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2019年11月13日

シモフリシメジに関する考察

必ずお読みください!

11月12日

DSC_0162.JPG
↑先日推定6.5?sのヒラタケを採取したすぐそばの倒木に発生したなんかの幼菌。ぷにぷにしたピンク色で、ヒラタケではないことは確か。その正体にちょい期待。
↓それと同じ日、ヒラタケ推定1?s、ヌメリスギタケモドキ推定13gを採取した倒木。残りのヌメリスギタケモドキ(手前)とヒラタケ(奥)を採取した。まあ採取というより回収という感覚だけど。
DSC_0163.JPG

DSC_0164.JPG
↑巨大ヒラタケ(左)。デカきゃいいってもんでもないんだけど、やっぱりテンション上がるね。

ヒラタケやヌメリスギタケ&モドキが絶賛発生中ということは、忘れてならないのが、このあたりで採れるきのこではおそらく最も美味なシモフリシメジ。ただ、まだ時期ではないなぁ・・・と思ってはいた。

だから、まさしく不意の遭遇であった。昨年シモフリシメジ&ムラサキシメジエリアが何者かによって劫掠されたとブログに書いたが、あれ、どうやらイノシシの仕業らしいことが判明した。実はあれと似た劫掠がそこここに見られるのだが、確かに、イノシシ発生ゾーンに多い。

で、あのエリアはおそらくシモフリシメジも、もしかしたらムラサキシメジも期待できないのではないかと考えていた。まあムラサキのほうは割とどうでもいいんだけどね。

で、その場所とはまったく別の、あさっての方向の場所で、シモフリとおぼしききのこを見つけた。場所も時期も異なることから、まさかあそこでお目にかかれることになるとは思ってもみなかったのだが・・・

ちょっと時計の針を戻して、その出来事についてしたためておく。


11月11日(ラスト民家&碑を通ってぜってえクマ・シシいるよなゾーンを抜け、地蔵方面の例の道)

DSC_0160.JPG
↑これ、やっぱりどう見てもシモフリシメジだよなぁ・・・

あまり数が出ない(というか、落ち葉の下にもぐっているモグラきのこなので見つけるのがめんどい)きのこなので、お!シモフリじゃん!ラッキー!と思って採取した。

まあなんにも採れないコースなので期待していなかったから、なおさらラッキー!の感は強く、帰り道は足どりも軽やかであった。

私が知るシモフリシメジはクセや苦味がなく、コクがあってとにかく味わい深い。どんな料理でも合うし、シモフリシメジの炊き込みご飯は最高。少量ではあったが、まずはシモフリそのものの味を楽しみたいということで、1食分だけ煮つけをつくってみたところ・・・

確かに多少遅い(成長しすぎ)かな?という感じはしたが、いつものシモフリシメジからは考えられないような臭みを感じたのだ。あれ?と思い、ほかのシモフリシメジとおぼしききのこを改めて同定しなおしてみても、やっぱりいつものシモフリシメジと寸分たがわぬ容姿。地味だがかわいらしいきのこである。

シモフリシメジは、画像のとおり全体がグレーがかっていて傘の縁がレモン色を呈する、かなり特徴的なフォルムがトレードマークになっており、似た毒きのこはほぼない。有毒種ネズミシメジが似ているといわれるが、まあ画像で見る限りにおいては、例によって全然似てねえなぁと、個人的には思う。

時期が同じだしサイズや色の系統が同一ということで、注意喚起を目的として便宜的に「似ている」としたものと思われる。まあ私が今回採ったやつは間違いなくシモフリとおぼしききのこである。

シモフリであるはず——その感は強い。しかし、煮ているときのやや強烈なシメジ臭が、これを否定しようとしている。調べてみても、ネズミ以外間違うことはない。私は迷った。「サクラシメジとおぼしききのこ」なら迷わず捨てていただろう。「ホンシメジとおぼしききのこ」なら迷わず食っていたはず。しかし迷ったのだ、食うべきか、食わざるべきか・・・

でもね、昨年はシモフリに出会うことができず、イノシシのせいで今年も採れないかもしれねえ・・・の思いが「食う」ほうに舵を切らせた(このあたりから読者のココロがざわめき始めていることに期待している)。腹を痛めても新種の発見とでもなれば、腹の痛めがいもあるというもの。

成長しすぎたシモフリシメジは多少臭みが出るという話もどこかで耳にしたことがあるし、まあそのクチだろうと思って、煮しめたシモフリシメジを食ってみた。

コレだよコレ!この香りと歯切れ!そしてコク!これぞシモフリ・・・あれ??

私は箸をおいた(私がもだえ苦しむ断末魔への期待値MAXですね?最悪だなお前ら)。臭いのだ。そして苦い。あれ?あれ?シモフリシメジじゃない!俺もうひと切れ飲み込んじゃったよ?どうしよう・・・

そこで勤勉な私はこの時点で一度飯を休止し、ネットで本格的調査に移った。すると、こんな事実に出くわした・・・

シモフリシメジにそっくりな超猛毒きのこがあり、それは臭くて苦いが臭みと苦みを除けば味はシモフリシメジとそっくりで、毎年誤食による死者が絶えず・・・

なーんてのは真っ赤なウソっぱちで、なんでもシモフリシメジと見分けがつかない別種のシモフリシメジってのがあるらしい。これは正直めちゃくちゃ驚いた。私と似たような「くせえ!にげえ!」という体験をした人は、仮にニセシモフリシメジと名付けたようだ。また別の人はシモフリシメジモドキと名付けていた。

私が採ってきて食ったのも、おそらくニセだかモドキだかのシモフリシメジだったようだ。でもね、味はほんとにおいしいんですよ。臭みと苦味がなければ完全にシモフリシメジのそれ。だからね、食っちゃいましたよ。ぜーんぶ。

翌朝普段通りに目覚め、何事もないことを確認。足もちゃんと付いてるし、鏡に映しても向こう側がすけているわけでもなければ影が消えちゃってるわけでもない。無論家人との会話も普段通り、猫のすりすりもツメの痛みも感じた。そう、残念ながら私は無事。ピンピンしている。

ということで、なーんだ、だいじょぶじゃん!と思い、残りのインチキシモフリシメジは一度茹でこぼしてから(サクラシメジの下処理として有名)、例年どおり炊き込みご飯として食うことに成功した。

正直少し臭みが抜けきらなかったが、まあシメジ臭なので、食欲をそそりこそすれ、吐き気を催すようなにおいではない。おいしく頂けるレベルに落ち着いた。もちろんその後もすこぶる順調、まったくの無事である。

ということで、いろんなシモフリシメジがあるんだなぁ・・・という、今回はお話でした。と同時に、このインチキシモフリの正体をご存じの方がいたら、ぜひ教えていただきたいもんですなぁ。

DSC_0161.JPG
↑シモフリの帰り、遠回りしていつものホダに立ち寄って収穫したかわいいヒラタケ

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