森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.04.14
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カテゴリ: 認識の誤り
和田秀樹氏のお話です。

適応障害とは、生活の様々な場面で生じる日常的なストレスにうまく対処することができずに精神状態や行動面において支障をきたす病気のことを言います。
(適応障害の真実 宝島社新書 14ページ)

適応障害は適応不安が悪化したものです。
適応障害になると生活に支障をきたし、精神障害をもたらします。

そうならないためには、適応不安への対応が大事になります。
長谷川洋三氏は生活の発見誌の2月号でこの適応不安について説明されています。

困難な事態に直面したとき感じる不安を適応不安と言います。
はじめてのことに取り組むとき誰でも適応不安を感じます。
みんなが適応不安を感じるのに、神経症になる人とならない人がいます。
それは性格の問題というよりも、人間性に対する無知からきている。

例えば、卒業して仕事を始めるとき、社会の荒波の中でうまく溶け込んでやっていけるだろうかと誰でも不安になります。
自分だけがことさら強く感じるというわけではありません。
自分だけが不安になって苦しいというのは認識の誤りになります。

このことを高良武久先生は「劣等感的差別観」と言われています。
劣等感的差別観とは、自分だけが外界からの刺激に対して、特別に抵抗性が弱いとか、一般人と異なって自分が精神的に、あるいは身体的に弱点を持っていると、劣等感的に他人と自分を差別することです。
これにとらわれると、心身の弱点や欠点、心配事、劣等感、ミスや失敗を受け入れることができなくなります。

適応不安の身近な例では、土曜、日曜日の休み明けの仕事のことを考えると、気が重くなり、仕事に行くことが辛いので、仮病を使って休んでしまう人がいます。
しかし気分本位になってホッとできるのは最初だけです。

会社に行っても、普段の仕事モードになるまでにしばらくかかります。
だいたい昼くらいまではかかるのではないでしょうか。
それを我慢して仕事をしていると、そのうち調子が出てきます。

仮に仮病を使って休むと、次の日にそのような状況を体験することになります。
周りの人がすでにフル回転している時に、自分はまだ始動状態にあるのです。
気おくれした気持ちになり、下手をすると自己嫌悪に陥ります。

森田理論の学習の要点には、「初めての行動には不安はつきもの」とあります。
森田では「不安は安心のための用心である」であるといいます。
はじめての行動で、不安を感じるのは当然であり、不安があるからこそ、慎重に行動して、それを乗り越えれば成功体験を味わうことができます。





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Last updated  2023.04.14 06:31:32
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
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