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2004.05.23

小泉はもう金正日と会わない方がいい　二人の間にはあ、まりにも能力差がありすぎる　これ以上会うと日本の国益が損なわれる

(12)

カテゴリ： 🔴 【ニュース・時事・政治・経済・社会】

今読んだばかりの今朝の５月２４日付の朝日新聞朝刊の一面は、同社緊急世論調査の結果である。

小泉訪朝「評価」６７％
人道支援「反対」６１％
内閣支持率上昇５４％

記事から注目点を拾ってみよう。

～～～～～～～～～

●　再訪朝についての全体的な評価は
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

評価する　２１％
どちらかと言えば評価する　４６％
＝　この肯定評価を合わせて、６７％となる。

どちらかと言えば評価しない　１９％
評価しない　１２％
＝　この否定的な評価を合わせて３１％となる。

肯定的な評価が６７％と言うのは、私にとって驚きである。

これについては後ほど詳しく述べたい。

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●　次に拉致問題での成果について。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

成果がおおいにあった　９％
ある程度あった　４７％
＝　合計　５６％

あまりなかった　３４％
まったくなかった　９％
＝　合計　４３％

成果がなかったとは私はいわない。
しかし、小泉首相が再訪朝までして、この成果ではおかしいではないか？
小泉再訪朝以前に、とっくの昔に、５人の帰国はもうすでに織り込み済みであったことはだれでも知っていたではないか。
５人の子供たち（実質的に人質だったのだからこれからは人質と呼ぼう）は、約一週間前に北朝鮮当局に「日本に行くことになるかもしれない」と告げられたという。
つまり、小泉首相がのりこまなくても、５人は確保できたのだ。
引き換え条件はあったかも知れない。
それが人道援助だったのかも知れないが、とにかく北朝鮮側はその用意はしていたのだ。
再訪朝を小泉は選挙対策としてパーフォーマンスして見せただけの話だ。

だから、首相が乗り込んだから５人を取り返したのだという理屈は全く合わない。
この成果ぐらいなら、本来は事務レベルで解決しなければならないはずだ。
首相が乗り込まなければ、なにも解決しないという現在の外交姿勢自体が問題なのだ。
こんな姿勢でこれからの日朝交渉をどう進めて行こうというのか？
毎回毎回、日本の首相が訪朝して土下座外交をしなければならないのか？

外交の慣習としては相互の交代の訪問が常識だ。
二度も日本の首相が訪朝したということも奇っ怪だ。

最大の焦点であった「安否不明の拉致被害者１０名について、ゼロ解答で帰ってきた」のにもかかわらず・・・である。

～～～～～～～～～ｌ

●　日朝ピョンヤン宣言の合意項目を順守する限り、「経済制裁処置を発動しない」方針を伝えた事への評価

正しかった　４６％
そうは思わない　３８％

これは私にとって、最大の驚きだ。いう
経済制裁というのは日本が北朝鮮に対して持つ最大の交渉カードだ。
このカードを放棄する時は、日朝間にある諸問題がすべて解決した時しかないはずだ。
残された問題を交渉するとして、日本側は何をカードにして交渉するつもりなのだろうか？

今回は一体なにへの見返りとして、この最後の最大のカードを捨てたのだろう？

５人の人質を取り返すためにだったのだろうか？
５人を北朝鮮が返すつもりだったのは上にも書いたようにだれだって知っていた。
このカードを捨てるための説明にはならない。

恐らく小泉首相は、これをエサにに北朝鮮との画期的な友好関係を構築しようというもくろみがあったのだろうと思う。
しかし、北朝鮮はそれを冷たくはね返して、ほぼゼロ解答を示しただけだった。

５人の子供たちは「日本へ行け」と単純に命令されたという。
北朝鮮では当局の命令には絶対に逆らえない。
だからジャンキンス氏の場合にも、５人の子供たち同様に金正日が、当局が、「日本へ行け」と命令すればそれで解決するはずだ。
それをせずに「ジェンキンス氏自身の意志」などというものを小泉に尋ねさせた。
金正日はジェンキンス氏の自由意志に任せたという。
北朝鮮にこんな大きな自由があったとは知らなかった！

小泉はピエロよろしく、あらかじめ対処の仕方を「傾向と対策」よろしく、当局から指導されていたジェンキンス氏相手に、懸命の説得を試みた。
ジェンキンス氏は「日本に帰る」とは言えない。
当局から指導されているからだ。
小泉が必死の説得を一時間もかけてやっていた時、恐らく金正日は、陰で笑っていただろう。

経済制裁留保という最大のごちそう、エサは金正日にパクッと食べられてしまって、小泉純一郎は泣きべそをかいて日本に帰ってきた。
これが真相だろう。

●　北朝鮮への人道援助
賛成　３０％
反対　６１％

私はこのアンケート結果にもひどく驚いている。
今回の再訪朝が成果がありとしながら、人道援助はすべきではないと言う日本の国民は何を考えているのだろう。
これは率直に言って人質を取り返すための身代金にすぎない。
そういう決断を日本政府はしたのだ。
良かれ悪しかれ。

しかし、人道援助はすべきでない・・・というならば、なぜ経済制裁の発動をしないという確約に対して下記のように考えているのだろうか？

正しかった　４６％
そうは思わない　３８％

人道援助は今回しかたがなかったとしても、それはしょせんワン・ショットの処置だ。
しかし経済制裁をしないとなると、北朝鮮側のメリットは計り知れないし、もうこれで日本に対して怖いものはないはずだ。
残る人質を小出しにもっと援助をしぼり取るだけだ。

人道支援の米と医療品は国民の末端に行き渡らないことは知れたこと。
米にしろ医療品にしろ、すぐ金に変えられるか？　幹部が私物化するに決まっている。

～～～～～～～～～

とにかく、今回の日本国民の世論というものに、私はあきれている。

～～～～～～～～～

それに、もう一度強調しておくが　：

小泉に外交の駆け引きの能力は無い。
金正日とのカードゲームにおいて、惨めなほどの完敗。
金正日との能力差が大きすぎる。

小泉はもう、これ以上金正日に会わない方がいい。
日本の損失になるだけだ。

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