全32件 (32件中 1-32件目)
1
過度のストレスや不安は人間を死に追いやることがあります。しかし適度のストレスや不安は人間に生命力を目覚めさせて、生きる力を与えてくれます。今日はストレスや不安を歓迎する生き方について考えてみたいと思います。世界一の長寿村と言われているコーカサス地方は山あり谷ありの過酷な自然環境です。寒さや暑さの寒暖の差も身体に襲いかかります。しかし、ここでは80代は若手と言われています。多くの人が集まる酒盛りの席では末席に坐ります。100歳を超えた人がたくさんいます。115歳くらいで畑でポックリというのが多いという。どうしてそんなに長生きができるのか。ほとんどの人は農業に従事しています。イモやトウモロコシ、果物や野菜、香草、乳製品を作っている。我々から見ると、過酷な環境のなかで、厳しい労働をしているように見えます。彼らにとっては、生きるために毎日必死に農作業に取り組んでいる。我々にはストレスと思えるようなことをそれほど深刻に捉えていない。生きていくために当然のこと、あたりまえのこと、必要なことだと考えている。つまりストレスと上手に付き合っているということになります。さて、重力に立ち向かって二足歩行している人間は、筋肉や骨格が鍛えられます。宇宙空間では重力によるストレスから解放されますが、筋肉や骨は急激に衰えていきます。老人で寝たきりになった人も足の筋肉がやせ衰えて、しばらくするとトイレにも行けなくなります。さらに動かなくなると、頭の働きが悪くなりボケが始まります。足腰の筋肉の衰えは脳の働きに連動しています。これは廃用性萎縮現象と言われるものです。ストレスや不安がなくなると人間の心身に大きな悪影響が出てきます。動物行動学のケーニッヒという人が、青サギをたくさん飼っていました。食べ物を十分に与えて飼ってみると、最初はどんどん増えていくそうです。ところが、あるところまで増えていくと、そのうちだんだんと減ってきて、そして最後には絶滅したという。同じような実験はネズミでも行われていて、環境を整えていくと、最初は一時的に増加するのですが、やがては減ってしまう。卵を産んでも返さないとか、子どもができても餌をやらないなどのことが起きてくる。環境が整いストレスがなくなると、子育ての意欲が骨抜きにされるということです。子孫繁栄はどうでもよいことだと考えるようになるのです。それよりは今の自分たちの生活をより豊かにすることに専念するようになるのです。日本は少子化と言われています。これは先進国に共通しています。原因としては、子どもを産んでも養育費や教育費がかかりすぎる。自分の生活もギリギリなのに、結婚や子育ては無理だ。また、子育ての自信が持てないのに子供を作ることは無謀なことだ。子ども育てる楽しみよりも、今の何不足ない自分たちの生活を維持発展させたい。自分の代で終わっても、それは仕方ないことだと考えている。ストレスや不安を回避して、刺激や快楽を追い求めるようになると、一見楽なようですが、生きる意味を見失ってしまう。しだいに活力を失い、生きていても心の底から楽しむことができなくなる。あくなき刺激や快楽の追及によって、巨大なローマ帝国は崩壊したと言われています。今こそ人類は過去の悲惨な歴史に学ぶ必要があります。適度なストレスや不安を抱えた生活は、人間がより人間らしく生きるために、必要不可欠なものではないでしょうか。
2023.08.31
コメント(0)
イエローハットの創業者の鍵山秀三郎氏は、トイレ掃除に人生をかけて取り組んできたと言われています。「誰にでもできる簡単なことを誰にもできないほど続けてきた」と言われてます。私のやってきたことは、誰でも真似をしようとすればすぐ真似ができることばかりです。ただ、すぐに効果がでないから続きません。効果がすぐにでないと、「こんなことやっていても無駄だ、駄目だ」あるいは「一生懸命やったってやらなくたって結果は同じだ。だったら、一生懸命やったってつまらない」という考え方がとても多いように思われます。私のやり方に批判的な人はたくさんいました。従業員は、社長がそんなことをするから、我々社員が卑屈になると言われました。ある経営学の先生は、「そんなことを社長がしていたらお宅の会社の将来はない」と指摘されました。「そんなことをしている時間があったら、もっと商売の方に時間をかけたほうが営業成績はあがるのじゃないか」と忠告してくれる人がほとんどでした。確かに、東証上場会社の社長さんが、掃除に力を入れているという話は聞いたことがあません。それもトイレ掃除を毎日徹底して行っているというのは変わっています。経営幹部は、そんなことをするべきではない。事業の推移を注視して、経営を健全に維持していく。さらに将来の新たな事業戦略を立てること。これらが経営者の本来の仕事ではないのか。掃除を徹底するというけれども、経営者の本来の仕事から逃げているのではないか。社長としての職責を果たして、そのうえで余裕があれば、余暇を利用して掃除に取り組むようにしたらどうか。これに対して鍵山氏の考え方はまるきり反対です。掃除が先で経営者としての仕事はその次に来るものだ。掃除がきちんとできない人が経営者になっても、ザルで水を掬うようなことになってしまう。これは松下幸之助氏も同じことを言われていました。雨が降ったら傘をさす。当たり前のことを手を抜かずに愚直に取り組んでいく。これが経営のコツだといわれているのです。鍵山氏は、トイレ掃除に取り組んで人生の極意を掴まれました。そして次の言葉を紹介しておられます。「10年偉大なり、20年おそるべし、30年にして歴史なる」平凡を軽視しないで丁寧に取り組む生活を10年、20年、30年と続けた人は、類まれな非凡な人になれます。これは水谷啓二先生を始め森田の先輩たちが口を揃えて言われていることです。凡事徹底を無視していると、小さなことに喜びや感動を味わうことはできなくなります。小さな喜びや感動を味わえない人生は後悔の多い人生になる可能性が高い。森田では神経質性格者に対して、凡事徹底をお勧めしています。
2023.08.30
コメント(0)
同じ言葉を何回も使っていると脳は簡単にその気になってしまうそうです。100回ウソをついていると、脳は簡単に騙されてしまうということです。にわかには信じられないことですが、これを実験によって確かめてゆきたいと思っています。例えば、次のような否定語をすぐに肯定語に置き換えてしまうのです。・イヤだ・ダメだ⇒これでいいのだ。⇒そのうち楽しくなるのだ。⇒努力していれば神様が助けてくれるのだ。・容姿が悪い、頭が悪い、能力がない⇒欠点や弱みの裏には、自分の長所や強みが隠れている。⇒谷が深いところには、必ず高い山がそびえている。・できない・絶対無理だ⇒大丈夫。今までも何とかやりくりしてきた。⇒できたらもうけものだ。その分喜びも倍増する。⇒宝くじは買わないと決して当たることはない。⇒プロ野球の打者は、10回の内7回失敗しても超一流選手だ。・やる気になれない⇒落下しないことだけを気をつけて超低空飛行してれば大丈夫だ。⇒じっと待っていればいつか上昇気流はやってくる。⇒苦しいときは月給鳥として会社に行くだけを心がけよう。⇒のらりくらりで長生きできれば本望だ。
2023.08.29
コメント(0)
人はなぜ毎年成人病検診に行くのでしょうか。重大な病気を抱えていても、自分では皆目分からないからである。検査機関で調べてもらってやっと自分の健康状態が分かる。自分のことは自分が一番よく分かっていると思っているとすればよほどおめでたい人である。病気が進行していて、後の祭りというのでは後悔してもしきれない。実際に若くして病気で亡くなっている人は検査を受けていない人が多い。家系的に脳血管障害、心不全で亡くなっている人が多ければMRI検査を定期的に受けていれば何とかなる。家系的にガンで亡くなった人がいれば、毎年前立腺、乳腺、すい臓、肺、胃、大腸のマーカーを調べているとある程度は分かります。では私達はなぜ森田理論の学習をするのでしょうか。自分の身体や精神の健康状態が自分ではよく分からないからです。神経質性格のよさや性格の活かし方もよく分からない。人間関係の持ち方もよく分からない。うつ状態で毎日の生活に息苦しさを抱えている。生きていることがむなしいと感じている。自分のことなのにどうしてこんな問題を抱えているのか全く分からない。井の中の蛙大海を知らずといいますがそんな状態です。マイナスのスパイラルに巻き込まれて身動きできない状況です。森田理論でそれらの問題を解決するためです。分からないことは詳しい人から教えてもらった方が一番です。神経症や神経質性格の活かし方・考え方は森田の先輩から学ぶことです。森田理論学習に取り組むと、神経症の成り立ちが分かります。神経症の治し方が分かるようになります。神経質性格の活かし方も分かるようになります。感情の法則の活用方法が見えてきます。自分が認識の誤りを持っていたことが分かります。不安の特徴や役割、不安と欲望の関係が分かるようになります。観念中心の「かくあるべし」の弊害が分かるようになります。事実中心の生き方が一番だということが分かるようになります。良好な対人関係の築き方が分かるようになります。規則正しい生活、リズムのある生活、凡事徹底の意味が分かるようになります。課題や目標を持った生き方の大切さがわかります。変化に対応する生き方、バランスを意識する生活の大切さがわかります。物の性を尽くすこと、純な心の体得の意味が分かるようになります。からくりや理屈を理解すると、目の前の霧が晴れてくるのです。ひと言付け加えるならば、理解しただけでは問題は解決しません。それを自分なりに咀嚼して、仕事、生活、人間関係、子育て、発見会活動などに活用していくことが欠かせません。森田理論とその活用は車の両輪として動かす必要があります。活用に力を入れれば、今までとは違う生き方ができるようになります。葛藤や苦悩にまみれた人生から決別できるようになります。大小さまざまな金魚を組み合わせて吊るすとバランスの意識付けができます。
2023.08.28
コメント(0)
週末田舎に帰って家庭菜園を楽しんでいる人は、ニンジンの発芽で困っている人も多いかと思います。私もその一人です。昨年は全く発芽しませんでした。今年はなんとか立派なニンジンを作りたいと雪辱に燃えています。you tubeや図解・やさしい野菜作り(家の光協会)で学習しました。そのコツがある程度わかりました。暑さがある程度収まったころが種まきの適期である。今のところ9月初旬を予定している。ニンジンは早く蒔きたいのだが暑いと発芽しない。今年の天気だと9月中旬にずれ込むかもしれない。ニンジンは酸性土壌では大きくならない。苦土石灰で酸性土壌を調整することが必須である。その他鶏糞堆肥と化成肥料も必要である。種まきをしたら薄く土をかぶせるのがコツになる。決して土をかぶせ過ぎてはいけない。それはニンジンが好光性野菜であるからだ。もみ殻を薄く蒔くのもよいそうだ。種を蒔く時は雨上がりがよいという。そうでない場合は、畝間にたっぷりと水を撒く。その後はこまめに水まきをする必要がある。水がないと発芽しない。私の場合は、タイマーを取り付けて自動灌水をしているのでこの問題は解決した。その後は雑草を取り除き、成長するたびに間引きをする。ときどき追肥をして土寄せをする。品種はアロマレッドが紹介されていた。とても甘い品種だそうだ。アロマレッドは種子がコーティングしてあった。その他、カロテンの多いオランジュ、作りやすい向陽二号、赤い発色がよい京くれないなどがあるそうです。ニンジン作りでこれだけのことを工夫して楽しめるのはうれしいことです。今では家庭菜園の好きな人たちと情報交換の輪もできました。野菜は収穫時期に入ると食べきれないほどできます。特にミニトマト、ナス、シシトウ、カボチャなどです。そこでご近所さんや知り合いにおすそ分けすることが多くなります。また料理や加工食品の工夫をするようになります。その際、あいば学の料理番組はとても役に立ちます。日記を見ると例年9月はダイコン、ハクサイ、キャベツ、ネギなどを植えています。これらは今まで失敗したことはありません。ただし、ハクサイ、キャベツは虫が付きますので、白い寒冷紗は必須です。集談会では家庭菜園の話は写真などを用意して紹介しています。興味のある人は、市民菜園を探し始めるような人もいます。これがキャンセル待ちでなかなか難しいと聞いています。家庭菜園作りに関心が出てくるようになると、神経症の悩みはかなり軽減されます。これはホームセンターで10Mのものを1000円くらいで購入しました。
2023.08.27
コメント(0)
最近は老人ホーム、地域のイベントの慰問の依頼が増えてきました。今日の出し物はチンドンミュージック、傘踊り、日本舞踊、エイサーでした。森田先生の鶯の綱渡りに刺激を受けて始めた活動が今大きく花開いた感じです。今度はドジョウ掬い、浪曲奇術、手品、腹話術、獅子舞のリクエストに応じる予定です。仲間との交流を楽しみ、多くのお年寄りに笑いと元気を届けています。
2023.08.26
コメント(0)
林成之氏のお話です。プロ野球のバッターは、時速150キロものスピードで向かってくる剛速球を打ち返しています。ピッチャープレートとホームベースの18.44mです。ピッチャーが時速150キロのボールを投げた時、ホームベースに到着する時間は0.45秒です。一方、プロの打者がバットをスイングするのにかかる時間は0.2秒と言われています。また脳が体に命令を下してから実際に体が動くまでの神経反応には、約0.3秒弱を要します。ほんの少しだけボールが到着する時間が短いために、理論的には打者が150キロのボールを打てないことになります。しかし実際にはプロの打者は150キロ以上のボールを打ち返しています。これはいったいなぜでしょうか。「イメージ記憶」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、物事をありのままに記憶するのではなく、その物事についてのイメージを自分の頭の中で作り上げ、それを記憶することを言います。打者は、ピッチャーが投球動作をしている段階から、ボールが手元にくるまでの軌道のイメージを記憶していて、バットを振るのです。バッティングの達人とは、過去に成功したイメージ記憶を膨大に蓄え、それをあらゆるボールに対して当てはめることができる人です。(勝負脳の鍛え方 林成之 講談社現代新書参照)この話は私たちにも参考になります。過去に成功したイメージ記憶を積み重ねていると、一見実現不可能と思われるようなことでも、脳は目的達成のために強力にアシストしてくれるということです。扁桃体が「快」に振り分けてくれて、ドーパミンという神経伝達物質によって報酬系神経回路を駆け巡ることになります。積極的、生産的、建設的、創造的な行動につながります。子どもの時から興味や関心のあることに積極的にチャレンジして、成功体験を積み重ねることが大切になります。大人になってからは、凡事徹底の生活の中で、小さな成功体験を積み重ねていくことが大切になります。成功体験は自信をもたらします。自己肯定感を育てるためにも大切なものとなります。しかしイメージ記憶は万能ではありません。イメージ記憶は過去の成功体験です。それが今度の挑戦に通用するかどうかは分かりません。イメージ記憶に基づいて行動したとしても、ほとんど失敗に終わります。プロ野球の打者の場合は、7割から8割は失敗に終わります。打者が150キロのストレートのイメージ記憶を取りだして準備しても、鋭く落ちるフォークボールを投げられると当てが外れます。イメージ記憶に基づいて行動してもよい結果が出るかどうかは分かりません。人生は自分なりの成功体験を基にして、予測や仮説をたてて、仮に行動するしかないのです。成功するも失敗するも神のみぞ知るという覚悟が必要になります。バッターの予想は、ほとんど外れますが、たまに良い結果が出ることがあります。それが2割5分から3割いけば、プロとして飯が食っていけます。失敗を恐れず、イメージ通りの球は確実に打ち返す練習を重ねておくしかありません。ほとんど失敗に終わるのなら、挑戦しない方がましだと考える人もいます。成功間違いなしと確信を得た後でないと、挑戦することは無謀であるという考え方の人もいます。神経質性格者は慎重ですからその傾向が強い。これは認識の誤りとなります。100%の成功を望んでいる人は、失敗した時こんな現実は受け入れられないと考えます。この場合は、今度再びチャレンジする時に、扁桃体が「不快」に振り分けて、ノルアドレナリンという神経伝達物質によって防衛系神経回路が作動します。潜在意識が自動的に失敗を呼び込んでしまうようになります。プロ野球で成功するためには、多くのみじめな失敗を許容できる精神力が必要になります。完全主義の人は無理です。減点主義ではなく加点主義の人が成功します。7回失敗しても3回成功すれば一流打者として脚光を浴びることができるとひたすら信じている人は、プロの世界で飯を食っていけます。仮説、実行、失敗、検証、再チャレンジというサイクルを回すことが肝心です。
2023.08.26
コメント(0)
不安への対応方法①不安という感情は問題が起きるかもしれないので注意してくださいという黄色信号を発してくれています。こういう不安が湧き起こることは大変ありがたいことです。森田では、「不安は安心のための用心である」と言われます。例えば戸締りやガスの元栓の締め忘れが気になる人は、盗難やガス爆発を未然に予防するために大いに役に立っています。自動車の運転をする人は、交差点で右折する場合は不安でとても緊張します。そのおかげで慎重に対向車や交差点の中の人の動きを確認します。この確認を十分に行うことが事故防止につながります。不安を無視して自分勝手な運転は重大事故につながります。不安に対しては、価値判断をするのではなく、きちんと向き合うことが大事になります。不安への対応方法②不安が発生すると、まずそこに注意や意識を真剣に集中させなければなりません。しかし誰でも時と場合により、注意力不足や注意力散漫に陥る場合があります。別の大きな不安を抱えている場合は、心ここにあらず状態で不安に注意を向けていても集中力が欠けています。その他、別のことを考えながら、適当に確認している場合は、強迫性障害を持たない人でも、再確認のために引き返すことがあります。これはせっかく不安が黄色信号を点灯してくれているのに、軽率に取り扱っていることになります。不安が発生すると、一旦は不安に注意や意識を集中しなければなりません。森田を学習すると不安と関わってはいけないと理解している人がいます。ここは勘違いしやすいところだと思います。集談会で声をあげて呼称確認をするという話を聞いたことがありますが、これは注意や意識を「今、ここ」に集中するために役立っています。不安への対応方法③不安に注意や意識を集中させて安全確認を終えたならば、その不安はお役御免になります。その不安からはすぐに離れる必要があります。次の不安が待ち構えているからです。時間の経過とともに私たちを取り巻く環境や状況は刻々と変化しています。もたもたしていると次の不安への対応が遅れてしまいます。神経症というのは、自分が一番気になる不安や恐怖、不快感といつまでも関わっています。森田では神経症的な不安は欲望の反面として湧き起こってくるものと言われています。神経症的な不安自体は取り除くことはできないものです。にもかかわらずいつまでも不安を相手に格闘しているということは、ミイラ取りがミイラになるようなものです。不安には現実的な不安もあります。現実的な不安は積極的に取り除くと、問題がこじれる前に未然に予防することができます。現実的な不安はその都度取り除いていく。片づいたら直ちに次の不安に向かう。神経症的な不安はそのまま持ち抱えて、欲求や欲望の方に目を向けていく。ここでのポイントは、一つの不安に一旦集中することは必要ですが、いつまでも関わり続けてはいけないということです。確認済や片がついたら直ちに次の不安に対応していくことが肝心です。
2023.08.25
コメント(0)
ホノルルマラソンや東京マラソンを完走したいと思っても、完走することは容易ではありません。どうすれば目標を達成できるか。フルマラソンを完走したことのある人やコーチから直接指導をしてもらうことです。何回も完走した人は、走り方、練習方法、休みの取り方、ストレッチの方法、水分補給のタイミング、完走するための精神状態の維持など完走に必要なノウハウを持っています。これらを自分一人で一から作り上げることは、手がかりを見つけることすら難しい。時間も経費もかかります。その道の専門家からノウハウを学ぶことが有効です。ちなみに小出義雄氏は、インターバルトレーニングを取り入れないとフルマラソンは完走できないと言われています。練習に強弱をつけるということです。例えば5分全力で走った後に、軽いジョギング程度の走りを5分取り入れるのです。毎日同じペースで距離数を稼いでいるだけでは完走は難しいと言われている。私は社会保険労務士試験に挑戦したとき、最初の1年は自分一人で取り組んでいました。最初の年は合格者の枠に入ることはかないませんでした。2年目は地元で20名程度の合格者を出している受験対策校にお世話になりました。そこにはカリスマ教師と言われる人がいました。合格者をたくさん輩出するための情熱は半端ではありませんでした。また、受験対策校は合格のためのノウハウを豊富に持っていました。傾向と対策がこれでもかというくらいに用意されていました。ここでは単元ごとにテストがありました。ここで上位に入っている人は、1年後ほとんどの人が合格していました。運悪く不合格になった人でも、次の年は間違いなく合格していました。この方法は森田理論学習にも同じことが言えると思います。森田理論学習の目的は次のようなものだと思います。・森田理論を学習して神経症を乗り越える。・森田理論の主要な要点をより深く理解する。・森田理論を活用して神経質性格者としての人生観を確立する。自分一人で学習することは尊いことですが途方もない時間がかかります。途中でくじけてしまうこともあろうかと思います。ここでは森田理論を極めた先輩から学ぶことが有効になります。1、神経症を克服した先輩から学ぶ。2、森田理論を深耕している先輩から学ぶ。3、森田理論を仕事や生活面に応用・活用している先輩から学ぶ。どこでそんな人を見つけるか。生活の発見会の中で見つけることが有効です。生活の発見会は、今やSNSを通じて全国横断の集談会が開催されています。地元の集談会でそういう先輩が見つからなくても、日本全国という枠としてとらえてみると、数多くの優秀な先輩方が存在しているように思います。そういう先輩は惜しげもなくそのノウハウを開示しています。3つのバランスがとれている先輩を見つけることをお勧めします。その中でもとくに3に力点を置いて探すことをお勧めします。森田の応用・活用という面では、規則正しい生活、凡事徹底、物の性を尽くす、両面観、変化対応、不安と欲望のバランスを整える、生の欲望、事実唯真、思想の矛盾の打破、純な心、あるがまま、不即不離などの切り口があります。私が参考にさせていただいた先輩は、「物の性を尽くす」と「ものそのものになりきる」ことを生活信条として取り組んでいらっしゃる方でした。さまざまな工夫やノウハウを積み重ねてオーラが漂っていました。私は集談会でこの方のお話を聞くことがとても楽しみでした。広島県世羅町は花と果樹と駅伝の町として有名です。ここは梨の直売場です。市価より3割程度安いです。今年の梨は糖度がのってとても甘いです。
2023.08.24
コメント(0)
予期不安で行動する意欲が急に萎んでしまうことがあります。今日はそれを回避するための提案です。マイナスのひとりごとが出てきたら、それはひとまず横に置きます。そしてプラスのひとりごとをつぶやくようにするのです。私はプラスのひとりごとの忘備録を作っています。靴がそろうと心がそろうといいます。すぐにプラスの気持ちになれなくても、とにかく形から入ることが肝心です。その気にならなくても、繰り返してプラスの言葉を口ずさんでいると、肯定的な気持ちに切り替わっていくようです。プラスのひとりごととはおもしろい、愉快だ、ワクワクする、いいぞ、大丈夫、やってみたい、ツイている、絶対うまくいく、運が向いてくる、うれしい、大好きだ、ありがたい、心は日本晴れだしかし、今まで、「イヤだ、ダメだ、うまくいくわけがない」などの否定語を連発している人が、急に切り替えることは困難です。でも安心してください。別の手があります。そういう時は、否定語を口走ったあとで、「今のは取り消し」「今のはなし」と言って肯定語に置き換えてしまうことはできます。そんな子供だましのようなことをして、何の効果があるのかと疑心暗鬼になる人が多いかと思います。ところがどっこい、これが意外にも効果があるのです。私の体験で検証済みです。これは西田文郎氏の本で知ったのですが、脳は最後にインプットしたことを記憶するという特徴があるそうです。また、そういう行動は何度も繰り返していると習慣となり定着してきます。その結果、否定的、ネガティブ、憂うつな状態から抜け出ることができるようになります。次に、士気を高めるために、自分なりのガッツボーズを用意しておく。身体を動かすと、プラスの言葉、肯定語を強める働きがあります。ヒットを打った高校球児のように、拳を作って天を突く動作をとる。私の場合は、背筋を伸ばして肘を曲げて腕を大きく広げる。その時、ゆっくりと腹式呼吸を3回ほど行う。自然に「よーし、やってやる」という気持ちになります。さらにブラスの暗示をかける。例えば老人ホームの慰問のときに、円陣を組んで、次の言葉をみんなで唱和する。①お年寄りを笑顔の渦に巻き込むぞ。②お年寄りを元気にするぞ。③感動させて拍手喝さいを受けるぞ。アンコールの催促を受けるぞ。④次のオファが舞い込むぞ。⑤打ち上げでみんなで大いに盛り上がるぞ。これをやると、メンバー全員が不思議と団結するのが不思議です。生きがい療法の中でイメージトレーニングというのがあります。ガンになった人が、ガンを捕食する魚などの絵を描く。そのイメージを絶えず脳に送り込んでやるというものです。よいイメージを脳に送り込んでやることで、ガンに打ち勝つエネルギーが生み出されるようです。私たちは頭で納得できないものは、信用しないという特徴があります。多くの先達が経験で確かめて公開しているものは、かなり信頼度は高いように思います。(NO.1 メンタルトレーニング 西田文郎 現代書林参照)
2023.08.23
コメント(0)
7月号の生活の発見誌に長谷川洋三氏が「努力即幸福」について説明されている。これは「努力すること」は裏から見れば「幸福な状態である」ということだ。「即」というのは、「すなわち」と置き換えるとよく分かる。表から「努力している状態」は、裏に回ってみると「幸福にみえる」ということだ。普通に考えると、努力して目標を達成した時が幸福な状態ではないかと考えがちです。努力している段階は、目的が達成できるかどうか分からないので、不安の方が強いのではないのか。不安が強い状態は不幸な状態だと考えがちです。確かに目標を達成するとそのとき喜びはあります。しかしその歓喜の感情は、一山登った状態から衰退する運命にあります。その歓喜を長い時間味わってみたいと考えたところで叶うわけではありません。努力している状態は目標や課題に向かって、ものそのものになり切っている状態です。ハラハラドキドキしていますが、気持ちが外向きになっています。気づきや工夫や新しい発見やアイデアがコンコンと湧き出ている状態です。注意や意識が目標に向かって集中していて迷いがありません。この不安定な精神状態のときが、目的を達成して歓喜した時よりも、よほど精神的には幸せで安定しているということだと思います。人間の生き方としては、不安を抱えながら、課題や問題点、目標や目的を意識して、それに向かって一心不乱に努力しているときが一番幸せであるということだと思います。気分本位の態度になると、しんどいことはパスしたい。めんどうなことからは逃げたい。イヤなことは敬遠したい。予期不安が湧き上がってくることは避けて通りたい。努力しないと達成できないことは、最初から手を出さない。現状にある程度満足しているのなら、そんなに無理をしなくてもいいのではないか。世の中に楽しいことや刺激的なことはいくらでもある。その場その時の快楽を追い求めていくほうがよほど魅力的である。努力することを忘れて、その場しのぎの快楽を探し求めてさまようことになります。本能のままに快楽に身を委ねることばかりに注意がいくようになります。しかし四六時中そういう姿勢で生活するというは何か違和感があります。そもそも快楽追及に偏った生活の喜びは長続きしません。カンフル剤的な効果はありますが、賞味期限は極めて短いものです。それよりも、はずみがついて、欲望が暴走する方が問題です。快楽追及一辺倒になると疲れてきます。そして虚しくなってきます。そのエネルギーが行き場を失うと、自己内省するようなことになります。ここでの自己内省は、良い意味での内省ではありません。自己嫌悪、自己否定するようになるのです。自分が自分を傷つけてしまうことは最も不幸なことになります。「努力即幸福」という言葉は、本来の人間の生き方を提示しています。田舎にある小さな天文台
2023.08.22
コメント(0)
不安、恐怖、違和感、不快感に振り回されて、生活が後退し、人間関係が悪化している人たちは、森田療法でつらい状況を打破したい。そのヒントが欲しいのだと思います。そういう人たちに対して、果たして森田は役に立つものなのだろうか。現在神経症に対して、第一選択肢として薬物療法があります。副作用はあるにしても、薬が比較的よく効くといわれています。ほとんどの人は、処方されるまま数種類の薬を飲んでいる人が多い。それも長期間にわたっている人が多い。精神療法としては、保険適応の認知行動療法があります。その他、精神療法は百花繚乱の様相を呈しています。それ以外にも、臨床心理士などによるカウンセリングもある。カウンセリングによって神経症を克服する人もいらっしゃいます。これらはほとんどが不安を軽減することを目的としているようだ。この点だけ見れば、クライアントの切実な要望に沿った治療法である。森田療法は、不安の取り扱い方が他の療法とは違います。不安を取り去ってもらいたいというクライアントに対して、不安は取り去ることはできないし、取り去ってはいけないものだという。森田理論を学習している人はピンときますが、はじめて聞く人は面食らいます。即効性を期待している人には、森田は受け入れがたいかも知れません。もしそうなら、神経症を治すためには森田療法に固執する必要はありません。幅広い治療法の中から、自分に合ったものを自由に選んでもらう。とりあえずアリ地獄の底から地上に這い出すことが必要です。但し地上に這い出たとしても安心してしまうのは早計です。なぜなら対症療法ではいつまた再発するかもわからない。元々我々は社会体験が不足している。人間関係の距離の持ち方が分からない。神経質性格に伴う、生きづらさは全く解決のめどが立っていない。それらは、即効性のある治療では期待できないものです。そういう状態で社会に放り出されても右往左往するばかりになります。そういう人は、森田理論学習と自助組織に関わることが大事になります。自助組織である生活の発見会の集談会に参加すれば学習が深まります。さらに同じような悩みを持っている人と交流ができます。今やオンライン集談会で家に居ながら交流することも可能になりました。傾聴、共感、受容、許容は集談会で体験することができます。さらに世話活動に取り組むと交流の幅が広がりますし、人の為に役に立つ体験ができます。いざとなったときに停泊できる母港を持っていると安心感があります。母港を持たないということは、GPS未搭載の船で太平洋を航行しているようなことになります。それでは人生90年時代を無難に乗り切ることは難しくなるでしょう。他の療法で改善が見られない人、慢性的な不安症状に振り回されている人、生きづらさを解消したい人は森田理論学習を始めることをお勧めいたします。私がお勧めしている期間は3年です。1年目は基礎的学習です。2年目は「森田理論全体像」から森田理論の核心部分に迫る学習です。そして、3年目は森田理論の活用と応用面を意識した学習です。森田理論学習は人生観を確立することが最終目的となります。そのためには長期間の学習よりも、短期間の学習をお勧めいたします。ポイントを抑えて順序良く学習しているかどうかが大切になります。森田理論を深耕し、なおかつ森田理論を生活の中で応用・活用している人から学ぶことが一番の近道です。生活の発見会の先輩の中にはそういう人がいらっしゃいます。
2023.08.21
コメント(0)
対人関係で苦しんでいる人は、もともと他人と接触することが怖いという面があるように思います。人と一緒に居ることが楽しいとは思えない。むしろ息苦しさを感じる。他人が怖いと一定の距離感を保ちながら他人行儀な付き合いになります。表面的な付き合い方をしていると、それは相手に伝わります。相手も自分に対して、他人行儀な付き合いをするようになります。人が怖いという特徴はなくすることができるのでしょうか。これは難しい問題です。レバーが大嫌いな人に、これは栄養豊富だから大好きになりなさいと言ってもなかなか好きにはなれません。妻は納豆が嫌いです。私や子供や孫は大好きです。みんなが「どうしてこんなおいしいものを食べないの」と言われても全く食べません。食べ物の場合は他のもので補うしかありません。他人が怖いという人も、怖いことはそのままにして、他の面で大好きなものを見つけて人生を楽しむ方法は如何でしょうか。例えば、読書をする、ブログを書く、音楽を聴く、ゲームをする、創作料理に取り組む、園芸、自家用野菜作り、加工食品作り、木工、書道、俳句や川柳作り、ドライブ、温泉旅行、録画したテレビ番組を見る、楽器の演奏をする、一人一芸を身につける・・・。こういう選択をした場合、対人関係はどう対応していけばよいのでしょうか。他人と全く関りを持たないというわけにはいきません。森田理論を頼りに考えてみました。森田理論では、人間関係の良好に保つコツは「不即不離」にあると言われています。引っ付きすぎたら離れる。離れすぎたと思ったら近づく。必要な時に、必要なだけの人間関係を維持していけばよいというものでした。コップ一杯の人間関係を5つくらいよりも、コップに少しだけの人間関係を50個くらい作るというスタンスです。人間関係の距離感を意識していると、人間関係に振り回されなくなります。次に感情の法則を活かす方法があります。1、気に入らないことをされたとき、その怒りや不満をすぐに態度に出す人がいます。これをするとすぐに人は離れていきます。そうまでして敵を増やすことは避けた方がよいと思います。森田では感情は自然現象で意思の自由はないと言います。行動には意思の自由と責任があるといいます。ネガティブな感情が湧き起こったとき、上手に泳がしていくことが大切になります。ストレスが溜まって苦しくなると考えがちですが、不快な感情は時間とともに徐々に薄まっていくようになっています。売り言葉に買い言葉的な対応はもったいないです。森田では感情と行動は別物という考え方です。行動はその時、その場で適切な選択を行い実行に移すようにする。2、頑固に自分の都合、気持、感情、意向、欲求を相手に押しつける人がいます。その時、相手の都合、気持ち、感情、意向、欲求を無視するのは問題です。何か言いたくなった時、最初に相手の気持ちや欲求を聞くことが大切になります。相手の気持ちを確認したうえで、私メッセージの手法を使って自分の気持や意向を相手に伝えることが大切です。この順序を時々間違えることがあります。気をつけたいものです。3、相手との信頼関係を築いていないとき、相手を非難、否定、叱責すると相手から恨まれるようになります。そのような対応は、後からいくらでも修復できると考えるのは問題です。私の経験ではトラウマとなって一生恨まれ続けることになります。ぐっと我慢できるようになると、うっかりして敵を作りだすことを防止できます。敢えて「火中の栗を拾いに行く」ことは避けるべきと考えます。対人恐怖の人は、元々人が怖いわけですから、無理して人に近づかなくてもよいと思います。但し、人間関係にはやらなければいけないこと絶対にやってはいけないことがあります。それが逆になると、多くの人を敵に回すことになります。2割の人から嫌われるのは仕方ないとしても、残りの人の多くを敢えて敵に回すことは得策ではないと考えます。我がふるさとの風景
2023.08.20
コメント(0)
仕事が多すぎてイライラするという人がいます。こじれると、うつ病の発症、休職、バーンアウト、過労死する人もいます。原因はいろいろあろうかと思われます。1、自分一人で多くの仕事を抱えている。2、仕事の優先順位の交通整理ができていない。3、仕事の取り組む姿勢に問題がある。1は、他人に仕事を任せることができなくて、自分一人で抱え込む場合です。仕事がなくなると自分の存在価値がなくなるような気がして手離すことができない。また、他人に依頼して断られることを怖れて仕方なく抱え込む場合もあります。こうなるとすぐにキャパオーバーになり身動きが取れなくなります。残業や土曜日、休日出勤で対応せざるを得なくなります。心身ともに疲れ果ててしまいます。そして仕事が雑になり、納期に間に合わないことになってしまいます。私の場合、集談会で世話役をお願いしたいときに、断られて不快な思いをするのがイヤで依頼できないことがあります。その結果一人で抱えてしまうことになります。他の幹事の人で依頼することが苦にならない人がいることが分かりました。ダメでもともと、引き受けてもらえればもうけものという考えができる人です。こういう人は断られたとき「そうですか。ではまた都合のよい時にお願いしますね」と引き下がるのが上手なのです。自分も相手も気まずくならないのです。その方に依頼して自分になり替わってやってもらうようにしています。2の場合ですが、仕事には必ずいつまでにやるという納期があります。納期を最優先する必要があります。やりやすい仕事を選り好みするのは問題です。スケジュール帳に書き込んで納期に間に合わせることが肝心です。それから、仕事にはすぐにできる簡単なものとどこから手を付けていいのか分からないような難しいものがあります。仕事は簡単でやりやすいものから、どんどんこなして数を減らしていくのが基本です。そして残りの時間で難しいものを手掛けていくように持っていく。限られた時間を有効に使う工夫をする必要があります。3ですが、複雑に見える仕事も分解してみれば、単純な仕事が絡み合っている場合が多いです。単純な仕事を軽視していると、複雑に絡み合って難しそうな仕事に見えてくるのです。ですから単純な小さな仕事を丁寧にこなしていくことが欠かせません。そうなれば、時間的にゆとりが出てきます。気持ち的にもゆとりが生まれます。仕事に追いかけられることがなくなり、仕事を追っていけるようになります。例えば、事務関係の仕事をしている人は、一枚の伝票をお金のように取り扱うことです。どんな伝票でも30秒以内に取りだすことを目標にするのは如何でしょうか。時間にゆとりが出てくると、難しい仕事に取り組む時間が生まれてきます。この点に関しては、2013年1月12日に「仕事に追われる人と仕事を追う人の違い」という投稿記事がありますので、興味のある方はご参照願います。
2023.08.19
コメント(0)
カラオケは好きな人と嫌いな人の二極分解が起きているように思います。好きな人は定期的に仲間を誘ってカラオケに行っている。とくに男女混合のカラオケグループは楽しそうです。男歌と女歌の両方が楽しめますから。あるいは公民館活動のカラオケ同好会に参加している。you tubeなどで熱心に自分に合う歌を探している。新曲の習得に余念がない。歌詞を覚えて移動時間などでは繰り返し練習をしている。つまり生活の一部として定着しています。私も以前は音痴なのでカラオケは無縁であると決めつけていた。いつも断っていた。あるとき親しい友人にカラオケに誘われた。その友人はカラオケが上手で聞いていると癒された。カラオケもいいものだな。自分も歌えるようになりたいなと思った。好奇心旺盛な神経質性格なのですぐにのめり込んだ。you tubeを見ていると歌唱指導のチャンネルがあることが分かった。それを録音機に録音した。録音機にはリピート再生機能があります。これを活用して指導通りにできるまで何度も繰り返し練習した。通しで歌えるようになると自分の歌唱を録音機に録音した。客観的な立場に立って聞いてみると、違和感のあるところはすぐに分かる。その部分を集中的に練習して自分のものにする。うまく歌えない曲は、カラオケ機能としてガイドボーカルがついているので、それなりに楽しめます。それと好きで歌いたい曲があるが、キーが低すぎて歌えないという曲は、最初に音程を2つか3つほど上げると楽に歌えることが分かった。つまり私には低音を出すよりも、高音が出やすい特徴があることが分かったのです。今は三山ひろしの、あやめ雨情、四万十川、お岩木山、男の流儀などを持ち歌としている。その他に好きな曲は20曲くらいあります。私は、語り歌は苦手です。腹の底から思い切って声を出す曲が好きです。今ではカラオケは人生を豊かに彩ってくれるものだという考え方に変わってきた。目標が持てる、利害関係のない人間関係が広がる。ストレスの発散になる。声帯の運動になる。腹式呼吸の練習になる。経費があまりかからない。月に1回くらい家の近くのスナックでも2時間程度歌っている。それと集談会の仲間とカラオケ同好会を作って月に1回3時間程度楽しんでいる。カラオケを食わず嫌いの一品にしては実にもったいないと考えています。阿波踊り
2023.08.18
コメント(0)
森田療法は別名「自覚療法である」といわれております。この自覚療法という名前は、京都の三聖病院の先代の医長であった宇佐玄雄博士の名づけられたものであります。宇佐玄雄博士は、禅宗の坊さんであると同時に、森田先生と協力して森田療法を広められた医学者でもありました。この自覚とは、自分の日常生活そのものの事実、あるいはその時その場で自分が感じる感情の動きを、ごまかすことをせず、あるいは自らそれをなくしようとすることなく、ただそのままにあることであります。たとえば、現在自分が恥ずかしいと感ずるならば恥ずかしいそのまま、めんどくさいと感ずるならばめんどうくさいそのままにあることであります。あるいはまた、自分が自己をかえりみて、欲張りであるならば欲張りであると認め、虚栄心が強いならば虚栄心がつよい、と事実の通りに認めつつ、今日のなすべき仕事は仕方なしにでもやっていくことであります。ここに、森田先生が教えられた、「自然に服従し、境遇に柔順」な生き方があります。(生活の発見誌 水谷啓二 1970年(昭和45年) 5月号 14ページ)自覚とは観念で事実を否定するのではなく、事実に素直に従うことであると指摘されています。これは森田の「純な心」「思想の矛盾の打破」の考え方に通じるところがあります。「純な心」は、感情は最初に理屈や夾雑物を含まない感情が立ち上がっているものです。しかしこれはすぐにかき消されて、「かくあるべし」を含んだ第2次感情に置き換えられてしまいます。大脳の前頭前野が大きくなり過ぎた人間の宿命です。怒りや叱責や言い訳や責任転嫁を含んだ感情です。森田理論では、第一の感情、最初に沸き起こった感情、初一念の感情に立ち戻ることが大切であると教えてくれています。「純な心」から出発すれば人間関係の大半のトラブルは回避できるようになります。「思想の矛盾の打破」は、観念の立場から現実や現状を見るようになると、ふがいない事実に我慢がならなくなります。そのふがいない事実を観念の世界に引き揚げようと考えます。しかし事実を軽視して、観念優先の立場に立つと、本音や潜在意識の激しい抵抗に遭います。事実を否定し続けると葛藤や苦悩でのたうち回るようになります。神経症に陥る大きな原因になります。森田では事実優先の態度を身につけることを目指しています。「かくあるべし」を含む観念優先の世界を事実優先の世界に切り替えることができれば、葛藤や苦悩から解放されると考えています。神経症からも解放されます。自覚を深めるためには、まず森田理論学習で「純な心」「思想の矛盾」「かくあるべし」の弊害、事実本位の生活態度を身につけるための方法を理解することです。次に学習したことを仕事、日常生活、人間関係、生き方の中で活用していくことです。森田では「あるがまま」の生活態度を身につけることだと言われています。森田先生は「事実唯真」「自然に服従し、境遇に柔順」と言われています。つまり自覚療法とは、森田理論を学び、観念優先の世界から、事実優先の世界に軸足を移すことだと思われます。このことを理解して方向転換すると、徐々に味わい深い人生に変わっていきます。
2023.08.17
コメント(0)
手にばい菌がついているような気がして何度も手を洗う人がいます。どうしても汚れが取れないと言って長時間風呂に入る人もいます。電車の吊革やエスカレーターの取っ手を掴むことができない人もいます。トイレに行ってトイレットペーパーをワンロール近く使う人もいます。強迫性障害と言われるものです。目に見えない細菌によって身体が痛手を受けることを恐れています。衛生観念はある程度は必要ですが、やりすぎることは問題です。本人もそのことは分かっているのですが、泣きなから続けざるを得ない状態です。その結果行動が停滞します。生活に支障が出てきます。周りの人に迷惑を掛けます。日常生活に支障が出ると苦しくなるばかりです。石原加受子氏は、無意識の視点から見ると、思考に支配されるか、感覚を味わえるのかの違いが、人生を生きづらいと感じるのか、すばらしいと感じるのかの違いだと言われています。(最近、心が休まらないと思ったとき読む本 石原加受子 中経出版 138ページ)手を何回も洗う人は、「手には、ばい菌がウヨウヨいる」という思考にとらわれています。そのために、洗っている行為から受ける感覚のほうには焦点は当たりません。手や水やお湯に浸す感触。擦り合わせる手と手の感触。手を眺めると、確かにスッキリとして輝いて見えるし、手のひらを見ると血行の流れがよい桜色の皮膚に気づいたり、手のひらの温かさを感じるでしょう。ところが、思考の中に閉じ込められていると、そんな感じはいっさい起こりません。無意識に、洗ったぐらいではばい菌がいなくなるわけがないと強く信じているのでなおさらです。その結果、いくら洗っても洗った実感が得られず、何度も洗わずにはいられないことになります。感覚を研ぎ澄ませて、その時その場の感じをよく味わうことが大事になります。強迫性障害の人は、思考にとらわれて、感情や感覚に注意を当てることがおろそかになっているのではないでしょうか。強迫観念で苦しんでいる人は、細菌から身体を守り抜こうとしています。これは鋭い感性の持ち主であり、両面観で見ると大変優れた能力を持っているということになります。問題は気になる1点にいつまでも注意や意識を集中させて、しかもそれを固定化してしまっていることです。固定化してしまうと、日常生活の中で手掛けなければならないことが山のようにありますが、それらをすべて放置して思考に専念することになります。強迫行為で悩む人は、後ろ髪を引かれる思いを抱えながらも、最低限の生活を維持するために規則正しい生活と日常茶飯事を手掛けていくという姿勢が大事になります。生活の発見会では、「超低空飛行」を続けることが大切になると教えていただきました。これはどんなに症状で苦しくても、最低限の生活を維持していくということです。一旦墜落してしまうと再度飛び立つためには、莫大なエネルギーが必要になるからです。先輩会員はぜひそういう人を応援してあげたいものです。なお強迫性障害の方には「強迫神経症の世界を生きて」(明念倫子 白揚社)という本を推薦いたします。
2023.08.16
コメント(0)
西田文郎氏のお話です。落ち込んでいるときに反省するのは大きな間違いである。うまくいかない時には、どうしても消極的になり、頭は否定的なデータでいっぱいだ。マイナス思考で、ああでもない、こうでもないと反省を繰り返す。これでは脳が感じている「不快」を反復してしまうだけで、ますますマイナス思考から抜け出せない。こんな状態でいくら考えても、いいひらめきもアイデアも浮かぶはずがないのだ。(ツキの最強法則 西田文郎 ダイヤモンド社 109ページ)ミスや失敗などがあると、「しまった」と後悔します。その不快な感情を自由に泳がしているだけなら何ら問題は起きません。しかし普通は「ダメだ、なんということをしでかしたのだ」とふがいない自分を非難します。つまりかけがいのない自分を否定してしまうのです。ミスや失敗が起きるたびに反省や後悔していると、たまにリベンジのチャンスが訪れても手も足も出なくなります。消極的で意欲の感じられない人になってしまいます。それは扁桃体で不快と判断された感情が、青斑核に送られて、防衛系神経回路が作動してしまうからです。消極的、回避的な人間になってしまいます。ミスや失敗を貴重な経験として取り込むことができれば、扁桃体で快の感情として取り扱われ、腹側被蓋野から報酬系神経回路が作動する道もあるのです。積極的でやる気に満ちてきます。行き先を間違えるととんでもないことになるのです。西田氏はこんな時は反省や後悔をしないことだと言われています。むしろ気分転換を考えた方がよい。・スポーツ選手でいえば、何も考えずにひたすら単純なトレーニングに励む。・スポーツからいったん離れて、カラオケでも遊園地でも好きなところで、とことん遊ぶ。意識して快の感情をもたらすようなことに取り組むようにするということです。すると不快な感情に変化が起きる。薄まったり消えてなくなることもある。森田理論は感情を流すことをお勧めしています。不快な感情にいつまでも関わらないように心がけることです。谷あいを流れる小川は勢いよく流れています。その水は飲み水として利用できます。その流れが停滞して淀んでしまうと、雑菌や藻が繁殖して魚も住めないような汚い水になります。絶えず湧きあがってくる感情を、どんどん流していくという能力を森田理論学習で身に着けたいものです。
2023.08.15
コメント(0)
西田文郎氏のお話です。今まで一度も勝った経験のない相手と戦うアスリートの脳は、過去の記憶データと照らし合わせて、自動的に「勝てないかも」「負けるかも」を予感してしまう。その予感は意志や願望よりも強い説得力を持つので、脳は心身の最適戦闘状態を維持できなくなり、ものの見事に予感を実現してしまう。テストで「100点取れるかも」と自動的に予感できるのは、過去に何度か100点を取った記憶のある脳であり、過去に50点の記憶しかない脳は「50点しか取れないかも」「50点取れればいいかも」と自動的に予感してしまう。潜在能力が努力を放棄する。その結果、これまでと同じ50点分の勉強しかしなくなり、予感通り50点の答案が返ってくる。人間の脳は過去に経験したのと同じリスクを避ける仕組みとして、痛みや苦しみ、恐怖感のデータのほうがより強くインプットされることになっています。つまり成功よりも、失敗や挫折、不成功の記憶データのほうがずっと多くのインパクトを持っているのです。(かもの法則 西田文郎 現代書林 194ページ)人間の脳の扁桃核は「快の感情」「不快な感情」を分別しています。「快」に分別された感情は、腹側被蓋野に回り報酬系神経回路が作動します。報酬系神経回路が作動すると、ドーパミンによって意欲的になり、積極的、創造的な行動が増えてきます。一方不快の感情は青斑核に送られて、防衛系神経回路が作動します。防衛的神経回路が作動すると、ノルアドレナリンにより消極的になり、回避的、現状維持的な行動が増えてきます。この二つを比較すると、天と地ほどの違いがあります。はっきりと明暗が分かれます。ではどのようにして報酬系神経回路を活性化させていけばよいのでしょうか。一つは小さな成功体験を積み重ねることです。幼い時から取り組んでいくことが大切です。大人になっても凡事徹底のなかで小さな成功体験を積み重ねていくことです。成功体験は喜びや感動とともに、自信や自己信頼感を育てます。もう一つは脳は最後に感じたことを重視するという特徴があります。最初にダメだ、できない、ムリだと感じでも、最終的に「いや、違う、もしかしたらできるかも」「いや、違う、もしかしたらうまくいくかも」という情報をおくってやればよいのです。これを意識して活用することです。ネガティブな言葉が出てきたら、「今のは取り消し」と言ってポジティブな言葉に置き換えるのです。そう思えなくても、常に形を整えていくようにすればよいのです。その情報によって、「どうしたらできるだろうか」「きっと打開策はあるはずだ」という報酬系神経回路に切り替わっていくのです。線路のポイントの切り替えと一緒です。
2023.08.14
コメント(0)
今日はマンションの大規模修繕工事の現場監督の段取り力について取り上げてみました。大規模修繕工事はおおむね12年から15年毎に行われる。大規模修繕の時期が近づいてくると、2年くらい前から修繕委員会が立ち上がります。まず管理会社や設計事務所などに依頼して建物診断を行います。つぎに指摘された修繕項目について取捨選択を行います。そして施工業者の競争入札を行います。施工会社からは工程表に基づいて説明会が行われます。このとき現場監督が紹介されます。そして満を持して半年から1年に渡る工事が始まります。工事は基本的には、足場を組み、建物洗浄、外壁タイルの補修、ペンキの塗り替え、床の下地シートの張替工事などがあります。その他、エレベータ取替工事、屋上防水工事、給水設備取替工事、LED電球取替工事、共用部トイレ取替工事、駐車場の白線引き、玄関改装工事、プレイロッド工事、宅配ロッカー設置工事など多種多様です。ここでは現場監督の段取り力と変化対応力が大きく左右します。工事に合わせて、毎日の朝礼、工事内容や注意点の居住者への周知徹底、水や電力の確保、騒音対策、資材の調達、資材置き場の設置、簡易トイレの設置、代替え駐車場の確保、コピー機など事務機器の設置、産業廃棄物の処理、交通誘導員の手配、職人さんの手配、職人さんの詰所の設置、工事の進捗状況のチェック、問題発生時の緊急対応、居住者や近隣対策、修繕委員会、管理会社、設計事務所との打ち合わせ、引き渡し書類の作成など細部にわたります。現場監督は過去にさまざまな経験を積み重ねています。過去のトラブルのケースや解決策をよく知っており、問題が大きくなる前に事前に対策を立てて実行しています。過去のミスや失敗は貴重な財産として今の仕事の中で活かしているのです。ミスや失敗の数の多さが、現場監督の善し悪しに影響を与えていると言われていた。疑問や問題点は自分一人で判断しないで、会社の人や修繕委員会の主だった人や施工管理者、職人さんと事前によく相談や打ち合わせをしています。その中でも問題発生に備えてキーマンは誰かを捕まえるのが早いし的確です。居住者の中でも工事に影響力を持っている人をすぐにつかんでいるのです。問題が発生した時は、その方に真っ先に相談しているのです。だから問題が実態以上に大きくならないのです。また職人さん、業者、メーカーなどとのネットワークの広さは驚くばかりです。森田でいう広く浅くという不即不離の人間関係が貫徹されている。現場監督は作業の進め方などを内容ごとにノートやパソコンなどによくまとめています。パソコンの扱いも得意で複雑な工程表なども独自のソフトを利用して短時間で作成しています。掲示物や配布物に手抜かりはありません。とにかくやるべきことをどんどん先取りしています。段取り力のよさは舌をまくばかりです。同時並行的にいくつもの作業内容を組み合わせているのです。例えば、設備屋、ペンキ屋、屋上防水、溶接業者などの職人が同時に作業しています。多くの職人や資材を臨機応変に手配して、全体をきちんと統率する能力は驚くばかりです。そのために人間関係調整能力、観察力、フットワークなどが大切になります。笑顔での声掛けを心がけて、むやみに敵を作らないという人間力は必要だと感じました。天候悪化で作業内容が変更になることはよくあります。作業の途中で仕様変更になることもしばしば発生します。想定外の出来事ですが、その変化対応力は驚くばかりです。想定外の問題の発生は、工事にはつきものであり、それを解消して納期に間に合わせるのが、現場監督の能力の発揮のしどころだと言われていました。その人は小さいころはガキ大将で手が付けられなかったそうですが、人間関係の持ち方はそのときに会得したと言われていました。過去に問題やトラブルを起こしても、人生に無駄なことは一つもないということだと思います。むしろミスや失敗、後悔の少ない人が大人になって苦労することになるということでしょう。同じ人間でもスケールの大きさを感じました。この人はどんな仕事についても成功するだろうと感じました。今回勤務棟の大規模修繕工事を管理人の立場から見させていただいて、仕事とはこうゆうふうに取り組むとうまくいくという手本をみせてくださいました。今回は私も大きな刺激を受けました。西国13番札所 石山寺
2023.08.13
コメント(0)
対人恐怖症の人は、他人目が気になります。他人の評価も気になります。他人から非難・否定されることが怖い。性格や容姿や能力が人と比べて劣っていることが気になります。わずかな欠点や弱点が気になります。人前でミスや失敗をすることが怖い。ミスや失敗を恐れて気分本位、消極的、逃避的な行動をとってしまう。自己主張することはとんでもないことだ。争いのもとになるので怖くてできない。相手と交渉することは、拒否されることを考えると怖くてとてもできない。このような生き方、考え方は「他人ファースト」「他人中心の生き方」と言います。対人恐怖症、社会不安障害の人は、「他人ファースト」思考になっています。これに対して、「自分ファースト」「自分中心の生き方」の考え方があります。自分の気持ち、感情、本音、潜在意識、欲望、意思、夢や目標を優先する生き方のことです。他人の気持を忖度することは大切なことですが、それを最優先することは問題です。自分の気持ちを第一優先順位に切り替えることが大切になります。普通は他人に対して腹が立つこと、不平不満、許しがたいこと、耐えがたいこと、我慢ならないことをできるだけ抑えつけようとします。人間関係が険悪になることを避けようとしているのです。マイナス感情の取り扱い方を森田理論で学び、活用する必要があります。相手の気持ちはコントロールできません。相手がどのように考えても、それは相手の自由です。反対に自分がどんなことを考えて、どんな気持ちになろうが、どんな欲求を持とうが、それは自分の自由ということになります。相手の気持ちを忖度することを第一優先順位にしてしまうと、自分を粗末に扱ってしまうことになります。これは本末転倒の考え方です。いつも自分に寄り添い、自分を大事にしながら生きていくことが、悔いのない人生を送るためには欠かせないということになります。自分の気持ち、感情、本音、潜在意識、意向、欲求、欲望を抑圧しない生き方を、森田理論学習で身に着けたいものです。姫路城
2023.08.12
コメント(0)
西田文郎のお話です。ソフトバンクの孫正義さんが、ある挨拶のなかでこんな話をしていました。「20数年前、私は、この福岡の雑餉隈でソフトバンクを始めました。当時は私一人と、アルバイトの社員の二人でありました。私はみかん箱の上に乗って、その二人の社員に言いました。このソフトバンクを立派な会社に育てて、いつの日か、売り上げを1兆円、2兆円と数えられるような規模にしてみせる。何が何でも世界一の会社にするんだということを語りました」二人の社員は「あぶない社長だ」と感じたのか、すぐに退社してしまったそうです。みかん箱の上の小柄な人物が、誇大妄想丸出しの話をするのですからついていけないと思うのも無理はありません。しかし孫正義氏の経歴を見るとそれが誇大妄想ではないことがよく分かります。孫さんは、久留米大学付属高校という九州でも有数の超難関高校に入学し、17歳で高校中退して渡米。カリフォルニア大学バークレー校在学中に自動翻訳機を開発して、それをシャープに1億円で売り込みました。その1億円を資本にアメリカでソフトウェア開発会社を設立。日本から輸入した使い古しのインベーダーゲームを売って大儲けしています。これが22歳のときでした。孫さんの脳には、こういう成功体験の記憶データが詰まっていたからこそ、「売り上げを1兆円、2兆円と数えられるような規模にしてみせる」「何が何でも世界一の会社にするんだ」というとんでもない夢に、確信が持ててしまったのです。(かもの法則 西田文郎 現代書林 123ページ)人間は最初から自信を持つことはできません。最初は子供の頃の小さな成功体験から始まります。小さな成功体験によって、自信と感動体験を持つことができます。成功体験を積み重ねていくと、弾みがついてきます。そのうち、とてつもない大きな自信と目標を持つことができるようになります。「そんなことをしても失敗するに違いない」「やるだけ無駄だ」「損をするだけだ」というネガティブな気持ちが影をひそめてきます。そして、「もしかしたら成功するかもしれない」「勝てるかもしれない」「売れるかもしれない」などとポジティブな気持ちのほうが強くなっていきます。本音や潜在意識が、建前や顕在意識と一致してくると、向かうところ敵なしという状態になります。積極的、生産的、建設的、創造的な生き方をしている人は、成長の過程で積み重ねられた成功体験に支えられているのだと思います。中学1年生の孫が、この夏休みに一人旅をするそうです。どこを回るのか、交通手段はどうするのか、宿泊はどうするのか今度会ったときに聞いてみたいと思っています。目的を果せれば大きな成功体験が持てるのではないかと思っています。そして一回り大きな人間に成長できることを期待しています。
2023.08.11
コメント(0)
世界のホームラン王の王貞治氏のお話です。ホームランは打とうと思って打てるほど簡単なものではない。ホームランを打とうと意識するとボールが見えなくなる。これは森田に通じる話だと思います。王さんがバッターボックスに入ると、ホームランを期待される。その期待に応えようと意識すると、ホームランボールが来ても打てなくなる。投手の投げたボールは0.4秒前後でやってきます。しかもそのボールが沈んだり、食いこんできたり、逃げていったりします。打者は投手の癖を観察して配球を読み、来た球に無心で対応しなければなりません。そのとき少しでも凡退したときのことが脳裏をよぎるとアウトです。観客のがっかりした姿が目に浮かぶ。期待に応えられなかった惨めな自分が目に浮かぶようでは戦う前から勝負はつきます。意識が目的から離れることは闇夜で鉄砲を撃つようなものです。さらにその意識が自分に向かうようになればその弊害は計り知れません。これと同じことを森田先生も言われています。球投げをする時に、球のほうばかりに注意を集中しておりさえすれば、適切に球を受ける事ができるけれども、意識がひとたび、自分の手つきや・腰の曲げ方のほうに向かうようになれば、すぐに球を受ける事ができなくなる。薪割の時に、打とうとする一点のみを見つめていれば百発百中である。ところがその時、注意や意識が自分の手の動きや動作に向かうと途端に的を外す。(森田全集第5巻 644ページ参照)幼い子に「あれを見よ」と指させば、その指先ばかりを見ていることがあります。これは目標や目的を忘れて、自己内省の世界に漬かっているのと同じことです。指の先に目をやるということは、目的や目標に向かって気持ちが外向きになっているということです。神経症の場合も自分の不安や不快な感情よりも、自分の欲求や欲望の方に意識を向けていくようにするとすぐに改善できます。
2023.08.10
コメント(0)
先日スーパーに買い出しに行った時のことです。3歳から4歳位の男の子どもが棚からお菓子を持ってきて、お母さんに「これ買って」とお願いしています。お母さんは、「おうちに帰れば同じようなお菓子があるよ」と元の棚に戻そうとします。するとその男の子は駄々をこねて暴れはじめました。床に座り込んで、服を床にこすりつけています。慌てたお母さんは、「みっともないことはやめて。服が汚れるでしょ」と言っています。そのうち周りの目を気にして、「今日だけだからね」と言って買うことにしたようです。こんな光景はよく目にします。どんなことを心がければよいのでしょうか。まずスーパーに行く前に子供と話をするのはいかかでしょう。その時、子どもの意志をある程度尊重して、次のなかから自由に一つ選択させる。1、買い物についてきてもよいけど、見るだけにする。2、100円までのお菓子なら自由に買ってもよい。3、今度来るときには好きなお菓子を買ってもよいので、今日はがまんする。4、今日はお兄ちゃんと家でお留守番する。自分で選択したことは、必ず守らせたいところですが、なかなか難しい面があります。安田さんが形外会で子どもの夜泣きの話をされています。森田先生の回答は次のようなものでした。うるさいと思うのも純な心である。子どものことだから仕方がない。我慢しなければとか型にはまっては少しも進歩はない。一方叱りつけたり、懲らしめたり、菓子を与えて機嫌をとるなどの軽率な行動はもっといけない。神経質者はどちらかに態度を決めなければ収まらないということが多い。どうしてよいか分からないときは、うるさいなという純な心はそのままにして、態度を保留にすることである。不快な感情に振り回されても、決して軽率な行動をとってはならない。ああうるさい、どうしてやろうかとああも思いこうも工夫して、子供を観察したり、他のことをしていると、いつとはなしに、子供は泣きやんでくる。なるほど子供は泣くだけ泣けば泣きやんでくるものだという法則を発見する。(森田全集第5巻 676ページ要旨引用)感情の法則の4では、「その刺激が継続して起こるときと、注意をこれに集中するときに、ますます強くなるものである」とあります。不快な感情をつつきまわしていると、火に油を注ぐようなことになってしまいます。スーパーで駄々をこねる子供の場合は、子供を気にしながらも、少し距離を置いて買い物を続ける。すると駄々をこねていた子供は、お母さんが取り合ってくれないので、駄々をこねても意味がないことが分かる。いつの間にか、わめき散らしていた問題行動が収まることがあるようです。京都 龍安寺の石庭
2023.08.09
コメント(0)
プロ野球のコーチが次のようにアドバイスすることがあります。「高めのストレートだけは絶対手を出すな」「外へのスライダーには絶対手を出すな」「このバッターはタイミングが合っている。安易にストライクを投げるな」「コントロールに気をつけて投げろ」「この場面は絶対に抑えろ。ヒットを打たれるのはダメだからな」「絶対にエラーだけはするな」「盗塁の失敗は許されない場面だ」これらの指示が指示通りの結果になることは少ない。エアーポケットに吸い寄せられるように、指摘されたミスや失敗を招き寄せてしまいます。コーチからは「あれほど○○してはいけない」と注意していたのに、どうしてミスや失敗を犯すのかと叱責されます。これは本人がその指示を意識すればするほど、その呪縛に取りつかれてしまうのです。この場合、注意や意識を外してあげるようなアドバイスが有効です。「ベルトから下に目付をしよう」「ストレート待ちで行こう」「思い切って腕を振って投げよう」「彼は歩かせて、次のバッターで勝負しよう」「ダブルプレーを焦らずに確実に1つのアウトをとろう」「このピッチャーは牽制球を投げる時にこんな癖がある」特定の不安に過剰に注意や意識を向けると、肝心なことがおろそかになってしまう。いわば心が「うわの空」になってさ迷ってしまうのです。「失敗したらどうしよう」などと前頭前野で考えると、普段は問題なくできるような事でも、心が混乱状態になり、本来のパフォーマンスが発揮できなくなるのです。ここでは注意や意識を外すようなアドバイスが必要になります。私は以前、電話を取るときにどもるようになりました。いきなり会社名を名乗ると、どもるようになり、電話に出ることが怖くなったのです。これは自分にとってはとても苦しかったです。その状況を、集談会で相談したところ、先輩からとても良いアドバイスをもらいました。いきなり会社名を名乗るのではなく、会社名の前に「お電話ありがとうございます」という前振りをつけてみなさいと言われるのです。その方が言われるのは、カラオケでどもる人はいない。それはリズムがあるからだといわれるのです。森田先生はリズム運動を大事にされていたと言われました。これはとても良いアドバイスでした。早速この方法を取り入れてどもることはなくなりました。不思議なことですが、自信を持って電話に出られるようになりました。これは過度に注意や意識が向いていたものを、一時的に外す効果があったのです。
2023.08.08
コメント(0)
毎日退屈で生きていても何も楽しいことはないという人がいます。森田では凡事徹底と規則正しい生活の中で、小さな問題点や課題を数多く見つけて、小さな成功体験による楽しみや喜びを積み重ねることが大切だと学びました。雑事や雑仕事に丁寧に取り組むようになると生きていくことが楽しくなります。さらに感動と感謝の気持ちを持って生活することをお勧めいたします。人を感動させることを意識すれば自他もとに幸せになります。これは相手が予想していなかったことを見つけて実行することです。相手からの依頼に対して、期待以下のことしか出来なければ嫌悪感をもたらします。次に依頼に対して、依頼通りのことをするというのは当たり前のことです。当然のサービスの提供であり、相手の感情を動かすまでには至りません。相手からの依頼に対して、期待以上のプラスアルファを付け加えることができたならば、相手を感動させることが可能になります。ごく小さなことで構いません。そのためには相手を観察する必要があります。またものそのものになりきり、絶えず工夫や努力が必要になります。これは料理でいえば、風味豊かなスパイスを効かせるようなものです。隠し味が何とも言えない風味を醸し出します。感謝できるようになると、グチや不平不満はなくなります。自分を育ててくれた両親や祖父母、自分のもとに生まれてきた子ども、先輩や上司、恩師、周りにいる人たちに対して日頃から感謝の気持ちを持つことです。最初は感謝の気持ちが持てなくても構いません。形から入ることが肝心です。脳は錯覚しますから、最初はウソでもそのうち本当に感謝するようになるのです。1回のウソは自分でもウソだと思いますが、100回のウソはそれが真実になってしまいます。感謝の言葉を忘備録にまとめ毎日唱和することをお勧めします。感謝の気持ちでいっぱいな時は、同時にグチや不平不満を持つことはできません。感謝の気持ちを持って生活していると、人間関係は穏やかになります。(その気の法則 西田文郎 ダイヤモンド社参照)
2023.08.07
コメント(0)
2008年赤塚不二夫の葬儀の時タモリさんが弔辞を読み上げた。その内容が森田的でとても参考になります。あなたの考えは、すべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れることです。それによって人間は、重苦しい意味の世界から解放され、軽やかになり、また時間は前後関係を絶ちはなたれて、その時その場が異様に明るく感じられます。この考えをあなたは見事に一言で言い表しています。すなわち、「これでいいのだ」と。赤塚先生はほんとうに優しい方です。シャイな方です。マージャンをするときも、相手の振り込みで上がると、相手が機嫌を悪くするのを恐れて、ツモでしかあがりませんでした。あなたがマージャンで勝ったところを見たことがありません。タモリさんは新宿の歌舞伎町でライブみたいなことをやっていた時、突然赤塚さんがやってきたそうです。ライブが終わった時、突然私の前にやってきて、「君はおもしろい。お笑いの世界に入れ。8月の終わりに僕の番組があるから、それに出ろ。それまで住むところがないなら、私のマンションに居ろ」と言いました。タモリさんは早速赤塚先生の目白のマンションに居候しました。しかも赤塚さんが持っていたベンツを自由に乗りまわしていました。それに対して、苦情や不平や不満を爆発させるようなことは一切なかった。赤塚先生は、自分の所有物でも、必要な人が必要な時に使うのが理にかなっていると考えているような節がある。赤塚さんは仕事で家に居ないことが多かったのですが、たまに家に帰って来ても居場所も寝場所もない状態でした。時にはロッカーを倒してその上に布団を敷いて寝ているようなこともあった。金や物に全く執着しない不思議な人でした。だまされることも多かったが、人を恨むということはなかった。また人の悪口を聞いたことがない。人を非難・否定することとは無縁の人でした。赤塚さんは2回結婚している。最初の奥さんと離婚した時には、家や土地の財産をすべて渡して、娘の養育費もきちんと出していた。その奥さんは再婚したが、ときどき赤塚家にやってきては茶飲み話や相談事に付き合ってくれていたという。常識では考えられないことである。赤塚さんは、困った人を見ると放っておくことができない性分です。家出人や浮浪者のめんどうを見ていた。家に連れて来て泊まらせていた。赤塚さんのマンションを自宅代わりにして、着替えなども置いて自由に飲んだり食ったりしている人が何人もいた。赤塚先生は、楽しいことが大好き。ギャグが大好き。どんちゃん騒ぎが大好き。酒が大好き。女性も好き。赤塚先生の知り合いには、タモリ、所ジョウジ、鳳啓介、青島幸雄、由利徹、たこ八郎、稲川淳二さんなどがいるが、類は友を呼ぶではないですが、みんな自由奔放で好きなことを好きなだけやって生きてきたような人ばかりである。でもなぜか思いやりがあり憎めない人たちばかりなんですよね。最後に赤塚先生の特徴をまとめてみました。・所有物やお金に対する執着心が全くない。・世話好き、面倒見がよい。その程度が常識を超えている。・みんなでワイワイガヤガヤ騒ぐのが大好き。・ナンセンスで面白いことには目がない。・無類の人間好き。・肝臓を壊すほどの酒好き。・グチ、不平不満、他人の悪口や批判とは無縁の人である。
2023.08.06
コメント(0)
私は現在マンションの管理人をしています。毎日5時間の仕事です。主な仕事は、受付・清掃、立ち合い・点検・連絡報告・事務の仕事です。休憩をはさみながら、毎日決まった時間に決まった仕事を規則正しくこなしています。・管理人ポストの確認。居住者や来客対応。・棟の外回りの拾い掃き掃除。・解放廊下、階段の拾い掃き掃除。・玄関、エントランスなどの水モップ掛け。・各階解放廊下の水モップ掛け。(1日にワンフロア―ずつ)・ゴミ置き場の掃除。植栽への水やり。雑草取り。・玄関、エントランス、事務所、掃除道具置き場などの清掃と整理整頓。・鳥の糞やクモの巣取り、面格子、手摺、サッシの空モップかけ。・設備関係の点検、駐車場、駐輪場の見回り。照明器具の点検。・鍵や重要書類の確認と整理整頓。・2回目の巡回。管理会社への報告書の作成。これらは習慣化しており、あっという間に時間が経ちます。なんとせわしないと思われるかもしれません。ルーティンに従ってこなしているので、精神的にはとても楽なのです。ここでは森田先生が言われているリズム運動を意識しています。それと「休息は仕事の中止ではなく、仕事の転換にある」の応用です。毎日6000歩から10000歩は歩きます。とくに階段の上り下りはとてもよい運動になります。太ももが大きくなります。下りるときは斜め歩行で衝撃を和らげています。これは「人間の脳は足から衰えてくる」を意識しています。ルーティンワークを持っていることはいかに幸せなことであるかが実感として分かりました。毎日決まった時間に同じことを繰り返すことで、頭を休ませることができます。精神状態が内向き一辺倒になることを避けることができます。気持ちが外向きになることが習慣化してくると、身体も精神状態も健康になります。仕事や生活に弾みがついてリズムやテンポがよくなります。無理をして頑張り過ぎるとどっと疲れがでます。仕事は細く長くをモットーにしてできる限り長く継続していきたい。現在この仕事の最高齢者は83歳の人ですが、私は85歳を目指したい。実現の可能性は高いとみています。そしてブログの継続目標はとりあえず93歳です。もちろん地元集談会への出席は終身です。
2023.08.05
コメント(0)
西田文郎氏のお話です。スポーツ選手でいつも対戦すると負けてしまう相手Aがいるとします。普通の思考であれば、対戦相手が「A」と聞いただけで、また負けるかも、とか、今回も無理だろう、と思ってしまいます。しかし、負けず嫌いな選手、つまり「その気」の思考を持っている選手は、自然に「今度こそ絶対に勝つチャンスだ!」と思い、自分の勝つところをイメージしたり、絶好調のときの自分のシーンを思い出したりして、「今度こそは勝てる!」「みんなに勝てるところを見せたい」などとワクワクできるのです。すると、脳も対戦相手が次も「A」だと聞いても苦手だとは思わずに「やった、雪辱のチャンスだ」と思います。肯定的な脳を作るためには、プラスのデータを入力すれば脳は錯覚します。脳は本当にあったことと、イメージなのかを区別することができないのです。ですからウソでもいいので、「自分はツイている」「この失敗があって本当に助かった、次回に活かせる」「今度はもっと上手くできる」など、口に出して言ってみます。内心、信じられなくてもいいのです。口からでた言葉が耳を通して脳に入力され、それを繰り返し行うことで脳はだまされ、「次にもっと上手くするにはどうしたらいいのか」など考え始めます。つまり何度も繰り返しプラスのイメージを入力することで、扁桃核の判断を肯定的に変えられるのです。(その気の法則 西田文郎 ダイヤモンド社 103ページ)動物脳にある扁桃核は、快、不快、好き、嫌いの判断をしています。扁桃核が不快、嫌いと判断するか、快、好きと判断するかはその後の展開を大きく左右します。過去に挑戦したのに失敗したこと、自分の気持を素直に話したのに否定されたことなどはしっかり脳に記憶されています。今度新しいことに挑戦しようとしたときなどに、ダメだ、無理だ、うまくいくわけがない、恥をかくだけだ、しんどいだけだ、面倒なことはしたくない、お金と時間の無駄になるといった理由で強い抑制力が働くのです。マイナスイメージを脳に送り込むので、挑戦する意欲は根こそぎ摘み取られてしまいます。この問題について西田文郎氏は次のように説明されています。脳は違う感情を同時に記憶できません。例えば笑顔を作りながら本気で怒れる人はいません。感情は、いちばん後に思ったほうを記憶します。ですからマイナス感情になっても、プラス感情に思い直せばOKなのです。自分に湧きあがってきたマイナス感情を一旦受け入れます。「でも」と続けて最後はプラス感情で終わるように心がけるのです。これを私は「イエス・バット法」と呼んでいます。失敗したらどうしよう(YES)でも(BUT)、このときのために頑張ってきたんだ。でも(BUT)、あの人も応援してくれている。でも(BUT)、これを乗り越えれば必ず成功する。慣れないうちは、ちょっと難しいかもしれません。でも意識して続けているうちに、プラス思考脳に変化してきます。(同書 133ページ)広島のフラワーフェスティバル
2023.08.04
コメント(0)
人間関係を良好に保つためのコツは、「人間」という言葉が教えてくれています。人と人の関係は「間」(ま)が必要だということです。人と人の関係はくっつきすぎても離れすぎてもいけないのです。くっつきすぎると、支配・被支配、過保護、過干渉、共依存の関係になります。離れすぎると、天涯孤独になり、人生が味気ないものになります。程よい距離感を保ちながら、広くて薄い人間関係を作りあげることがコツになります。このような人間関係のことを森田では「不即不離」と言っています。引っ付きすぎたと思ったら離れる。離れすぎていると思ったら近寄る。放し飼いの犬は飼い主に近づいたり、離れたり臨機応変に対応しています。犬の動きがイメージできれば間違いありません。「間」とは、何かの間にはさまれた空間や時間のことを言います。事をうまく運ぶためには、「間」という空間や時間の取り扱い方が大事になります。「間」の取り方を間違えると、「間抜け」になります。「間抜け」とは気の抜けたビールのようなものです。考え方や行動のしめしがつかなくなる。収拾がつかなくなる。けじめがなくなり、収まりが悪くなります。落語家の桂歌丸師匠曰く。「間」のいい落語家は、つまらない噺をやっても受けるが、「間」の悪い落語家はどんな面白い噺をやっても受けないんです。厄介なことに、弟子に噺を教えることはできますが、「間」を教えることはできない。私なんか、ほんとうに「間」ができたのは、40歳を過ぎてからです。北野たけしさんは、人間関係では「間」をはずすと、「魔」がその場をぶち壊しにすると言われています。「見渡せば世の中、間抜けな奴ばかり。どいつもこいつも、間が悪いったらありゃしない。間というものは厄介で、その正体は見えにくいし、コントロールするのも難しい。けれど、それを制した奴だけがそれぞれの世界で成功することができるんだよ」「間」は歌舞伎の「見得」が参考になります。歌舞伎を見ていると、効果音に合わせて役者が身体の動きを止め、首を回すように振って、最後にグッとにらんだ目をして静止します。その時片目だけが寄り目になっています。観客は見得が決まると、待ってましたとばかり拍手喝さいとなります。ここで一区切りつけて、新たな気持ちで次の展開に移ることができるのです。この見得が決まらないと、ワサビがついていない刺身を食べるようなものになります。「間」を意識した人間関係作りは森田理論の感情の法則が教えてくれています。腹が立ったときに、不快な感情のままに行動するのは問題です。どんなに激しい怒りが湧き起こったとしても、ひとまず冷却期間をおく。つまり「間」を置くことが人間関係のコツになるということではないでしょうか。きちんと「間」を置くと、そのうち怒りの感情はしだいに鎮静化してきます。「間」を置くことを無視した行動は、人間関係では大やけどをします。狂言 蝸牛(かたつむり) 撮影許可済
2023.08.03
コメント(0)
今日は、砂、真砂土、岩石の特徴と用途の話です。これらはそれぞれに使用用途は限られています。適材適所で使うととても役に立ちます。ところが使い方を誤ると全く役に立たないばかりか、粗大ごみになってしまいます。砂・・・最近世界中で建築用の砂の奪い合いが起きています。中国、インド、アメリカ、日本などでコンクリートを作るときの砂の需要が高まり、奪い合いになっているそうです。世界には砂漠地帯にいくらでも砂がありますから、問題ないように思われますが、粒子が細かすぎて建築材料としては使い物にならないそうです。ちなみにコンクリートの砂は粒子が粗い砂が適しているそうです。ガラスにはケイシャが必要ですが、これは石や砂から取りだしているそうです。パソコンの製造に必要なシリコンあります。シリコンは土や砂に含まれている硅石という鉱物から作られています。砂地で降水量がないところでは、保水力がなく、植物や樹木はほとんど育ちません。真砂土・・・真砂土に腐葉土、牛糞、鶏糞、バーク堆肥などを混ぜると、微生物やミミズなどが住みつき、園芸、野菜作りなどに利用できるようになります。ただし、モルタルやコンクリートの材料としては不向きです。岩石・・・花崗岩、石灰岩、大理石のようなものがあります。岩石は、城壁、墓石、庭石、建物の基礎、生活資材、建築材料などとして使われます。しかしその用途は限られています。こうしてみるとそれぞれに強烈な特徴と強みを持っていることが分かります。弱みをなくすることよりも、それぞれが元々持っているものを活かして、適材適所で活躍できる場を提供するしか使い道はありません。しかし性格をそのように考えることは難しいようです。私達は神経質性格を持って生まれました。神経質性格にはプラス面とマイナス面があります。これは森田理論の神経質の性格特徴を学習すればよく分かります。基本的にマイナス面に注意を向けるよりも、神経質性格のプラス面の特徴を活かすことを考えた方がよいと思います。プラス面の特徴としては、繊細である。感性が鋭い。分析力がある。粘り強い。好奇心が強い。努力を惜しまない。責任感が強い、まじめであるなどです。その他、興味や関心のあるもの、元々持っている素質や能力に光を当てて、磨きをかけていくほうがより味わい深い人生を送ることができるようになります。
2023.08.02
コメント(0)
昔海外に単身赴任する人がいた。海外赴任が珍しかった時のことだ。羽田空港に会社や家族の人たちが見送りに来ていた。ところがその輪の中に肝心の奥さんがいない。実は空港まで見送りに来ていたのだが、その奥さんは赤面恐怖症だった。自分の姿を見て、見送りに来ていた人が変に思うに違いないと考えた。そんなことになれば、夫に迷惑がかかる。自分だけならよいが、夫の評判を貶めることには耐えられない。そのように思い込み、見送りの輪の中に入らなかったのだ。その願いはみんなに伝わることはなかった。見送りに来た人たちは、なんと心の冷たい奥さんだろうと思った。そして奥さんのその時の行動は会社内でうわさになった。この奥さんは、神経症に振り回されています。赤面恐怖症を理由にして、その時見送りに来た人たちへ感謝やお礼の言葉がけをすることを忘れてしまいました。これは森田でいう気分本位な行動です。気分に振り回されて、大切な本来の目的を回避してしまうことはよくあります。太っている、ハゲである、どもりである、体が震える、書痙である、容姿に自信がない、会食恐怖などがある場合である。その他、しんどい、面倒だ、気が乗らない、疲れている、怖い、不安だというような気分に振り回されることもあります。私は突然親戚の葬儀があったとき、会社に休みをもらうことが言いだせなくて、妻に代行してもらったことがあった。その後親戚から非難の嵐だった。同様のケースの人に聞いたところ、そういう急な休みをとる場合は、その穴埋めとして土曜日に振り換え出勤すればよいということが分かった。私の場合は、最初から断られるのが分かっていると決めつけていた。断られることに恐怖を感じて、後で取り返しのつかないことをしてしまったのだ。その後悔はいまだに尾を引いている。森田先生は気分本位の態度は問題だと言われている。どんなに心が拒否していても、約束したこと、常識的なこと、取り組む必要があることから逃げてはならない。しんどそうだ、疲れている、めんどうだ、気が変わった、やる気が出ない、怖い、不安だという気分を優先して、本来の目的から逃げてしまうと、一時的にはほっとするが、後で暇を持て余し後悔することになる。そして他人からの信頼感は地に落ちてしまう。どんなに気分が悪くても、必要な時に、必要なだけの最低限の行動を心がけることが肝心である。行動しているうちに不快な感情が変化してくることはいくらでもあると心得ることである。和歌山県 潮岬灯台
2023.08.01
コメント(0)
全32件 (32件中 1-32件目)
1