ダイヤモンド・オンライン
井手ゆきえ
2018/02/01 06:00
ーーー まとめ ーーー
毎日、30グラムの クルミ
を摂取すると
脳卒中を含む全心血管疾患リスク
が14%、
心筋梗塞リスク
は20%も低下していた
と言う研究結果
明日、30グラムのクルミがどんな分量か
検量してみよう
ダイエット食品として人気のナッツ。一時の流行と冷ややかな男性が多いだろう。
ところが
1日30グラム程度のナッツを食べていると、心筋梗塞の発症リスクがぐんと減るらしい。
米ハーバード大学公衆衛生学栄養学部門の報告から。
同報告は、同大が32年にわたり行ってきた看護師健康調査(NHS1/2、いずれも対象は女性)と医療専門職追跡研究(NPFS、対象は男性)という三つの大規模疫学調査のデータを横断的に解析したもの。登録から2年ごとに健康状態や食生活に関するアンケート調査を行っている。
今回の解析は、登録時点ですでに心血管疾患やがんの既往がある人、過食・拒食傾向の人を除外。
ナッツの摂取状況についてデータがある合計21万人以上を対象に行われた。
対象者の年齢層は40代後半~60代前半で、体格指数(BMI)は25前後だった。米国の基準ではBMI25は標準体形である。
ナッツ(アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオなど)については 28グラムを1サービングとして
摂取状況を質問。
回答から
(1)ほとんど摂取しない、
(2)週に1サービング未満、
(3)週に1サービング、
(4)週に2~4サービング、
(5)週に5サービング以上
の5群にまとめ、心血管疾患との関連を調べている。
さて、 最長28年にわたる追跡期間中
に合計1万4136人が心血管疾患を発症した。発症リスクとナッツ摂取との関連を調べたところ、
ナッツを1サービング摂取するごとに、心筋梗塞の発症リスクが13%も減少する
ことがわかったのだ。
ナッツを頻繁に食べるほどリスクが下がるというわけ。
たとえば、
摂取量が一番多い(5)のグループは、(1)に比べて
脳卒中を含む全心血管疾患リスクが14%、
心筋梗塞リスクは20%も低下していた
のである。
ナッツの種類別では、
クルミの予防効果が高く、1週間に1サービング以上で全心血管疾患リスクが19%、心筋梗塞リスクが21%減少している。
1日ナッツ28グラム──。おやつやおつまみで簡単にクリアできそうな健康法である。
ただし、 塩味のきついナッツは避けること。
(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)
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