どうも。久しぶりである。
あくまでも「真新しい収穫」がなかっただけで、「収穫」はほぼ毎日していた。この時期の収穫といえば、もちろん「ワラビ」だ。
近所でワラビが採れるところはあちこちにあるのだが、中でもぶっとく長いワラビを一気に収穫しようということで、非常に険しい山(山々の合間にある小山?)でワラビを収穫していた。まあ例年でいえば「ワラビ祭り」である。
なかなかの良型ワラビをものすごい勢いで収穫していた。ここに来るまでにはかなり険しい修験者道を通る必要があり、人はまず来ないだろうと踏んでいた。すると、頭の上のほうから「こんにちは」の声がした。
おや?と思った。やっぱり知ってる人は知ってるんだなーと思い、適当にあいさつを返してワラビ採りを続けた。すると、一気に声が近くなり、「ワラビですか?」と訊かれた。
「そうですよ」と、おそらく相手にもそれとわかるくらいめんどくさそうにそちらを振り向くと、自治体の名前が入ったユニフォームを身に着け、名札をぶら下げた大柄の男が立っていた。「あ・・・」と思った。ここが誰の土地なのかは知らなかったのだが、確かにここに来る道中には、公的な土地であるということを示す標識がいくつか立っていたことに思い当たる。
「あ、この土地の方ですか?」私は思わず、ちょっとピンとがズレた疑問を投げた。
「この土地の・・・管理をしている者です」
やっぱりねー・・・そう思った。「あ、じゃあ、ワラビ採っちゃまずいですよね?」
私は少し申し訳ない気持ちでそう問い掛けると、その男性は苦笑いを交えながら、答えた。
「・・・見なかったことにしますよ」
「え?」
「いや、みなさんここでけっこうワラビ採ってるのを見てますから」
二重のびっくりである。ここに来る人いるんだーーー!
そしてこの職員も、ここにはけっこう来てるんだ・・・
実をいうと、私は隣町の人間である。この場所は自分しか知らないだろう、ここで男ゼンマイを採っていっているワケわからんヤツはよそ者だろう・・・そんなふうに思っていたが、考えてみれば私こそ誰よりもよそ者であった。
「いや・・・なんというか・・・申し訳ないです」私は素直に頭を下げた。
「いやいや、そんなそんな・・・」男性はかえって恐縮しているようだった。
「私がこんなこと言っちゃうのもまずいかもしれないけど、あの岩、あるでしょ?あの大岩。あれを越えた向こう側に、けっこういいワラビが生えてるとこがあるんですよ」
男性は急にそんなことを言い出した。「あの、道がけっこう険しいんで、特にあの岩のとこね。行くなら気を付けて行ってください」
私がポカンとして聞いていると、男性は「じゃあ、失礼します!」と言って去っていった。
まず間違いなく自治体の職員であるはず。自治体の土地であるとするなら、無断で入り込むこと、ましてやワラビを採取することなど、本気で罰せられたとしても不思議はないはず・・・こんなこともあるんだなーと、心底驚き、そしてその心意気には心底感動した!
せっかくなのでお言葉に甘えて行ってみた。そして、収穫してきた。
↑すげーワラビ畑。しかし向かって右側はとんでもねえ急斜面で、そっちに畑は広がっており、サルとか以外は収穫不可
↓たった5分で収穫。こっから先は急斜面につき、サルとか以外は撮影不可
ということで、なんだかちょっと目からうろこというか、市町村区役所の職員さんを妙な色眼鏡で見ていたこと(要は、とてつもなく頭がカタイ人種とみていた)を大いに反省し、素晴らしい小一時間を提供してもらえた人とワラビに感謝感謝感謝!!!である。
↑「拷問具」を思わせる植物。とんでもねえ鋭さのトゲ。地獄の門番という感じ。
これは確か先週土曜日の出来事だったかな。金曜日だったかな・・・ちょっと記憶があいまいではある。しかしそろそろ次なるワラビがにょきにょきしているはずなので、またちょっくら行ってくるかなー、あしたあたり。
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