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2006/12/29
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近ごろ文庫版が新たに出されたので,

小峰元の「アルキメデスは手を汚さない」(1973)

を(古い文庫で)読んだ。

最近はブログを書いているせいで少し減ったのだが,「はやされている」本を読めないという傾向が自分の中にあり,この作品は発売後に人気のあった頃に読むことができず,その後も機会がなく,今回が初読だった。

「アルキメデス」という不可解な言葉を残して少女が死に,それをきっかけに1つの家庭が崩壊する話といってもいいだろう(まとめすぎ??,笑)なのだが,読んだ結果からいうと「違和感」ばかりが残った。

ここに出てくる「おとな」たちや高校生たちがいかにも「古臭い」と感じられたからだ。
この作品よりもかなり前に書かれたものも読んでいるが,「古さ」は感じても「古臭さ」はあまり感じないのに……なぜ??

書かれた時代設定を近いものとして知っているせいかもしれない。
しかし,当時からいろいろな高校生がいたし,この本に書かれているような大人もいたけれど,そうでない大人もいたし……(笑)

アリバイトリックや「絞殺と扼殺」の違いなどがわかりやすすぎたのはもちろんあるが,死んだ柴本美雪の父親といい,探偵役の野村の部下である大塚といい,あまりにも「類型的」でありすぎたことが原因かもしれない。

高校生たちの発想も同じ(ここで「同じ」というのは「おやじたちと同じ」ように類型的ということ)。
同じような発想をする高校生たちは過去にもいたし,これからも出てくる。ただ,それがすべてではないのに,ここでは「それしかない」という感じになっている。

と,ここまで書いて「復刊」の意図がちょっとわかったような気がした。ひょっとして,弁当をセリにかける田中をライブドアの誰かさんか,楽天の誰かさんに見立てれば……などと思ったのではないかな(考えすぎ!! 笑)

魅力的だと思ったタイトルそのものも「種明かし」をされたらそれほどおもしろくもなかった。
まあ,この作品をずっと「ユーモアミステリ」と思い込んでいた自分も悪いのだが……(笑)

 読了本(日本)  (小峰元)からごらんください。


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Last updated  2007/01/19 07:45:31 PM
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