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2007/05/27
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カテゴリ: 京極夏彦

京極夏彦の「覘き小平次」(2002)



役者としての才能がなく,音羽屋から破門され,地方まわりの幽霊しかできない役者小平次の生き方というか,生きているのかいないのかわからないありさまを軸に,

長男の嫁の姦計で家を追われる若い後妻,
仇を恩と思い続ける男,
絵の中の男に惚れ,恵まれた家族を捨てる女,
娘を殺され,大きな仕掛けで極道に意趣返しをする商人,
半端な育ち方をして,最後までそれに気づかない男,
「無」のふりをしながらも「名前」にこだわる男,
売れない役者の「存在感」に嫉妬する女形,
機会さえあれば相手を殺し,金を奪う悪党,

などの話がからみながら,それぞれが結構スッキリと収束する。

ところで,又市と治平が初めて組んだときの話であること,「巷説百物語」では放下師の親分である四球の徳次郎が江戸に来て3年目の一匹狼であることなどから,時代が天保より前であることはわかるのだが,特定するには至らなかった。
「前巷説百物語」を読んだらわかるかなぁなどと期待している(笑)

北斎の「こはだ小平二」(画像は →こちらから )がモチーフの一部であるという感じはした。

「指」が怖い!! 話の中で斬りたくなる!!

って,ちょっと考えすぎかな(笑)


時代・場所,登場人物をフリーページの 京極夏彦メモ(覘き小平次) に簡単にまとめてありますので,ごらんください。
京極夏彦の他作品についての日記は,フリーページ  読了本(日本)  (京極夏彦)からごらんください。


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Last updated  2007/05/27 12:17:15 AM
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