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国慶節、杭州、武漢、公安へ?B

 10月2日、武昌から乗った長距離バスは4時間ほどで公安の街へとたどり着いた。

 もう15分ほどで終着点に着こうかというところで、僕は彼女の姉から届いた携帯のメールに気づいた。その内容を彼女に見せると、彼女は運転手や周りの乗客に、姉から指定された場所はここから近いかどうかを確認。運転手が親切な人で、「それならここで降りたほうが近いよ」と僕らを一般道路の脇で下ろしてくれた。

 外は結構な強さの雨が降っている。僕は傘を取り出し、彼女は姉に電話をする。姉の住む近所にあるスーパーの名前が告げられた。しかし電話なので漢字もわからずピンインも定かじゃない。相合傘をしながらタクシーを拾おうとするが、ここは車の通りが悪い。しかし運良く数分後にはタクシーに乗り込むことができた。

「どこまで?」
「えっと、この近くにあるシンフイ・スーパーまで」
「シンフイ?」
「そう。シンフイ」
「そんなスーパー知らないよ。シンレン・スーパーならあるけど」
「ええ? あるはずなんだけど」

 彼女と運転手の会話に、僕はちょっとイライラする。「お姉ちゃんに電話して、運転手に渡せばわかるよ」と言うと、彼女は携帯のボタンを押した。しかし彼女は携帯を運転手には渡さずそのまま姉と話をする。

「シンフイでいいの? でも知らないって言ってるよ、え? あるの?」と彼女は相変わらず身のない話を続ける。その会話に僕はまた、「近くに目印になるようなものは無いの?」とイライラしながら口を挟む。目印の美容院を言われて運転手は早速車を進める。すると今度は、「『その道を真っ直ぐ進んで』って。その先にお姉ちゃんが待ってるから」と彼女。その言葉に、僕はなんだか嫌な予感がしだした。それで僕は強引にタクシーを降りることを彼女に勧め、目印の美容院からゆっくりと荷物を抱えて歩くことにした。しかしいくら進んでも件のスーパーは見つからない。僕らはとうとう大通りにまでたどり着き、彼女は再びお姉さんに電話をする。「今目の前に大きなホテルがあるんだけど…」。すると方向がまったく逆だったことがわかったのだ。

「タクシーの進んでる進行方向も知らないのに、真っ直ぐってわかるわけないでしょ!?」と僕は多少の苛立ちを彼女にこぼす。確かに、と彼女は済まなそうに詫びる。

 もと来た道を歩いていると、向こうから彼女の姉が傘をさして歩いてくる。開口一番、「ホンット、あんたたちはバカなんだからあ〜」と彼女の姉は笑いながら彼女に言う。おいおい、と僕は思うが、彼女は僕の気持ちを代弁して電話での指示について不満を述べる。すると、「シンフイの前を真っ直ぐって言ったでしょ!」と通じない。そして、「ホンット、あんたたちは!」と繰り返す。

 シンレン・スーパーを過ぎてしばらく歩くと、うっすらと暗い道の脇にシンフイ・スーパーという看板があった。こんな地味な場所じゃ運転手もわからないよと思うも、無言で彼女たちの後ろを歩き、彼女の姉のご主人の実家へ到着。

「この子たちったら、道を全然逆に進んでるのよ!」と姉は義理の母と父に再び既成事実となってしまった僕らの犯したミスを告げる。

 久しぶりに会うのに相変わらずなんてパンチの利いたお姉さんなんだ、と思う出来事だった。


写真はお姉さんの義理の父と、お姉さんの子供です。

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