森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.04.03
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カテゴリ: 行動のポイント
宇野千代さんの言葉です。


私たちは頭で考えるのではなく、手で考えるのである。

手を動かすことによって、考えるのである。
手を素早く動かすことが、そのまま、頭を素早く動かすことになる。
どんなことをするのでも、先ず頭が、その、することを伝達する。
その伝達が、間、髪を入れないほど、素早いのは、手が、頭の伝達を、神業のように素早く受け取るからである。
私たちは、先ず、手を動かすのかと思うほど頭の伝達を素早く受け取る。
頭の動きというものは省略されているのかと思うほど、手が、手だけが素早く動くのである。小説を書くのも、手が動くのである。
どんな大傑作を書くのでも、手が動くのである。
手が動かないものは何もない。
私もときどき、頭の中だけで、大傑作を思いつくことがあるが、それは手が考えたのではないので、さて、書こうと思うと、何であったか、まるで思い出せない。
(行動することが生きることである 宇野千代 海竜社 10ページ)

私たちは不安、恐怖、違和感、不快感を持ったまま行動すると、ミスや失敗を誘発して取り返しがつかないと考えやすい。
それが事実でないことは倉田百三氏が証明されています。
倉田百三氏は、観照障害などの神経症で苦悩されました。
その状態ではとても仕事にはならないと思っておられました。
小説を書くことは神経症が治ってからにしようと思っておられました。

森田先生は、神経症を持ったまま書きなさいと助言されました。
倉田氏は森田先生の助言に従って仕方なく書くことにしました。
その時にできた小説が「冬鶯」という作品です。
あとから読んでみると非常によくできている。
自分でもそれなりに納得できるし、森田先生も高く評価された。

症状を持っていても、目の前の必要な日常茶飯事や仕事に手を出していくことが大事なことがよく分かります。
手掛けたことが出鱈目になるというのは、思い込みや先入観や決めつけが強いだけで、事実ではないということになります。
宇野千代さんの指摘されていることは、頭で考えているだけでは、次の展開は望むべくもない。行動することによって、次の展開が見えてくるということだと思います。





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Last updated  2023.04.03 06:20:05
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stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
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