数日前
前回か前々回のブログで、ニガクリだと思ったらエノキだったラッキー!みたいなきのこ画像を掲載したかと思う。しかしいろいろ検証した結果、あれはどうやらエノキではなかったという結論にたどり着いた。
あのきのこはアントニオ・エノキではなく、ジャイアント馬場だったのだ——というのはもちろんウソ(←あたりめえ)。このきのこはなかなか同定が難しいきのこのようで、おそらくモリノカレバタケというかなりマイナーなきのこなのではないかといういちおうの結論を得た。
昨年ナラタケがド地べたから生えている画像を掲載し、こういうこともあるんですよ、的な、少々エラそうな説明を施したことがあったかと思う。どういうことかというと、ナラタケやナラタケモドキはヒラタケやキクラゲなどと同じく「木に生えるきのこ」であるにもかかわらず、画像のナラタケはそうではなかったから。
あれがナラタケそっくりな毒きのこだったら、私も今ごろ無事では済まなかったと思う。しかしナラタケ(モドキ)ってやつは、地球上で最大の生物なんて言われてしまうくらい、菌糸をしぶとくどこまでも延ばす性質があるのだ。
すなわち、一見してド地べたから生えているように見えて、実は菌糸がみょーんと延びてどっかの木につながっている可能性が極めて高い。だから、ド地べたを経由して木に生えるきのこなのである。いや、「木に生える」はさすがに言い過ぎか。「木から生えるきのこ」なら問題ないんじゃねえかな。
なんでもナラタケ(モドキ)ってやつは非常に生命力が強く、水の中にも菌糸を延ばすこともあるんだとか。沢の向こうの木の地下から放たれた菌糸が沢の流れに逆らい対岸まで泳ぎ(?)、こっち岸に子実体(きのこ本体)を生やかすってことだから、なかなかのもんだと思う。
まあ正直書いてあることがあまりにも専門的で難しすぎて、私の脳みそには限界を超えるような内容だったので、上記はあくまでも私がそう解釈したという程度の認識であることを了承していただきたい。
で、その関係もあって、アントニオもひょっとしたらナラタケ(モドキ)同様、菌糸をぽよーんと延ばしてド地べたを経由した「木から生えるきのこ」なのではないかと解釈し、上の写真のきのこを「アントニオである」と解釈したわけですよ。でも全然ちがっとったなーやっぱり。
まあその理屈があらゆるきのこにまかり通ってしまったなら、タマゴタケやタマゴタケモドキやシメジ各種にマッタケ、ハツタケ、カラカサタケなどなど、ぜーんぶ「木から生えるきのこ」になってしまうことに、今さらながらにして気づいたりもする。そんなはずないですねー。きのこというきのこがかたっぱしから「地球上で最大の生物」なんて、やっぱりありえないのだ。
ということで、あれはどうやらアントニオではなさそう。それはそれとして、ではいったいモリノカレバタケというきのこがどんなきのこなのかということについてもちょっとばかり触れておきましょうかね。
私がこうして気にかけるきのこなのだから、このモリノカレバタケ、当然食えるきのこなんです。しかもね、一説によると、なかなかの美味きのこなんだとか。
まあ小ぶりのきのこなので、これ食って満腹感を得ようなどというような寝言は寝て言ったほうがいい。ではどうやって食ったらいいのかというと、茶碗蒸しや土瓶蒸しなどにちょっと入れて、その「香り」を楽しむことができるという、なかなか高級感あるきのこなんですって。これでガゼン私はこのきのこに興味を抱きましたよ。
ただし、こいつは似通ったきのこがとても多く、同定がかなり難しい上級者向けのきのこであるという点には要注意。しかも、コレラタケをはじめ毒をもつきのこが「そっくりなきのこ」に含まれるというからますます厳重な注意が必要であろう。まあ正直、これをコレラタケだと思う人はそうそういないとは思うんだけどね。ある程度経験がある人であれば、ですけどね。
そういや、確かに私も見た瞬間は、コレラほどではないにしても、こちらもけっこうな強毒きのこのニガクリタケと見まがったほどである。誤食による事故の報告こそ見つからなかったが、少なくともクサウラベニタケをハタケシメジと見間違えてしまうケースと同程度のリスクはあるんじゃねえのかなーという印象を受けた。
見分け方のヒントのひとつに、上述の「かぐわしく上品で甘やかな香り」と、柄の基部が太くなっているというポイントがある。前回の手のひらの上のきのこも、確かにそんなフォルムでした。
満腹感を味わうことはできないにしても、数的にはかなりたくさん生えるので、割と楽しめるきのこなんじゃないのかと思って収穫を楽しみにしていたのだが・・・なんと、ぎっくり腰を発症してニッチもサッチもいかなくなってしまった。2日ばかり寝たきりの時を過ごし、今日久しぶりに山の入口まで、リハビリがてらに歩いた。
今日は、きのこのほうまでは行かず、とりあえず飲み水だけ汲んで帰ってきた。久々に飲んだ沢の水はやっぱり水道水よりもおいしい気がする。明日・・・はちょっと無理だが、あさってから本格復帰するぞ!
4日
サボテンが今年もキレイに咲いてくれた。かれこれ20年以上も続けて、毎年この時期にだけ開花する。なんだかもう他人とは思えないくらいいとおしいサボテンである。
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