森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.12.28
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カテゴリ: 身近な社会問題
今日の投稿はかたい話になります。
2018年11月27日中国新聞の社説に「国連の小農宣言」があった。
私はこの記事を見て、まだまともな考え方をしている人がいることに対して嬉しく思った。
これによると、家族経営や兼業など比較的規模の小さな農家の価値や権利を守るという内容である。
多くの人が自給自足に近い農業に取り組むことによって、国民の食糧の確保に大きく寄与できる。
小農は多彩な穀物、野菜、小動物を組み合わせて行うので、無理のない自然循環が行われるようになる。
これが全世界に普及してくると、食糧不足は大幅に改善され、飢えで苦しむ人は相当数減少するだろう。
また、世界の人口が、近い将来、 90億人台に激増することが予想されており、食糧の不足や奪い合いを防止することができる。
この宣言は、すでに国連総会の委員会で採択された。
来月には国連総会で正式決議の予定である。
採択にあたって賛成の国は119カ国である。
しかし、日本は韓国などとともにこの採択を棄権している。
ちなみに棄権した国は、農産物の輸出を積極的に進めている農業大国と工業先進国で49カ国であった。
日本は自動車など工業製品の輸出を積極的に進めており、その見返りとして、農産物の輸入を積極的に推進しなければならない立場から、当然反対に回らざるを得ないのだろう。
私は10月27日の「主要農産物種子法」の廃止に反対し、工業と食料の自給を両立させないとならないと投稿した。
今の日本では、工業と国民の食糧の確保を天秤にかけ、過度の農産物の市場開放と、効率化重視、機械化、単一作物中心の大規模農業が、いかに国民の生活を破壊していくのかについてほとんど考慮されていない。
政府の方針は、グローバル企業の代弁者のようなものであるから、どうしようもない面がある。
その方向への舵取りは、物質文明至上主義、拝金主義の推進で、国民生活を不幸に陥れ、食糧難に追い込むのは、近い将来に予想される事実である。
我々国民は、自分たちの生活を、より健康的で、将来に希望を持てるものにしていくという面から、政府の政策決定については注意深く見守っていく必要がある。
そして本来人間はどう生きていくべきなのかを考える必要がある。
そうしないと、鍋に飛び込んだカエルが、だんだんお湯が温まってきて、温泉気分に浸っているうちに、最後にはゆであがって命を落としてしまうということになりかねない。
その時に慌てふためいてももう遅いのだ。

この宣言を提案したのは、南米のボリビアなどが中心となっている。
ボリビアは、スペインの植民地支配を出した後も、先進国の大資本によるさとうきびなどのプランテーション農業を押し付けられ、国民の食糧確保が困難になったという暗い過去がある。
私たちは同じような誤りを繰り返してはならないと思う。
政府が推進している無制限な規制緩和、市場開放、自由貿易の推進は、これと同様な結末を招くことが予想されるのだ。
工業も農業もお金儲けの手段とみなしていると、国民に悲惨な状態を招くと考えるのは私だけであろうか。
その証拠に田舎に行って人々の話を聞いてみると、米作りに情熱を持っている人はほとんどいない。
外米も輸入するという政府の方針に、農業生産の情熱はもう骨抜きにされてしまっているのである。
それに嫌気がさして、そもそも田舎に若者が寄り付かなくなっている。
田舎に住んでいても農業生産に意欲的な人はほとんどいない。
山は荒れ放題で、イノシシ、鹿、熊などの天国となっている。
それを打ち破るのが、自給自足を柱に据えた小農政策なのである。
この方向への推進は世界の人を救うはずである。国連の動きを注視していきたい。





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Last updated  2024.04.07 13:31:59
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