、比良三上(ヒラミカミ)ってなんすか、
a.向かって左手、険しくそそり立つ山なみが比良(ヒラ)山地、冬はここから雪まじりの強風がびわ湖へ吹き注いで対岸の近江富士、つまり三上山(ミカミヤマ)へ向かって白鷺(シラサギ)のように雪が飛んでく、
b.なるほど、それにしても「鷺(サギ)の橋」って、まるでこの橋を予見してたような、
a.ほんまや、今この橋に芭蕉が立ったら、どんな風に感じるんかなあ・・・
「芭蕉立つ 鷺(サギ)指し渡す 橋の上」
2015年11月09日
近江八幡へ(2)「真野(マノ)から堅田(カタタ)へ」
b.降りた駅は小野、でも地名でいうと小野はもっと北にずれてる、
a.ここらはむしろ「真野」っていうらしい、
b.「真野」って聞くと、水泳場の「真野浜」を連想する、
a.真野浜は行くか分からんけど、まあ、びわこ大橋へ向けてそれとなく見て回ろう、
b.では、前回の向陽公園、その池の水が見えなくなるほど茂るハスとホテイアオイの静かな戦いの現場から、
a.ほんまに戦ってんのか、平和そうに見えるけど、
b. ホテイアオイ の方が典型的な侵略的外来種やそうで、その繁殖力から「青い悪魔」とも、
a.えらい言われ方やな、金魚鉢で可憐な花咲かすだけちゃうんか、
b.しかし、向陽公園ってけっこう広いっすね、土地があるせいか、
a.9月28日だと、かすかに夏の気配すら感じる、
b.びわこ美空団地12号棟の大胆でさりげないポップアート、
a.砂浜にたたずむ親子ガメと夏空に羽ばたくカモメ、色使いも地味すぎず派手すぎず、
b.なぜか、琵琶湖大橋と反対向きに坂を登って、曼陀羅山(マンダラヤマ)の金比羅(こんぴら)さん、まさかこの急な石段を登るとか、
a.それはないけど、きっと、びわ湖を船で行く人たちを見守ってるんやな、湖西線も運転見合わせになるほど風が強いし、
b.かつて世界最大をほこった観覧車、そして近江富士、びわ湖大橋も左にちらっと、
a.観覧車の横の棒みたいなん、アレなんやろ、
b.あれが名前の由来にもなった「びわ湖タワー」、観覧車が出来てからはバンジージャンプ台に転用されたとか、
a.跡形もない今となっては貴重な1枚やなあ、
b.右手はさっきの美空団地、畑の中にはこんもりと印象的な茂みが、小さな祠(ほこら)でも有るんかな、
a.小人(コビト)が一家で暮らしてるやもしれん、
「田園の 茂みで暮らす こびと族」
b.彼岸花と秋の空、絵に描いたようなのどかさ、
a.しかし、われわれも先を急がんな、
b.急がないにも程があります、
a.いま何時や、
b.11時半、
a.あまりに細くて気が引けるような路地に、典型的な農家の納屋(なや)、
b.うまそうなオニオンが並んでる、
a.輪切りで天ぷらがいいなあ、あつあつに味ぽんマイルドかけて、
b.びわ湖タワーが近いせいか、消防署にも遊び心が、
a.「その油断 火から炎へ 災いへ」、
b.なんすかそれ、
a.タバコの下に書いてある、
b.それにしても、遊園地の閉園はひときわ侘(わび)しいっすね、
a.にぎやかさが命やもんなあ、
「閉園の ゲートでにらむ モンスター」
2015年11月07日
近江八幡へ(1)「車窓のながめ」
a.JR湖西線(コセイセン)の窓ガラスは、なんでいっつも汚れてんのかなあ、
b.びわ湖対岸を走る東海道本線に比べるとたしかに汚れが目立ちますね、
a.しかし、それでも車窓を流れる景色を写してみようか、
b.京都の次がここ山科、ここで湖西線と東海道本線が分かれて、びわ湖をはさむ形になると、
a.京都を去ってまだ三年やけど、こんだけ家があったんか、すごい密度やなあ、
b.線路から見渡せるんで、なおさらですね、
a.湖西線って名のとおり、びわ湖の西にそって走る電車、
b.びわ湖線(滋賀県内の東海道本線)は湖岸からずいぶん離れるけど、こっちはいつもびわ湖が望める、
a.このあたりも住宅密集地やなあ、
b.いかにも戦後の町って雰囲気ですね、
a.左手に近江富士が見えてきた、びわ湖の南エリアを代表する形の良い山、
b.そういえば、ふもとに自転車おいて一度だけ登りましたね、
a.頂上付近は険しくて岩場みたいになってた、
b.まだフィルムカメラのころ、タイミング良く霧が晴れて絶景でした、
a.日曜やしクラブ活動か、
b.ええと、地図で見たら日吉(ヒヨシ)中学ですね、
a.この辺はクルマが多いから、自転車でスムーズに走るには工夫が必要や、
b.12年前の写真だから、彼らも今は20代の若者、
a.早いヒトなら結婚して子供がいたりする歳、
b.川ぞいを自転車が・・・ここも走ってるんすか、
a.堅田(カタタ)の天神川、川ぞいに丘陵地帯へ登ると、なかなか雰囲気の良い田園が広がってる、
b.下ると、
a.びわ湖はすぐそこ、どん突きの公園でいつも子供たちが野球やってたなあ、
b.12年前やから、閉園してまだ間もない びわ湖タワー 、
a.あの観覧車、今はどうなってるんや、
b.2年前に解体されて、ベトナムへ輸出されたそうです、
a.ヴィエトナムか・・・
b.さて、JR小野駅前、なんだかんだでもう11時回ってます、
a.なんか不思議やろ、この駅、
b.ええ、ふつうの駅前の雰囲気じゃないすね、周りはもろニュータウンやし、
a.ここ「びわこローズタウン」に合わせて作られたらしい、
b.なるほど、高台のニュータウンやから、それで改札口がホームより上にあったんか、
a.この辺で一番の見晴らしといえば駅の右手にある小野妹子(オノノイモコ)神社やけど、この日はなぜか駅から正面方向にある向陽公園をおとずれてる、
b.ああなるほど、いかにも郊外のニュータウンらしい自然ゆたかな公園作り、
a.左手の遊具で若いお父さんが子供を遊ばせるんやなあ、きっと、土曜の昼下がり、
b.なんで土曜なんすか、
a.日曜は家族全員で朝からドライブや、わからんけど・・・
b.ハスがこんなに、
a.これじゃ池というよりレンコン畑や、
b.奥にもさりげなく滑り台が、
a.遊ぶ子供も1人減り2人減り、いずれはここもオールドタウン、いやもうすでにそうかも・・・
b.ホテイアオイもすごい茂ってる、土地が肥えてるんやなあ、
「生い茂り 池は畑の ニュータウン」
2015年11月05日
年内のブログ旅計画
a.今年もあとふた月か、まったくもって、「年取ると 加速度的に 年末へ」、
b.年内の旅行計画ということですが、瀬戸内海の次はどこへ行きやしょう、
a.「瀬戸内を 見ればびわ湖が なつかしい」、とはいえ岡山からびわ湖へ日帰りしても、かえって欲求不満がつのるだけ、ということで2003年、今から12年も前のデジカメ画像を引っ張り出して、文面だけでも秋のびわ湖を旅したい、
b.ほんま、びわ湖が好きなんすね、
a.あちこちの景色が今でもカラダの一部分のように感じる、
b.しかし、意外っていうか、10年も旅したびわ湖がまだ一周できてなかったとは・・・ヒトによったら一日で一周してしまうのに、
a.手前にも見所がたくさんあって、けっきょく北へ行くほど手薄になってしまい、絶景で有名な奥琵琶湖パークウェイだけ行かれなかった、
b.そういえば、あそこは雪深いから冬はずっと通行止めだったような・・・ところで、今回から具体的にどこを旅するんですか、
a.2003年の秋に立て続けに三回びわ湖を旅してるんで、これを順になぞってみたい・・・旅のつながりがとても良いし、写真もきっちりポイントを押さえてる、
b.じゃあ、それぞれに簡単なルート紹介を、
a.1回目はJR湖西線の小野駅からJRびわ湖線の近江八幡駅まで走った9月28日の旅、二本目はJR安土駅から反時計回りにJR近江八幡駅まで走った10月4日の旅、三本目はJR彦根駅からびわ湖ぞいにJR長浜駅まで走った10月19日の旅、
拡大すると見やすくなります
b.1回目の起点、JR湖西線の小野駅ってあまり聞かないけど、
a.小野一族ゆかりの土地らしい、小野妹子(オノノイモコ)や小野道風(オノノトウフウ)のここが故郷とか、
b.へえーそんな由緒ある土地やったんか・・・でもびわ湖大橋わたるなら、ひと駅手前の堅田(カタダ)の方が近いけど、
a.なんか小野駅って雰囲気があって・・・ホームからびわ湖が望めるし、ニュータウンのど真ん中にあって、地域住民しか使わないし、なんか心ひかれる、
b.そんじゃ、やおら始めますか、
a.文面の上とはいっても年末までの長旅・・・どうせなら気分を出して車窓の景色から始めよう、いやその前にもう一枚あったぞ、家からJR西大路駅前へ向かう途中、なにを思ったか桂川サイクリングロードで写した草むらの写真、ここから始めよう、バッタの気分でどうぞ、(撮影日時 2003年9月28日(日)9:53)
b.え、そっから?
b.年内の旅行計画ということですが、瀬戸内海の次はどこへ行きやしょう、
a.「瀬戸内を 見ればびわ湖が なつかしい」、とはいえ岡山からびわ湖へ日帰りしても、かえって欲求不満がつのるだけ、ということで2003年、今から12年も前のデジカメ画像を引っ張り出して、文面だけでも秋のびわ湖を旅したい、
b.ほんま、びわ湖が好きなんすね、
a.あちこちの景色が今でもカラダの一部分のように感じる、
b.しかし、意外っていうか、10年も旅したびわ湖がまだ一周できてなかったとは・・・ヒトによったら一日で一周してしまうのに、
a.手前にも見所がたくさんあって、けっきょく北へ行くほど手薄になってしまい、絶景で有名な奥琵琶湖パークウェイだけ行かれなかった、
b.そういえば、あそこは雪深いから冬はずっと通行止めだったような・・・ところで、今回から具体的にどこを旅するんですか、
a.2003年の秋に立て続けに三回びわ湖を旅してるんで、これを順になぞってみたい・・・旅のつながりがとても良いし、写真もきっちりポイントを押さえてる、
b.じゃあ、それぞれに簡単なルート紹介を、
a.1回目はJR湖西線の小野駅からJRびわ湖線の近江八幡駅まで走った9月28日の旅、二本目はJR安土駅から反時計回りにJR近江八幡駅まで走った10月4日の旅、三本目はJR彦根駅からびわ湖ぞいにJR長浜駅まで走った10月19日の旅、
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b.1回目の起点、JR湖西線の小野駅ってあまり聞かないけど、
a.小野一族ゆかりの土地らしい、小野妹子(オノノイモコ)や小野道風(オノノトウフウ)のここが故郷とか、
b.へえーそんな由緒ある土地やったんか・・・でもびわ湖大橋わたるなら、ひと駅手前の堅田(カタダ)の方が近いけど、
a.なんか小野駅って雰囲気があって・・・ホームからびわ湖が望めるし、ニュータウンのど真ん中にあって、地域住民しか使わないし、なんか心ひかれる、
b.そんじゃ、やおら始めますか、
a.文面の上とはいっても年末までの長旅・・・どうせなら気分を出して車窓の景色から始めよう、いやその前にもう一枚あったぞ、家からJR西大路駅前へ向かう途中、なにを思ったか桂川サイクリングロードで写した草むらの写真、ここから始めよう、バッタの気分でどうぞ、(撮影日時 2003年9月28日(日)9:53)
b.え、そっから?