やっぱり読書おいのこぶみ

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2006年05月28日

耳に痛い話

(4)

テーマ：本のある暮らし(3322)

カテゴリ：本の話題

倉橋由美子流薬の毒的小説読本論と言いたいエッセイ「あたりまえのこと」を読んだ。

正論は耳に痛い。私も日ごろつい正論を言ってしまい身内に顰蹙を買っているほうだ。だからよくわかるのだが、それでいい結果にならないことが多い。といって黙っていては物事進まない。だからまた言う。年も経たし老練ないいかたになったと思うけど。

この「小説論ノート」と「小説を楽しむための小説読本」はある種の人には嫌がられたのだろうなーと思いながらも面白くてたまらなかった。倉橋由美子は勇気あるよ、いえ、豊崎由美の解説にあるようにデビュー当時から「群れず、媚びず」の姿勢があったから毅然としているのだ。

これを読んだら倉橋由美子の作品「パルタイ」から『最新作「老人のための残酷童話」へと至る実作にあたることを強くすすめます。』とやはり解説に豊崎由美が書いていて、こんどはそれが豊崎由美の毒かなと笑える。これを読まなくても私は倉橋由美子に魅せられているのに。

ちなみに私は猫をかぶっていて、世間様には正論の毒を撒き散らしていないつもり（笑）