森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.04.20
XML
私が以前勤めていた会社に毎月ノルマが未達の営業マンがいました。
その営業マンはうだつの上がらないお荷物社員とみなされていました。
何とか退職させようと上司から露骨な嫌がらせがありました。
営業会議では叱責のやり玉に挙げられていました。
普通ならいたたまれなくなって退職するのではないかと思いますが、よく耐えられたものだと思います。
そのうち彼は岡山、松山、東京、大阪、名古屋と転勤させられました。
家族を引き連れての度重なる転勤は大変だったと思います。
時には「あなたはうちの会社は向いていないから転職されたらどうか」と打診されることあったようです。
これに対して彼は「家族がいるので辞めません」と断っていたそうです。
彼にはどんな状況に陥っても 家族の生活を守るという確固たる意思 があったのです。

彼の行動は成績のよくない営業マンにとっては励みになりました。
彼はそういう人たちからみると希望の星になっていたのです。
彼の頑張る姿を見て自分も何とか辞めずに頑張ろうという気持ちになれたのです。
やり手の同僚たちの多くが過酷なノルマや管理職の職責を全うできずに、中途退職を余儀なくさせられる中で、肩書のない彼は最後まで生き残ることができました。

玉野井幹雄さんは、どんな人にも「ゆきづまったままに生きる」道は残されていると言われています。
玉野井さんは対人恐怖症の克服に30年ほどかかったそうです。
実際には、浮かぶこともできなければ、沈むこともできないという神経症特有の重苦しい日々の連続でしたが、 「どんなに苦しくても仕事だけは休んではいけない」 という教えだけは愚直に守り続けました。
私にとってはそれはとても辛いことでしたが、私が実践してきたことといえば、ただその「ひとこと」だったと言っても過言ではありません。
それ以外のことはかなりいい加減で、いつも失敗や後悔ばかりしておりました。

どんなに会社内で孤立していても、神経症の苦しみを抱えながらも、なんとか生活を維持・継続することが大切です。
私が神経症で苦しいときに先輩から「月給鳥」で十分ですよとアドバイスしてもらいました。タイムカードを押しに会社に行くだけでOKですよということでした。
それだけでずいぶん気が楽になりました。

また生活の発見誌からは、「超低空飛行」を心がけましょうとありました。
一旦飛行を中断すると、次に飛び立つのに莫大なエネルギーが必要になります。
超低空飛行を続けていれば、そのうち上昇気流を掴んで、大きく羽ばたくことが可能になります。
ゆきづまったときに、投げやりになって何もしないというのは問題だと思います。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2023.04.20 06:23:29
コメント(0) | コメントを書く
[不安の特徴と役割、欲望と不安の関係] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

森田生涯

森田生涯

Calendar

Comments

森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

© Rakuten Group, Inc.

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: