近代日本文学史メジャーのマイナー

近代日本文学史メジャーのマイナー

Calendar

Archives

2024.12
2024.11
2024.10
2024.09
2024.08
2024.07
2024.06
2024.05
2024.04
2024.03

Profile

analog純文

analog純文

全て | カテゴリ未分類 | 明治期・反自然漱石 | 大正期・白樺派 | 明治期・写実主義 | 昭和期・歴史小説 | 平成期・平成期作家 | 昭和期・後半男性 | 昭和期・一次戦後派 | 昭和期・三十年男性 | 昭和期・プロ文学 | 大正期・私小説 | 明治期・耽美主義 | 明治期・明治末期 | 昭和期・内向の世代 | 昭和期・昭和十年代 | 明治期・浪漫主義 | 昭和期・第三の新人 | 大正期・大正期全般 | 昭和期・新感覚派 | 昭和~・評論家 | 昭和期・新戯作派 | 昭和期・二次戦後派 | 昭和期・三十年女性 | 昭和期・後半女性 | 昭和期・中間小説 | 昭和期・新興芸術派 | 昭和期・新心理主義 | 明治期・自然主義 | 昭和期・転向文学 | 昭和期・他の芸術派 | 明治~・詩歌俳人 | 明治期・反自然鴎外 | 明治~・劇作家 | 大正期・新現実主義 | 明治期・開化過渡期 | 令和期・令和期作家
2009.06.10
XML
カテゴリ: 明治期・自然主義
 実際、今週も仕事でへろへろですなー。
 しかしそんな嵐のような仕事の中を突っ切って、先週末の土曜日、私は午前中はR大学に、午後にはクラシック音楽会会場におりました。
 なに、大学といっても大学に勤めているわけでもなし、以前申し込んだ無料の生涯学習講座に参加しただけであります。
 午後は、ベートーヴェンを聴きに行ってたんですが、これについては今回は割愛。
 で、R大学の公開講座ですが、今回のテーマは「癒し」。タイトルは「○○心理学の人間学と癒し」というものでありました。しゃべりはった人は、心理学の先生ですかね。

 でもお、心理学って、なんか胡散臭くありませんか。
 言ってることは「言ったモン勝ち」という感じだし、やっている実験は考えようによっては「恥知らず」というか「無礼者」というか、まー何とも言いようがありません。
 しかし、腹の立つことにそれがとても面白かったり、興味深かったりするんですよねー。テレビの「ドッキリ」と一緒ですねー。(しかし我が記載ながらめっちゃバイアス掛かってますなー。えらいすんまへん。)
 まー、それは私がきっと「下品」だからでしょうね。
 というより、今分かりました。
 心理学って「下品」なんです。とてもじゃないが「君子」の学問じゃないって感じ。そう思いませんか。(とうとう言い切ってしまいました。ごめんなさい。でも二葉亭四迷だって、文学のことを「男子の一生の生業にあらず」と言い切っていますし。あ、二葉亭ならいいか。)

 で、そんな講座を受けながら、実はいろんな事を考えていたんですよねー。例えば、

 「鴎外は幸せではなかったも知れぬが、ゴッホは幸せであったかも知れぬ」

なんてことを、ぼーと思ったりしていました。何の話かというと、講師の先生がこんな事を聞きはったんですね。

 「人生の究極の目標とはなんですか」

 これもまた、ひどい質問ですよねー。ほとんど質問の体を成していませんよねー。で、先生は、参加者に次々と当てていきはったんですね。
 あのね、そもそもこんな公開講座に参加している人達ってのは、99パーセントまでが60歳以上の方であります。男女の比率は、まーざっと7対3で女性の勝ちってところですかね。とにかくそんな参加者に、

 「人生の究極の目標とはなんですか」

と順々に聞いていきはったんです。向学心に燃える老人というのは、或る意味とっても真面目で素直であります。(時々ピントがはずれますがー)
 次々と真面目にみなさん答えていかれました。で、最後になんとなくぐずぐずとその答えを先生がまとめられたのが、こんなニュアンスの表現です。

 「現在の充実のないところに未来の幸福はない」

 んー。始め少し期待はずれな気もしましたが、口の中で反芻するうちに、「そうだよな」という気持ちになってきました。

 「現在の充実のないところに未来の幸福はない」

 「幸福を志向し、そして今が忙しいこと。」

 少し具体的にかつやさしく言うとこういう事でしょうか。そして、ひょっとしたらこの考え方は、究極の幸福への「鍵」になるかもしれないなと、思いました。

 えーっと、少し単純すぎますかね。なにを幼稚なことを言っているんだと思われますかね。でも正直なところ、僕はこの講座の帰り、なんだか少し、幸福感に溢れていたような気がしましたよ。なかなか日々の現実的な細々とした事柄は思うように行かないものですが、「忙しいこと」は「現在の充実」ということで、まー、そーいうことで、

   『夜明け前・第一部(下)』島崎藤村(新潮文庫)

 しかし仕事が忙しいということもありますが、大概この本も進みませんなー。いえ、進まない事もないんですが、要するに相変わらずおもしろくないんですよね。
 今回のメインの話は、「幕末、参勤交代の廃止」っちゅうのがわりと大きなテーマでしょうか。これは私知りませんでしたね。というより、言われれば、なるほどきっとそんなこともあったんだろうなとは思いますが、まーあまり積極的に疑問に思うことでもありませんしー。

 でも、参勤交代制度って、誰が始めたんでしたっけね。家光っぽい感じがしますが、始めた事実があるんだからやめた歴史的経緯もあるはずだと考えると、それはちょっと面白かったです。でもねー、後がー、ない。

 このおもしろなさはどこかで経験したぞと記憶を辿ってみたんですが、思い出しました。

  『菜の花の沖』司馬遼太郎

 この中の、「樽回船」とかそんな類について延々と作者が説明し始めたあたりであります。でも、司馬遼作には、作者の肌合い・体温・声・息づかいがありました。この藤村作には、どうもそれが感じられません。
 というより、この小説、ちょっと胡散臭い感じがしてきましたよ。

 例えば、北杜夫の『楡家の人々』。

 同じように歴史の一部を切り取りながら、主人公とその一族を描いています。北杜夫の作品には、それを描くこと自体を最大の価値とし、喜びとする価値観が作品から溢れ出るように感じられます。しかし、この藤村作からは、どうも、なんだか「別の価値観」のような匂いが、少しするような気がするんですがねー。

 うーん、まだ途中ですから。もう少し、頑張ってみます。じゃそゆことで。
/font にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.06.14 19:14:56
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Favorite Blog

マーティン・ローゼ… New! シマクマ君さん

2024年10~11月の読… New! ばあチャルさん

Comments

analog純文 @ Re[1]:父親という苦悩(06/04)  七詩さん、コメントありがとうございま…
七詩 @ Re:父親という苦悩(06/04) 親子二代の小説家父子というのは思いつき…
analog純文 @ Re:方丈記にあまり触れない方丈記(03/03)  おや、今猿人さん、ご無沙汰しています…
今猿人@ Re:方丈記にあまり触れない方丈記(03/03) この件は、私よく覚えておりますよ。何故…
analog純文 @ Re:漱石は「I love you」をどう訳したのか、それとも、、、(08/25) 今猿人さんへ コメントありがとうございま…

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: