もちろんエッセイですが現代版私小説と申しましょうか、なかなか赤裸々に綴ってあって共鳴いたしました。
作者は年齢的に言えばわたしよりはるかにお若いのですが、文意はわたしにぴったりとするほど老成しております。むしろ若くていらしてこんなでいいのかと思うほど。
さるむかし太宰治は短編集『晩年』でデビューなさったのだし、不思議はないのですが。
31歳の私に、10年後の私をこっそり教えてあげたい-。離婚して仕事もお金もなかった31歳から、直木賞受賞&再婚してしまった41歳まで。絶品の恋愛小説で読者の心を搖さぶり、出口の見つからない切なさを描いてきた著者も、日々様々な思いに搖れながら「微妙なお年頃」を過ごしてきた。激動の10年間を綴ったエッセイ集。
仕事とはいえ日々考えて文章にするのは楽しいか苦痛か、ブログなんていうただ働きの身にとっても微妙に揺れる心持なのであります。
文庫本223ページの「読むのもほどほどに」には旅行のガイドブックや電化製品のマニュアルまで熟読するという性格のデメリットが書いてあります。わたしも同様で得たり賢し、拍手しました。
現地に行かない前から詳しく知り過ぎて興をそがれ、マニュアルにいたっては用もないところまで読むので、速攻で動かせない不便があると、おおいにうなずいたのでした。
読子さんのブログで教えていただきましたが続編のような
再婚生活
も出版された由。再婚後も平坦ではなかったようです。
よみがえり 2023年12月21日
こういうエンタメが好き 2023年12月19日
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