森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.08.14
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カテゴリ: 最新の脳科学
西田文郎氏のお話です。

今まで一度も勝った経験のない相手と戦うアスリートの脳は、過去の記憶データと照らし合わせて、自動的に「勝てないかも」「負けるかも」を予感してしまう。
その予感は意志や願望よりも強い説得力を持つので、脳は心身の最適戦闘状態を維持できなくなり、ものの見事に予感を実現してしまう。

テストで「100点取れるかも」と自動的に予感できるのは、過去に何度か100点を取った記憶のある脳であり、過去に50点の記憶しかない脳は「50点しか取れないかも」「50点取れればいいかも」と自動的に予感してしまう。
潜在能力が努力を放棄する。その結果、これまでと同じ50点分の勉強しかしなくなり、予感通り50点の答案が返ってくる。

人間の脳は過去に経験したのと同じリスクを避ける仕組みとして、痛みや苦しみ、恐怖感のデータのほうがより強くインプットされることになっています。
つまり成功よりも、失敗や挫折、不成功の記憶データのほうがずっと多くのインパクトを持っているのです。
(かもの法則 西田文郎 現代書林 194ページ)

人間の脳の扁桃核は「快の感情」「不快な感情」を分別しています。
「快」に分別された感情は、腹側被蓋野に回り報酬系神経回路が作動します。
報酬系神経回路が作動すると、ドーパミンによって意欲的になり、積極的、創造的な行動が増えてきます。

一方不快の感情は青斑核に送られて、防衛系神経回路が作動します。
防衛的神経回路が作動すると、ノルアドレナリンにより消極的になり、回避的、現状維持的な行動が増えてきます。

この二つを比較すると、天と地ほどの違いがあります。はっきりと明暗が分かれます。ではどのようにして報酬系神経回路を活性化させていけばよいのでしょうか。

一つは小さな成功体験を積み重ねることです。
幼い時から取り組んでいくことが大切です。
大人になっても凡事徹底のなかで小さな成功体験を積み重ねていくことです。
成功体験は喜びや感動とともに、自信や自己信頼感を育てます。

もう一つは脳は最後に感じたことを重視するという特徴があります。
最初にダメだ、できない、ムリだと感じでも、最終的に「いや、違う、もしかしたらできるかも」「いや、違う、もしかしたらうまくいくかも」という情報をおくってやればよいのです。これを意識して活用することです。

ネガティブな言葉が出てきたら、「今のは取り消し」と言ってポジティブな言葉に置き換えるのです。
そう思えなくても、常に形を整えていくようにすればよいのです。
その情報によって、「どうしたらできるだろうか」「きっと打開策はあるはずだ」という報酬系神経回路に切り替わっていくのです。
線路のポイントの切り替えと一緒です。





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Last updated  2023.08.14 06:29:51
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