森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.09.25
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カテゴリ: 神経質の性格特徴
アメリカの大リーグに所属する選手は、ウェイトトレーニングで筋肉をつけて体を大きくする選手が多い。
150キロを超えるストレートでも、甘い球なら軽々とホームランにできる選手を目指しているのだ。

このような風潮に疑問を投げかけるのがイチロー選手である。
体を大きくすると、走るのが遅くなる。筋肉が邪魔をしてスピーディーな動きができなくなる。
例えば、太ももの前の筋肉やふくらはぎを大きくするとスピードは出なくなる。
スピードを維持しようと思うなら、太ももの裏側を鍛えて、ふくらはぎを太くしてはいけないのだ。
また余計な力が入ってしまうと、故障を誘発してしまう。力んだスイングでミスショットも増えてくる。
体を大きく、筋肉を太くすると、そこから生まれる力を過信してしまう。
そういうウエイトトレーニングでパワーを増強する練習は大変危険であると警告している。
そこを錯覚してすぐに使い物にならない選手がたくさんいるのは悲しいことだという。
イチロー選手は筋力をつけることよりも、関節の可動域を大きく、効率的に使うことに普段から重点的な意識を置いている。
彼のようなタイプの選手で大切なのは、身体そのものを大きくして力を生み出すことではなく、無駄のない身体の使い方なのである。そのためにイチロー選手は彼独自のトレーニングのための機械を作り出した。(イチローの流儀 小西慶三 新潮文庫 86頁より引用)

実によい話だ。この話は森田理論にも通じる話である。
私たちは優れた神経質性格を持っている。
この性格を持っている人は、いろいろと細かいことによく気がつく。
裏を返せば心配性である。四六時中不安に振り回されている。
そんな人間が、発揚性気質で、少々の不安はあっけらかんとして気にも留めない人を見るととても眩しく見える。 できることなら自分も神経質性格を、外向的で、社交的な性格に変えたいなどと考える。

イチロー選手ならそんな馬鹿な事はやめた方がいいと言うだろう。
隣の芝は青く見えるだけのことだ。
発揚性気質の人は、イケイケドンドンの人が多いが、細かいことに気が回らないので、リスク管理がおろそかになる。人の気持ちを思いやることも少ない。
上昇気流に乗っているときはいいが、いったん落ち目になってくると、始末がつかなくなる。
行動力は素晴らしいが、 1人の人間としての深みというものはあまり感じられない。

神経質性格を持っている人は、感受性が豊かである。まじめで責任感が強い。好奇心も強い。反省し、分析する力もある。相対的に粘り強い。
ないものねだりをするよりも、これらプラスの性格特徴を自覚し、それにさらに磨きをかけることに注力した方がよほど意味がある。この世を動かしているのは、神経質性格者であると聞いたことがある。
神経質の性格特徴を遺憾なく発揮すれば、比較的間違いが少ないのではなかろうか。
自覚するためには、森田理論学習が有効になる。
神経質の性格特徴の学習は、今まで日の当たらなかった神経質性格の可能性を改めて自覚することにつながると思う。





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Last updated  2018.09.25 06:30:14
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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