近代日本文学史メジャーのマイナー

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2009.06.12
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カテゴリ: 明治期・自然主義
 ここんところずっと土曜日はR大学の公開講座に行っていましたが、先週は違って、K大学に行って来ました。聴いてきた講義も、一気に「理系」。もっといえば「物理」。
 なかなか愉しかった講義でした。でも理系音痴の僕が愉しかったと言うくらいですから、実は本格的な「理系」でもなんでもなく、講演のタイトルは、
  『生命の世界の物理--生命現象の物理的背景』
と物々しいものですが、私がわりと分かったのは、その中の「物理学--生物学小史」という部分だけです。これは、生物学の中の物理学についての研究史です。つまり歴史ですね。だから何となく分かった気がしたんですね。とはいえ、わかったと言っても、以下のようなレベルですけどー。

 例えば、20世紀の「物理学--生物学」の最大発見はふたつあるそうです。なんだと思いますか。それは、

  1.アインシュタインの「相対論」   2.ボーアの「量子力学」

や、そうです。っていわれてもなー、別になーんの感動も感心も納得もありません。シロートっちゅもんは困ったモンやね、ほんま。
 それでも「1」は、なんとなく聞いたことはありますわね。でもこの説明はしてくれませんでした。ちょっと話題として逸れますからとサラッと言ってはったですが、きっとシロートに話してもとても理解できまいと思われたんでしょうな。実に賢明なご判断でした。
 次に「2」ですが、これも何となく聞いたことはあるが、「1」以上にさっぱり分からない。「1」はSF小説や漫画なんかでも、言葉としてはよく触れられています、何となくカッコイイから。
 「2」は、それに比べるとかなり「ジミー君」ですね。何かぼそぼそと喋る控えめな少年のごとくであります。
 しかし、実はこの少年ジミー君はとってもえらいヤツだそうです。
 例えば、(ということで、講師の先生はとても卑近な例を出して説明してくださったのですが、実に賢明なご判断です。)

  1.お日様の下にいると日焼けしますが、ストーブに当たっていても日焼けしないのはなぜでしょう。
  2.あんな何億光年も遠く遠くの星の光が見えるのはなぜでしょう。

なんて問は、「量子力学」的な考え方でなければ説明しきれないのだそうです。
 「のだそうです」というところまでは私も分かりましたが、実はそこからが、わからない。(そこからが大切やろーが。)
 だから、実際は何の役にも立たない知識でありますが、うーん、困ったモンやね、シロートは。
 という講義に行ってきました。

 ということで読書報告。

   『夜明け前・第二部(下)』島崎藤村(新潮文庫)

 終わりましたねー、『夜明け前』。長かったです。しかし何とかクリアしました。私の今年の読書計画の前半の山を越えることができました。

 あの、別に自慢するつもりじゃないんですがね、これで日本の近現代の第一線級の長編小説は、私、かなり読んだんじゃないかと考えるんですが。
 もちろんどんな小説を「第一線級」と考えるかによってそれは全然違ってきますが、たとえば教科書に出てくるような作家の代表的長編小説ということでいえば、なんかかなり押さえたように思います。(でもまー、もちろん、まだかなり押さえるべき長編小説はありますわね。今後の「山」ですかね。)

 というわけで『夜明け前・第二部(下)』です。
 どんな長編小説でも3/4位を過ごすと、いわゆる「哀愁」が漂ってくるんですねー。頑張っている作者に声援を送りたくなってくるんですねー。ということで藤村も「よくがんばりました賞」であります。
 今回、3/4を過ぎまして、とってもとってもおもしろくない「自然主義文学」としては、かなり大きな動きがありました。

  1.主人公青山半蔵の娘の自殺未遂事件
  2.主人公青山半蔵の「献扇」「不敬事件」

であります。で、話は一気に半蔵の「発狂」へと進んでいくのですが、実はこの部分は、今となってはあまり面白くありません。
 「今となっては」という書き方をしたのは、現代文学のジャンルの一つに、総合的多視点的に「狂気」を捉える一連の作品があるからであります。例えば僕が読んだのだけでも、色川武大『狂人日記』とか島尾敏雄『死の棘』など、すぐに幾つかが浮かびます。そしてそんなのに比べると本作は、狂気に至るプロセスの書き込みが残念ながら貧弱なように思います。
 というようなことも少々気にはなるのですが、しかし、なんといっても新潮文庫全4冊、島崎君、よくがんばりました。書いた藤村もえらい。読破した私もえらい。(私は別にえらくもないか。)
 今回も、じゃそゆことで。
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Last updated  2009.06.14 19:12:39
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analog純文 @ Re[1]:父親という苦悩(06/04)  七詩さん、コメントありがとうございま…
七詩 @ Re:父親という苦悩(06/04) 親子二代の小説家父子というのは思いつき…
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