仕事で四谷に行ってきた。
帰りに「東京で最もアヤシイ街・信濃町」に寄った。お岩稲荷に詣でるのとうまいカレー屋があるのでそこでカレーを食うのが目的。
赤坂見附から外堀通りを歩いて迎賓館をぐるーっと1周する感じで歩いたのだが、なんだよ大都会・東京、街路樹というか、歩道の植え込みね、なんかボーボーなんだよ。刑務所の中を覗き込むようにして巨大な柵の向こうの迎賓館を覗いてみれば、1mmもよけいな草(芝?)なんてなかったのに、一歩外に出ればジャングルみてえな有様。
まああんなとこをテクで行く者は少ないから仕方ないかもしれないが、ウルシだかヌルデだかの暑苦しい木々に背の高い笹、小笹などが無秩序に植え込まれていた。一瞬猛毒のキョウチクトウかと思ってギョッとしたが、ふつうの笹であった。
そしてお岩稲荷に向かうまでの道程が私の腰への負担をかけ続け、肌寒い気候のわりに私は汗びっしょりになって歩かなければならなかった。まずは鉄砲坂、そして戒行寺坂、さらには女夫坂と、いつものことではあるが、ヘルニア持ちの腰にはなかなか厳しい試練である。
ふだんもっと険しい坂、というか峠を歩いているんだけどね、やっぱりずーっとアスファルトだと確実に腰を痛める。それにふだんは登山靴で歩くことに慣れているので、ふつうのズック・・・というかスニーカーではあまり上手に歩けないんだと思う。
お岩稲荷に行ってきましたよ。
住宅地の中にポツンという感じでお稲荷さんはあるんだけど、その道中、女性が私の前を歩いていて、追い抜こうかママでいようか微妙なタイミングだったが、どうせお稲荷さんに寄るのは私だけだろうと思ってそのまま後をついていった。
ところが・・・
その女性もお稲荷さんに入って行ったので、私はちょっと困ってしまった。しかし社を除けばほんとうに住宅街なので、社の外でフラフラしているわけにもいかず、私は引き続き後を追うように社へと進んだ。
考えてみれば、あんな住宅街を歩くということは、その周辺に家があるか、そうでなければお岩さんのとこに用があると考えるのが自然なのかもしれない。
しかしその女性のお参りがなげぇんだよこれがまた・・・
何しろ社はとても狭く、人が10人も入ればもう満杯というくらいの規模なので、私はお岩さんとは関係ない祠のようなところで時間をつぶし、用もないのに何度も手を洗って時をやり過ごした。
でもよーく考えてみれば、別にその女性に用があるわけではなく、お岩さんに用があったわけで、待つのもバカらしくなって結局その女性の横でさっさとお参りして、お札をもらって社を後にした。
四谷に来るたんびにお岩さんのところでお参りさせてもらうんだけど、そのたびにお札のようなものをいただいてくる。御朱印集めのような趣味はないのでお札をいただけるのはちょっとうれしい。
↑これで都合7枚目のお札
いつも特に選ばずにもらってくるんだけど、今回のはまさに私のことを言ってんじゃねえの?と思わず感心するようなことが書かれていた。
「川の音 山のそよぎと寄り添い 生きる」
意味深いんだか大した意味がないんだかわからんけど、もう立派なコレクションだ。
住宅地だけにこの辺りは基本静かであるにもかかわらず、なんとなくその静けさが濃密になる雰囲気が、疲れた足腰にはうれしい。今回はスムーズではなかったけれども、やはりああいう雰囲気はいいですね。
そして向かったカレー屋イン信濃町。
ここね、行くたんびに店員のインド人が替わってるんだよ。でね、今回は特別日本語がニガテな店員だったので、なかなかに困った。
一番辛いのと、私が大好きなキングフィッシャーというインドのビールを注文したところ、まずはコロナビールが出てきた。
あれ、キングフィッシャーじゃないの?これコロナでしょ?
と問うと、店員は「コロナビール!」と元気に答えた。
ーーいやいや、キングフィッシャーほしいんだよ、キングフィッシャー、わかる?
ーーコロナビールね!
ーーいやいやいや、コロナじゃない。キングフィッシャーください!
ーーあーーー、コロナビール?
ーーちがう、キングフィッシャー。ないの?キングフィッシャーない?
と、メニューを差しながらジェスチャーを交えていうと、店員はメニューのコロナを指して、「コロナね!」と繰り返した。
私はもうあきらめた。コロナビールはバカげたコロナ騒動で風評被害を受けているという話を聞いていたので、味も好きだしまあいいかと思って最近コロナをちょくちょく買っては家で飲んでいるのだ。
そういう事情もあるからコロナビールでもいいっちゃあいいんだけど、いつも250円で買ってるコロナを500円出して買うのはなんだかなぁ、トホホ・・・の気分でカレーを待っていると、いつもよりバターの風味を倍増しましたって感じのアツアツナンとともに「おくらチキンカレー」がやってきた。
おーーー来た来た来た!と思い、食ってみたら・・・ぜんっぜん辛くねえの!だから私はまた店員を呼び、「これ一番辛いやつじゃないでしょ?辛くないよね?俺一番辛いやつ頼んだんだよ」
というと、店員はめちゃくちゃ早口の片言日本語で「イチバンカライノコレ!」と言った。
いやいやいやいや、いつも食ってるのはもっと汗がしたたるくらいにかれぇぞ!と思いながら、
「いやいや、もっと辛いのあるでしょ?」
と問うと、「モトカライ?私ワカラナイ・・・」
ときた。
日本語もうちょっとわかるヤツ置いとけよ!と思いながら、私はマイナスターズの名曲「待ちわびて」を思い出していた・・・
まあ私が望んだ辛さではなかったけど、それでもやっぱりここのカレーはうまい。それがせめてもの救いだった。そう思いながら食っていると、例の店員が「ビーロッカーリカ?」と言って顔を出した。
私ははぁ?という表情を隠さずに見せると、もう一度、今度はゆっくり「ビールォッカワリカ?」と聞いてきた。どうやら「ビールをもう1本飲め」と言っているらしい。
じょーだんじゃねえ!こっちは(今は)飲みたくもねえコロナを飲んでるんだぜ?これおかわりしたらまたコロナが出てくるんだろ?じょーだんじゃねえ・・・
と思い、思わず「ノーサンキュー!」と大声で言ってしまった。もちろんthの発音も厳密に、手振りも加えた。すると店員は無表情で奧に引っ込んだ。
インド語なんてまったくわからんから思わず中学生でもわかる英語が出てしまったが、このときの私、心はインド人でしたよホントに。
まったくやれやれだよ・・・
翌日。
東京腰痛は強引にでも治す必要がある。地元の大都会の山中を歩けばいつもの腰に戻るのだ。
かなりつらかったが、私は歩いた。
1年でも非常に楽しみにしているヤマブキを収穫するためだ。ヤマブキは「山吹」ではなく「山蕗」のほう。そう、毎年つくっている「きゃらぶき」をつくるためである。
フキが群生している谷で収穫を終え、帰るときに気づいた。
イワタバコだ。
私はびっくりした。イワタバコって沢に群生するイメージがあったけど、ここは沢でもなく、この崖の上はふつうに車が通る観光道路である。しかもこの崖の道も観光林道なので、車は入れないけれど、けっこう人の往来はあるのだ。
私だって何百と行き来した道である。であるにもかかわらず、バカ面してこのイワタバコをスルーしてたんだなぁ・・・観光客もアホ面してスルーしてたんだろう。
今後この道を「アホ面通り」と呼ぼうと私は決心した。
この林道の終わり、すなわち私の家に近いほうでは、この時期の風物詩的山菜であるタマブキを、今年も無事収穫することができた。
↑タマブキの群生の端
ほんとはもっと、こんなイタドリとかドクゼリとかとの混生ではなく、この手前でちゃんとタマブキは群生していたんだけど、写真に収めるタイミングを逃したので、混生の画像となった。
でもわかるでしょ?ハート型みたいな葉っぱの山菜。これがタマブキね。
塩ゆでして水にさらすだけで簡単にあく抜きできる。フキの香りがする小松菜という感じで、そこまでうまいもんじゃないけれど、青臭い小松菜をバリバリかじるよりはずっとうまみを感じることができる。
ということで、もうミツバも終わりが近づき、あと残すはいよいよワラビだけ。春の山菜シーズンも最終盤にこれから差し掛かろうとしている。
おっと、肝心なことを忘れていた。
前回の「きもちわりいきのこ(植物)」の正体が判明したので触れておかなければ。
あの目玉みてえなやつね。
あれはギンリョウソウという植物であるということ。
俺があんだけ探してもネット上でまったく情報がなかったのに、名前がわかって「ギンリョウソウ」で探したら腐るほどたくさんの情報があった。
まあそれだけたくさんあるので、なかなかおもしろい植物ではあるけれど、詳細を知りたいなら各自検索していただきたい。
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以前いろいろ教えてくださった方ですか?
毎度お詳しいレポート、ナイスです。
あまりにも不思議&不気味だったのでどうしても知りたくなって、必死こいて探しました汗
またよろしくお願いします。
こっちでギンリョウソウの正体
判明してましたね。
こりゃあうっかり。