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2018年09月26日

第5R〜毒!どく!ドク〜ッ!

必ずお読みください!

今年もこのシーズンがやってきた。ヒラタケである。ヒラタケは毎年かなりの量をいただいている。ヒラタケのシーズンは約2カ月続くことになるわけだが、この時期ほど自然の恵みに感謝することはない。ほんとはそれじゃあダメなんだろうけど、感謝などまったくしなかった私にしては上出来である。というか、そういうふうに私を成長させてくれているのもまた自然なのだ。



ヒラタケ18922.jpg

ヒラタケ同木.jpg

雨あがりだったこともあって見た目以上に重量があった。持った感じだとトータルでだいたい3kgくらいか。何度経験してもこの瞬間はとてもうれしい。しかし残念なことに、この木、写真のとおりボッキリ折れてしまったのだ。今年何度か来た台風にやられてしまった・・・

この奥にもヒラタケが大量に発生する木が3本あるのだが、全4本中3本が折れてしまった。残念でもあるが、これが自然のなせる業なのだから仕方がない。それに、生き残った木の根に近いほうにたくさんのヒラタケが今年も発生してくれている。さらに、大量ではなくてもちょこちょこ楽しみを提供してくれる朽ちた木を毎年見つけるので、今年も期待している。

野生のヒラタケを知る人ならだれでも知っていると思うが、環境によっては強い毒を持つ「ツキヨタケ」に酷似する株や個体がある。幸い私が入る山のヒラタケは、写真のとおり似ても似つかないから比較的安心である。ツキヨタケは柄の部分を割いてみると黒いシミがある、などといわれるが、ない個体もけっこう多いから、黒いシミだけを判断材料にするのは危険。

より確実なためにもぜひ「ツバ」の有無に注意していただきたい。非常に小さいが、特にムキタケとの区別がややこしいことが多く、そのときにこの小さいツバが役に立つのだ。ツバがあるほうがツキヨ、ないほうがヒラタケ、ムキタケ、シイタケ(ツキヨの誤食3部作)である。ツバあり、シミありの少なくとも一方の条件を満たすか、夜に青白く光るきのこ(これがツキヨタケの由来となった性質)は絶対に採取すべきではない。


さて、ここからが本題。今回は毒々しいきのこがテーマなので、まずは美しくかわいらしいヒラタケをご覧いただいたわけである。しかも今回の毒、ツキヨタケなんて比ではないくらい危険な猛毒きのこの可能性がある。前回は難問の老菌だったが、今回は同じ難問でも「幼菌」のほう。

では画像をご覧いただこう・・・コイツだ。

シロカラカサ918.jpg

オオシロカラカサ918.jpg

オオシロカラカサ同個体頭.jpg

例によって3連発だが、正体はともかく、あまりにも個性的なこの個体のシルエットはご存知の方も少なくないだろう。ではさっそく予想。

◎ カラカサタケ
○ オオシロカラカサタケ
▲ コカラカサタケ
△ ドクキツネノカラカサ
△ クリイロカラカサ
× ゴルフの打ちっぱなし前

この状況で判断するのは非常に難しいし、口に入れるのであれば容易な判断は危険である。まずは予想の根拠から。根拠となった画像をご覧いただこう。

からかさ180925.jpg

からかさ真上180925.jpg

からかさ柄180925.jpg

これ、まず間違いなくカラカサタケである。かなり大柄(傘25?pくらい、高さ30?pくらい)で、濡れ具合によっては毒きのこのテングタケに似ているし、柄だけ見れば光の加減によってはマツタケを超える高級きのこのコウタケにも見える。全体的にはテングタケに近いか?だから成菌となったこの形↑でも注意は必要。

で、このカラカサタケが今年は爆発的に発生しており、山歩き30分くらいで200本くらい生えてるんじゃねえの?と思われる勢いだった。これが◎推した根拠。カラカサタケは可食。かなりうまいらしい。でも、これにそっくりなオオシロカラカサタケは、食ったら命はない。オオシロカラカサタケのほうが傘は全体的に白っぽいし、生えるのは公園などもっと私たちの生活に身近なところである。

デカさではオオシロカラカサタケに似るが、色や形などのパッと見た目は強毒のコカラカサタケに似ている。コカラカサタケはカラカサタケよりもだいぶ小ぶりだが、カラカサタケにも個体差があるので大きさだけで判断するのは危険。だからこの時点でカラカサタケを食うのは無条件で危険ということになる。まあデカいカラカサタケだけを食えばなんとか大丈夫か。

ドクキツネノカラカサは、色合いは似ていないが、毒性がオオシロカラカサタケに似て、食ったら死ぬリスクが高い。オオシロカラカサタケは何しろデカイから、完食したらまず助からないだろう。コカラカサタケはバクバク食ったら危険だし、カラカサタケよりも小ぶりなドクキツネノカラカサも1本完食したら危ないかもしれない。

クリイロカラカサタケも毒キノコで、たくさん食うと生命は危険にさらされる・・・という具合に、カラカサ一族は非常にリスキーなファミリーなのだ。カラカサタケは正直いって食ってみたいけれど、私にはその勇気はない。写真はまず間違いなくカラカサタケだとわかっていても、どうしても食えない。

ほかにも色の変化やにおい、生える場所の傾向など見分けるポイントは把握しているのだが、それでも勇気はない。かなり美味なタマゴタケと食ったらタダじゃ済まないタマゴタケモドキ、タマゴテングタケの関係に似ているかもしれない。

ただ、タマゴファミリーは、なんというか、「AとB、Cの違い」というはっきりした離散的な違いがあるのに対し、カラカサ一族は「AとA'、A''、A'''の違い」という感じの、イマイチはっきりしない連続的な違いしかない印象がある。これが、タマゴは食うのにカラカサは食えないという差に表れているのかなぁ・・・

みなさんもカラカサを食うときはほんとうに注意してくださいね!
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