それは遠い昔、
遠く離れた国の話です。
ある村にエイプリルという修行僧がすんでいました。
彼は正直で真面目で、人を疑うことを知らない人間でした。
彼は人の話を聞くのが大変好きでした。
毎日村を歩き回り、村人たちの話を良く聞きました。
彼はどんな話でも真摯に受け止め、聞き入りました。
例えホラ話であろうと、真面目に受け止め聞くのでした。
村人たちはそんな彼に嘘の話ばかりするようになりました。
金持ちになった話、化け物を退治した話など、明らかに嘘と分かる話ばかり。
村人たちはそんな話を彼に聞いてもらうことで物語の主人公になったかのように思え、
それがなんとも気持ちがよかったのです。
でも彼は幸せでした。
毎日ワクワクする夢のような話を毎日きけるのですから。
そんな日々も長くは続きませんでした。
エイプリルは病気になってしまったのです。
村人たちは彼を心配し、毎日彼の家を訪れました。
そして今までと同じようにホラ話をするのでした。
彼は話を聞くのを楽しみにし、懸命に生きました。
しかし彼も病魔には勝てませんでした。
村人たちは彼の死をとても悲しみました。
そして彼の存在を忘れないよう、記念日を作りました。
それが彼の誕生日である今日、四月一日なのです。
この日だけは皆が幸せになる嘘をついても良い日にしようと。
どうですか、皆さんも幸せな嘘つきましたか？
ちなみにこの話も嘘です。
信じた方おられたらすいませんでした。
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